おでん先生のお茶の間ディベート

おでん先生のお茶の間ディベート

2022年09月11日
XML
「歴史探偵」という番組がある。
https://www.nhk.jp/p/rekishi-tantei/ts/VR22V15XWL/
俳優佐藤二朗 が探偵所の所長になって様々な歴史の謎を考察していくという番組だ。
今日は千利休についての番組だった。
彼は小田原攻めの時にまで秀吉に随行する立場であったのに、最後はなぜ切腹を命ぜられたのかがテーマであった。
当時茶の湯の文化は武士のたしなみとされていた。
織田信長が茶の湯を愛したからだが、秀吉もその文化を受け継いだ。
その番組の中で何を学んだのか。
千利休は「制約」をうまく生かした文化人であったということだ。
制約があれば「できない」ことを引き出すのが一般的だ。
しかし、彼はその制約をより高みのあるものに昇華させた。
ディベートのターンアラウンド的な考え方だ。
制約があるからこそ
俳句や短歌が生まれた。
17音で何が表現できるのだ?と人は思うが俳人はこの17音で実に様々な表現をしている。
また日本の国技である「相撲」も
あの狭い土俵で48手と言われる技を組み合わせて
競技を行う。
あんなの相手を土俵から出せばいいんだろう
と思っていたらそうでもないらしい。
横綱白鵬が力任せに押し出した試合を観ていた評議員たちがあれは横綱の試合ではないと物言いをつけたことがあった。
おそらく相撲という「スポーツ」として捉えれば
相手を土俵から出せばよいのだが
神事を起源とする「伝統文化」として捉えたときにそれではいけないと思われたのだろう。
いずれにしろ狭いからおもしろくないとは多くのファンは思ってはいまい。


……………………………………………………
1 身の回りの物で
……………………………………………………
彼の茶室の中にある花器などの器は取り立てて高価なものではなかったという。庶民が使っていたものでも趣向を凝らせば客人を楽しませることができる。
彼は商家の生まれではあったが、豪商ではなかったため超一流の調度品を用いるのではなく
身の回りにあるものでなんとかしようとした。
このような制約があるからこそ、客人には身の回りの物を工夫して使うことで楽しんでもらいたいと思ったのだろう。
……………………………………………………
2 茶室の仕掛け
……………………………………………………
彼の茶室は入り口が狭い。身をかがめて、入らねばならず、武士の魂と言われた「刀」を身につけていては入れない。このような不便な入り口をなぜわざわざ作ったのか。
茶室の中ぐらいは物騒な物を忘れて心穏やかにしたいという考え方だ。また、茶室の中では武士も商人も同じ一人の人間として存在を認めることで、人は平等であるという利休の哲学が表現されているのだという。
また、通常の茶室が四畳半であったのに対して利休の茶室は二畳しかない。しかも窓が小さく薄暗い。
この一見マイナスに見える働きは、プラスの働きを期待して設定されたという。
狭いことで、隣の人間との距離はおのずと近くなる。
しかも、薄暗いせいで隣の人を意識する必要がなくなる。そこに招かれた客人同士が一体感を感じることができる。
先の入り口の話と一緒に考えると、利休の茶室内は世間の人間関係とは異なった特別の空間づくりが演出されていると言える。
その中では、招かれた客人同士、身分の差もなく一人の人間として平等であるという思想が感じられるのだという。
……………………………………………………
3 高級な物の価値転換
……………………………………………………
彼は器にも改良を加えた。
それまでの器は中国から輸入された磁器である。
ろくろを使い、きれいな形で薄手である。薄手だが硬質であるというのがそれまでの焼き物とはことなるところである。
そういうのが高級な器という価値観があった。
しかし、茶の湯を楽しむためには、器を手のひらに収めたときに、ほどよい温かさであることが求められる。
中国製の磁器では手のひらが熱くなってしまう。
また、工業製品的なきれいな形の物は人の手のひらにはフィットしない。
そのため利休は焼き物に、厚さと手作り感を求めた。
茶の湯を楽しむための器はこのようにして一つずつ手作りで作られたのだそうだ。
このように
マイナス的な価値観を
転じて
プラスに変える
ディベートは知らなかったであろう戦国時代の人々にもターンアラウンドの技術はあったわけである。
ターンアラウンドという技法はむしろ生活の知恵の中から生み出されたものであると言えよう。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022年09月11日 08時58分49秒
[ディベート的雑ネタ・論題ネタ・資料] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: