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2010.01.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類
1月も終わりに近づき、福島市の花の名所?花見山公園では蝋梅の花がかぐわしい香りを漂わせてきました。私の家の玄関先にも蝋梅の切花が飾られていて(残念ながらそれに気がついたのは夜でした)香りでなんとなく冬の終わりを感じさせられた次第です。

毎年のようにこれから雪が解けて春を迎えると、私は憂鬱な時を感じるようになります。いつの頃からか(たぶん20年ほど前からだと思いますが)地元の小さな名所(というより一息つける休憩場所)でしかなかった花見山公園に、不釣合いなほど大掛かりなカメラを担いで、早朝深夜にやってくる人たち、団体が増えてきました。
 それは写真家の秋山庄太郎が写真雑誌か何かで紹介したことから始まるらしいのですが、秋山庄太郎が写真家として有名であることはわかっていましたが、普段何気なく見ている花見山が全国的に有名になったことにはその当時から違和感がありました。
 元々車がすれ違うのにさえ狭い道路しかないところに、片側だけでなく両側に車を止めて写真撮影するものだから地元の人(私も含めて)は車を走らせられない、玄関前に車を止める不届き者もいて家から出られないという状態まで発生しました。加えて、行政が人気に便乗して未整備でなおかつ私有地であるにも関わらず観光案内をしたおかげて、観光バスまでやってくることになり・・・一般の車でさえすれ違うのに大変な道路に大型観光バスがやってきたらどうなるのか、簡単なことを考える知識もなかったのでしょうね、現場を見ずして何かを決める人たちには。
 それから、道路規制を敷き、観光客向けに地元とは関係ない物販エリアを作ったり、人が途絶えて寂しい街中とのコラボをしてみたりと、花の美しさとはあまり関係なさそうなイベントを展開して、結局誰も喜ばない状況が現在まで続いています。

誰も喜ばない理由は、1.地元の人はシーズン時期、生活に不便を感じる(交通規制、深夜早朝の騒音、生活エリアと観光エリアの混合) 2.観光客は長い時間バスを待たされる、道路が不便 3.観光客目当ての商売は一部の有名土産店の商品のみよく売れる(どうして福島市で薄皮饅頭やらエキソンパイなんでしょう?)そして一番喜んでいないのは、花見山に咲き誇る花々だと思うのです。

花見山公園は園主の阿部さんが家族で育て上げた立派な庭園と花々を無料で開放しているすばらしい場所だと思います。程よい散策路が設けられた山すそから見渡す光景は、確かに「桃源郷」と言えるような風景かもしれません。しかし、それは花見山という山そのものではなく、花見山周辺に広がる風景にとって当てはまる言葉だと気がつく人はどれだけいるでしょうか。
 花見山周辺は梅・桃・桜といった花卉販売を目的として育てられていた花々です。本来であれば切花として出荷するために、山で咲きそろうということはありえないはずなのです。実際に私が小さかった頃はこれほどまでき花が咲いているエリアは広くありませんでした。それが季節に合わせて花が咲いているということは、切花として出荷されなかった花が咲いているのであって、花を手入れしている人がいなくなったということを意味しているのです。 花見山周辺の花が咲き乱れているのは、本来切花として違う土地で咲き誇りたかった花々が思い叶わず、その原木で花を咲かせざるを得なかった無念の思いがある、私にはそう見えてなりません。

すこし話がそれてしまいますが、某JRの昨年の花見山PRポスターにこんなコピーが使われていました。「子どもたちが誇らしげに言った『このまちには桃源郷があるんだよ』と」 嘘です、こんな嘘のコピーには本当の地元人は納得できません。 花見山の時期には、道幅一杯に広がって傍若無人に荒しまわる(?)観光客と静かな山間でがなりたてる物売りの声・・・ 静寂の中で小鳥のさえずりが聞こえていた、小さな春を感じさせていた花見山が無くなってしまった・・・ 花見山の花だけの写真なら桃源郷と思うかもしれません。でも、その花が霞む(?)ほどの人出で賑わう花見山は、どうしても違和感を感じてしまうのです。むしろ信達地方の果樹桃畑の桃の花が咲き競う光景のほうが「本当の桃源郷」なのではと思えます。


 それがいつの間にか全国的に有名になり、多くの人が訪れ、観光地としていこうとする動きがある・・・

 けれども、後10年か20年後には花見山そのものの美しさは残ったとしても、周辺は里山としての美しさから朽ち果てて、周りの山々と同じように新緑だけの山の姿に戻ってしまうのではないかと思います。もしかすると下手な開発の手が入り、観光里山のような見せかけの山となってしまうかもしれませんね。

 花見山周辺の今の姿は、死に絶える前に最後の輝きを見せる超新星のような状況かもしれないのです。そして、こんな言葉がきかれるようになるかもしれませんね。「その昔、渡利には2つの有名になった場所があったんだ。一つは夏場にウスバカゲロウが大発生した松齢橋、もう一つは桃源郷とか言われた花見山。どちらも環境破壊に警鐘を鳴らしていたんだけれど、誰も気がつかないうちに無くなっちゃったねぇ・・・」と。





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Last updated  2010.01.29 10:30:00
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