能登の手染め日記

能登の手染め日記

Jul 5, 2024
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カテゴリ: 染色
本日の北陸中日新聞朝刊に能登上布の帯、アカネ染め辻が花模様が掲載されました。ありがとうございます。能登半島地震から新聞を読むたびに苦しくて珠洲と輪島、能登の親戚と穴水街中の友人知人の状態を見聞きするたびに辛くて、いつまでたっても気分が晴れなくてブログなどネット以外でコメントする気にならなかった。

3月になってアカネ畑へ行き防草シートをめくると地割れと液状化の砂の中に、アカネも野の草も生きていた。4月、土に向かいアカネの苗に水遣りをして、挿し穂を増やし、なんとしてもこの地で育てたアカネを染め上げるんだと思った。図案を描いて消して書き直してという日々、やっと彩色を終えて次に進むことができる。

北陸中日新聞 7月5日朝刊


絞り染めは妻の仕事、図案と彩色は私の仕事

アカネの染め色は媒染を変える(左は鉄媒染、右はアルミ媒染)と多彩だ

こんなアカネ畑の中にいるのが楽しくて(笑えた)

辻が花は室町時代に流行し突然消えた《幻の染め》と言われて、昭和の後半に流行り、私も図案を描いたり実際の着物で仕事もした。ただ当時から疑問だったのは、根本的に化学染料で模様の形だけ真似してカラ絞りを施した辻が花は、何か違うと思っていた(^^; だいたいこういう着物のブームは呉服業界が売らんがために盛り上げるのであって、染織の内容は、どうでも良かったように思える。

辻が花の模様の主な条件は①カチン描き(墨の線)②絞り技法 ③模様のボカシ彩色、になる。辻が花は街角の辻に咲く花、その模様を描く。能登上布は夏物の麻生地だから、初夏から初秋までの草花を模様にするので、夏椿やテッセン、ノブドウの模様を描いた。そして私は当時と同じく草木染めの地色を染めた。

隣集落で見つけたアカネの茎を10枝ほど持ち帰って増やしてから30年経って、一度は挫折したアカネ畑を実現することが出来た。工房の畑にアカネを植えてから4年、ようやく能登上布の着物と帯に染めることが出来た。

この地で草木染めをすることの意味を、一つの形にすることが出来たような気がした。いや・・・始まったばかりかな(^^ゞ

ウルシチップが手に入らない場合・・・ウルシチップの作成と販売も行っています。先ず試し染めをしてみたい方はチップ200g送料込み1,100円で販売しています。ご希望の方はshigunaru16@gmail.comまで。染め方のプリントも同封します。チップ200gで繊維200g以上染めることが出来ます。

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Last updated  Jul 5, 2024 06:22:38 PM
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