仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.05.25
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カテゴリ: 雑感
最近気になっている事が、「正しい」という言葉の使い方。失敗学の畑村洋太郎さんの文章を読んで、どうしても忘れられず、1週間しても記憶の相当上位の方に残っている。

それは、例えば次のよう。1年前のJR西日本福知山線の脱線事故は、電車が巻き付いたままのマンションを買い取って、そのままの姿で保存するのが「正しい」。氏は、「動態保存」というのだそうだが、それによってこそ失敗が社会の共有財産になる。また、失敗から何を学び今後どうするかのためには、利害関係のない立場の人間が究明して情報発信する必要がある(勝手連事故調査)。実際に、六本木ヒルズの回転ドア事件について実践しておられるそうだが、当事者でも警察でもない立場で、幅広く関係者の理解と協力を得て進めているそうだ。後代に伝えたい、また安全対策として自分の会社も生かしたい、という表に出ない気持ち、立場上動きにくい事情を、勝手連でうまく掬い上げていること、その着眼と行動力に大変敬服します。(当該文章は『中央公論』2006年6月号)

そこで、「正しい」の使い方なのだが、氏の立場からずばっとそう言われると、何か鋭い説得力を感じる。編集長(私)などは、日頃、あ~あなたはこういう意見ですが、うん私はこうで、まあ、ということはあの点で意見が違うのですね、これは重要な点ですな、その意味では一致しているから、さて、それでは... なんて感じ。相対的な対応ではなく、絶対的にこうだ、おれはこうだ、これが「正しい」と言える素晴らしさ!

自分の見解を明快にすることこそが、かえって相手との関係をハッキリさせる。個にこだわることこそ普遍性につながる。国際関係や教育論でも通じる。

そんなことを思っているので、どうしても頭から抜けないようだ。





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最終更新日  2006.05.25 06:25:02
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