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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[20]】はキョウチクトウ科の植物です。第4回は、キョウチクトウです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウは、インド原産のキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑小高木で、観賞用として庭などに植えられています。明代に中国に入り、日本には江戸時代中期に伝来したといわれています。花・葉・枝・根・果実すべての部分と周辺の土壌にも毒性があり、生木を燃した煙も毒性があるということなので、要注意です。(2014年6月23日撮影)。☆キョウチクトウの葉は、厚い革質で細長い長楕円形です。キョウチクトウの葉は3枚が輪生するそうですが、3枚が輪生するものと2枚が対生するものがあるようです。調べてみると、キョウチクトウの葉は普通3枚が輪生しますが、4枚が輪生するものや2枚が対生するものがあるそうです。(2016年6月28日撮影)。☆このキョウチクトウの木では、一番上と2段目は3輪生、3段目と4段目は2枚が対生しています。キョウチクトウは、乾燥や大気汚染に強いので、高速道路や一般道路など街路樹に利用されています。これは、葉の裏側にあるくぼみの開口部が狭く内部に毛が密生しており、自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くフィルターの役割をしているからだそうです。気孔は、くぼみの奥のほうに隠れているので水分の蒸散量が抑えられるので、乾燥に対する耐性が強くなっているそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花期は6~8月で、枝先に集散花序をつけます。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花の萼片は、5枚で披針形。萼片の外面には、花柄とともに短毛があるそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花は、一重咲きのものは花冠が5つに分かれており、左巻に回転しているような形になっています。花の中央には、先が細く尖っている副花冠があります。(2016年6月28日撮影)。☆副花冠は、花冠や雄蕊の一部が変形してできたものだそうですが、ナデシコなどでも見ることができます。花の中央でふんわりとした棍棒状やねじった毛糸の束のように見えるものは、雄蕊の葯の付属体だそうです。5本の雄蕊や雌蕊はこの下にあり、見えないそうです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウ(夾竹桃)の名は、中国名の「夾竹桃」の音読みで、葉が細長く「竹」の葉に似ており、花が「桃」の花に似ていることに由来するそうです。「夾」の字には「はさむ」や「入り混じる」の意味があり、「竹」と「桃」の特徴を持っていることを意味するようです。(2016年6月28日撮影)。☆キョウチクトウの花言葉は、「危険な愛」「注意」「危険」「「用心」「油断大敵」「心の平和」などだそうです。これは、花・葉・枝・根・果実すべての部分に毒性があることに由来するのでしょうか。花の色は、ピンク・黄色・白など、さまざまな園芸種があります。花の形は、一重咲きや八重咲きもあります。(2012年6月22日撮影)。
2019.01.25
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[19]】はウルシ科の植物です。第5回は、ヤマウルシです。(2018年7月2日撮影)。☆ヤマウルシは、北海道から九州の山地や丘陵に生えるウルシ科ウルシ属の落葉低木です。林の中で見つけたウルシの仲間の低木、葉の形などからヤマウルシと考えました。(2018年7月2日撮影)。☆ヤマウルシの葉は互生で、長さ20~40センチの奇数羽状複葉で、小葉は4~8対、葉軸は赤褐色を帯びています。ウルシ科ウルシ属では、ヤマウルシ、ハゼノキ、ヤマハゼが似ているそうです。いずれも奇数羽状複葉で、小葉は4~8対です。ただし、小葉の側脈の数が、ヤマウルシは6~10対、ハゼノキは20~30対、ヤマハゼは13~20対です。ヤマウルシの幼木の小葉には明瞭な鋸歯があり、成長するにつれて鋸歯が無くなり全縁になるそうです。(2018年7月2日撮影)。☆ヤマウルシの小葉を観察してみました。小葉の側脈の数は8~10対で、明瞭な鋸歯があり、ヤマウルシの幼木の小葉の特徴がよくわかります。(2018年7月2日撮影)。☆こちらの写真は、昨年秋に観察したヤマウルシです。成木のようで、小葉は全縁になっています。(2017年10月10日撮影)。☆ヤマウルシは雌雄別株で花期は5~6月、花序は長さ15~30センチで黄緑色の小さな花を円錐状に多数つけます。(2012年5月17日撮影)。☆これは、雄株の雄花序です。萼片は5個、花弁は5個で長さ約2ミリの狭長楕円形で反り返り、雄蕊は花の外に突き出ています。花序の軸には粗い毛が密生しています。(2012年5月17日撮影)。☆雄花序を拡大して見ました。小花の外側には萼片、反り返っている花弁、花の外に突き出ている5本の雄蕊、花序の軸には粗い毛が密生しているのがわかります。(2012年5月17日撮影)。☆ヤマウルシ(山漆)の名は、漆を採るために植栽されている「ウルシ」に似ていて「山」に生育することから。ウルシ(漆)の名は、潤液(ウルシル)の略、潤為(ウルシ、光沢のでる作業)の意、塗汁(ヌルシル)の略などの説があるそうです。ウルシは、中国原産で、縄文時代以前に朝鮮経由で渡来し、栽培されるようになったと言われています。(2012年5月17日撮影)。☆ヤマウルシの花言葉は、「権威」「触れないで」「独立」「厳格」「復讐」「満足」「安心」「頭脳明晰」などだそうです。(2018年7月2日撮影)。
2019.01.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[19]】はウルシ科の植物です。第4回は、ハゼノキです。(2012年10月21日撮影)。☆ハゼノキは、関東地方南部以西〜沖縄の山野に生えるウルシ科ウルシ属の落葉小高木です。日本には、果実から木蝋を採取する資源作物として、江戸時代頃に琉球王国から持ち込まれました。高さ7~10メートル、直径は8~12センチになります。観察したハゼノキは、鉢植えであったことをお断りしておきます。ハゼノキは雌雄別株で、花期は5~6月、黄緑色の小さな花を円錐状に多数つけるそうです。☆ハゼノキの葉は互生で、長さ20~30センチの奇数羽状複葉で、4~8対の小葉があります。☆小葉は、長さ5~12センチ、幅1.8~4センチの広披針形から狭長楕円形で、全縁、先端は長く尖っています。☆ハゼノキの果実は、直径9~13ミリの扁球形の核果です。9~10月に表面に光沢がある淡褐色に熟し、その後外果皮が剥がれて、縦筋のある白いロウ質の中果皮が露出します。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆薄い外果皮が剥がれると、白い中果皮があります。中果皮は粗い繊維質で、その間に高融点の脂肪を含んだ顆粒が充満しているそうです。そのため、和蝋燭のロウを果実から採るために栽培され、拡がったそうです。☆ハゼノキ(櫨の木、黄櫨の木)の名は、日本に自生するウルシ科の樹木で「ハゼ」と称していたヤマウルシやヤマハゼと区別するために、「ハゼノキ」と名づけられたそうです。ハゼ(櫨、黄櫨)の名は、樹皮を使って染色をしたことから、ハニシメ(埴にしめ)、ハジ(黄櫨)と呼ばれ、そこから転じて「ハゼ」となったそうです。☆ハゼノキの花言葉は、「真心」だそうです。ハゼノキの実が蝋の材料に使われ、実の肉をほぐして火をつけると燃え上がることから「真心」という花言葉が生まれたそうです。
2019.01.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[19]】はウルシ科の植物です。第3回は、ヌルデです。(2016年6月17日撮影)。☆ヌルデは、北海道から沖縄の日本全土の平地から低山地の林縁にふつうに生えるウルシ科ヌルデ属の落葉小高木です。高さ5~10メートル、幹の直径は10センチほどになります。ヌルデは雌雄別株で、花期は8~9月、小さな花を円錐状に多数つけるそうです。(2017年9月26日撮影)。☆ヌルデの樹皮は、褐灰色で楕円形の皮目が多いそうです。若枝には、黄褐色の毛が密生するそうです。(2017年9月26日撮影)。☆ヌルデの葉は互生し、奇数羽状複葉で小葉は3~6対あります。(2017年9月26日撮影)。☆ヌルデの葉は、9~13枚の小葉からなる奇数羽状複葉ですが、何といっても小葉と小葉の間の葉軸に翼があることが特徴です。(2016年6月17日撮影)。☆ヌルデの小葉は長楕円形で縁には粗い鋸歯があり、小葉と小葉の間の葉軸に翼があります。(2016年6月17日撮影)。☆葉の上から見た葉軸の翼です。(2012年9月2日撮影)。☆ヌルデの木に鮮やかな赤色の奇妙な形をした果実のような虫こぶ(虫えい)があり、調べてみると、ヌルデハベニサンゴフシ(白膠木葉紅珊瑚付子)とわかりました。資料によると、虫こぶの名付け方の多くは「形成される植物+その部位+形態の特徴+フシ」だそうです。この場合は、形成される植物(ヌルデ: 塗る手・白膠木)、その部位(ハ:葉)、形態の特徴(ベニサンゴ: 紅珊瑚)、フシ(付子・五倍子)ということになるそうです。フシは付子・五倍子で、本来はヌルデミミフシを指すそうですが、虫こぶ一般をさす語として使われているようです。(2017年9月26日撮影)。☆ヌルデ(白膠木)の名は、この木の幹を傷つけると白いにかわ(膠)のような樹液が出て、これをウルシなどのように器具に塗っていたので、「塗る手」になったそうです。漢字名の「白膠木」は、白いにかわ(膠)のような樹液が出る木に由来します。(2017年9月26日撮影)。☆ヌルデの花言葉は、「信仰」「知的な」「華やか」「壮麗」などだそうです。(2016年6月17日撮影)。
2019.01.19
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[19]】はウルシ科の植物です。第2回は、ツタウルシです。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシは、北海道から九州の山地の落葉樹林内に生えるウルシ科ウルシ属の落葉つる性植物です。(2016年8月3日撮影)。☆ツタウルシは、蔓から気根を出して、他の木の幹を這い上っていきます。ツタウルシの樹皮は黒褐色で、小さい皮目が無数にできるそうです。ツタウルシは、日の当たる樹冠部で枝を広げます。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシの葉は互生で、3出複葉です。小葉は卵形または楕円形で、先は短く尖っています。成木の葉は全縁ですが、幼木の葉には粗い鋸歯があります。葉にウルシオールを含んでいるので、体質によってはウルシと同じようにアレルギー反応で、かぶれることがあるそうです。ツタウルシは、野生のウルシの仲間の中では、かぶれる毒性分の強さが最も強いそうです。(2016年8月3日撮影)。☆ツタウルシの葉は、秋には紅葉します。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシは、雌雄異株です。これは実が見えますので、雌株です。ツタウルシの花期は5~6月で、葉腋から総状花序を伸ばし、黄緑色の小さな花を多数つけるそうです。(2016年8月3日撮影)。☆ツタウルシの果実は核果で、8~9月に黄褐色に熟し、直径5~6ミリの扁球形で縦の筋があり、表面には短い刺毛が散生します。写真では、表面に散生する短い刺毛がわかります。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシの果実は、後に黄褐色の外果皮が剥がれ、白いロウ質の中果皮が露出します。黄褐色の外果皮のある果実とともに、外果皮が剥がれて白いロウ質の中果皮が露出した果実が見えます。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシ(蔦漆)の名は、つる性植物でツタ(蔦)のような樹形であることと、ウルシの仲間であることに由来します。日本漆総合研究所のホームページによると、ウルシ(漆)の語源は、「うるしる(潤汁)」、「ぬるしる(塗汁)」、「麗し(うるわし)」とも「潤し(うるおし)」ともいわれているそうです。(2017年10月11日撮影)。☆ツタウルシの花言葉は、「変動に耐えよう」「頭脳明晰」だそうです。(2017年10月11日撮影)。
2019.01.18
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[19]】はウルシ科の植物です。第1回は、スモークツリー(煙の木)の花と果実です。(2013年6月24日撮影)。☆スモークツリーは、中国中部、ヒマラヤから南ヨーロッパ原産で、雌雄異株のウルシ科ハグマノキ属の落葉小高木です。高さは、5~8メートルになります。(2014年5月20日撮影)。☆スモークツリーの樹皮からはタンニンが取れ、幹からは染料が採れます。幹から採取した染料は、生地を黄色く染めるのに利用され、原産地の中国では皇帝が着用する衣類に用いられていたそうです。(2013年6月24日撮影)。☆スモークツリーの葉は互生し、卵形から倒卵形です。表面は暗緑色、裏面は灰緑色で秋には黄化します。(2013年6月24日撮影)。☆スモークツリーの花期は5~6月で、花序は20センチほどの長さになります。「スモーク」状に見えるのは、雌株の花序です。(2013年6月24日撮影)。☆花茎からたくさんの花柄が出て、その先に3ミリ程の小さな5弁花を咲かせます。(2014年5月20日撮影)。☆スモークツリーの花序は、実になる花は少数だけで大多数は不稔花です。この写真でも実ができている花柄は1本だけです。実がついている花柄は緑色で、毛は見えません。先端に実が付かない不稔花の花柄にはたくさんの細い毛があり、開花後に花柄が細長く伸びてきます。(2012年6月9日撮影)。☆実が熟すと茎が折れて、風に乗って飛んでいきます。不稔花の細い毛がたくさん生えた花柄が長く伸びるのは、風に乗せて実(種子)を飛ばし種の拡大をはかるためです。全体がもやもやとスモーク(煙)のように見えます。これなら、風の力を利用して、実(種子)を遠くまで飛ばすことができそうです。(2013年6月24日撮影)。☆スモークツリー(煙の木)の名は、開花後の花穂が煙のように見えるところに由来します。和名のハグマノキ(白熊の木)の名は、その姿をハグマ(ヤクのしっぽの白毛)で作られた仏具の払子(ほっす)に見立てたものです。(2015年6月9日撮影)。☆スモークツリーの花言葉は、「煙に巻く」「はかない青春」「賑やかな家庭」「賢明」などだそうです。「煙に巻く」は花が咲くと木から煙が上がったように見えることからつけられ、「はかない青春」は煙がすぐに消えてなくなるさまを短い青春に例えたことに由来するそうです。(2013年6月24日撮影)。
2019.01.17
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第5回は、ヤマブドウです。(2013年9月18日撮影)。☆ヤマブドウは、北海道・本州・四国の山地に生えるブドウ科ブドウ属の落葉性の蔓性木本です。☆ヤマブドウの葉は互生し、葉身は五角状円心形で、直径30センチもの大きさになり、日本で野生に生えるブドウの中では葉が最も大きくなります。通常は浅く3つに分かれ、縁には浅い鋸歯があります。☆ヤマブドウの花期は6月で、葉に対生して円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つけます。花序からも巻鬚を出すそうです。9月でしたので、花は観察できませんでした。ヤマブドウは、雌雄異株です。☆ヤマブドウの果実は球形の液果で、房になって垂れ下がります。10月には黒紫色に熟し、食べることができます。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、柔らかい果実のことです。☆ヤマブドウ(山葡萄)の名は、文字通り山に生える葡萄です。「葡萄」の名は、ギリシア語の「botrus」が中国に伝わって音訳で「葡萄」の文字が当てられ、さらに日本に伝わって音読みして「ぶだう」から「ぶどう」になったという説がありました。☆ヤマブドウの花言葉は、「陶酔」「好意」「信頼」「思いやり」「親切」「慈善」「酔いと狂気」「人間愛」などだそうです。ブドウ酒を作ることができることと関係があるのでしょうか。
2019.01.16
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第4回は、ヤブカラシの花です。(2013年6月24日撮影)。☆ヤブカラシ(ヤブガラシ)は、北海道西南部以南から沖縄に分布し、藪や畑に生えるブドウ科ヤブカラシ属のつる性多年草です。(2013年6月24日撮影)。☆ヤブカラシの茎には、稜角があります。(2014年6月24日撮影)。☆ヤブカラシの葉は互生で、5小葉からなる鳥足状複葉です。頂小葉が大きく長楕円形です。頂小葉は長さ1~3センチの柄があり、長さ4~8センチの狭卵形で先が尖り、波状の鋸歯があり、鋸歯の先は小さな突起になっています。側小葉は、柄が短く頂小葉より小型です。(2016年8月5日撮影)。☆ヤブカラシの花期は6~8月で、葉と対生して扁平な散房状の集散花序をつけます。(2012年7月8日撮影)。☆ヤブカラシの花は、大きさが直径5ミリ程度で、薄緑色の花びらが4枚、雄蕊が4本です。橙色の花盤の中央に黄色い雌蕊が1本あります。(2013年6月24日撮影)。☆開花直後のヤブカラシの花です。薄緑色の花びらが4枚、雄蕊が4本、橙色の花盤の中央に黄色く短い雌蕊が1本あります。花盤には、周りに溢れだしそうな蜜が見えます。蜜を求めて昆虫がやってきます。ヤブカラシは雄性先熟の花で、雄蕊が先に熟して花粉を出します。花びらと雄蕊は、開花後半日ほどで散ってしまいます。(2016年8月5日撮影)。☆左側には、雄蕊の葯から花粉が出ており、雌蕊が短い雄性期(雄蕊成熟期)の花が見えます。右側には、花びらと雄蕊が落ちて花盤が橙色から淡紅色に変わり、雌蕊が長く伸びた雌性期(雌蕊成熟期)の花が見えます。(2013年6月24日撮影)。☆ヤブカラシ(藪枯らし)の名は、つるが巻き付き、藪の植物を枯らしてしまうほど繁殖することから。繁殖力が強く、地下で根茎を横に伸ばし、広がっていきます。別名ビンボウカズラ(貧乏葛)とも呼ばれています。関東以西に分布する2倍体のものはよく結実しますが、近畿以東に分布し東日本に多い葉が全て5小葉の3倍体のものは結実しないそうです。(2016年8月5日撮影)。☆ヤブカラシの花言葉は、「攻撃性に富んだ」「積極性のある」「不倫」だそうです。他の植物の枝や幹に絡みついて広がっていくことから名づけられたようです。(2014年6月30日撮影)。
2019.01.15
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第3回は、ノブドウです。(2014年11月14日撮影)。☆ノブドウは、北海道から九州・沖縄の山野に生えるブドウ科ノブドウ属の蔓性落葉低木です。(2014年6月27日撮影)。☆ノブドウは、2分岐した巻きひげで他物にからみつき、茎は暗灰褐色で節の部分は膨らみます。茎は毎年枯れますが、基部は木質化して直径4センチほどになります。枝は、初め粗い毛が密生しますが、のちに無毛になります。写真では、若い枝に粗い毛が密生しているのがわかります。(2014年6月27日撮影)。☆ノブドウの葉は互生で、葉身は長さ8~11センチ、幅5~9センチのほぼ円形で、3~5つに分かれます。裂片の先は尖り、縁には粗く浅い鋸歯があります。(2016年6月28日撮影)。☆なお、葉が深く切れ込むものをキレハノブドウといいます。(2012年10月30日撮影)。☆ノブドウの花期は7~8月で、葉と対生して集散花序を出し、小さな花を多数つけます。(2016年6月28日撮影)。☆ノブドウの花は、直径3~5ミリ、花弁は5枚、雄蕊は5個、雌蕊は1個です。(2013年7月14日撮影)。☆ノブドウの花は、雄性先熟の花です。花が咲いた直後は雄性期・雄蕊成熟期で、花びらと雄蕊が落ちた後に雌性期・雌蕊成熟期になります。(2016年6月28日撮影)。☆ノブドウの果実は液果で、熟すると濃い青紫や薄い青紫や赤紫になります。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、柔らかい果実のことです。(2012年10月30日撮影)。☆ノブドウ(野葡萄)の名は、文字通り野に生える葡萄です。「葡萄」の名は、ギリシア語の「botrus」が中国に伝わって音訳で「葡萄」の文字が当てられ、さらに日本に伝わって音読みして「ぶだう」から「ぶどう」になったという説がありました。(2012年10月30日撮影)。☆ノブドウの花言葉は、「慈悲」「慈愛」「人間愛」などだそうです。
2019.01.14
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第2回は、ツタの花です。(2014年7月20日撮影)。☆ツタは、北海道から九州の林内や林縁に生えるブドウ科ツタ属の落葉性のつる性木本です。(2014年7月20日撮影)。☆蔓(枝)は無毛で皮目があり、短枝があります。蔓は太いものでは、直径4センチになります。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの巻ひげは分岐し、分岐の先は吸盤になります。左下から右上に伸びている枝先に、3本に分かれている巻きひげが見え、先端が丸い吸盤になっているのがわかります。吸盤は、張りつく機能だけで、水分や養分を吸収することはないそうです。なお、巻ひげは、葉が変化したものです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの葉は、2つの形があるそうです。花がつく枝の葉は、葉柄が長く、葉身が大きくて先が3つに分かれ、表面には光沢があります。写真では、葉柄が長く、葉身の先が3つに分かれ、表面に光沢があるのが、よくわかります。紅葉したツタの葉は、ツタモミジ(蔦紅葉)といいます。(2012年11月9日撮影)。☆花がつかない長枝の葉は、葉柄が短く、小さくて切れ込みのないものや、3小葉になるものがあるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの葉は、鋸歯の先に小突起があります。よく似たツタウルシの葉は、鋸歯の先に小突起がないので、区別できるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花期は6~7月で、短枝につく長さ3~6センチの集散花序に小さな黄緑色の花を多数つけます。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花は、萼は杯状で先端が5つに分かれ、花弁は5枚、雄蕊は5本です。花の中央から、薄い黄緑色の雌蕊花柱が伸びているのが見えます。ツタの花は雄性先熟で、開花後の雄性期には花びらと雄蕊があります。花粉を出しきると花びらや雄蕊が落ちてしまい、雌蕊だけの雌性期になります。ツタの果実は、直径6~9ミリのほぼ球形で、種子が1~3個入っており、秋に藍黒色に熟します。(2014年7月20日撮影)。☆ツタ(蔦)の名は、樹木や壁を伝っていくので「伝う(つたう)」に由来する説や「蔓(つつら)」に由来する説があるそうです。「蔦」の字は、中国で「細長く垂れ下がる」という意味があるそうです。(2014年7月20日撮影)。☆ツタの花言葉は、「誠実」「結婚」「勤勉」「不滅」「永遠の愛」「死んでも離れない」だそうです。由来は、蔦は枯れにくく育ちが良いことや、壁や木などに絡まると離れないことから生まれたという記事がありました。
2019.01.13
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年10カ月、連載は連続2,500回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[18]】はブドウ科の植物です。第1回は、ブドウ科の植物の特徴です。写真は、ノブドウです。◎落葉性の蔓性木本で他の植物の枝や幹に絡みついて広がっていく。☆写真は、ツタです。蔓は太いものでは、直径4センチになります。ツタの巻ひげは分岐し、分岐の先は吸盤になり、幹に張りつきます。☆写真は、ヤブカラシです。つるが巻き付き、藪の植物を枯らしてしまうほど繁殖します。◎葉は互生し単葉または複葉である。☆写真は、ツタです。ツタの葉は互生で単葉、花がつく枝の葉は、葉柄が長く、葉身が大きくて先が3つに分かれ、表面には光沢があります。☆写真は、ヤブカラシです。ヤブカラシの葉は互生で、5小葉からなる鳥足状複葉です。◎花序は葉と対生します。☆写真は、ノブドウです。葉と対生して集散花序を出し、小さな花を多数つけます。◎両性花では雄性先熟で雄蕊が先に熟して花粉を出す。☆自家受粉(自分の花の花粉で受粉すること)を避け、他家受粉(他の花の花粉を受け取って受粉すること)します。同じ種の中でも、多様な遺伝情報を受け取ることによって、個体の生命力を高めるための巧妙な仕組みです。写真は、ノブドウです。花が咲いた直後は雄性期・雄蕊成熟期で、花びらと雄蕊が落ちた後に雌性期・雌蕊成熟期になります。☆写真は、ヤブカラシです。中央には、雄蕊の葯から花粉が出ており、雌蕊が短い雄性期(雄蕊成熟期)の花が見えます。周りには、花びらと雄蕊が落ちて花盤が橙色から淡紅色に変わり、雌蕊が長く伸びた雌性期(雌蕊成熟期)の花が見えます。◎果実は柔らかな果肉を持つ球状の液果で秋に熟す。☆液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、柔らかい果実のことです。写真は、ノブドウです。ノブドウの果実は液果で、熟すると濃い青紫や薄い青紫や赤紫になります。☆写真は、ヤマブドウの果実です。ヤマブドウの果実は球形の液果で、房になって垂れ下がります。10月には黒紫色に熟し、食べることができます。
2019.01.12
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☆10月24日から25日、千葉県銚子市へ行きました。銚子市の海辺の植物について、順次紹介しています。第5回は、トベラです。(2018年10月25日撮影)。☆トベラは、本州(日本海側は新潟県以南、太平洋側は岩手県南部以南)から四国・九州・沖縄の海岸に生えるトベラ科トベラ属の常緑低木または小高木です。下部からよく分枝し、ふつう高さ2~3メートルになりますが、大きいものは高さ8メートル、直径10~20センチになるそうです。常緑で光沢がある葉を密生し、潮風や乾燥に強いので、観賞用や街路樹として植えられています。☆今年枝は淡緑色で、微軟毛がまばらに生えています。☆前年枝は灰緑色で、円い皮目があります。☆葉は互生で、枝先に輪生状に集まります。葉身は長さ5~10センチ、幅2~3センチの倒卵形または長倒卵形で、先は丸く、基部はくさび形で葉柄に流れています。革質で表面は深緑色で光沢があり、縁は全縁で、しばしば裏側に巻きます。☆トベラは雌雄異株で花期は4~6月、本年枝の先に集散花序を出し、直径2センチほどの白い花を多数つけるそうです。10月で果実ができていますが、これは雌株です。☆トベラの果実は蒴果(さくか)で、直径1~1.5センチの球形です。秋から冬(10~12月)に灰褐色(黒褐色)に熟すと、3つに分かれます。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆1個の果実は、粘った赤い種子を8~12個出します。写真の左の果実には、種子が12個以上見えます。種子は、長さ6~7ミリのゆがんだ腎形で、粘液質に包まれています。☆トベラ(扉、海桐)の名は、枝葉を切ると酷い悪臭がするため、節分にイワシの頭などとともに魔よけとして戸口に掲げられたので「扉の木」と呼ばれ、これが転じて「トベラ」となったそうです。学名は「Pittosporum tobira」で、種名に「トビラtobira」がついています。「海桐」は、漢名です。☆トベラの花言葉は、「偏愛」「慈しみ」だそうです。
2019.01.04
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☆10月24日から25日、千葉県銚子市へ行きました。銚子市の海辺の植物について、順次紹介しています。第2回は、シャリンバイです。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイは、東北地方(宮城県・山形県以西)から四国・九州・沖縄の海岸から海岸に近い山地に生えるバラ科シャリンバイ属の常緑低木~小高木です。常緑樹で艶のある葉が美しく刈り込みに耐えるので、公園や庭木として植えられています。また、乾燥や大気汚染に強いので、道路脇の分離帯に生垣として利用されます。自生しているものは、東伊豆でも観察したことがあります。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイの葉は互生し、革質で光沢があり、長楕円形から楕円形、広楕円形や卵形もあります。この写真でもわかりますが、葉の縁には浅い鋸歯がまばらにあります。葉が広いものをマルバシャリンバイ、葉が細いものをシャリンバイ(タチシャリンバイ)といいますが、葉は連続的に変化し中間形もあるので、区別は難しく同じ種内の変異の範疇とされているそうです。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイの花期は4~6月で、花序は枝先に円錐状、時に総状に直立します。この写真は、2013年に撮影したものです。(2013年5月17日撮影)。☆シャリンバイの萼や花序には褐色の軟毛が密生し、萼片は卵状三角形で先が尖っています。この写真は、2012年に撮影したものです。(2012年5月12日撮影)。☆シャリンバイの花は、花びらが5枚、多数の雄蕊、雌蕊の花柱は2本です。左の花の中央に薄黄緑色の花柱が2本見えます。果実ができると、その中には種子が2個できるそうです。この写真は、2012年に撮影したものです。(2012年5月17日撮影)。☆シャリンバイの果実は、直径約1センチの球形のナシ状果で、10〜11月に黒紫色に熟します。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイの果実は、表面に白い粉をかぶり、中には直径7~8ミリの種子が2個入っています。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイ(車輪梅)の名は、小枝の分岐と葉が輪生状につくので車輪になぞらえ、花がウメに似ていることに由来します。(2018年10月25日撮影)。☆シャリンバイの花言葉は、「愛の告白」「純真」だそうです。あたかもブーケのように、まとまって清らかに咲く花の様子から名づけられたのでしょうか。(2013年5月17日撮影)。
2019.01.01
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第12回は、ブナ科の堅果(ドングリ)の芽生えです。(2014年4月7日撮影)。☆2014年と2016年、そして2018年の春は、コナラとクヌギの堅果(ドングリ)の芽生えを観察できました。(2014年4月7日撮影)。☆調べてみると、ブナ科の堅果(ドングリ)は乾燥に弱いので、地上に落ちて乾燥して中の水分がなくなってしまうと、発芽能力を失って芽が出ないそうです。2014年と2016年、そして2018年の春、雪が融けた後のドングリの芽生えという共通性を考えると、雪の下で十分な水分を得て発芽の条件ができたと考えられます。(2014年3月11日撮影)。☆細長いコナラのドングリで、根は堅果のどちらから出るのかを観察してみました。堅果の尖った先端部から、果皮を突き破って根を伸ばしています。根は、ドングリの先端部から出ることが確認できます。(2016年2月13日撮影)。☆丸いクヌギのドングリです。やはり、先端部から出た根を土の中に伸ばしています。(2014年4月7日撮影)。☆ドングリの割れた果皮の中に、双子葉植物の特徴である2枚の子葉が見えます。(2016年2月13日撮影)。☆2枚の子葉は、肉質で栄養分を蓄えています。ドングリに胚乳はありませんが、子葉に蓄えられている栄養分を利用して発芽し成長します。(2014年3月11日撮影)。☆2枚の子葉の間から、茎が伸び葉も伸びてきます。(2014年4月7日撮影)。☆この若葉は、大木になったコナラの若葉と同じように白っぽい色で、葉には薄っすらと細い毛が見えています。(2014年4月7日撮影)。☆10月に観察したクヌギの幼木です。高さは20センチ程度、春に芽を出し成長したものでしょうか。(2014年10月2日撮影)。
2018.09.22
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第11回は、ブナ属のイヌブナの花です。(2018年3月29日撮影)。☆イヌブナは、本州(岩手県以南)・四国・九州(熊本県以北)に分布するブナ科ブナ属の落葉高木です。樹高は25メートル、幹は直径70センチにもなります。樹皮は灰黒色で、多数のいぼ状の皮目があるそうです。☆イヌブナは雌雄同株・雌雄異花で、雄花序は新枝の下部の葉腋に数個つき、雌花序は新枝の上部の葉腋について上向きにつくそうです。下向きに3本ぶら下がっているのが雄花序で、上部に上向きについているのが雌花序のようです。☆イヌブナの雄花序は、新枝の下部の葉腋から垂れ下がり、長い軟毛が密生する長さ2.5~4.5センチの柄があります。苞は、線形です。☆イヌブナの雄花序は、6~15個の雄花が頭状に集まってつきます。雄花の花被は長さ5ミリほどの円錐形で、淡褐色の長毛が密生し上部は6つに分かれるそうです。葯が花被の外に出る雄蕊は、12個あるそうです。☆茶褐色の苞に包まれて下に伸びているのが、イヌブナの雌花序のようです。雌花は、花柱が3本で、柱頭は2つに分かれて反り返ります。写真の下に、柱頭が2つに分かれて反り返る3本の花柱が見えます。☆イヌブナ(犬椈)の名は、木材の質がブナ(椈)より劣るため名づけられたそうです。ブナの幹が灰白色なのに対して、イヌブナの幹が灰黒色なので別名クロブナと呼ばれるそうです。☆果実は観察できませんでしたので、今後の課題とします。
2018.09.21
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第10回は、マテバシイ属のシリブカガシです。☆シリブカガシは、本州(近畿地方以西)・四国・九州・沖縄に生えるブナ科マテバシイ属の常緑高木です。幹は高さ15メートル、直径50センチになります。☆シリブカガシの葉は互生し、葉身は倒披針状長楕円形で大きく、縁は全縁または上部にわずかに鋸歯があります。葉身は厚い革質で、表面には光沢があり、裏面は銀白色です。☆シリブカガシ雌雄同株・雌雄異花で、花期は9~10月です。新枝の葉腋に雄花序が数個ついて斜上し、新枝の上部の葉腋に雌花序が出て斜上します。写真では雄花序は見えますが、雌花序は確認できません。シリブカガシの花期は他のブナ科の植物とは違う秋なので、花と大きく成長してきた果実を同じ時期に観察できます。☆シリブカガシの果実は、花期から1年後の翌年秋に熟します。シリブカガシの殻斗は椀状で、多数の鱗片状の総苞片が瓦重ね状に並んでいます。堅果は楕円形で、基部の着点(堅果の底)がくぼんでいます。☆シリブカガシ(尻深樫)の名は、堅果の殻斗がとれた跡(堅果の底)が凹んでいることから、尻が深いドングリをつける樫の木に由来します。
2018.09.20
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第9回は、マテバシイ属のマテバシイです。☆マテバシイは、本州(紀伊半島)・四国・九州・沖縄の沿海地の林野に生えるブナ科マテバシイ属の常緑高木です。幹は高さ15メートル、直径60センチになります。公園や庭木、街路樹としても植えられています。☆マテバシイの葉は互生で、葉身は倒披針状長楕円形で大きく、縁は全縁です。葉身は革質で、表面には光沢があります。☆マテバシイは雌雄同株・雌雄異花で、花期は6月です。新枝の葉腋に雄花序が数個ついて斜上し、新枝の上部の葉腋に雌花序が出て斜上します。☆雄花は皿形で、花被片は6つに分かれ、雄蕊が12本あります。☆雌花は、総苞を含めて直径約2ミリ、総苞内に1つの花が咲き、花柱は3本あるそうです。☆マテバシイの果実は、花期から1年半後の翌年秋に熟します。これは5月末に観察した前年にできた果実ですが、約1年でここまで成長しました。☆秋には、前年にできた果実が熟します。☆マテバシイの殻斗は椀状で、多数の鱗片状の総苞片が瓦重ね状に並んでいます。☆マテバシイ(馬刀葉椎、全手葉椎)の名前の由来は、諸説あるそうです。なお、椎(シイ)の名の由来は、実が自然落下し木の下にあるので、「下(シ)」と「実(ヒ)」から「シヒ」そして「シイ」になったという説もあるようですが定かではありません。(1)待てばおいしい椎の木の実になる。待てば背が高い椎の木になる。(2)馬刀(マテ)と呼ばれる馬を切る刀があり、葉の形がその刀に似ている。(3)ドングリの形が二枚貝のマテガイに似ている。(4)全手葉椎は、葉が手のひらを広げたように広がって伸びていくことから。(5)九州で使われていたヤリガンナに「マテバ」というのがあり、そのヤリガンナの先端部分と葉の形が似ている。☆マテバシイの花言葉は、「勇気」「力」「長寿」「永遠の愛」だそうです。
2018.09.19
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第8回は、シイ属のスダジイです。(2012年10月27日撮影)。☆スダジイは、本州(福島県・新潟県以西)・四国・九州の暖地の海岸沿いに多いブナ科シイ属の常緑高木です。社寺や庭園にも植えられています。(2012年10月29日撮影)。☆スダジイの幹は上方でよく分枝し、多数の葉を茂らせ丸みのある大きな樹冠になります。幹は高さ20メートル、直径1メートルになります。(2012年10月29日撮影)。☆スダジイの葉は互生し、2列に並び、斜め上方に開出します。葉身は、やや厚い革質で、披針形または楕円状卵形、縁は全縁か上半部に波状の鋸歯があります。表面は深緑色ですが、裏面は灰褐色です。(2015年8月24日撮影)。☆スダジイは雌雄同株・雌雄異花で、花期は5~6月ですが、花の時期には観察できませんでした。堅果は、1年半後の翌年秋には熟します。写真は8月末に撮影したものですが、前年にできた果実が大きく成長してきているのが見えます。(2015年8月24日撮影)。☆8月末に撮影した写真です。前年にできた果実が、1年2カ月ほどで大きく成長してきています。(2015年8月24日撮影)。☆スダジイの殻斗は卵形で先は尖り、鱗片状の突起は合着していますが、先端部は離生して環状に配列しています。(2015年12月9日撮影)。☆スタジイの殻斗は、熟すと先端が3つに分かれてきます。堅果は、卵状の長楕円形で、長さは12~21ミリです。(2013年10月10日撮影)。☆スタジイの堅果は、いわゆる「椎の実」で、渋みがなくアク抜きせずに食べることができます。(2012年10月27日撮影)。☆スダジイの名は、名前の由来も漢字表記もわからないそうです。なお、「スダジイ」の名前は、「素台木」を語源とし、シイタケ造りの基礎となる台木的な椎(しい)の木という意味を表わすものであるという説もありました。(2012年10月29日撮影)。
2018.09.18
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第7回は、クリ属のクリです。(2012年9月30日撮影)。☆クリは、ブナ科クリ属の落葉高木です。樹高は17メートルにも達し、枝が多数分枝して大きな樹冠を作ります。栽培品種の原種は、北海道(石狩・日高地方以南)から九州の山野に自生し、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれるそうです。(2014年6月13日撮影)。☆クリの葉は互生で、長楕円形ないし長楕円状披針形で、先は尖っています。葉の表面は濃緑色で、やや光沢があり、16~23対の側脈があります。縁には鋭く突き出した小さな鋸歯があります。(2013年6月2日撮影)。☆クリは雌雄同株・雌雄異花で、花期は6~7月、新枝の葉腋から長さ10~15センチの尾状花序を出します。クリは、花序につくほとんどの花は雄花で、下方に1~2個の雌花がつきます。(2017年7月4日撮影)。☆クリの雄花です。雄花は無柄で、半円形の苞の脇に7個ほどが集まってついているそうです。(2012年6月4日撮影)。☆1つの花の雄蕊は約10本で、長く突き出ています。(2013年6月2日撮影)。☆花序の基部に咲く雌花です。雌花の子房が、緑色の総苞の中に3個ずつ入っており、受粉するとクリの実になります。(2015年6月2日撮影)。☆雌花の総苞は、花の時期には直径3ミリほどの球形で、外側は先端が鋭い披針形の鱗片で覆われています。雌蕊の花柱は、長さ3ミリほどの針状で、9~10本が総苞の外に突き出しています。まわりの総苞片は、成長するに伴って針状に尖ったイガになっていきます。(2015年6月2日撮影)。☆クリの堅果は、開花から3~4か月後の秋に熟します。総苞は熟すと球形で、長さ1センチほどのトゲを密生します。総苞は4つに分かれ、中にある1~3個の堅果が顔を出します。(2012年9月30日撮影)。☆クリ(栗)の名は、落ちた実が石のようであることから小石を意味する古語「くり」に由来するという説や、朝鮮語の「クル」に由来するという説もあるそうです。(2013年10月10日撮影)。☆クリの花言葉は、「贅沢」「豪奢」「満足」「公平」「豊かな喜び」などだそうです。「贅沢」「豪奢」は、かつて高級品であったことに由来するそうです。
2018.09.17
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第6回は、コナラ属のヨーロッパナラと思われる樹木です。青空にそびえるように伸びています。(2016年12月3日撮影)。☆立川市の国立国語研究所前の正門からの並木に植えられている樹木です。ブナ科コナラ属のヨーロッパナラと思われます。ヨーロッパナラは、ヨーロッパから北アフリカの一部に原生する落葉高木です。高さは25~35メートル、時には40メートルに達することもあるそうです。☆樹皮は灰褐色で、やや深めに不揃いに割れています。木肌の色とコルク質の様子は、日本のコナラとクヌギに似ています。☆茎の途中からたくさんの小枝が伸びていますが、これは本来の樹形なのでしょうか。それとも、街路樹としてこのように仕立てたものなのでしょうか。☆葉はカシワの葉を小さくしたような形で、葉の形からブナ科コナラ属のヨーロッパナラではないかと考えました。☆深い切れ込みがある葉は、ほとんど無柄です。☆木の根元には、コナラに似た長楕円形の堅果(ドングリ)が落ちていました。☆他の木の根元にも、ドングリが落ちていました。長径は2~2.5センチで、1.6~2.2センチのコナラのドングリよりは、大きいサイズでした。ヨーロッパナラは、春の中頃に開花し、その年の秋には果実が熟すそうです。☆ヨーロッパナラの名は、文字通りヨーロッパ産のナラの木でしょう。☆資料不足なので、今後とも継続して調べていくことにします。
2018.09.16
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第5回は、コナラ属のクヌギです。(2013年10月4日撮影)。☆クヌギは、本州(岩手県・山形県以南)・四国・九州に生えるブナ科コナラ属の落葉高木です。幹は高さ15メートル、直径60センチになります。(2012年3月25日撮影)。☆クヌギの樹皮は灰褐色で、やや深めに不揃いに割れます。深い割れ目の底が、褐色に見えます。コナラの樹皮と比較すると、暗い灰褐色で縦に割れ目がある厚いコルク層が均一な形で詰まっている印象です。(2012年3月25日撮影)。☆クヌギの葉は互生し、葉身は長楕円状披針形で先が尖っています。縁には針状の鋸歯があります。(2014年7月29日撮影)。☆クヌギは雌雄同株・雌雄異花で、花期は4~5月で、葉の展開とともに花が咲きます。新枝の下部から、穂状の雄花序が多数垂れ下がります。(2012年4月23日撮影)。☆枝先から垂れ下がる雄花序が目立ちます。雌花は、新枝の上部の葉腋に1~3個付きますが、小さく目立たないので確認できません。(2012年4月23日撮影)。☆クヌギは、花期から1年半後の翌年秋に果実が熟します。(2013年10月4日撮影)。☆クヌギの果実です。堅果はコナラなどと違い直径2センチほどの大型の球形です。殻斗は半球形で、広線形の総苞片が螺旋状に密につき反り返ります。総苞片は上部のものほど長く、長さ1センチほどになります。(2013年10月4日撮影)。☆クヌギの幹から樹液が出ているところには、アカボシゴマダラ、カナブン、カブトムシ、シロテンハナムグリ、スズメバチなどがやってきます。写真は、カナブンです。(2012年7月15日撮影)。☆クヌギ(櫟、橡、柞、椚)の名は、国の木(クニノキ)、食の木(クノキ)、薪の木(クノキ)、栗似木(クリニキ)、木の木(クノキ)などに由来するそうです。(2012年3月25日撮影)。☆クヌギの花言葉は、「穏やかさ」だそうです。
2018.09.15
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第4回は、コナラ属のシラカシです。☆シラカシは、本州(福島県・新潟県以西)・四国・九州に生えるブナ科コナラ属の常緑高木です。幹は高さ20メートル、直径80センチになります。生垣や庭園に植栽され、防風林にも利用されます。☆シラカシの葉は互生し、狭長楕円形で、上半部にやや鋭く低い鋸歯があります。☆シラカシは雌雄同株・雌雄異花で、花期は5月です。シラカシの花は、雄花序は長さ5~12センチメートルで、新枝の下部などから垂れ下がります。雌花序は新枝の上部の葉腋に直立して、雌花を3~4個付けるそうです。雄花序が垂れ下がっており、そこから上に伸びる新枝に雌花序が見えるようです。シラカシの若葉は、写真のように褐色、あるいは紫褐色を帯びています。☆新枝のつけ根から、たくさんの雄花序が垂れ下がっています。☆褐色の苞の中から雄花が出ていますが、まだつぼみのようです。雄花は花被が3~6つに分かれ、雄蕊は3~6個あるそうです。☆雌花序が新枝の上部の葉腋に直立しており、雌花を穂状に7個付けています。花柱は3個あり、扇形で反り返るそうです。☆これも雌花序が新枝の葉腋に直立しており、雌花をそれぞれ7個付けています。☆花期から半年後の秋には、果実が熟してきます。殻斗は半球形で、総苞片は合着して6~8個の輪を作ります。☆シラカシ(白樫)の名は、材がアカガシよりも白っぽい淡い色であることから名づけられた説や、葉の裏が白っぽいことから名づけられたという説があるそうです。☆シラカシの花言葉は、「勇気」「力」「長寿」などだそうです。
2018.09.14
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第3回は、コナラ属のミズナラです。(2017年10月10日撮影)。☆ミズナラは、北海道から九州の山地に生えるブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。高さ25メートル、直径1.5メートルに達します。樹皮は灰褐色で、深く不規則な裂け目があります。☆ミズナラの葉は互生し、枝の先に集まります。葉柄は無いか、ごく短いのがミズナラの特徴です。☆ミズナラの葉の葉身は倒卵状長楕円形で、基部はくさび形に狭くなり、縁には大型の鋸歯があります。全般的にコナラに似ていますが、葉は長さ8~14センチメートルと大きく、逆に葉柄は2 ミリメートル以下と短いのがミズナラの特徴です。☆ミズナラは雌雄同株・雌雄異花で、花期は5月ですが、花の時期には観察できませんでした。花期から半年後の秋には、果実が熟してきます。☆ミズナラの堅果は卵状楕円形で、長さ1.5~2.5センチメートル、濃褐色に熟します。殻斗は杯状で、総苞片は瓦重ね状に密生しています。殻斗はコナラに比べて大きく、堅果の3分の1以上を包みこんでいます。☆ミズナラ(水楢)の名は、材に大量の水分を含み燃えにくいことから名づけられたそうです。「ナラ(楢)」は、葉が広く平らであることから「なら」、枝に残った葉が風に鳴る(ナル)ことから、若葉・若枝がしなやかなので「ナラナラ」から、若葉の軟らかいさまの「ナヨナヨ」からなどの説がありました。
2018.09.13
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第2回は、コナラ属のコナラです。(2009年10月11日撮影)。☆コナラは、北海道から九州の日当たりの良い山野にふつうに生えるブナ科コナラ属の落葉高木です。幹は高さ15メートル、直径60センチになります。(2012年3月25日撮影)。☆コナラの樹皮は灰白色で、縦に不規則な割れ目があります。(2012年3月25日撮影)。☆コナラの葉は互生で、葉身は倒卵楕円形、縁には尖った鋸歯があります。(2013年9月30日撮影)。☆コナラは雌雄同株・雌雄異花で、花期は4~5月です。枝先から垂れ下がる雄花序が目立ちます。(2012年4月23日撮影)。☆こちらが雄花序です。軟毛が生える雄花の花被は5~7つに分かれており、雄蕊は4~6個あるそうです。下の方の雄花は、数本の花糸と葯が見えます。一番上の花は、葯が開いて花粉を出しているようです。(2016年4月12日撮影)。☆雌花序は、枝の上部の葉腋に2~3個の花がつきます。右側の花は、軟毛が生える総苞から雌蕊柱頭が伸びているのが見えます。雌蕊の柱頭は3つに分かれているそうですが、左側の花は雌蕊柱頭が3つに分かれているようです。(2016年4月12日撮影)。☆花期から半年後の秋には、果実が熟してきます。(2013年9月30日撮影)。☆コナラの果実です。殻斗は杯状で、総苞片は瓦重ね状に密生しています。(2009年10月11日撮影)。☆コナラ(小楢)の名は、ミズナラの別名であるオオナラ(大楢)に対して小ぶりであることから名づけられたそうです。「ナラ」は、葉が広く平らであることから「なら」、枝に残った葉が風に鳴る(ナル)ことから、若葉・若枝がしなやかなので「ナラナラ」から、若葉の軟らかいさまの「ナヨナヨ」からなどの説がありました。軟毛が密生している若葉を見ると、若葉の軟らかいさまの「ナヨナヨ」からに由来すると思われました。(2016年4月12日撮影)。☆コナラの花言葉は、「勇気」「独立」などだそうです。
2018.09.12
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[4]】はブナ科の植物です。第1回は、ブナ科の植物の特徴です。写真は、クヌギの果実です。☆日本に自生するブナ科には、コナラ属、クリ属、シイ属、マテバシイ属、ブナ属があります。これまで観察したものを、整理して紹介します。◎落葉樹(落葉高木)と常緑樹(常緑高木)がある。☆秋に一斉に落葉する落葉樹(落葉高木)は、コナラ属(コナラ、ミズナラ、クヌギなど)、クリ属、ブナ属です。写真は、落葉したコナラ属のコナラです。(2012年3月25日撮影)。☆一斉に落葉することがない常緑樹(常緑高木)は、コナラ属(シラカシなど)、シイ属、マテバシイ属です。写真は、常緑のマテバシイ属のマテバシイです。(2014年10月11日撮影)。◎雌雄同株・雌雄異花で、雄花と雌花がある。☆ブナ科の樹木は雌雄同株ですが、雌雄異花なので雄花と雌花があります。写真は、クリ属のクリの雄花です。(2015年6月2日撮影)。☆こちらは、クリ属のクリの雌花です。(2015年6月2日撮影)。◎果実が成熟する時期は、半年後の秋と1年半後の翌年秋の2種類。☆ブナ科の果実が成熟する時期は、半年後の秋と1年半後の翌年秋の2種類あります。半年後の秋に成熟するのは、コナラ属(コナラ、シラカシなど)、クリ属などです。写真は、4月から5月に開花し秋に熟してきたコナラ属のコナラの果実です。(2013年9月30日撮影)。☆1年半後の翌年秋に果実が成熟するのは、コナラ属(クヌギなど)、シイ属、マテバシイ属などです。写真は、前年の5月から6月に開花し1年半後の秋に熟してきたマテバシイ属のマテバシイの果実です。(2014年10月11日撮影)。◎総苞は殻斗で、殻斗や総苞片の形は種によって異なっている。☆ブナ科の果実の総苞は殻斗で、殻斗や総苞片の形は種によって異なっています。写真は、コナラ属のコナラの果実です。殻斗は杯状で、総苞片は瓦重ね状に密生しています。(2009年10月11日撮影)。☆写真は、シイ属のスダジイの果実です。殻斗は卵状長楕円形で、熟すと先端から3つに分かれてきます。外面には、同心円状に配列する鱗片状の突起があります。(2015年12月9日撮影)。
2018.09.11
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第8回はニシキギ科で種名がわからない植物です。マユミの品種なのかもしれませんが、種名はわかりません。(2017年10月10日撮影)。☆裏磐梯の湿地で、たくさんの赤い実がなっている落葉低木を見つけました。野鳥が糞とともに種を落としたものが芽生えて、成長したのでしょうか。高さは、2メートルほどです。☆周りにはヨシ(葦)が生えています。湿地に1本だけ、赤い果実が鈴なりの木が目立ちます。☆茎は灰褐色で、左右対称に枝が出ています。☆葉は対生で、赤く紅葉しています。葉身は楕円形(長楕円形)で、周りには細かな鋸歯があります。☆果実の付き方から見ると、新しい枝(本年枝)から集散花序を出して花を咲かせ、果実ができたようです。☆萼は、4つの萼片に分かれています。☆果実の果皮は濃紅色で、果皮が4つの分かれており、鮮やかな朱色の仮種皮に包まれた種子が見えます。☆果実を下から観察してみました。やはり、果皮は4つに分かれています。☆以上の特徴から、ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木に間違いないと思います。全てマユミの特徴と共通しているように思いますが、マユミの果皮は薄ピンク色なので、頭を傾げてしまいました。☆なお、調べてみると、マユミは「秋の果実の色は品種により白、薄紅、濃紅と異なるが、どれも熟すと果皮が4つに割れ、鮮烈な赤い種子が4つ現れる」という記事を見つけましたので、マユミの品種なのかもしれません。
2018.09.10
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第7回はツルウメモドキです。(2013年12月17日撮影)。☆ツルウメモドキは、北海道から沖縄の山野の林縁に生えるニシキギ科ツルウメモドキ属の落葉蔓性植物です。(2016年12月8日撮影)。☆ツルウメモドキ樹皮は灰色で、本年枝は黄緑色で無毛ですが、次第に赤褐色になります。(2017年10月10日撮影)。☆ツルウメモドキの葉は互生で、葉身は長さ4~10センチ、幅2~8センチの楕円形または倒卵形です。ツルウメモドキの葉の縁には、浅い鋸歯があります。両面とも無毛で、葉柄は長さ1~2センチです。(2017年10月10日撮影)。☆ツルウメモドキは雌雄異株で、これは雄花です。葉腋から短い集散花序を出し、雄株では数個の雄花が咲きます。雄花のつくりは、先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、5本の雄蕊です。雄花の雄蕊の葯からは、花粉が出ているようです。(2016年5月6日撮影)。☆こちらはツルウメモドキの雌花です。葉腋から短い集散花序を出し、雌花が咲きます。先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、雌蕊は黄緑色の花柱が伸び柱頭は白く3つに分かれています。薄茶色の葯がある退化した5本の雄蕊が見えます。(2016年5月6日撮影)。☆ツルウメモドキの果実は蒴果(さくか)で、直径7~8ミリの球形で、10~12月に黄色に熟します。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。ツルウメモドキの果実は、熟すと黄色い果皮が3つに割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出し始めます。(2017年10月10日撮影)。☆黄色い果皮は3つに分かれています。黄色い果皮が開ききった果実では、赤い仮種皮に3つのスジが見えます。赤い仮種皮に包まれた種子は、長さ約4ミリだそうです。ツルウメモドキの実は、鳥や獣にとって冬の貴重な食料になるようです。(2015年12月4日撮影)。☆ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、蔓性植物で葉の形がウメに似ていることに由来する説や、蔓性植物で実の形がモチノキ科モチノキ属のウメモドキに似ているからという説があるそうです。(2017年10月10日撮影)。☆ツルウメモドキの花言葉は、「大器晩成」「真実」「開運」「強運」などだそうです。「大器晩成」は晩春から初夏に花が咲いてから緑の実が黄色く熟して赤い仮種子に包まれた種子が現れるまでの期間が長いことからつけられ、「開運」は希望や幸福のイメージを持つ黄色の果皮が3つに裂けて真っ赤な仮種子がいきおいよく飛び出す姿を例えたという解説がありました。(2017年10月10日撮影)。
2018.09.09
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第6回はツリバナです。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナは、北海道から九州の低山の山地に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木です。樹高は、1~4メートルになります。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの本年枝は緑色で丸く平滑で、古い枝は次第に紫褐色になります。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの葉は、対生です。葉身は長さ3~10センチ、幅2~5センチの卵形または長楕円形です。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの葉は、縁に細かくて鈍い鋸歯があります。(2017年9月30日撮影)。☆写真はありませんが、ツリバナは、5月~6月に葉腋から集散花序を下垂し、緑白色または淡紫色の花を数個~30個ほどつけるそうです。花は直径8ミリほどで、花盤が発達しており、花弁・雄蕊・萼片は5個で、雌蕊は1個です。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの果実は、直径1センチほどの球形の蒴果(さくか)です。9~10月に紅色に熟して5つに裂けて、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が5個顔を出します。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの果実を上から観察して見てみました。浅く5つに分かれている萼とともに、紅色に熟した果実が5つに裂けているのがよくわかります。(2017年10月8日撮影)。☆ツリバナの果実を下から観察して見てみました。紅色に熟した果実が5つに裂けており、橙赤色の仮種皮に包まれた5個の種子がよくわかります。(2017年10月8日撮影)。☆ツリバナ(吊花)の名は、長い花(果)柄の先に花や果実を吊り下げていることから名づけられました。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナの花言葉は、「片思い」だそうです。
2018.09.08
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第5回はマユミです。(2013年11月15日撮影)。☆マユミは、北海道から九州の山地に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉低木または小高木です。高さは3~5メートルですが、10メートルになるものもあるそうです。なお、マユミは雌雄異株と書いている資料もありますが、雌蕊が短い花をつける個体があって結実しにくい傾向があるそうなので、雌雄同株とするのが適切なようです。(2015年11月3日撮影)。☆マユミの今年枝は緑色で、その後樹皮は灰褐色になり、老木になると縦に筋が入って少し裂けるそうです。マユミの葉は対生で長楕円形、縁には細かな鋸歯があります。(2013年11月15日撮影)。☆マユミは、今年枝の葉より下の芽鱗痕の腋から集散花序を出し、緑白色の小さな花を1~7個つけます。(2012年5月17日撮影)。☆マユミの花は、直径が約1センチ、花弁が4枚、雄蕊が4本、雌蕊花柱の先端は4つに分かれています。(2012年5月17日撮影)。☆マユミの果実は、直径約1センチの蒴果(さくか)で、10~11月に淡紅色に熟します。果実には、4つの陵があります。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2015年11月3日撮影)。☆マユミの果実は、熟すと果皮が中央から4つに分かれていきます。(2013年11月15日撮影)。☆マユミの1つの実には、赤い仮種皮に包まれた種子が4個あります。マユミの種は、人間が食べると吐き気や下痢を起こすそうですが、秋や冬にはヒヨドリやメジロなどの野鳥が食べにくるそうです。(2013年11月15日撮影)。☆マユミ(真弓、檀)の名は、この木の材質が強くて良くしなるので、弓を作る材料に使われたことに由来するそうです。今では、マユミの材は、印鑑や櫛、こけしや将棋の駒に利用されているそうです。(2013年11月15日撮影)。☆マユミの花言葉は、「真心」「艶めき」「心に潜んだ」「あなたの魅力を心に刻む」などだそうです。(2009年12月5日撮影)。
2018.09.07
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第4回はマサキです。(2013年12月16日撮影)。☆マサキは、北海道南部以南の海岸の林に自生するニシキギ科ニシキギ属の常緑低木です。刈込に強く枝や葉が密生することから、生垣や庭木としても植えられています。(2012年12月8日撮影)。☆マサキの葉は対生し、楕円形で、縁には浅い鋸歯があります。(2012年12月8日撮影)。☆マサキは、葉腋から集散花序を出し、黄緑色または緑白色の花を7~15個つけます。(2013年6月23日撮影)。☆マサキの花は、直径約7ミリで、萼片と花弁が4枚、雄蕊が4本です。花盤が発達し、雄蕊は花盤の縁につきます。(2013年6月23日撮影)。☆マサキの果実は、直径6~8ミリほどの球形の蒴果(さくか)です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。11~12月に熟し、熟すと果皮が4つに分かれて橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。(2013年12月16日撮影)。☆マサキの果実は、熟すと果皮が中央から4つに分かれていきます。果皮が4つに分かれ始めています。(2013年12月16日撮影)。☆果皮は種子の後ろで丸まってしまい、赤い4つの種子がすっかり出てきてしまいました。橙赤色の仮種皮に覆われた種子の形は、ニシキギやツルウメモドキが丸いのに対して、細長い形です。(2013年12月16日撮影)。☆マサキ(柾、正木)の名は、常緑の真青木(マサアオキ)の転訛や、芽を土に刺すと良く根付くので芽指木(メサシキ)の転訛などの諸説があるそうです。(201年12月14日撮影)。☆マサキの花言葉は、「厚遇」「円満」などだそうです。(2012年12月20日撮影)。
2018.09.06
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第3回はコマユミです。(2017年11月10日撮影)。☆コマユミは、北海道から九州の丘陵や山地の落葉広葉樹林内や林縁に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉低木です。下部から多数枝分かれし、高さは1~3メートルになります。☆コマユミは、多数枝分かれしています。枝にコルク質の翼があるのがニシキギで、翼のないものをコマユミといい、ニシキギの変種とされています。☆コマユミの樹皮は灰褐色ですが、若い枝は緑色です。明らかにコルク質の翼はありません。☆コマユミの葉は対生で、葉身は長さ2~7センチ、幅1~3センチの長楕円形または倒卵形です。先は鋭く尖り、基部はくさび形で、縁には細かく鋭い鋸歯があります。☆ニシキギはモミジやスズランノキとともに世界三大紅葉樹に数えられていますが、ニシキギの変種のコマユミの紅葉もニシキギと同じように鮮やかな赤が美しいです。☆写真はありませんが、コマユミは5月から6月に集散花序を出し、淡緑色の花を数個つけます。花弁は4個で縁には鋸歯があり、雄蕊は4個、雌蕊は1個です。果実は10~11月に熟し、熟すと果皮が裂開して橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。☆コマユミの仮種皮に包まれた種子は直径約8ミリで、仮種皮を取り除いた種子は直径約5ミリだそうです。ツグミやシジュウカラなどの野鳥が食べ、仮種皮を消化吸収したあと、種子をフンとして排泄することによって、種子が散布されます。仮種皮は、種衣ともいい、花の珠柄または台座が発達して種子の外側を覆って種皮のように見えるものだそうです。☆コマユミ(小真弓)の名は、同じニシキギ科のマユミに比べて葉も樹高も小さいことから。☆コマユミ独自の花言葉はないそうですが、ニシキギの花言葉は「危険な遊び」「あなたの定め」「あなたの魅力を心に刻む」「深い愛情」などだそうです。
2018.09.05
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第2回はニシキギです。(2013年11月14日撮影)。☆ニシキギは、北海道から九州の山地に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木です。下部から多数枝分かれし、高さは1~3メートルになります。秋の紅葉が美しいので、庭木にも利用されています。(2015年10月17日撮影)。☆ニシキギは、枝にコルク質の板状の翼がつくのが特徴です。そのため、コルク質の翼をカミソリの刃に例えて、「剃刀の木」という別名があります。(2014年10月28日撮影)。☆ニシキギの若い枝は緑色で稜があり、稜上に褐色の薄い板状の翼があります。ニシキギの葉は対生し、葉身は倒卵形または長楕円形で、縁には細かい鋸歯があります。(2017年5月9日撮影)。☆ニシキギは、枝から花の数が1~7個の集散花序を出します。花柄は、葉腋ではなく、枝から対生するように出ています。花柄は比較的長く、先端に4枚の花びらがある花をつけます。(2013年5月5日撮影)。☆ニシキギの花は、薄い黄緑色の4枚の花びら、緑色の花盤から伸びる4本の雄蕊、花盤の中央に緑色の雌蕊が1本あります。萼は、4つに分かれているそうです。(2013年5月5日撮影)。☆上の花びらが散った花を見ると、萼片が見えます。(2017年5月9日撮影)。☆ニシキギの果実は蒴果(さくか)で、長さ6~8ミリの1~2個の楕円形の分果に分かれます。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。(2015年10月17日撮影)。☆果実は10~11月に熟し、熟すと果皮が裂開して橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。仮種皮は、種衣ともいい、花の珠柄または台座が発達して種子の外側を覆って種皮のように見えるものだそうです。これを、ツグミやシジュウカラなどの野鳥が食べ、仮種皮を消化吸収したあと、種子をフンとして排泄することによって、種子が散布されます。(2013年11月14日撮影)。☆ニシキギ(錦木)の名は、真っ赤な美しい紅葉を錦にたとえて名付けられたそうです。ニシキギは、モミジやスズランノキとともに世界三大紅葉樹に数えられています。(2012年11月11日撮影)。☆ニシキギの花言葉は、「危険な遊び」「あなたの魅力を心に刻む」「あなたの定め」「深い愛情」などだそうです。「危険な遊び」は枝に沿ってつくコルク質の翼をカミソリの刃に例え触ると手が切れそうなことからつけられており、「あなたの魅力を心に刻む」は秋の紅葉の美しさと実が裂けて顔を出す赤橙色の種子のかわいらしさからきているようです。
2018.09.04
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☆自然観察ブログ「しろうと自然科学者の自然観察日記」を始めて6年半、連載は連続2,300回を超えました。そこで、「自然観察の振返り」を随時掲載しています。【自然観察の振返り[3]】はニシキギ科の植物で、第1回はニシキギ科の植物の特徴です。◎4~6月に小さく目立たない花弁が緑色の花を咲かせる。☆ニシキギは、枝から花の数が1~7個の集散花序を出します。ニシキギの花は、薄い黄緑色の4枚の花びら、緑色の花盤から伸びる4本の雄蕊、花盤の中央に緑色の雌蕊が1本あります。萼は、4つに分かれているそうです。(2013年5月5日撮影)。☆マサキは、葉腋から集散花序を出し、黄緑色または緑白色の花を7~15個つけます。マサキの花は、直径約7ミリで、萼片と花弁が4枚、雄蕊が4本です。花盤が発達し、雄蕊は花盤の縁につきます。(2013年6月23日撮影)。☆マユミは、今年枝の葉より下の芽鱗痕の腋から集散花序を出し、緑白色の小さな花を1~7個つけます。マユミの花は、直径が約1センチ、花弁が4枚、雄蕊が4本、雌蕊花柱の先端は4つに分かれています。(2012年5月17日撮影)。☆ツルウメモドキは雌雄異株で、これは雄花です。葉腋から短い集散花序を出し、雄株では数個の雄花が咲きます。雄花のつくりは、先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、5本の雄蕊です。(2016年5月6日撮影)。☆こちらはツルウメモドキの雌花です。葉腋から短い集散花序を出し、雌花が咲きます。先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、雌蕊は黄緑色の花柱が伸び柱頭は白く3つに分かれています。薄茶色の葯がある退化した5本の雄蕊が見えます。(2016年5月6日撮影)。◎10~12月に果実が熟し橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出す。☆ニシキギ科の植物の果実に共通しているのは、種子が橙赤色の仮種皮に包まれていることです。仮種皮は、種衣ともいい、花の珠柄または台座が発達して種子の外側を覆って種皮のように見えるものだそうです。これを野鳥が食べ、仮種皮を消化吸収したあと、種子をフンとして排泄することによって、種子が散布されます。☆ニシキギの果実は蒴果(さくか)で、長さ6~8ミリの1~2個の楕円形の分果に分かれます。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。10~11月に熟し、熟すと果皮が裂開して橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。(2013年11月14日撮影)。☆コマユミの果実は10~11月に熟し、熟すと果皮が裂開して橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。コマユミの仮種皮に包まれた種子は直径約8ミリで、仮種皮を取り除いた種子は直径約5ミリだそうです。(2017年11月10日撮影)。☆マサキの果実は、直径6~8ミリほどの球形の蒴果(さくか)です。果実は11~12月に熟し、熟すと果皮が4つに分かれて橙赤色の仮種皮に包まれた4個の種子が顔を出します。橙赤色の仮種皮に覆われた種子の形は、ニシキギやツルウメモドキが丸いのに対して、細長い形です。(2013年12月16日撮影)。☆マユミの果実は、直径約1センチの蒴果(さくか)で、10~11月に淡紅色に熟します。熟すと果皮が中央から4つに分かれて、橙赤色の仮種皮に包まれた4個の種子が顔を出します。(2013年11月15日撮影)。☆ツリバナの果実は、直径1センチほどの球形の蒴果(さくか)です。9~10月に紅色に熟して5つに裂けて、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が5個顔を出します。(2017年9月30日撮影)。☆ツルウメモドキの果実は蒴果(さくか)で、直径7~8ミリの球形で、10~12月に黄色に熟します。ツルウメモドキの果実は、熟すと黄色い果皮が3つに割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。黄色い果皮が開ききった果実では、赤い仮種皮に3つのスジが見えます。赤い仮種皮に包まれた種子は、長さ約4ミリだそうです。(2013年12月17日撮影)。◎なお、今回のニシキギ科の植物の振返りの中で、「ニシキギ」を誤って「ニシシギ」と表記しているものが多数あることに気づきました。今回は全て確認しましたが、過去に誤表記があったことを念のためお知らせしておきます。「しろうと自然科学者の自然観察日記」の過去のニシキギ科の植物の記事を参照される際には、十分注意してください。
2018.09.03
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☆7月13日、あきる野市・八王子市を訪ねました。その時に見かけた植物を紹介してきました。ハナイカダの果実です。(2018年7月13日撮影)。☆ハナイカダは、北海道(南部)から本州・四国・九州の山地の林内に生えるハナイカダ科ハナイカダ属の落葉低木です。幹は叢生し、上部で多数枝分かれして、高さ1~3メートル程度になります。なお、クロキストン体系では、ミズキ科に分類されています。☆ハナイカダは、雌雄異株・雌雄異花で、雌株は葉に1個の花をつけます。(2018年4月19日撮影)。☆ハナイカダの果実は核果で、最初は緑色ですが夏から秋には黒紫色に熟します。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ハナイカダの別名はヨメノナミダ(嫁の涙)で、熟した雌株・雌花の黒い実を、嫁いだ家で悲しい思いをした嫁が人に隠れて流した涙がハナイカダの葉に落ちたものと思われたそうです。☆ハナイカダ(花筏)の名は、葉の上に花が載っている様子を筏にのる人に見たててつけられたそうです。☆ハナイカダについては、2018年5月20日の日記で詳しく紹介しました。◎葉の上に花が載っている様子を筏にのる人に見たてたハナイカダの花。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20180520/
2018.08.11
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☆7月13日、あきる野市・八王子市を訪ねました。その時に見かけた植物を紹介しています。バイカツツジの花です。(2018年7月13日撮影)。☆バイカツツジは、北海道南部から本州・四国・九州の山地の林縁に生えるツツジ科ツツジ属の落葉低木です。枝はよく分岐し、高さは1~2メートルほどになります。☆バイカツツジの葉は互生し、枝先に輪生状に集まっています。☆バイカツツジは、新葉の下に、1個から数個の花を横向きに咲かせます。☆バイカツツジの花は直径約2センチの小さな花で、花冠は白色で上側内面に赤色の斑点があり、広漏斗形で皿形に広く開き、5つに分かれています。雄蕊は5本ですが、下の3本は長く、上の2本は短く花糸には白い軟毛が密生しています。☆バイカツツジ(梅花躑躅)の名は、花冠が5つに分かれて梅の花に似た花を咲かせるツツジであることから名づけられました。
2018.08.10
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☆7月13日、あきる野市・八王子市を訪ねました。その時に見かけた植物を紹介しています。タラヨウの葉です。(2018年7月13日撮影)。☆タラヨウは、本州(静岡県以西)から四国・九州に生えるモチノキ科モチノキ属の常緑高木です。高さは、7~10メートルになります。雌雄異株です。☆タラヨウの葉は、葉柄が長さ1.5~2センチ、葉身が長さ10~17センチ、幅4~7センチの楕円形です。先は短くとがり、基部は円形または鈍形、縁には鋭い鋸歯があります。☆タラヨウの葉は、裏面を傷つけると黒く変色します。このタラヨウの木は、お寺に植えられていましたが、そのことを知って手の届くところの葉の裏側には、たくさんの文字が書き込まれていました。☆郵便制度の生みの親の前島密(ひそか)は、明治期に葉書を考案し、このタラヨウを参考に「葉書」という名を思いついたそうです。今でも1円切手には、前島の肖像画家使われています。☆タラヨウ(多羅葉)の名は、葉に経文を書く仏教の聖木の多羅樹(ヤシ科のタリポットヤシ)になぞらえたものだそうです。多羅樹の葉は、細長く長さが1メートルにもなり、これを長細の四角形にカットし、文字を記した後、穴を開けて紐を通して何枚もの葉をまとめて保存したそうです。
2018.08.09
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☆7月13日、あきる野市・八王子市を訪ねました。その時に見かけた植物を紹介しています。カヤの種子です。(2018年7月13日撮影)。☆カヤは、本州(宮城県以南)から四国・九州に分布するイチイ科カヤ属の常緑高木で、高さは25メートルにもなります。☆カヤの樹皮は灰褐色から赤褐色で、浅く縦裂し、細長い薄片に剥がれます。☆カヤの葉は線形で、枝に2列につきます。革質で固く、先が針状に尖るため触ると痛いのが特徴です。☆カヤは雌雄異株で、この木は種子が見えますので雌株です。☆カヤは裸子植物で、果実ではなく種子が枝に直接つきます。種子は最初は緑色で後に紫褐色になる仮種皮に包まれていますが、熟すと仮種皮が裂けて種子が現れます。☆カヤ(榧)の名は、蚊を追い払うために使われたので「蚊遣り(かやり)」から転訛したという説や、古名の「カエ」「カヘ」から転訛したという説があるそうです。☆カヤは、種子が食用になること、常緑で葉に棘があって厄除けになることなどから、古くから親しまれ、各地の正月や節分・盆などの行事に登場するそうです。神社や寺に巨木があるそうですが、このカヤもお寺の巨木を観察したものです。
2018.08.08
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☆7月13日、あきる野市・八王子市を訪ねました。その時に見かけた植物を紹介します。イチョウの乳柱(気根)です。(2018年7月13日撮影)。☆イチョウは、イチョウ科イチョウ属の落葉高木です。中国の原産で、日本では室町時代から栽植されたと言われているそうです。幹は大きいものでは高さ45メートル、直径5メートルにもなるそうです。イチョウは雌雄異株で、4月~5月に開花するそうです。☆イチョウは、枝や幹から円錐状の突起が垂れ下がることがあり、乳柱(気根)と呼ばれています。気根は古木になると出るといわれ、支柱・吸水・保水・呼吸等様々な機能があると言われています。乳柱は、根をはやすことや枝に変化することもあるそうなので、根でも枝でもない特殊な器官「担根体」ではないかという説があるそうです。また、枝にも根にもなるので、根の一部である「気根」というのは間違いではないかと考える説もあります。☆これは、別名「乳状下垂」「乳イチョウ」とも言われ、乳柱(気根)を乳房に見立て、子宝・安産のシンボルとしてあがめられ、安産・子育ての信仰対象となるそうです。☆イチョウ(鴨脚樹、銀杏)の名は、イチョウ(鴨脚樹)という呼びかたと名は中国語で「イーチャオ」「ヤーチャオ」と発音される「鴨脚」が変化したものと言われているそうで、イチョウの葉の形が鴨の水かきの形に似ていることからきているそうです。☆イチョウの種子は一見すると果実のように見えますが、正しくは種子だそうです。果肉に見え悪臭を放つのは外種皮、堅い殻は中種皮、薄い渋皮は内種皮です。食用になるヒスイ色の部分は胚乳と胚(子葉を含む)です。イチョウ(銀杏)の名は、実の形がアンズ(杏)に似ており、種子の殻が銀白色であることに由来するそうです。☆イチョウの花言葉は、「長寿」「荘厳」「しとやかさ」「鎮魂」などだそうです。「長寿」は、イチョウが樹木として長寿であり、古木が多いことに由来するようです。
2018.08.06
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☆7月1日から3日、福島県の裏磐梯を訪ねました。福島県・裏磐梯での自然観察について、順次紹介してきました。ヤマグワの果実です。(2018年7月2日撮影)。☆ヤマグワは、北海道から九州の丘陵から低い山地に多いクワ科クワ属の落葉低木から高木です。高さは、3~15メートルになります。☆ヤマグワの葉は互生、卵形または卵状広楕円形で、切れ込みのないものから3~5つに分かれるものまであり、変異が多いのが特徴です。先端は尾状に長く尖っており、鋭い鋸歯があります。☆こちらの写真では、切れ込みのないものが目立ちます。☆こちらの写真では、深い切れ込みが見えます。☆ヤマグワは雌雄異株ですが、まれに同株もあるそうです。雄花序も雌花序も、新枝の葉腋に1個ずつつきます。写真でも、ヤマグワの果実が新枝の葉腋に1個ずつついているのがわかります。☆ヤマグワの果実は集合果で、6月から7月に赤色からしだいに黒紫色に成熟し、食べられます。裏磐梯では、クマが好んで食べるそうです。☆ヤマグワ(山桑)の名は、山野に自生するクワに由来します。古い時代に養蚕とともに中国から渡来した中国原産の「マグワ(真桑)」に対して、山野に生えることから名づけられたようです。
2018.08.05
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☆7月1日から3日、福島県の裏磐梯を訪ねました。福島県・裏磐梯での自然観察について、順次紹介しています。ヤマウルシの果実です。(2018年7月2日撮影)。☆林の中で見つけたウルシの仲間の低木、葉の形などからヤマウルシと考えました。ヤマウルシは、北海道から九州の山地や丘陵に生えるウルシ科ウルシ属の落葉低木です。☆ウルシ科ウルシ属では、ヤマウルシ、ハゼノキ、ヤマハゼが似ているそうです。いずれも奇数羽状複葉で、小葉は4~8対です。ただし、小葉の側脈の数が、ヤマウルシは6~10対、ハゼノキは20~30対、ヤマハゼは13~20対です。ヤマウルシの幼木の小葉には明瞭な鋸歯があり、成長するにつれて鋸歯が無くなり全縁になるそうです。☆ヤマウルシの小葉を観察してみました。小葉の側脈の数は8~10対で、明瞭な鋸歯があり、ヤマウルシの幼木の小葉の特徴がよくわかります。☆こちらの写真は、昨年秋に観察したヤマウルシです。成木のようで、小葉は全縁になっています。(2017年10月10日撮影)。☆ヤマウルシは雌雄異株で、葉腋から総状花序を伸ばして5月に開花するそうです。秋には果実は淡褐色に熟し、やがて果皮が割れて白色で黒い縦縞がある種子が見えるようになるそうです。これは果実が見えますので、雌株です。☆ヤマウルシ(山漆)の名は、葉がウルシに似ていて山地に生えることに由来します。本来のウルシに比べると樹液は少ないそうですが、漆成分(ウルシオール)を含んでいるのでかぶれるそうです。
2018.08.04
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☆7月1日から3日、福島県の裏磐梯を訪ねました。福島県・裏磐梯での自然観察について、順次紹介しています。キンギンボク(ヒョウタンボク)の果実です。(2018年7月2日撮影)。☆キンギンボクは、北海道(西南部)から本州(東北地方および日本海側)に自生する高さ1~2メートルのスイカズラ科スイカズラ属の落葉低木です。☆キンギンボクは、よく分枝し、葉は短い葉柄があり対生しています。☆キンギンボクは、4~6月に葉腋から長さ5~15ミリの花柄を出し、2つの花をつけます。果実は球状の液果で、7~9月に紅く熟します。☆キンギンボク(金銀木)の名は、開花時に白い花が次第に黄色くなり、白い花と黄色い花が一緒に咲いていることから名づけられました。ヒョウタンボク(瓢箪木)の名は、2つの果実がくっついていて瓢箪の果実に似ていることから名づけられました。☆同じスイカズラ属のスイカズラは、白い花と黄色い花が一緒に咲いているという同じ理由からキンギンカ(金銀花)という別名があります。
2018.07.27
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介してきました。ヤブウツギの花です。(2018年5月22日撮影)。☆ヤブウツギは、本州(関東以西)の太平洋側から四国の低い山地に生えるスイカズラ科タニウツギ属の落葉低木です。☆ヤブウツギの葉は対生し、葉身は5~12センチの楕円形、先が尖り、縁に細かい鋸歯があります。☆ヤブウツギは、枝先や葉腋に散房花序を出し、濃紅色の漏斗形の花を2~4個下向きにつけます。☆ヤブウツギの花冠は、長さ2.5~4センチで、濃紅色で内面は色が薄く、先端が5つに分かれています。雄蕊は5本、雌蕊柱頭は白色で花冠から突き出しています。なお、雄蕊の花糸は、半分近くまでが花冠の内側に癒着しています。☆花冠や萼には開出毛があるというのですが、写真では確認できません。☆ヤブウツギ(藪空木)の名は、枝が密生してよく茂り藪のような状態になるウツギであることから。☆ヤブウツギの花言葉は、「優雅」だそうです。
2018.07.03
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介しています。メタセコイアの木です。(2018年5月22日撮影)。☆田貫湖の湖畔に、メタセコイアかラクウショウ(ヌマスギ)と思われる高木がありました。葉を確認したところ、メタセコイアでした。メタセコイアは、ヒノキ科(スギ科)メタセコイア属の落葉高木です。最近は、あちこちの公園などで見かけるようになりました。☆メタセコイアの葉は、羽状に対生しており、線形で先が尖っています。☆メタセコイアによく似ているラクウショウの葉は互生でらせん状についていますが、メタセコイアの葉は対生なので区別できます。(2016年8月16日撮影)。☆一昨年観察した黄葉したメタセコイアです。メタセコイアは、三木茂博士が日本の新生代第三紀鮮新世から見出した植物遺体(化石)を研究し、「メタセコイア」と命名して、1941年に学会で発表しました。メタセコイアとは、すでに発見されていた常緑樹の「セコイア」に接頭語の「メタ(後の、変わった)」を付けたものだそうです。化石として発見され、当初絶滅種と考えられていたそうですが、1945年に中国の揚子江の支流の奥地で発見され、生きた化石として話題になったそうです。(2016年11月17日撮影)。☆メタセコイアは、別名アケボノスギ(曙杉)といいます。木村陽二郎氏が、人類が誕生する前から生き続けているからという意味を込めて名付けたそうです。英名は「dawn redwood」で、dawn(あけぼの)、redwood(セコイア、アカスギ)の意味ですが、和名が先か、英名が先か、わかりませんでした。☆メタセコイアの花言葉は、「平和」「楽しい思い出」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2018.07.02
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介しています。ミズキの花です。立川市ではミズキの花は4月下旬から5月上旬に咲きますが、田貫湖周辺は標高が高いので花の時期が遅いようです。(2018年5月22日撮影)。☆ミズキは、北海道から九州の山地に自生するミズキ科ミズキ属の落葉高木です。樹高は、10~15メートルになります。枝は横に水平に広がり、階段状の特異な樹形となります。葉は、広卵形から楕円形で、表面に光沢があります。☆ミズキの葉は、互生です。同じミズキ科ミズキ属のクマノミズキは、葉が対生していますので区別できます。☆ミズキは、枝先に散房花序を出し、白くて小さい花をたくさんつけます。☆ミズキの花は、花弁が4枚、雄蕊は4本で花糸は花盤の縁につきます。雌蕊花柱は柱状です。☆こちらは、同じミズキ科ミズキ属のクマノミズキの花です。花の形はミズキと似ていますが、ミズキと違って開いた花びらの先が後ろにそり返っています。また、クマノミズキの花は、ミズキの花より遅く6月上旬に咲き始めます。(2016年6月11日撮影)。☆ミズキ(水木)の名は、早春に枝を切ると水のような樹液がしたたり落ちることに由来しているそうです。☆ミズキの花言葉は、「成熟した精神」「耐久」などだそうです。
2018.06.30
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介しています。コアジサイの花です。(2018年5月22日撮影)。☆コアジサイは、関東地方以西から九州の山地や丘陵の明るい林内や林縁に生えるアジサイ科アジサイ属の落葉高木です。田貫湖周辺の日当たりの良い道沿いで、見かけました。☆コアジサイの葉は対生で、卵形から楕円形で先端は鋭く尖り、葉の縁には大きな三角形の鋸歯があります。☆コアジサイは、枝先に直径5センチほどの散房花序をつけます。☆コアジサイの花は全て両性花で、5枚の花弁は白色から淡青色です。雄蕊は10本で、花糸は青色で葯は黄白色です。雌蕊花柱は、2~4個です。雄蕊は、10本のうち最初に5本が広がり、その後残りの5本が広がるようです。☆写真が不鮮明ですが、こちらの写真では花弁より長い10本の雄蕊が広がり、雌蕊花柱は3個見えます。☆コアジサ(小紫陽花)の名は、アジサイ属の植物の特徴である装飾花がない小型の紫陽花であることから。
2018.06.20
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介しています。ホソエカエデと果実です。(2018年5月22日撮影)。☆ホソエカエデは、本州中部から四国の低山の林内に自生するムクロジ科カエデ属の落葉高木です。ウリハダカエデに似ていますが、葉柄が赤みを帯びているので、ホソエカエデと判断しました。カエデ科は、APG分類体系でムクロジ科に分類されているそうです。☆ホソエカエデの樹皮は、緑色で黒班があり、ウリハダカエデに似ています。☆ホソエカエデの葉は対生し、葉身は3~5つに分かれており、葉柄が赤みを帯びています。☆ホソエカエデは、雌雄異株です。これは果実が成長してきていますので、雌株です。☆ホソエカエデの花は総状花序で、ウリハダカエデは花柄の長さが2~5ミリですが、ホソエカエデは花柄の長さが5~15ミリで長いのが特徴です。☆ホソエカエデ(細枝楓)の名は、枝が細く長いため名づけられたそうです。
2018.06.15
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☆5月21日から23日、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺での自然観察について、順次紹介します。アカメガシワです。(2018年5月22日撮影)。☆アカメガシワは、本州(山形県)以南の日当たりの良い山野に自生し、高さが5~15メートルになるトウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木です。アカメガシワは、崩壊地などの新しくできた空き地に最初に生える先駆種(パイオニア種)だそうです。☆アカメガシワの葉は互生で、葉身は長さ7~20センチ、幅5~14センチの卵形または広卵形です。葉の縁は、全縁または波打ち、浅く3つに分かれることもあるそうです。☆アカメガシワの新芽・新葉が赤くて美しいのは、葉自体の色ではなく、葉の表面にある星状毛の色が赤いからだそうです。葉が小さいうちは、星状毛が密なため赤く見えますが、葉が大きくなると密度が薄くなるため緑色になるそうです。☆アカメガシワは、雌雄異株です。これは、2年前に観察した雄株の雄花です。アカメガシワの雄花は、枝先の円錐花序に花びらがない花をたくさんつけます。(2016年6月12日撮影)。☆アカメガシワの雄花は、淡黄色でたくさんの雄蕊があります。(2016年6月12日撮影)。☆こちらは、2年前に観察したアカメガシワの雌株の雌花です。アカメガシワの雌花は、枝先の円錐花序に花びらがない花をたくさんつけます。(2016年6月12日撮影)。☆アカメガシワの雌花は、黄緑色の3本の雌蕊花柱が反り返っています。(2016年6月12日撮影)。☆アカメガシワ(赤芽柏、赤芽槲)の名は、新芽が赤くて美しいこと、かつてこの木の葉をカシワと同じように食べものをのせるのに使ったことに由来するそうです。新芽・新葉は、名前の通り鮮やかな赤色です。食べものをのせるのに使ったことから、飯盛菜(めしもりな)、菜盛葉(さいもりば)、御采葉(ごさいば)などの別名があるそうです。☆アカメガシワの花言葉は、「澄んだ心」「忠実」「繊細」などだそうです。
2018.06.14
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。ヤマグワの花と果実です。(2018年4月22日撮影)。☆ヤマグワは、北海道から九州の丘陵から低い山地の林内に生えるクワ科クワ属の落葉低木から高木です。高さは、3~15メートルになります。☆ヤマグワの葉は互生で、切れ込みのないものから葉身が3~5つに深く分かれるものなど変異があります。ヤマグワは、雌雄異株ですが、まれに雌雄同株もあるというので観察してみました。雄花序も雌花序も、新枝の葉腋に1個ずつつきます。☆これは花が終わりかけていますが、新枝の葉腋から伸びる雌花序です。雌花序は長さ4~6ミリ、花柱は長さ2~2.5ミリと長く、その先に線形の柱頭が2個あります。長く伸びた花柱の先に2つに分かれた柱頭がみえます。☆これは、新枝の葉腋から伸びる雄花序です。雄花序は長さ1.5~2センチの円筒形です。雄蕊の花糸と葯が見えます。同じ枝に、雌花序と雄花序が見えるので、このヤマグワは雌雄同株のようです。☆この花序は、上には雌蕊が長く伸びる雌花が見え、下の花は雄蕊がある雄花のようです。以上の観察から、ヤマグワは雌雄異株のものと雌雄同株のもの、さらに1つの花序の中に雌花と雄花が混在するものもあるようです。☆ヤマグワ(山桑)の名は、文字通り山に生えるクワです。クワ(桑)の名は、蚕が葉を食べるので「食う葉(くうは)」または「蚕葉(こは)」から転訛したといわれており、「桑」の字は中国の漢名です。
2018.06.10
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。裏面の脈上と脈腋に短い縮毛があるヤマアジサイの葉です。(2018年4月22日撮影)。☆ヤマアジサイは、関東地方以西本州(関東地方以西)・四国・九州の山地の湿った林内に生えるアジサイ科アジサイ属の落葉低木です。☆まだ蕾の時期でしたが、葉の裏にヤマアジサイを区別できる特徴があるというので、今後の観察のために記録しておくことにしました。☆ヤマアジサイの葉は、裏面の脈上と脈腋に短い縮毛があります。☆拡大して見ると、目立つ脈腋の縮毛とともに、それぞれの葉脈上に短毛があるのがわかります。☆ヤマアジサイの花については、2年前に「しろうと自然科学者の自然観察日記」で詳しく紹介したことがあります。◎ヤマアジサイの両性花と装飾花を観察しました(2016年6月21日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20160621/
2018.06.09
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。ガクウツギの花です。(2018年4月22日撮影)。☆ガクウツギは、本州(関東地方以西の太平洋側)・四国・九州の丘陵や低山の斜面に生えるアジサイ科アジサイ属の落葉小低木です。幹はよく分岐し、高さ1~1.5メートルになります。☆ガクウツギの葉は対生し、葉身は長楕円状披針形で、先は尾状に尖っています。三角状の浅い鋸歯があり、表面には光沢があります。☆ガクウツギの花は、枝先に散房花序をつけます。縁に装飾花があり、白色または淡黄色の花弁のような萼片は3枚で、大きさが異なるのが特徴です。萼片は本来4枚ですが、1枚が退化して小さくなったものや、完全になくなっているものもあるそうです。☆装飾花の上に、本来花(両性花)の蕾が見えます。花弁は5枚、雄蕊は10本、花柱は3本でまれに4本あるそうです。☆ガクウツギ(額空木)の名は、ガクアジサイ(額紫陽花)と同じように散房花序の周りを装飾花が額のように取り囲んでいること、茎や葉の姿がウツギ(空木)に似ていることに由来するそうです。
2018.06.06
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