のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2017.08.26
XML


~創元推理文庫、1965年~
(Gaston Leroux, Le mystere de la chambre jaune , 1907)


 密室トリックを扱ったミステリーとしてあまりにも有名な作品です。
 ガストン・ルルー(1868-1929)は『オペラ座の怪人』の作者としても有名ですね(恥ずかしながら、私はまだ読んだことがありませんが)。
 それでは、簡単に本作の内容紹介と感想を。

―――
 結婚話が持ち上がっている、高名な学者スタンガースン博士の娘マチルドが、完全に密室状況の中、何者かに襲われた……。
 彼女の自室に入るには、研究室を通らなければならないが、そこには父の博士と、老僕のジャック爺さんがずっといた。中から銃声も聞こえたが、ドアには内側から鍵がかけられており、博士たちが部屋に入ったとき、マチルド以外には誰もいなかった。そして窓も、内側から施錠されていた。
 若き新聞記者にして、既にいくつかの難事件を解決に導いていたルールタビーユは、この事件に関心を示し、弁護士のサンクレールとともに、博士の住む城を訪れる。サンクレールは、マチルドの婚約者ダルザック教授の知人であった。
 現地での調査は難航し、さらに事件が発生する。
―――


 冒頭で示される謎の大きさ、被害者たち自身が何かを隠しているもどかしさ、ルールタビーユの情熱や負けん気など、とにかくわくわくしながら読み進めました。
 法廷へのルールタビーユの登場シーンは秀逸だと思います。
 いくつかの謎やキーワード(本編には直接関係ありません)の解決は、次作『黒衣婦人の香り』に委ねられているようですが、それは解説の中島河太郎さんによれば「前作よりいちじるしく劣ったものとして定評がある」(385頁)とか……。
 逆にいえば、本作『黄色い部屋の謎』が、それだけ水準の高い作品ということですね。
 ミステリー史上の位置づけはどうあれ、個人的にとても楽しめた一冊です。良い読書体験でした。
※表紙が新しくなっているようで、掲載した画像は私が持っているものとは異なります。

・海外の作家一覧へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017.08.26 13:20:52
コメント(0) | コメントを書く
[本の感想(海外の作家)] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 脳科学に…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: