メーテルリンク(堀口大學訳)『青い鳥』
~新潮文庫、 1960
年~
Maurice Maeterlinck, L’oiseau bleu
, 1908
モーリス・メーテルリンク( 1862-1949
1911
年にはノーベル文学賞も受賞しています(訳者あとがき、 192
頁参照)。
あまりにも有名な『青い鳥』は童話劇。チルチルとミチルの兄妹が、「光」「イヌ」「ネコ」「パン」たちと、妖女の娘を救うため、「青い鳥」を探す旅に出ます。
「思い出」の国では、おじいさん、おばあさんや、亡くなった弟妹たちと再会します。生きている人が思い出すだけで、「思い出」の国の人々は生きている人たちに会えるというおじいさんたちの説明で、なんだかぐっときます。
「森」では、植物や動物たちが、人間にされてきたことの復讐を試みます。考えさせられる物語であり、また「イヌ」の活躍が素敵です。
また「幸福の花園」での、様々な「幸福」たちとの出会い。
旅の果てに、チルチルとミチルは「青い鳥」を見つけられるのでしょうか。(あまりにも有名なオチかもしれませんが)
妖女のセリフで、とても印象的な言葉があったのでメモしておきます。
「石はどれでも同じなんだよ。どの石もみんな宝石なんだよ。だが人間はその中のほんの少しだけが宝石だと思ってるんだよ」 (29
頁 )
久々に読みましたが、素敵な読書体験でした。
(2025.07.01 読了 )
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