坂東眞砂子『死国』
~角川文庫、 1996
年~
映画にもなった有名な長編小説。四国(特に高知県)を舞台とした、「伝奇ロマン」(背表紙より)です。
莎代里の母は、彼女をよみがえらせるため、四国 88
か所の霊場を、莎代里の歳の数だけ逆にめぐり、ついに莎代里が生き返ったといいます。一方、ある村では、男たちが順番に遍路に出るという風習がありました。
莎代里さんへの、そして文也さんへの様々な思いを抱きながら、なんとか前に進もうとする比奈子さんを待ち受けるのは……。
村の風習を守る老女。遍路を続ける男。文也さんの視点。そして、比奈子さんの視点の、主に4つの視点で、物語は進みます。莎代里さんの母の言動など、少し背筋が寒くなるようなシーンもあり、歴史というか民俗を描く要素もあり、久々( 20
年以上ぶり?)の再読でしたが、面白かったです。
(2022.09.03 読了 )
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