全672件 (672件中 251-300件目)
< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 ... 14 >
☆植物の名前(種名・別名)で、一両・十両・百両・千両・万両の5種類があります。一両(アリドオシ)は観察したことがありませんが、十両・百両・千両・万両の4種類の実は、団地内で観察できます。すでに、「しろうと自然科学者の自然観察日記」で紹介しましたので、それぞれの植物の詳細は次の日記を参照してください。◎十両(2016年11月16日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161116/◎百両(2016年11月17日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161117/◎千両(2016年11月18日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161118/◎万両(2016年12月12日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161212/◎十両(ヤブコウジ、サクラソウ科ヤブコウジ属)☆十両(ヤブコウジ)です。カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。ヤブコウジは、樹高が10~20センチメートル程度です。☆ヤブコウジの花言葉は、「明日の幸福」だそうです。「明日の幸福」は、「赤い実がお正月の飾りの松竹梅を引き立てて、幸運を呼び込むことからつけられたのでしょうか」というブログの記事がありましたが、しろうと自然科学者も共感しました。◎百両(カラタチバナ、サクラソウ科ヤブコウジ属)☆百両(カラタチバナ)です。江戸時代に中国から、漢名を「百両金」、略して「百両」と称する植物が伝来した際に、カラタチバナにこの名を当て、庭木・鉢植えなどを正月の飾りにしたことに由来するそうです。カラタチバナは、樹高が20~70センチメートル程度です。☆カラタチバナの花言葉は、「富」「財産」「鋭敏」などだそうです。カラタチバナは、古典園芸植物の1つで江戸時代に改良が進み、100種もの品種が生み出され、寛政年間には売買価格が高騰して売買禁止令も出されたほど人気の植物だったそうです。「富」「財産」は、そんな事情から名づけられたのでしょうか。「鋭敏」は、十両・千両・万両に比べて葉が細長く鋭いことに由来するのではという記事もありましたが、どんな由来があるのでしょうか。◎千両(センリョウ、センリョウ科センリョウ属)☆千両(センリョウ)です。センリョウ(千両)の名は、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。センリョウは、樹高が50~100センチメートル程度です。☆センリョウの花言葉は、「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」「可憐」などだそうです。「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」は、たくさんの実をつける姿に由来するそうです。「可憐」は、端正な見た目を表しているそうです。センリョウ(千両)の名や、たくさんの実をつけた姿を見ると、「富」「恵まれた才能」がふさわしい気がします。◎万両(マンリョウ、サクラソウ科ヤブコウジ属)☆万両(マンリョウ)です。マンリョウ(万両)の名は、赤い実の付き方が豪華でセンリョウ(千両)より実が美しいので名付けられたそうです。マンリョウは、樹高が30~100センチメートル程度です。☆マンリョウの花言葉は、「徳のある人」「陰徳」「寿ぎ(ことほぎ)」「金満家」「財産」「慶祝」などだそうです。マンリョウは、「万両」というお金にまつわる名前がついており、美しい赤い実がたくさん付くことから、お金やめでたいことに関わる花言葉がついたようです。◎カラタチバナとマンリョウの葉の縁の内腺体(腺点、腺体、葉瘤)☆今年の自然観察では、同じサクラソウ科ヤブコウジ属のカラタチバナとマンリョウの葉の縁に共通する特徴として内腺体(腺点、腺体、葉瘤)があることに気づきました。葉の内腺体(波状に膨れた部分)には、窒素を固定する葉粒菌が共生しているそうです。カラタチバナの葉です。☆マンリョウの葉です。☆一両(アリドオシ)は、江戸時代の正月にセンリョウ・マンリョウ・アリドオシを並べて植えて「千両万両有り通し(何時もある)」の語呂合わせで縁起担ぎをしたことから名付けられたという説があるそうです。
2016.12.26
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)で、葉がすっかり落ちてシロヤマブキの黒い実が目立つ季節になりました。☆シロヤマブキは、株立ちで高さ1~2メートルになるバラ科シロヤマブキ属の落葉低木です。長野県・福井県や中国地方の山野に自生するそうですが、庭木として観賞用に利用されています。☆シロヤマブキの果実は痩果(そうか)で、4個が集まってつき、9~10月に熟します。☆痩果(そうか)とは、薄くて硬い果皮の中に一つの種子が包まれている果実のことだそうです。果皮と種皮が密着しているので、一見すると種子のように見えますが、果実の一種だそうです。☆シロヤマブキの果実は、果皮に黒い光沢があります。☆シロヤマブキの花は、4月に咲きます。下には、前年の果実が見えます。7月末からは、今年の黒い果実が葉の間に見えるようになります。(2014年4月21日撮影)。☆シロヤマブキの花言葉は、「細心の注意」「気品」「薄情」だそうです。しろうと自然科学者は、鮮やかな山吹色の花が咲くヤマブキとは違って、4月に咲くシロヤマブキの白い花からは、「気品」を感じます。
2016.12.25
コメント(0)
☆ウォーキングコースのコブシの木です。葉は、すっかり散ってしまいました。☆よく見ると、コブシの枝先の冬芽が少し膨らんできているようです。☆寒さが次第に厳しくなる中でも、春に向けた準備は着々と進んでいます。☆コブシの冬芽(花芽)です。冬芽の下の枝には、V字型の葉痕が見えます。☆コブシの花芽は大きく、長さ1.7~2センチの長卵形で、長い軟毛におおわれています。冬芽の芽鱗(がりん)は、托葉2個と葉柄が合着したキャップ状です。☆3月末の開花に向けて、厳しい寒さの中、日の光を浴びて成長していきます。☆昨年3月に見かけたコブシの花です。(2015年3月20日撮影)。☆昨年9月に見かけたコブシの果実です。コブシの果実は袋果が集まった集合果で、仮種皮に覆われた種子が螺旋状に並んでいます。(2015年9月20日撮影)。☆コブシの花言葉は、「友情」「自然の愛」「友愛」「信頼」「歓迎」「愛らしさ」「自らの愛」などがあるそうです。「友情」は真っ白で曇りが無い綺麗な花を咲かせることから、「歓迎」は蕾が開花した時に人を迎え入れている様子であるからと言われているそうです。
2016.12.24
コメント(0)
☆近所の団地の入り口にあり実がなっている落葉高木、調べてみたらナンキンハゼでした。ナンキンハゼは、庭木や公園樹・街路樹として植えられています。☆ナンキンハゼは、中国原産で江戸時代に渡来したトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木です。蝋の採取用に栽培されていました。ナンキンハゼの木に実がたくさんなっており、黒っぽい実や白い種子のようなものも見えます。☆ナンキンハゼは、雌雄同株・雌雄異花で、6~7月に枝先に総状花序を出すそうです。ナンキンハゼ(南京櫨)の名は、中国原産の木でハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)の代わりに蝋をとる材料として使われたことに由来します。実は、脂肪が多い蝋状物質を含んでいます。☆秋10~11月に熟した朔果が割れ、白い蝋状物質に包まれた種子が3個出てきます。朔果とは、成熟すると乾燥した果皮が裂開する果実のことだそうです。☆右側には朔果の果皮が3つに割れて白い種子が見えているもの、左側には果皮が落ちた3個の種子が見えます。☆3個の種子は約7ミリの大きさで、種皮は黒色ですが表面は子房に富んだ白い蝋質の仮種皮に包まれています。冬になっても果実の中軸についたまま残っていることが多いそうです。ムクドリなどの野鳥が種子を食べ、蝋質の仮種皮を消化吸収して種子を排泄することで種子が分散されます。☆3年前の11月、モミジとともに鮮やかな赤い紅葉が目立ったナンキンハゼの木です。ナンキンハゼの木は、気温が低くならなくても秋には紅葉が綺麗で、内側の葉から紅葉する傾向があるそうです。(2013年11月13日撮影)。☆若い果実と紅葉が始まったばかりの葉です。果実は初め緑色ですが、熟すと濃茶色から黒色になり3裂します。果実に3稜があり、3室に実がそれぞれ1個入っています。葉は互生で、先は尾状に長くとがり、基部は広いくさび形です。(2013年11月13日撮影)。☆3年前に間近で撮影したナンキンハゼの果実です。黒い果皮が先端から3つに裂けてきているのがわかります。(2013年11月13日撮影)。☆ナンキンハゼの葉は、葉身の表面の基部に2個の腺点があります。トウダイグサ科のアカメガシワやシラキにも葉の基部に腺点があり、蜜を出しており、アリなどが訪れるそうです。バラ科のサクラでも、葉に腺点(蜜腺)があり、腺点の付く位置で種を見分けられるそうです。☆ナンキンハゼの花言葉は、「心が通じる」「真心」だそうです。「真心」は、青空の下で小さくて丸い白い種子が枝先に残っている姿から名づけられたのでしょうか。
2016.12.23
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)で見かけたナンテンの実です。☆ナンテンは、メギ科ナンテン属の常緑低木です。中国原産で、西日本・四国・九州に自生していますが、古くに中国から渡来した薬用・観賞用の栽培種が野生化したものとされているようです。☆ナンテンの葉は、3回3出羽状複葉で、茎の上部に集まって互生しています。葉を食べ物の上に載せて進物とする風習は、食あたりの「難を転ずる」まじないだそうです。☆ナンテンの花は、5~6月に茎の先端に大型の円錐花序をつけ、晩秋から冬に赤く熟します。☆南天が全国各地に広まったのは、南天の実を鳥たちが食べてくれるからだそうです。ナンテンの実は熟すと甘酸っぱいので、ヒヨドリなど鳥たちの大好物。食べた後は種子を遠くに運んでくれます。☆ナンテンの実は、果皮が肉質で液汁が多い液果なので、冬場には貴重な食べ物なのかもしれません。赤く熟したナンテンの実の先端には、雌蕊柱頭が残っています☆6月に咲いたナンテンの花です。花の時期の雌しべ子房は白色で細長く、先端に短い花柱と赤い柱頭が見えます。この子房が成長して球形に膨らみ、赤い実になります。(2012年6月26日撮影)。☆ナンテン(南天)の名は、漢名の「南天燭」「南天竹」の略で、南天を音読みにしたものです。名が「ナンテン」で「難転(難を転ずる)」ことに通ずることから、縁起の良い木、厄除けの木として玄関先などに植えられています。ヒイラギを表鬼門(北東)に、ナンテンの木を裏鬼門(南西)に植えるとよいとされているそうです。☆ナンテンの花言葉は、「機知に富む」「福をなす」「良い家庭」「私の愛は増すばかり」などだそうです。「福をなす」はナンテンの名前の通り「災い転じて福となす」に由来するそうで、「私の愛は増すばかり」は初夏に白い花が咲いて実が晩秋から初冬にかけて真っ赤に色づく姿にちなむといわれているそうです。
2016.12.19
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)で毎年ツルウメモドキの実を観察するところに来てみました。見上げると、たくさんのツルウメモドキの実が見えます。しろうと自然科学者のウォーキングコース(玉川上水)でツルウメモドキの実を見かけるのは、ここを含めて4カ所です。ここが一番大きい株で、毎年冬に美しいツルウメモドキの実を観察できます。☆ツルウメモドキは雌雄異株、このように実がなっているのは雌株です。ほとんどの実が割れて赤い種子が見え、黄色い果皮と仮種皮に包まれた種子のコントラストが美しいツルウメモドキらしい姿になりました。ツルウメモドキは、北海道から沖縄の山野の林縁に生えるニシシギ科ツルウメモドキ属の落葉蔓性植物です。☆ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、蔓性植物で葉の形がウメに似ていることに由来する説や、蔓性植物で実の形がモチノキ科モチノキ属のウメモドキに似ているからという説があるそうです。黄色い果皮が落ちた赤い仮種皮に包まれたツルウメモドキの実が、ウメモドキの赤い実に似ているという説にも一理あるような気がします。☆実が割れて赤い仮種皮に覆われた種子が見えるようになるのは、同じニシシギ科のマユミ・ツリバナ・コマユミ・ニシキギ・マサキと共通の特徴です。☆黄色い果皮は3つに分かれています。真ん中の実は、実の先端から3つに分かれてきています。☆黄色い果皮が開ききった種子には、赤い仮種皮に3つのスジが見えます。☆昨年のツルウメモドキのみの観察では、たくさんある実の中に、黄色い果皮が4つに分かれているものがありました。黄色い果皮が4つに分かれ、赤い仮種皮には4つのスジが見えます。(2015年12月4日撮影)。☆ツルウメモドキの花言葉は、「大器晩成」「真実」「開運」「強運」などだそうです。「大器晩成」は晩春から初夏に花が咲いてから緑の実が黄色く熟して赤い仮種子に包まれた種子が現れるまでの期間が長いことからつけられ、「開運」は希望や幸福のイメージを持つ黄色の果皮が3つに裂けて真っ赤な仮種子がいきおいよく飛び出す姿をたとえたという解説がありました。
2016.12.15
コメント(0)
☆今年も、団地内で、十両、百両、千両、万両を見つけました。今回は、最後の万両(マンリョウ)です。☆マンリョウは、関東地方以西・四国・九州・沖縄に自生するサクラソウ科(ヤブコウジ科)ヤブコウジ属の常緑小低木です。☆マンリョウは、常緑で赤い実が美しいので庭木として植えられ、正月の飾りにも使われています。☆マンリョウ(万両)の名は、赤い実の付き方が豪華でセンリョウ(千両)より実が美しいので名付けられたそうです。☆マンリョウの葉は互生しており、縁が波立っており、内腺体(腺体、葉瘤)があります。☆葉の内腺体(波状に膨れた部分)には、窒素を固定する葉粒菌が共生しているそうです。☆茎から小枝が螺旋状に出ているようです。☆マンリョウの花と実は、小枝の先に散房状につきます。☆マンリョウの花は、花冠が5つに分かれているそうですが、見たことはありません。実を見ると、萼が5つに分かれていることはわかります。☆マンリョウの花言葉は、「徳のある人」「陰徳」「寿ぎ(ことほぎ)」「金満家」「財産」「慶祝」などだそうです。マンリョウは、「万両」というお金にまつわる名前がついており、美しい赤い実がたくさん付くことから、お金やめでたいことに関わる花言葉がついたようです。
2016.12.12
コメント(0)
☆12月3日、立川エコパートナー講座「秋の観察会とアクティビティ」が行なわれ、国立国語研究所前の広場に集合しました。国立国語研究所前の正門からの並木の木は、見なれない木でした。明らかに外国産の樹木のようです。樹形はポプラに似ていますが、枝ぶりや葉の形が違っています。☆落葉高木で、青空にそびえるように伸びています。葉は、カシワの葉を小さくしたような形で、ブナ科の楢の木の仲間であることはわかります。☆エコパートナー講座のガイドの方の説明によると、外国産の樹木で樹種は「オーク」ということでした。☆帰宅してから調べてみると、葉の形からブナ科コナラ属のオーク(ヨーロッパナラ)のようです。知識不足・資料不足なので、確かなことは今後継続して調べていくことにします。☆茎の途中からたくさんの小枝が伸びていますが、これは本来の樹形なのでしょうか。それとも、街路樹としてこのように仕立てたものなのでしょうか。☆木肌の色とコルク質の様子は、日本のコナラとクヌギの中間のようです。☆地面を見ると、ドングリが落ちていました。☆他の木の根元にも、ドングリが落ちていました。コナラのドングリよりは、大きいサイズでした。☆以下の資料を参考にさせていただきました。◎オーク類の名称。http://www.geocities.jp/kinomemocho/sanpo_oak.html
2016.12.10
コメント(0)
☆団地内に生えているトウネズミモチの木に、たくさんの実がなっているのを見つけました。トウネズミモチは、高さ10~15メートルになるモクセイ科イボタノキ属の常緑高木です。☆トウネズミモチの木は「たわわに」という表現がピッタリの実のなり方です。この大量の果実で、種をまき散らしてくれる野鳥を引き寄せるそうです。☆中国原産のトウネズミモチと日本に自生するネズミモチは、葉を比較すると見分けることができます。☆トウネズミモチの葉を裏面から見ると、主脈・側脈とも透けて見えるのがわかります。ネズミモチの場合は、主脈は見えますが側脈は見えません。ネズミモチは関東以西の山野に自生しますが、トウネズミモチは中国原産で明治初期に渡来しました。☆トウネズミモチの実は「たわわに」という表現がピッタリの実のなり方です。☆トウネズミモチ(唐鼠黐)の名は、「唐」は中国産、「ネズミモチ(鼠黐)」は熟した実が鼠のフンに似て葉がモチノキに似ていることに由来するそうです。☆トウネズミモチの実は、ネズミモチの実が細長い楕円形なのに対して、ネズミモチの実より丸い楕円形です。☆トウネズミモチは、公害に強いので公園緑化樹として利用されています。しかし、野鳥によって種が運ばれ野生化したものが多く、在来の植生に影響を与えるとして、外来生物法における要注意外来植物に指定されているそうです。団地内でも、野鳥に種が運ばれた実生のトウネズミモチをよく見かけます。
2016.12.06
コメント(0)
☆昨日の日記で、八重咲きのカンツバキの花で、「雄蕊の一部または全部が花びらのようになって八重咲きになる」ことを観察したと紹介しました。同じことを、八重咲きのサザンカで観察してみました。☆八重咲きのサザンカの花です。☆花びらの中央には、60本の雄蕊が見え、薄クリーム色の花糸の先端にある葯から花粉が出ています。中央には雌蕊花柱が見え、柱頭が3つに分かれています。☆別の八重咲きのサザンカの花です。花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。☆中央と左側の花びらは、右端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。☆別の八重咲きのサザンカの花です。やはり、花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。☆左側の花びらは、左端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。右側の花びらには葯が見え、花粉が出ているようです。☆八重咲きのサザンカの花でも、カンツバキの花と同じように、「雄蕊の一部または全部が花びらのようになって八重咲きになる」ことを観察できました。☆サザンカの花言葉は、「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」だそうです。「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」は、寒さが強まる初冬にかけて花を咲かせることに由来するといわれているそうです。
2016.12.05
コメント(0)
☆昨年の自然観察で学んだことの一つに、「雄蕊の一部または全部が花びらのようになって八重咲きになる」ということがありました。今年は、ムクゲの花やヤブカンゾウの花で「雄蕊の一部または全部が花びらのようになって八重咲きになる」ことを観察しましたが、八重咲きのカンツバキでも観察してみました。☆八重咲きのカンツバキの花です。花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。☆たくさんの雄蕊が見え、薄クリーム色の花糸の先端にある葯から花粉が出ています。上の小さな花びらは、左端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。☆別の八重咲きのカンツバキの花です。やはり、花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。☆上の左右の花びらは、端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があります。☆別の八重咲きのカンツバキの花です。やはり、花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。☆上と左右の花びらは、端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があります。☆別の八重咲きのカンツバキの花です。上の小さな花びらは、左端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。☆別の八重咲きのカンツバキの花です。上の小さな花びらは、左端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があります。☆八重咲きのカンツバキの花で、「雄蕊の一部または全部が花びらのようになって八重咲きになる」ことを観察することができました。☆カンツバキの花言葉は、「謙譲」「愛嬌」「申し分のない美しさ」などだそうです。寒さ厳しい季節に、日陰で美しい花を咲かせていることから、このような花言葉になったのでしょうか。
2016.12.04
コメント(0)
☆11月27日の日記で、「黄葉」した葉が黄色に見える仕組みを紹介しました。☆なぜ「黄葉」した葉は黄色に見えるのでしょうか。次のようなプロセスを経て、緑の葉は黄色に変わっていきます。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。☆ウォーキングの途中で、葉が緑色から黄色に変化しつつあるイチョウの木を見かけたので、上記のプロセスを実際に即して観察してみることにします。(2016年11月23日撮影)。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。1.温度が低い場合には、十分な光があっても光合成効率は悪くなります。2.葉それ自体も養分を消費しているため、葉が生産する養分が消費する養分より少ない場合に葉を残すことは植物の生存にとって不利になります。3.冬の空気は乾燥しているため、葉の表面から水分が蒸発することも問題になります。4.秋の晴天によって紫外線が増加し、活性酸素が増大するというデメリットも生じてきます。5.そこで落葉樹では秋になると,落葉の準備が始められます。◎まだ緑色ですが、これから黄葉になり始める前のイチョウの葉です。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。1.通常クロロフィルは常に分解・再生産されることを繰り返していますが、再生産が抑制され、分解だけが行なわれるようになります。2.その結果、緑色が薄くなり、葉に含まれる他の色素の色が見えるようになります。◎緑色のイチョウの葉が、周りから黄色に変化し始めています。◎イチョウの葉の3分の1ほどが、黄色に変化してきています。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。1.葉にはクロロフィルと呼ばれる光合成色素と、「カロチノイド」という黄色の色素が含まれています。2.黄色に見える「黄葉」は、クロロフィルが分解され、葉の中にもともと含まれていたカロチノイドという黄色の色素が見えて来ることで起こります。◎緑色の部分も、よく見ると、緑色が薄くなって、黄色に変化しつつあるのがわかります。◎緑色がすっかり消えてしまい、完全な黄色に変化したイチョウの葉です。
2016.12.02
コメント(0)
☆団地内の生垣のナワシログミの花が咲いています。☆ナワシログミは、本州(伊豆半島以西)、四国、九州に分布するグミ科グミ属の常緑低木です。公園木、海岸の砂防用、庭木として植えられています。ナワシログミの小枝は刺に変化しやすく、葉腋にも5~15ミリの小さな刺ができます。☆ナワシログミの花は、1~数個が葉腋についているように見えます。正確には、葉腋の極めて短い枝の苞腋に単生して短い総状に配列しているのが、葉腋に数個の花が束生しているように見えています。☆ナワシログミの花は、花びらがなく、萼筒が6~7ミリで、4つの陵があり、先端は4つに分かれており、裂片は三角形です。雄蕊が4本、雌蕊が1本ですが、萼筒の中から雌蕊花柱が伸びているのが見えます。☆萼筒は、基部でくびれて子房につながっています。☆よく見ると、すでに果実が成長してきています。☆果実は、先端に萼筒をつけたまま、これから5カ月間かけて熟していき、来年の4月には赤く熟します。ナワシログミ(苗代茱萸)の名は、果実が4月から5月の「苗代」を作るころに熟すことから名づけられました。「グミ」は、もともと「グイミ」といい、「グイ」はトゲ、「ミ」は果実で、「トゲのある果実」という意味だそうです。☆苗代茱萸の名前の由来になった4月に大きく赤く熟したナワシログミの果実(偽果)です。野鳥が実を食べ、種を拡散します。団地内のいたるところで、実生のナワシログミが生えています。偽果とは、萼筒の下部が肥大して液質多肉となったもので、中にある種子のように見えるのが本来の果実だそうです。(2012年4月23日撮影)。☆ナワシログミの花言葉は、「心の純潔」「冬の祈祷」だそうです。「冬の祈祷」とは、冬の季節に小さな白い花が下向きに静かに咲いていることから名づけられたのでしょうか。
2016.12.01
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)で、クサギの木の葉が落ちて、たくさんの実が目立つようになりました。☆クサギは、日本全国の日当たりの良い原野に自生するシソ科クサギ属の落葉小高木です。以前はクマツヅラ科に分類されていましたが、現在はシソ科とされています。☆5つに分かれた萼が、実の時期にはすっかり赤紫色になり、後ろにそり返っています。☆熟したクサギの果実です。果実は光沢がある藍色の液果で、後ろにそり返った5枚の赤い萼片がよく目立ちます。液果とは、多肉果とも言われ、果皮が肉質で液汁の多い果実のことだそうです。☆この果実は、鳥に食べられて種子が拡散するので、ウォーキングコース(玉川上水)のあちこちにクサギの若い木が目立ちます。クサギの果実は、カラス、キジバト、シジュウカラ、ジョウビタキ、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリなどに食べられるそうですが、どの野鳥もウォーキングコース(玉川上水)で冬に見かけます。☆8月に咲くクサギの花です。開花時に花の付け根に見える薄い緑色の萼片が、次第に赤くなり、果実が熟すと赤くなって反り返ります。(2015年8月10日撮影)。☆クサギ(臭木)の名は、葉が独特なにおいがすることから名付けられたそうです。実際に葉をちぎってみましたが、独特の臭いがあり、クサギ(臭木)という名に納得できます。(2016年7月26日撮影)。☆クサギの花言葉は、「運命」「治療」などだそうです。どのような由来があるのでしょうか。
2016.11.30
コメント(0)
☆今年も、隣の団地の入り口にあるアーチに巻きついたサネカズラの実が赤くなりました。☆サネカズラは、関東地方以西の山野の林縁に生えるマツブサ科サネカズラ属の常緑の蔓性植物です。今年は、昨年に比べて、サネカズラの実が多いようです。☆サネカズラ(実葛)の名は、実(サネ)が美しい葛(カズラ:つる性植物)に由来します。サネカズラの語源について、牧野新日本植物図鑑には次のように書いてあるそうです。「実葛は、多分、果実の時に美くし目立つからであると思う。また一説にサネカズラは古名のサナカズラの音転で、サナカズラは滑り葛(ナメリカズラ)の意味。このサは発語で、ナは滑(なめ)のナだという。」☆サネカズラの独特の形をした実が赤く色づき、艶のある鮮やかな色合いです。☆サネカズラの古い茎はコルク層が発達し、太さ2センチほどになります。上から見ると、時計巻きになっています。☆サネカズラの実が熟していく過程です。雌花から成長し始めたばかりの果実は薄緑色ですが、次第に薄クリーム色になります。☆薄緑色から薄クリーム色、そして次第に朱色を帯びてきます。☆次第に、朱色が濃くなってきました。☆朱色から、赤みが増してきました。☆全体が薄い赤色になりました。☆果実が赤く熟してきました。☆この果実を見ると、花の後に花床が球形に膨らみ、そこに小さな実がたくさん付いているのがわかります。☆すっかり熟したサネカズラの果実です。球形に膨らんだ花床に小さな実がついています。それぞれの実(液果)の中には、腎臓型の種子が2個入っているそうです。液果とは、果皮のうち中果皮または内果皮が、とくに多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆サネカズラは、雌雄異株と雌雄同株があるそうです。サネカズラの雄花です。花の中央に赤く見えるのは、雄蕊の集合体だそうです。(2015年8月10日撮影)。☆サネカズラの雌花です。花の中央に黄緑色に見えるのは、雌蕊の集合体です。(2014年8月7日撮影)。☆サネカズラの若い枝は赤褐色で、木部に粘液を含んでいます。かつて、蔓を水に浸して粘液を取って整髪料に使ったので、ビナンカズラ(美男葛)の別名があります。牧野新日本植物図鑑には、「美男葛は枝の皮の粘汁を水に浸出してその液で頭髪を整えたからである。」と書かれているそうです。☆サネカズラの花言葉は、「再会」「また逢いましょう」「好機をつかむ」などだそうです。調べてみると、百人一首の句に、サネカズラの蔓に縁結びを託すような「忍ぶ恋」の詩があるそうです。
2016.11.29
コメント(0)
☆昨日の日記で、「モミジの紅葉の仕組み」を紹介しました。続いて今日は、「黄葉」した葉はなぜ黄色になるかを紹介します。記事の作成にあたっては、国立科学博物館のホームページの「『紅葉』・『黄葉』のしくみ」を全面的に参考にさせていただきましたので、お断りしておきます。◎秩父ミューズパークのイチョウ並木の黄葉です。(2016年11月17日撮影)。☆なぜ「黄葉」した葉は黄色に見えるのでしょうか。次のようなプロセスを経て、緑の葉は黄色に変わっていきます。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」です。中央に黄色く見えているのは、クヌギの黄葉のようです。(2016年11月18日撮影)。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。1.温度が低い場合には、十分な光があっても光合成効率は悪くなります。2.葉それ自体も養分を消費しているため、葉が生産する養分が消費する養分より少ない場合に葉を残すことは植物の生存にとって不利になります。3.冬の空気は乾燥しているため、葉の表面から水分が蒸発することも問題になります。4.秋の晴天によって紫外線が増加し、活性酸素が増大するというデメリットも生じてきます。5.そこで落葉樹では秋になると,落葉の準備が始められます。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」と「紅葉」です。青空に黄色く映えているのはクヌギの黄葉、下の方で赤く見えるのはモミジの紅葉です。(2016年11月18日撮影)。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。1.通常クロロフィルは常に分解・再生産されることを繰り返していますが、再生産が抑制され、分解だけが行なわれるようになります。2.その結果、緑色が薄くなり、葉に含まれる他の色素の色が見えるようになります。◎荒川のライン下りで見かけた「黄葉」です。青空に黄色く映えているのはクヌギの黄葉で、緑色や茶色に見えるものもあります。(2016年11月18日撮影)。(3)葉の中にもともと含まれていた黄色の色素が見えて来る。1.葉にはクロロフィルと呼ばれる光合成色素と、「カロチノイド」という黄色の色素が含まれています。2.黄色に見える「黄葉」は、クロロフィルが分解され、葉の中にもともと含まれていたカロチノイドという黄色の色素が見えて来ることで起こります。◎荒川のライン下りで見かけた美しい景色です。緑色のものとともに、「黄葉」や「紅葉」、茶色に見えるものもあります。(2016年11月17日撮影)。◎荒川のライン下りの後の散策の途中で見かけた荒川流域の景色です。長瀞周辺の荒川流域の山々は、様々な色に色づいてきています。(2016年11月18日撮影)。◎同じく、荒川のライン下りの後の散策の途中で見かけた荒川流域の景色です。濃い緑色、黄緑色とともに、黄色、茶色、赤色などが混ざり、感動的な光景です。(2016年11月18日撮影)。◎なお、紅葉が真っ赤に色づくためには、次のような条件が必要だそうです。(キッズgoo保護者のページ「紅葉豆知識~なぜ紅葉するの?」参照)(1)日中の天気がいいこと。・赤い色素となる糖分は光合成によって作られます。(2)昼と夜の寒暖の差があること。・夜の気温が高いと、昼間作った糖分を使って活動してしまうため、鮮やかな赤になりません。(3)適度な雨や水分があること。・乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまいます。◎荒川のライン下りで見かけた美しい景色です。天候に恵まれ、久々に心洗われた飯能・長瀞・秩父での4日間でした。(2016年11月17日撮影)。
2016.11.27
コメント(0)
☆11月23日の日記に、秩父ミューズパークの「モミジの紅葉が見頃で、青空の下、真っ赤に染まったモミジの紅葉に感動しました。」と書きました。(2016年11月17日撮影)。☆そこで、今回は、秩父ミューズパークのモミジの紅葉とともに、モミジの紅葉の仕組みについて調べ、紹介することにします。☆記事の作成にあたっては、国立科学博物館のホームページの「『紅葉』・『黄葉』のしくみ」を全面的に参考にさせていただきましたので、お断りしておきます。☆なぜ「紅葉」した葉は赤色に見えるのでしょうか。次のようなプロセスを経て、緑の葉は赤色に変わっていきます。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。(3)葉の根元と枝の間に「離層」が形成される。(4)葉で作られたブドウ糖が分解され「アントシアン」がつくられる。(5)緑の葉は赤と緑が混じった茶褐色から赤色に変わっていく。☆このプロセスを詳しく見てみることにします。(1)落葉樹では秋になると落葉の準備が始められる。1.温度が低い場合には、十分な光があっても光合成効率は悪くなります。2.葉それ自体も養分を消費しているため、葉が生産する養分が消費する養分より少ない場合に葉を残すことは植物の生存にとって不利になります。3.冬の空気は乾燥しているため、葉の表面から水分が蒸発することも問題になります。4.秋の晴天によって紫外線が増加し、活性酸素が増大するというデメリットも生じてきます。5.そこで落葉樹では秋になると,落葉の準備が始められます。(2)クロロフィル再生産が抑制され緑色が薄くなる。1.通常クロロフィルは常に分解・再生産されることを繰り返していますが、再生産が抑制され、分解だけが行なわれるようになります。2.その結果、緑色が薄くなり、葉に含まれる他の色素の色が見えるようになります。3.黄色に見える「黄葉」は、葉の中にもともとクロロフィルと一緒に含まれていたカロチノイドという黄色の色素が見えて来ることで起こります。4.一方、赤色に見える「紅葉」は、次のように少しプロセスが複雑です。(3)葉の根元と枝の間に「離層」が形成される。1.「紅葉」する樹では、クロロフィルの再生産停止と同じ頃、葉の根元と枝の間に「離層」と呼ばれるコルク状の物質が形成されます。2.その結果、葉と枝の間の物質の交換を妨げるようになってきます。3.葉で作られたブドウ糖が、枝に流れず葉に蓄積されるようになります。(4)葉で作られたブドウ糖が分解され「アントシアン」がつくられる。1.ここに日光、特にその中でも紫外線が当たることでブドウ糖が分解されます。2.その結果、それまで存在しなかった新たな色素、赤色の「アントシアン」がつくられます。(5)緑色の葉は赤と緑が混じった茶褐色から赤色に変わっていく。1.イロハモミジなど「紅葉」する葉をよく観察すると、初め緑色の葉は赤と緑が混じった茶褐色の時期を経て、次いで全体が赤色に変わって行きます。2.葉で作られたブドウ糖が紫外線によって分解され、「アントシアン」がつくられ、緑色の葉が赤色に変わり、鮮やかな紅葉になります。☆初めて、本格的に「紅葉」の仕組みについて調べてみました。それにしても、感動的な秩父ミューズパークのモミジの紅葉でした。
2016.11.26
コメント(0)
☆今年も団地内で、ヤツデの花が咲き始めました。☆ヤツデは、本州(茨城県以南の太平洋側)・四国・九州・沖縄の海岸近い林内に生えるウコギ科ヤツデ属の常緑低木です。庭などにも植えられていますし、ウォーキングコース(玉川上水)では野生化しています。☆ヤツデは、球形の散形花序が集まって枝先に大きな円錐花序を作ります。☆今年初めて気づいたのですが、枝先の上部の開花した大きな散形花序とともに、下の方に小さな開花していない球形の散形花序が見えます。☆上部の開花した大きな散形花序は両性花で、下の方の小さな開花していない散形花序は雄花です。5年間もヤツデを観察してきましたが、枝の下部のほうに雄花があることは、今年初めて気がつき知りました。雄性先熟には注意して観察していましたが、新たな発見でした。☆ヤツデは、雄性先熟の植物です。ヤツデの花は、散形花序ごとに雄性期から雌性期になり、同じ散形花序内での自家受粉を避ける仕組みになっています。☆これは開花前期(雄性期)の花で、小さい5枚の花びらと5本の雄蕊があります。☆これは3年前に撮影した雄性期の花で、花中央のベージュ色の花盤には、たくさんの透明な蜜の粒が見えます。このヤツデの花盤にある蜜は、糖度50%という甘い蜜で、花が少ない冬の時期にほのかな香りと特別に甘い蜜で昆虫をおびき寄せます。(2013年12月15日撮影)。☆これは、雄性期の終わりに近づいた花のようで、雄蕊の葯から花粉が出ており、花盤の中央から5本の雌蕊柱頭が顔を出し始めています。(2013年12月15日撮影)。☆花びらと雄蕊が落ちると、雌蕊の柱頭が伸びて開花後期(雌性期)になります。雌性期の花の中央には、5本の雌蕊花柱が伸びて広がっています。(2013年12月15日撮影)。☆両性花の下にある雄花です。☆両性花は全て開花していますが、雄花は開花していません。両性花は雄性期が終わると雌性期に変わっていきますが、雄花は雄性期が終わっても雌性期にならずに、花弁を残したまま全体が枯れて落ちてゆくというので、引き続き観察してみます。☆ヤツデ(八つ手)の名は、葉が深く手のひらのように切れ込んでいることに由来するようですが、「八つ」は数が多いことを意味するそうです。葉は、7つか9つの奇数に裂けており、8つに裂けることはないそうです。この葉は、9つに裂けています。☆この葉は、7つに裂けています。ヤツデは、別名を「天狗の羽団扇(てんぐのはうちわ)」といい、大きい葉に魔物を追い払う力があると考えられてこの別名がついたそうです。☆この葉も、7つに裂けています。一見して8つに裂けているように見えますが、主脈は7本です。☆この葉は、5つに裂けています。一見して6つに裂けているように見えますが、主脈は5本です。☆ヤツデは虫媒花で、ハエが花粉を媒介する「ハエ媒花」だそうです。ハエは、気温が低い時期にも活動するので、ヤツデなど冬に花が咲く植物にとっては重要な訪花者になるそうです。「ハエ媒花」には、白い花が多いこと、小さい花がかたまって咲くこと、蜜腺が露出していること、蜜腺が皿形になっていることなど、ハエが着陸しやすいという特徴があるそうです。☆ヤツデの花言葉は、「分別」「 親しみ」「健康」などだそうです。「健康」は、枯れ葉や葉の傷みが目立たない光沢のある丈夫な葉につけられているそうです。
2016.11.25
コメント(2)
☆秩父ミューズパークのイチョウ並木の黄葉が素晴らしいというので見に行ったら、イチョウ並木は残念ながら落葉してしまっていましたが、モミジの紅葉が見頃でした。青空の下、真っ赤に染まったモミジの紅葉に感動しました。☆秩父ミューズパークに行った時に、メタセコイアを見かけました。メタセコイアの名は知っていましたが、観察するのは初めてです。☆メタセコイアは、ヒノキ科(スギ科)メタセコイア属の落葉高木です。最近は、あちこちの公園で見かけるようになりました。☆メタセコイアは、三木茂博士が日本の新生代第三紀鮮新世から見出した植物遺体(化石)を研究し、「メタセコイア」と命名して、1941年に学会で発表しました。メタセコイアとは、すでに発見されていた常緑樹の「セコイア」に接頭語の「メタ(後の、変わった)」を付けたものだそうです。化石として発見され、当初絶滅種と考えられていたそうですが、1945年に中国の揚子江の支流の奥地で発見され、生きた化石として話題になったそうです。☆1949年以降、種子や苗木がアメリカから輸入されるようになり、公園や並木道、学校の校庭などに植えられるようになったそうです。各地のメタセコイアの巨木は、この時期に植えられたものが多いそうです。日本で栽培すると、良く成長し、挿し木でも増やせるそうです。煉瓦色になる秋の紅葉が美しく、秩父ミューズパークでも訪れた人の目を引いていました。☆メタセコイアの古い樹皮は赤褐色(灰褐色)で、縦に裂けて、薄く剥げ落ちます。☆メタセコイアの葉は、羽状に対生しており、線形で先が尖っています。☆メタセコイアによく似ているラクウショウの葉は互生でらせん状についていますが、メタセコイアの葉は対生なので区別できます。☆こちらは、昭和記念公園で観察したヒノキ科ヌマスギ属のラクウショウの葉です。ラクウショウの葉は互生でらせん状についています。(2016年8月16日撮影)。☆メタセコイアは、別名アケボノスギ(曙杉)といいます。木村陽二郎氏が、人類が誕生する前から生き続けているからという意味を込めて名付けたそうです。英名は「dawn redwood」で、dawn(あけぼの)、redwood(セコイア、アカスギ)の意味ですが、和名が先か、英名が先か、わかりませんでした。☆メタセコイアの花言葉は、「平和」「楽しい思い出」だそうです。由来は、わかりませんでした。
2016.11.23
コメント(0)
☆チャノキ畑で、チャノキの花が咲いています。東京都内、主に武蔵村山市、瑞穂町、東大和市、そしてここ立川でも栽培されている狭山茶は、埼玉県産と区別するため「東京狭山茶」と名付けられているそうです。☆この「東京狭山茶」から、東日本大震災の発生した2011年10月に東京都が行った検査で、一部の検体から国の暫定基準値を上回る放射性セシウムが検出され、出荷・販売の自粛を要請したことがありました。(2012年3月29日撮影)。☆生産農家は、年4回茶葉の刈込は続けなければならないし、早ければ5月中旬に収穫が始まるが、加工業者から「今年は買取できない」と言われ、また、加工業者・販売店も、「これ以上在庫を抱えられない。検査費用もかさみ売上も落ちている」と訴えているとのことでした。(2012年3月29日撮影)。☆明治時代、ここ立川では、緑茶の生産とともに海外に輸出するための紅茶の生産も盛んだったそうです。チャノキは、ツバキ科ツバキ属の常緑低木です。チャノキは、花の時期になるとツバキ科の植物であることが納得できます。☆ツバキの花を思わせるように、濃い緑色の常緑の葉、外側に数枚の花びら、たくさんの雄蕊があり、花は下向きに咲いています。☆花びらは5~7枚あり、たくさんの雄蕊が見え、真ん中には雌蕊が見えます。緑色の雌蕊の柱頭は、3つに分かれています。☆チャノキの花の萼片は緑色で長さ3~5mm、5~6個あり、内側のものほど大きいというのですが。濃い緑色の萼片が5枚見え、その内側に薄く緑色が残る花弁のようなものが3枚見えますが、花弁の外側のものは小型で萼片に近い性質を持っているということです。☆こちらのチャノキの花では、濃い緑色の萼片が4枚見え、その内側に薄く緑色が残る花弁のようなものが見えます。☆チャノキの実です。実には3本の筋があり、3個の種子が入っています。地図記号で茶畑を表示する三つの点「∴」は、この3個の種子に由来しています。(20014年7月22日撮影)。☆チャノキの花言葉は、「追憶」「純愛」「謙遜」などだそうです。「追憶」は、幼い頃の思い出のように、なつかしい感じをさせる白い花につけられているそうです。「純愛」は、たくさんの黄色いおしべを包んで、ふっくらと咲く花の姿の愛らしさからつけられているそうです。しろうと自然科学者は、小さな白い花を下向きに咲かせている姿から、「謙遜」をイメージしました。☆チャノキの「茶」の文字は、植物・草をあらわす「草冠(くさかんむり)」と、苦いことを意味する「余」からできているそうです。
2016.11.21
コメント(0)
☆公園や植え込みで、ソヨゴの赤い実が目立つ季節になりました。☆ソヨゴは、本州(関東地方以西)・四国・九州の山野に分布するモチノキ科モチノキ属の常緑小高木です。この木は、特別に赤い実が多いようです。☆ソヨゴ(冬青)の名は、風に葉がそよぐ木、風が吹くと葉がこすれる音がすることに由来するそうです。「冬青」は、冬でも葉が青々と茂っている常緑樹のことだそうです。☆ソヨゴの葉は、縁が波打っています。参考までに調べたところ、ソヨゴの現在の中国名は「具柄冬青」だそうで、長い花柄がある常緑樹ということのようです。ちなみに、アオハダの中国名は「大柄冬青」、モチノキの中国名は「全縁冬青」、クロガネモチの中国名は「鉄冬青」だそうで、漢字から何となくイメージが浮かびそうです。☆ソヨゴは、雌雄異株で5~6月頃に開花し、実は直径7ミリメートル程で5~6センチメートルの柄があってぶら下がります。☆同じモチノキ科モチノキ属のクロガネモチは、実がたくさん密集していますが、ソヨゴは実の数が少なく花柄が長いのが特徴です。☆ソヨゴの実の数は、1本の果柄に1~3個です。☆こちらは、実の数が1個または2個です。☆こちらは、実の数が3個のものが多いようです。☆ソヨゴの実は、球形で直径7ミリ程度、果柄は2~5センチです。☆ソヨゴの花言葉は、「先見の明」だそうです。「先見の明」とは、将来どうなるかを前もって見抜く見識の意味ですが、「雨が降らず地面が乾燥したやせ地でも育つように、分厚く丈夫な葉っぱを持っている」ことに由来するという説明がありました。
2016.11.20
コメント(0)
☆今年も、ウォーキングコース(玉川上水)に面した農家の庭先で、クロガネモチの鮮やかな赤い実が目立つようになりました。クロガネモチの木の大きさと枝先についたたくさんの実に、毎年感動します。☆クロガネモチは、本州(茨城県、福井県以西)・四国・九州・沖縄の山野に分布するモチノキ科モチノキ属の常緑高木です。樹高は10メートルで、まれに20メートルになることもあるそうです。クロガネモチの名が「金持ち」に通じるので、縁起木として庭木に植えられる地域もあるそうです。☆3年前の2013年12月、この農家の方が、このクロガネモチの木について話を聞かせてくれました。剪定などをしないので立派な大きな木になったこと、赤い実がたくさんなっていて縁起がいいので結婚式の入り口に飾りたいので一枝下さいと言ってくる方もいることなど。なお2月頃にはヒヨドリがやってきて実を全て食べてしまうそうです。☆クロガネモチの葉は互生で、先端と基部が尖っており、葉柄は紫色です。☆クロガネモチの葉は、表面が濃緑色で光沢があります。葉の中央で折れ曲がるようになり、舟形になっています。☆クロガネモチは、雌雄異株です。5~6月に花を咲かせ、雌株は11月~12月に赤い実が枝に鈴なりになる光景が美しく、庭木や公園樹として植えられています。この写真でも、葉が中央で折れ曲がり舟形になっているのがわかります。☆クロガネモチ(黒鉄黐)の名は、幼枝(新しい枝)や葉柄の黒紫色を黒鉄(くろがね)色に見立てたこと、葉が乾くと黒鉄色になることに由来するそうです。モチ(黐)は、モチノキと同じように樹皮から鳥黐(とりもち)を採ることから。近寄ってみると、幼枝(新しい枝)や葉柄の黒紫色を黒鉄(くろがね)色に見立てたことが納得できます。(2013年11月3日撮影)。☆クロガネモチの実は、ヒヨドリ、ツグミ、カラスなどが食べ、鳥が種を運んでいき、芽を出すこともあるようです。こちらの農家のクロガネモチの実は、紹介した通りヒヨドリの冬の食糧になっているそうです。☆クロガネモチ花言葉は、「魅力」「寛容」「執着」「仕掛け」などだそうです。調べてみると、「魅力」は赤い実が長く残って美しいこと、「執着」は赤い実が遅くまで残っていること、「仕掛け」は鳥もちを作って小鳥などを捕まえるのに利用されたからだそうです。しろうと自然科学者は、花言葉「魅力」に一票を投じたいと思います。
2016.11.19
コメント(3)
☆団地内で見かけるヤブコウジ(十両)の実を11月16日の日記、カラタチバナ(百両)の実を11月17日の日記で紹介しました。今日は、それに続いてセンリョウ(千両)の実です。団地の建物の北側のあちこちに、センリョウが植えられています。 ☆センリョウは、東海地方、紀伊半島から沖縄の暖地の林内に生えるセンリョウ科センリョウ属の常緑小低木です。冬の赤い実が美しいので栽培されており、お正月の生花として利用されています。☆センリョウの品種として、果実が黄色く熟すキミノセンリョウがあります。☆センリョウの葉は対生で、長楕円形から卵状楕円形で先は尖り、縁には鋭い鋸歯があります。☆センリョウの葉の縁にある鋭い鋸歯です。☆センリョウ(千両)の名は、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。☆昨年6月に咲いていたセンリョウの花です。緑色の丸い雌蕊の側面に、薄クリーム色の雄蕊が付いています。雌蕊の上に盛り上がっているのが柱頭で、雄蕊の横に薄茶色に見えるのが葯です。この雌蕊の側面に雄蕊が付いていた痕が実の横に残ります。(2015年6月26日撮影)。☆赤く熟した実を見ると、雌蕊柱頭の痕が実の先端にあり、雄蕊の付いていた痕が実の横に小さな黒い点として残っています。☆キミノセンリョウの黄色く熟した実でも、茶褐色の雌蕊柱頭の痕が実の先端にあり、雄蕊の付いていた痕が実の横に小さな茶褐色の点として残っています。☆センリョウの花言葉は、「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」「可憐」などだそうです。「利益」「裕福」「財産」「富」「恵まれた才能」は、たくさんの実をつける姿に由来するそうです。「可憐」は、端正な見た目を表しているそうです。センリョウ(千両)の名や、たくさんの実をつけた姿を見ると、「富」「恵まれた才能」がふさわしい気がします。
2016.11.18
コメント(0)
☆昨年10月、団地内で初めてカラタチバナの実を見つけました。今年も、カラタチバナの実が真っ赤に色づき、目立つようになりました。☆カラタチバナは、茨城県・新潟県以西の常緑樹内に生えるサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。☆カラタチバナは、百両と呼ばれます。江戸時代に中国から、漢名を「百両金」、略して「百両」と称する植物が伝来した際に、カラタチバナにこの名を当て、庭木・鉢植えなどを正月の飾りにしたことに由来するそうです。☆カラタチバナの葉は互生で、先は尖っており、縁には不明瞭な波状の鋸歯があり、表面には光沢があります。☆カラタチバナの葉をよく見ると、葉の縁には腺点が等間隔に並んでいます。☆カラタチバナの実は、直径6~7ミリの球形で、10月頃から赤くなり、翌年4月頃まで残っているそうです。☆カラタチバナ(唐橘)の名は、花がカラタチの花に似ていることに由来し、中国から渡来したので唐のタチバナ、カラタチバナになったという説がありましたが、カラタチバナは日本に自生する植物であり、正確にはわからないようです。☆カラタチバナの花言葉は、「富」「財産」「鋭敏」などだそうです。カラタチバナは、古典園芸植物の1つで江戸時代に改良が進み、100種もの品種が生み出され、寛政年間には売買価格が高騰して売買禁止令も出されたほど人気の植物だったそうです。「富」「財産」は、そんな事情から名づけられたのでしょうか。「鋭敏」は、十両・千両・万両に比べて葉が細長く鋭いことに由来するのではという記事もありましたが、どんな由来があるのでしょうか。☆「十両」や「千両」の名は、カラタチバナ(百両)を基準にして付けられたようです。カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。また、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。
2016.11.17
コメント(0)
☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、ヤブコウジの実を見つけたのは、2週間以上前の11月1日でした。住んでいる団地の中でも、ヤブコウジの実が色づいてきて目立つようになりました。説明文は、昭和記念公園の記事と重複する部分がありますが、了解願います。☆昨年12月、知り合いから教えられてツツジの生垣のまわりに数株のヤブコウジを見つけました。今年も、同じ場所でヤブコウジの実が赤くなっています。ヤブコウジは、北海道(奥尻島)・本州・四国・九州に分布するサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。樹高は、10~20センチメートル程度です。☆ヤブコウジの葉は互生で、茎の上部に3~4個が輪生状につきます。葉身は長楕円形で先端はとがっており、縁には細かい鋸歯があります。☆まだ赤く熟していない実が見えます。ヤブコウジの実が本格的に真っ赤に熟すのは、11月末でしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名は、赤い実をミカン(蜜柑)に見立ててヤマミカン(山蜜柑)と呼び、それがヤマタチバナ(山橘)になり、ヤブコウジ(藪柑子)になったそうです。藪に生え、ミカンのように常緑で夏に白い花を咲かせ秋に実をつけることから名づけられたのでしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名前の由来はミカンに似ていることに由来するそうですが、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべました。3年前に撮影したヤブコウジの実です。(2013年12月8日撮影)。☆3年前に撮影したヤブコウジの実です。萼は先端が5つに深く分かれ、直径5~6ミリの球形です。やはり、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべてしまいます。(2013年12月8日撮影)。☆カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。☆ヤブコウジは地下茎で増えていき、明るい場所で群生して密な群落を作るそうですが、太陽の光が当たるツツジの生垣のまわりに広がってきているようです。☆ヤブコウジの花言葉は、「明日の幸福」だそうです。「明日の幸福」は、「赤い実がお正月の飾りの松竹梅を引き立てて、幸運を呼び込むことからつけられたのでしょうか」というブログの記事がありましたが、しろうと自然科学者も共感しました。
2016.11.16
コメント(0)
☆先日カクレミノの葉の形の変化を観察したカクレミノの木に、実がなっているのを見つけました。秋になると、木の実は赤く熟するものが目立ちますが、黒っぽく熟する実は珍しいです。カクレミノの実は、ヒヨドリやツグミなど中型の野鳥が好んで食べ、野外での分布拡大に貢献しているそうです。☆カクレミノの木を知ってみると、団地内や民家の庭に植えられていることに気づきました。日陰に強いという利点を生かして、庭植えに多く利用されているようです。それにしても、たくさんの実が目立ちます。☆カクレミノは雌雄同株で、6月から7月に枝先に球形の散形花序を1個または2~3個出して、淡黄緑色の小さな花を15~40個つけるそうです。☆両性花だけつく花序と、雄花と両性花が混じる花序があり、花柄の長さは4~7センチです。カクレミノの花は子房下位で、花の時期から花の下に大きな子房が目立つそうです。子房下位とは、子房が花被(萼と花冠の総称)とおしべの付着点より下に位置することです。わかりやすいのはキュウリで、花びらの下に子房(キュウリの実)があります。☆カクレミノの果実は液果です。長さ約1センチの広楕円形で、10~11月に紫黒色に熟し、先端には雌蕊の花柱が残っています。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆カクレミノの淡黄緑色の花は次の記事を参考にしてください。◎カクレミノ。http://www.geocities.jp/ike_bird/1ka/kakuremino/kakuremino.htm☆カクレミノの成長にともなう葉の形の変化については、10月27日の日記で紹介しました。◎カクレミノの成長にともなう葉の形の変化(2016年10月27日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20161027/
2016.11.14
コメント(0)
☆昭和記念公園の「こもれびの丘」で、ヤブコウジの赤い実を見つけました。☆「こもれびの丘」にはさまざまな山野草があり、毎年新たな出合いがあります。「こもれびの丘」で、ヤブコウジを見かけたのは初めてです。☆ヤブコウジは、北海道(奥尻島)・本州・四国・九州に分布するサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木です。樹高は、10~20センチメートル程度です。☆ヤブコウジの葉は互生で、茎の上部に3~4個が輪生状につきます。葉身は長楕円形で先端はとがっており、縁には細かい鋸歯があります。☆ヤブコウジの実が本格的に熟すのは、11月末でしょうか。☆ヤブコウジ(藪柑子)の名は、赤い実をミカン(蜜柑)に見立ててヤマミカン(山蜜柑)と呼び、それがヤマタチバナ(山橘)になり、ヤブコウジ(藪柑子)になったそうです。藪に生え、ミカンのように常緑で夏に白い花を咲かせ秋に実をつけることから名づけられたのでしょうか。名前の由来はミカンに似ていることに由来するそうですが、しろうと自然科学者はサクランボの実を思い浮かべました。☆昨年は住んでいる団地の中で、十両(ヤブコウジ)・百両(カラタチバナ)・千両(センリョウ)・万両(マンリョウ)の4種類を観察することができました。全てに共通するのは、(1)赤い実(2)低木(3)常緑の3要素です。☆十両(ヤブコウジ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対して、ヤブコウジは実が2・3個なので見劣りするから「十両」と名付けられたそうです。ヤブコウジは、樹高が10~20センチメートル程度です。(2015年12月5日撮影)。☆百両(カラタチバナ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。中国の古い植物名に百両金という名の植物名があり、江戸時代に伝わったことから、百両をカラタチバナの名に当てたそうです。カラタチバナは、樹高が20~70センチメートル程度です。(2015年10月7日撮影)。☆千両(センリョウ、センリョウ科センリョウ属の常緑小低木)です。センリョウ(千両)の名は、カラタチバナ(百両)の実が5~7個なのに対してセンリョウは実が5~10個と多いので「千両」と名付けられたと考えられているそうです。センリョウは、樹高が50~100センチメートル程度です。(2015年11月24日撮影)。☆万両(マンリョウ、サクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木)です。マンリョウ(万両)の名は、赤い実の付き方が豪華でセンリョウ(千両)より実が美しいので名付けられたそうです。マンリョウは、樹高が30~100センチメートル程度です。(2015年11月24日撮影)。☆ヤブコウジの花言葉は、「明日の幸福」だそうです。「明日の幸福」は、「赤い実がお正月の飾りの松竹梅を引き立てて、幸運を呼び込むことからつけられたのでしょうか」という解説がありました。☆今年も団地内で、十両(ヤブコウジ)・百両(カラタチバナ)・千両(センリョウ)・万両(マンリョウ)の実が赤く熟してきたら、順次紹介したいと思います。
2016.11.12
コメント(0)
☆昭和記念公園の玉川上水口の入り口で、ヒイラギの花が咲いているのを見つけました。☆ヒイラギは、本州(関東地方以西)・四国・九州・沖縄の山地に生えるモクセイ科モクセイ属の常緑小高木です。ヒイラギは、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり葉は丸くなるそうですので、観察してみることにしました。☆ヒイラギの葉は対生し、葉身は楕円形で厚くて硬く、表面は暗緑色で光沢があります。葉は全縁で、トゲは見当たりません。☆若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉はやや小さくなりトゲがなく丸くなるそうです。そのため、長寿の守護木として仰がれているそうです。☆ヒイラギの木の下の方を見ると、幹の南側にたくさんのヤゴ(ひこばえ)が成長してきています。☆ヤゴ(ひこばえ)は若い枝なので、葉にトゲがあるのではと観察してみると、やはり葉にトゲが見えます。☆幹の上の方についている葉は、老木なので全縁でトゲは見当たりませんが、幹の下から出ているヤゴ(ひこばえ)は若い枝なので、葉にトゲがあります。☆幹の北側のヤゴ(ひこばえ)の葉にも、やはり葉にトゲがあります。☆こちらは、全縁の葉とともに、小さいトゲが見える葉も見えます。樹齢を重ねて成長するとともに、鋭いトゲが次第に小さなトゲになり、最終的には全縁の葉になるようです。☆ヒイラギは雌雄異株で、雌株の花は花柱が長く、雄株の花は2本の雄蕊が発達して雌蕊は小さいそうです。これは、2本の雄蕊が目立ち、雌蕊は小さいので雄株です。☆ヒイラギの花には、茎から伸びる緑色の花柄、緑色の萼、4つに分かれる白い花冠、花糸が白く先端に薄茶色の葯が見える2本の雄蕊、中央に小さな黄緑色の不完全な雌蕊があります。雄蕊の葯からは、花粉が出ているようです。近くで、雌株・雌花を探しましたが、見当たりませんでした。☆2年前の2014年11月6日、東北の旅の途中で塩竈神社の境内にあるヒイラギ(柊)の老木、葉にトゲがないので疑問がわいて話題になりました。調べた結果、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり葉は丸くなることがわかりました。この老木も雄株で、雄花が見えます。(塩竈神社、2014年11月6日撮影)。☆3年前に観察したヒイラギとギンモクセイの雑種のヒイラギモクセイの花です。ヒイラギモクセイの花(雄花)は、花冠が深く4つに分かれて4枚の花びらのように見えますが、ヒイラギのように先端はそり返りません。2本の雄蕊があり、花の中心に退化した雌蕊が見えます。ヒイラギモクセイは雌雄異株ですが、雄株だけが知られているそうです。ヒイラギモクセイは実がならないので、繁殖は「取り木」で行うそうです。(2013年11月15日撮影)。☆4年前に撮影したキンモクセイの花です。花粉が出ているような2本の雄蕊と中央に先が尖った不完全な雌蕊が見えます。キンモクセイとギンモクセイも雌雄異株ですが、日本には雄株しかないので、挿し木や取り木で繁殖させるそうです。(2012年10月13日撮影)。☆ヒイラギ(柊、疼木)の名は、葉の縁のトゲに触るとひりひり痛むことから、「ひりひり痛む」という意味の古語「疼(ひひら)く、疼(ひいら)ぐ」に由来するそうです。漢字の「柊」は、「冬」という季節の意味もありますが、「ひひらく」の漢字「疼」と関連付けられたものと考えられるそうです。(『語源由来辞典』参照)。☆ヒイラギの花言葉は、「用心深さ」「先見の明」「保護」「歓迎」「用心」「剛直」などだそうです。「用心深さ」「用心」は、若木の葉のトゲに由来するのでしょうか。「先見の明」については、木が年齢を重ねていくと尖っていた葉が少しずつ丸くなり、最後には棘がすっかりなくなって丸い葉になってしまうので、最初は危ないと思っても、そうではないというような変化が、「先見の明」という花言葉になったという解説がありました。☆近所でヒイラギの雌株・雌花を探しましたが、見つけることができませんでした。ブログ「神戸の花と木(今の花と木の様子)」にヒイラギの雌株・雌花と実が紹介されていました。◎ヒイラギの雌花。http://kobehana.at.webry.info/201101/article_3.html
2016.11.07
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)の公園で、ガマズミの木に赤い実がなっているのを見つけました。ガマズミの樹高は、2~4メートルです。☆ガマズミは、北海道から九州の日当たりの良い山野に生えるスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。なお、ガマズミ属は、新しいAPG植物分類体系第3版ではスイカズラ科からレンプクソウ科に移されているそうです。☆ガマズミの葉は対生し、広卵形から円形で、ふちには浅い鋸歯があります。☆ガマズミの花期は4月下旬から6月で、枝先の直径6~10センチの散房花序を出し、白い小さい花を多数つけます。これは、2年前の9月に撮影したガマズミの花です。花の返り咲きは、一定の環境条件があると植物の一部分で起こる現象で、ガマズミでも8月~12月に開花した例があるそうです。(2014年9月12日撮影)。☆ガマズミの花冠は深く5つに分かれ、白く長い花糸がある雄蕊は5本、雌蕊は1本です。(2014年9月12日撮影)。☆ガマズミの果実は、9月から11月に赤く熟してきます。☆ガマズミの果実は、同じガマズミ属のミヤマガマズミに比べて数が多いようです。同じガマズミ属のゴマギは、赤い果実は似ていますが、果実をつけている花茎や花柄が赤くなるので区別できます。☆ガマズミの果実は、核果です。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ガマズミの果実は、初冬には甘くなり食べられるそうですが、果肉は薄く種子が大きいそうです。ガマズミの果実で果実酒を作ると、きれいな深紅の色になるそうです。ガマズミの果実は、昔から天然の着色料だったそうです。☆ガマズミ(莢蒾)の名は、「神つ実(カミツミ)」から転じた説や、酸っぱい実であることから「噛み酢実」が転化した説、「ズミ」は果実で衣類を摺り染めしたことから「染(ソミ)」が転じた説などがあるそうです。(『語源由来辞典』参照)☆ガマズミの花言葉は、「私を無視しないで」「結合」「未来」「恋のあせり」「愛は強し」などがあるそうです。いったいどんな由来があるのでしょうか。
2016.11.02
コメント(2)
☆近所の公園で、カリンの木に実がなっているのを見つけました。カリンは、中国原産で、平安時代に渡来したとされるバラ科ボケ属の落葉高木です。東北地方や関東甲信越で、庭木として栽培されています。(2016年10月19日撮影)。☆カリンは、樹皮が灰緑褐色で平滑、樹皮が鱗片状に剥がれるのが特徴です。☆どのように剥げ落ちるのかはわかりませんが、片状に剥げ落ちた斑紋が残っています。☆カリン(花梨)の名は、マメ科のカリンの木理(木目:木材の断面に年輪の配列などによってつくられる模様)が似ていることから名づけられたそうです。☆カリンの葉は互生で、倒卵状の楕円形です。☆カリンの葉の表面は、無毛で光沢があります。☆カリンの葉の裏面は、葉脈に沿って軟毛があります。☆カリンは、ボケの実を大きくしたような楕円形の果実をつけます。☆カリンは、ボケと同じように花柄がごく短いので、茎に果実が直接ついているように見えます。果実は、硬く酸味が強いので生食はできませんが、輪切りにして砂糖漬けにしたり、焼酎漬けにしてカリン酒を作ったり、咳止めなどの薬用にも利用されるそうです。☆最初に観察してから10日後のカリンの果実です。次第に黄色く色づいてきました。(2016年10月29日撮影)。
2016.11.01
コメント(0)
☆公園のシマトネリコの木に、鈴なりの実がついています。今年の7月7日の日記に「雌株は、花が咲いた後に鈴なりの実をつけるというので、引き続き観察してみたいと思います。」と書きました。☆シマトネリコは、日本では沖縄に自生するモクセイ科トネリコ属の常緑ないし半落葉中高木です。常緑の樹木ですが、寒い地域では半落葉樹になるそうです。☆シマトネリコは、6月から7月に小さなたくさんの花を咲かせます。小さく艶のある葉が特徴です。葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~11枚だそうです。熱帯育ちの植物なので、あまり寒さには強くありませんが、関東以南の地域では庭木などとして植えられているそうです。最近あちこちで見かけるようになりました。(2016年6月30日撮影)。☆シマトネリコは雌雄異株で、雌株の花は、白い花冠が基部でわずかに合着し、4つに分かれています。雄蕊は2本、雌蕊が1本です。雄株は花を咲かせることはないといいます。なお、本州の山地に生えるトネリコの花には、花冠がないそうです。(2016年7月6日撮影)。☆文字通り鈴なりになっているシマトネリコの実です。☆シマトネリコの果実は、翅果(しか)です。翅果とは、果皮の一部が羽のように発達しており、風により飛散する果実のことです。ニレ、ハンノキ、トネリコ、カエデなどの果実が翅果です。羽の部分を翼(よく)といい、翼果ともいいます。☆シマトネリコは、光沢のある小さな葉が涼しげな樹形を作るので、人気が出てきている樹木だそうです。シマトネリコ(島梣)の名は、島は沖縄などの南国諸島に生えるトネリコ。トネリコ(梣)は、樹皮に寄生するイボタロウムシが分泌する蝋物質を「トネリコ」と言うことに由来するそうです。この蝋を動きが悪くなった敷居の戸溝に塗ると、戸の滑りが良くなるそうです。そこで「戸塗木(とぬりき)」から「トネリキ」に転じ、「トネリコ」の名前になったそうです。
2016.10.30
コメント(0)
☆近所の団地で、カクレミノの木を見かけました。カクレミノは、本州(関東地方以西)・四国・九州の林内に生えるウコギ科カクレミノ属の常緑小高木です。一見して違和感を持ったのは、下の枝の葉と上の枝の葉の形が違うことです。☆幹の下の方から伸びている枝の葉は、葉先が3つに分かれています。☆ところが、幹の上の方から伸びている枝の葉は、広卵形で切れ込みがありません。☆疑問に思って調べてみると、カクレミノの若木の葉は深く3つから5つに切れ込みができますが、成木では葉に切れ込みがないということでした。☆カクレミノの幹の下の方から伸びている枝は、若木の時からあるので、葉に切れ込みができているようです。古い葉ほど中央の裂片の先端は丸く、新しい葉は中央の裂片の先端が尖っています。なお、秋から冬にかけて、下部の葉は黄色くなって落葉するそうです。☆こちらの枝のカクレミノの葉は、周りの古い葉は3つに分かれていますが、中央の新しい葉は切れ込みがない全縁です。成長するにつれて、切れ込みが浅くなり、3つに切れ込みがある葉と全縁の葉が混ざってつくようになるそうです。☆こちらは、幹の上の方から伸びている枝の葉です。全て切れ込みがない全縁の葉です。☆全縁の葉は、葉の先端が鋭く尖っており、3つの葉脈が見えます。☆同じような成長にともなう葉の形の変化は、ヒイラギでも見られます。ヒイラギは、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり葉は丸くなるそうです。☆こちらは、近所で見かけたヒイラギの若木の葉です。葉は光沢があり、縁には先が鋭い棘となった鋸歯があります。ヒイラギ(柊、疼木)の名は、葉の縁の棘に触るとヒリヒリ痛むこと、古語で疼(ひひら)く、疼(ひいら)ぐことから。☆こちらは、2年前の東北の旅で塩竈神社の境内で見かけたヒイラギの老木です。葉は、どれを見てもトゲがなく長楕円形です。☆ヒイラギは、若木の時は葉にトゲがあり、老木になると葉のトゲがなくなり丸くなるので、長寿の守護木として仰がれているそうです。☆カクレミノ(隠蓑)の名は、密に付いている葉の形を雨具の蓑に例えて、身につけると姿が隠せる蓑に見立てたという説や、鬼や天狗の持ち物で天狗の宝物の隠れ蓑に似ていることに由来するという説もあるそうです。
2016.10.27
コメント(6)
☆近くの団地のヤマボウシの木に、たくさん実がついているのを見つけました。ヤマボウシは、本州から九州の山地に生えるミズキ科ミズキ属の落葉高木で、街路樹・庭園樹・公園樹などとして用いられています。☆まだ熟していない若い果実から、熟した果実までを見かけたので、観察してみました。ヤマボウシの果実は、球形の集合果です。緑色から赤褐色に変わってきた若い果実です。☆こちらは、少しオレンジ色に変化してきた果実です。☆さらに熟してきた果実です。オレンジ色が濃くなってきました。☆かなり熟してきた果実です。オレンジ色から赤く変化してきました。☆すっかり熟した果実です。形も丸みをおびてきました。ヤマボウシの熟した果実にも、集合果を形づくる一つひとつには、小さな萼筒と花柱が残っています。☆ハナミズキ(2016年10月23日の日記)と同じように、ヤマボウシの花から果実ができていく過程を振り返ってみることにします。5月中旬に開花したヤマボウシの花です。☆白い花びらのように見えるのはハナミズキと同じ総苞片で、真ん中に見えるのが頭状花序で小さな花が集まったものです。ヤマボウシ(山法師、山帽子)の名は、頭状花序を僧兵の頭に見立て、また白い総包片を頭巾に見立てて、白い頭巾をかぶった山法師を連想することから名づけられました。☆頭状花序の一つひとつの蕾を見ると、これから開花する花びらの周りに四角形の萼筒があるのがわかります。☆ヤマボウシは、それぞれに4枚の花びらがある20個から30個の直径5ミリ程度の花を開きます。4枚の緑色の花びら、4本の雄蕊、花の中央に雌蕊花柱が見えます。ヤマボウシの赤い果実は、この頭状花序が集まって球形の集合果に結実したものです。☆8月下旬のヤマボウシの果実です。緑色の集合果が成長してきています。集合果を形づくる一つひとつには、小さな四角形の萼筒と花柱が残っています。この後の果実の成長は、すでに紹介した通りです。☆ヤマボウシの花言葉は、「友情」だそうです。「友情」というのは、頭状花序が集まって球形の集合果に結実することから名づけられたのでしょうか。
2016.10.26
コメント(0)
☆ゴンズイの木に赤い袋果が目立つようになりました。ゴンズイは、本州(関東地方以西)・四国・九州の林内に生えるミツバウツギ科ゴンズイ属の落葉小高木です。☆ゴンズイ(権萃)の名は、樹皮の模様が魚のゴンズイに似ていること、また材が脆くて薪(たきぎ)以外には役に立たないことが魚のゴンズイ(背びれ・胸びれに毒があり食べられない)に似ていることから名付けられたなどの説があるそうです。灰緑色で白褐色の皮目が縦縞状になっている樹皮を見ると、水族館で群れをなして泳いでいる魚のゴンズイの色に似ているような気がします。☆ゴンズイの葉は対生で、奇数羽状複葉です。小葉は5枚から9枚だそうですが、この写真では7枚の小葉が見えます。☆ゴンズイは、5月から6月に、枝先によく分岐してたくさんの淡黄緑色の小さな花がつく円錐花序をつけます。赤くて目立つ果実は毎年観察していますが、花は目立たないので、まだ観察したことがありません。☆枝先に袋果がたくさんついています。ゴンズイの袋果は長さ1センチメートルほどの半月形です。袋果は、1つの花から1個ないし3個できます。☆袋果は熟すると赤くなり、その後裂けて中から光沢のある黒い実が現れます。☆この写真では、裂けた袋果の中に光沢のある黒い実が1個ないし3個見えます。☆ゴンズイの花言葉は、「一芸に秀でる」だそうです。「役に立たない」と言われながらも「一芸に秀でる」という花言葉がついているのには、どのような由来があるのでしょうか。
2016.10.25
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)のウメモドキの木です。赤い実が目立ちます。ウメモドキ(梅擬)の名は、葉や茎がウメ(梅)に似ていることから名づけられたそうですが、確かに葉や枝ぶりは梅に似ていると思いました。☆ウメモドキは、本州・四国・九州の山間の湿地に生えるモチノキ科モチノキ属の落葉低木です。赤い実は、9月頃から目立つようになります。実が美しいので、庭木として植えられています。☆ウメモドキは雌雄異株で、実がなるのは雌株です。葉が落ちると、赤い実が一層目立つようになります。☆果実は赤いのが一般的ですが、実が白いシロウメモドキ、実が黄色いキミノウメモドキもあるそうです。☆こちらは、ツルウメモドキの実です。ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、「蔓性植物で葉の形がウメに似ていることに由来する」とか、「赤い実がウメモドキに似て蔓性植物なので」というのがありましたが、黄色い果皮が落ちた赤い仮種皮に包まれたツルウメモドキの種子が、ウメモドキの赤い実に似ているという説にも一理あるような気がします。(2015年12月9日撮影)。☆ウメモドキの花言葉は、「明朗」「知恵」「深い愛情」だそうです。どのような由来があるのでしょうか。
2016.10.24
コメント(0)
☆次第に秋が深まり、ハナミズキの赤い実が目立つ季節になりました。ハナミズキは、北アメリカ原産で、庭木や街路樹として植えられるミズキ科ミズキ属の落葉高木です。日本には、ソメイヨシノを贈ったお礼に1915年に贈られたのが始まりだそうです。☆ここ立川では、街路樹や公園にハナミズキが多く見かけられます。花で楽しみ、緑の葉で楽しみ、紅葉で楽しみ、葉が散った後は赤い実で楽しむ。何度も楽しめる花です。☆ハナミズキの赤い実は、オナガやムクドリ、ヒヨドリなどに食べられるようです。☆実の先端をよく見ると、萼や雌蕊花柱が残っているようです。☆実に萼や雌蕊花柱が残っているので、ハナミズキの赤い実ができるまでを振り返ってみることにします。4月中旬に咲くハナミズキの花です。白い花びらのようなのは頭花全体を包む総苞で、花の中心に見える緑色の一つ一つが1個の花です。☆一つひとつの蕾を見ると、蕾の下の方に先端が浅く4つに分かれている萼筒が見えます。☆ハナミズキは、それぞれに4枚の花びらがある直径5ミリ程度の花を開きます。4枚の緑色の花びら、4本の雄蕊、花の中央に雌蕊花柱が見えます。ハナミズキの赤い実は、この頭状花序の一つひとつが結実したものです。☆5月下旬のハナミズキの実です。これから4~5カ月かけて実が大きく成長し、赤くなります。実の先端には、先端が浅く4つに分かれている萼筒と雌蕊花柱が見えます。☆10月初旬のハナミズキの実です。ハナミズキの実が成長していく様子がわかります。下には大きく成長してきている緑色の実、左右には赤く色が変わりつつある実、上には赤く熟した実が見えます。実の先端には、萼筒と雌蕊花柱が見えます。☆10月中旬、すっかり熟したハナミズキの実です。実の先端には、黒褐色になった小さな萼筒と雌蕊花柱が見えます。☆ハナミズキの花言葉は、「永続性」「返礼」「私の想いを受けてください」だそです。「返礼」「私の想いを受けてください」は、最初に紹介したソメイヨシノを贈ったお礼に贈られたことに由来するようです。
2016.10.23
コメント(0)
☆キンモクセイが、数日前から開花し始め、甘く強い香りが街中に漂っています。キンモクセイ(金木犀)の名は、白い花が咲くギンモクセイ(モクセイ)の変種でオレンジ色の花をつけることから、ギン(銀)に対してキン(金)と名づけられました。モクセイは、漢名「木犀」の音読みで、樹皮が動物のサイ(犀は呉音では「サイ」、漢音では「セイ」)の皮に似ていることからと言われているそうです。☆キンモクセイは、中国原産で江戸時代に渡来したモクセイ科モクセイ属の常緑小高木で、庭木として広く植えられています。団地内の生垣の角々にも、キンモクセイが植えられており、たくさんの花が咲き始めました。☆キンモクセイの花は、咲き始めのころの香りが強いようです。☆キンモクセイは雌雄異株で、日本には雄株しか入ってきていないそうです。雄株しかないので、挿し木や取り木で繁殖させるそうです。☆キンモクセイの花は、葉の脇にオレンジ色の小さな花が束生して咲いています。花冠は4つに分かれており、それぞれの花の中に2本の雄蕊が見えます。☆4年前に撮影したキンモクセイの花です。花粉が出ているような2本の雄蕊と中央に先が尖った不完全な雌蕊が見えます。(2012年10月13日撮影)。☆キンモクセイの花言葉は、「謙虚」「陶酔」「初恋」「真実の愛」「真実」「気高い人」などがあるそうです。「謙虚」は、強い香りに比べてキンモクセイの花が小さいことから名づけられたのでしょうか。「陶酔」は、キンモクセイの甘く強い香りに酔いしれることから名づけられたのでしょうか。
2016.09.30
コメント(0)
☆約2週間、北海道の旅に出ていましたので、昭和記念公園での自然観察(2016年8月16日撮影)を15回にわたって掲載してきました。第15回(最終回)は、ラクウショウです。☆昭和記念公園の自転車専用道路の脇にラクウショウの木がありました。ラクウショウは、昨年初めて知った樹木です。枝先に実がついているのが見えます。☆ラクウショウは、北アメリカ島南部原産のヒノキ科ヌマスギ属の落葉針葉高木です。針葉樹なのに落葉樹なので、新緑の時期が美しいようです。☆ラクウショウの実が見えます。比較的似ているとされる同じヒノキ科メタセコイア属のメタセコイアとは、葉や実の付き方で区別できます。☆ラクウショウの実です。メタセコイアの実には2センチほどの果柄がありますが、ラクウショウの実には殆んど果柄がなく、枝に直接ついている印象です。☆ラクウショウの葉です。メタセコイアの葉は対生ですが、ラクウショウの葉は互生でらせん状についています。☆ラクウショウの葉です。枝に対して左右に互生ではなく、左右と後ろ側にもついています。☆ラクウショウの幹です。樹皮は赤褐色で、縦にスジが入っています。縦に細かく裂け、薄く長く剥がれるそうです。湿地では、膝根(しっこん)と呼ばれる呼吸根(気根)を地上に出すそうですが、乾燥した土地に植えた場合には膝根があまり発達しないそうで、根元を見ても膝根は見当たりませんでした。☆ラクウショウ(落羽松)の名は、漢名の音読みで、小さな葉が短枝に左右2列に羽根状につき、秋にはその枝ごと落下するので、落ちる枝を鳥の羽に見立てて名付けられたそうです。別名のヌマスギ(沼杉)は、湿地に自生するためだそうです。
2016.09.10
コメント(0)
☆約2週間、北海道の旅に出ていましたので、昭和記念公園での自然観察(2016年8月16日撮影)を15回にわたって掲載してきました。第14回は、ホオノキです。☆昭和記念公園の自転車専用道路の脇にホオノキがありました。すでに冬芽ができているようなので、観察してみることにしました。ホオノキは、北海道から九州の山地に生えるモクレン科モクレン属の落葉高木です。樹高は20メートル以上になり、30メートルになることもあるそうです。幹の直径は、最大で1メートルにもなるそうです。☆ホオノキの葉は、殺菌作用があり朴葉寿司など食べものを包むのに利用されます。また、落葉は火に強いので、飛騨高山地方の郷土料理の朴葉味噌のように味噌とネギや山菜などの材料をのせて焼くのに利用されています。☆ホオノキの葉は、倒卵状の長楕円形で大きく、葉身が長さ20センチから40センチ、幅が13センチから25センチもあります。葉は、新しい枝の枝先に集まって輪生状についています。葉の付き方は、輪生ではなく互生です。☆葉の付け根を見ると、少しずつずれており、互生であることがわかります。☆ホオノキの枝先に、冬芽が成長してきています。☆冬芽がついている枝には、枝を一周する托葉痕があります。この托葉痕は、「ハチマキ」と呼ばれ、モクレン科に共通する特徴だそうです。冬芽は、2個の托葉と葉柄が合着したキャップ状の芽鱗に包まれています。4月には、新しい葉を広げます。☆今年の5月初めに開花したホオノキの花です。(2016年5月6日撮影)。☆新しい葉の上に咲いている花の脇から、さらに新しい葉が出ています。春先に一斉にほとんど開葉し、その後、さらに新しい枝が伸びて順次開葉していくもので、「一斉+順次型」と言われ、ホオノキやニガキなどで見られる特徴だそうです。(2016年5月6日撮影)。☆4年前の秋、昭和記念公園で見かけたホオノキの果実です。(2012年10月21日撮影)。☆ホオノキの花は、5月18日の日記で紹介しました。◎ウォーキングコースで咲くホオノキの花(2016年5月18日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20160518/
2016.09.09
コメント(0)
☆約2週間、北海道の旅に出ていますので、昭和記念公園での自然観察(2016年8月16日撮影)を15回にわたって掲載しています。第7回は、コノテガシワです。☆昭和記念公園の自転車専用道路の脇で、大きな木でヒノキのような葉の木に変わった形の実がついているコノテガシワの木を見つけました。☆コノテガシワは、中国原産で江戸時代に渡来したヒノキ科コノテガシワ属の常緑高木です。☆コノテガシワの実(球果)は、角がある独特の形です。色は、淡灰青色です。秋には褐色に熟し、楕円形で黒褐色の種子が4個入っているそうです。☆この独特の実の形。見た記憶があると思ったら、園芸品種のセンジュ(千手)が公園木や庭木として植えられているそうです。センジュは、こんもりと丸みをおびた小低木です。☆昨年の実です。4個の種子が無くなっています。☆コノテガシワの特徴は、枝の表裏の区別がないことだそうです。同じヒノキ科でも、ヒノキ属は明確な表裏の区別があるそうです。ヒノキ・サワラ・アスナロなどの葉の裏面が白く見えるのは白色気孔帯があるためで、コノテガシワの気孔帯は白色ではないために葉の表と裏の区別ができないそうです。こちらがコノテガシワの枝の表面です。☆こちらがコノテガシワの枝の裏面です。白色気孔帯が見えませんので、表面と同じように見えます。☆コノテガシワ(児の手柏、側柏)の名は、園芸品種のセンジュ(千手)の平たい枝が縦に並ぶところが、子供が手を上げる様子に似ていることから名づけられたそうです。「側柏」の名は中国名で、葉が直立して上に伸びるという枝葉の形をそのまま表しているそうです。しかし、本来のコノテガシワは、枝はヒノキのように間延びし、コノテガシワ(児の手柏)の名は連想できません。
2016.09.02
コメント(2)
☆本日から約2週間、北海道の旅に出ますので、昭和記念公園での自然観察(2016年8月16日撮影)を15回にわたって掲載することにします。第1回は、ノウゼンカズラです。☆昭和記念公園で、8月10日に紹介したアメリカノウゼンカズラの花とともに、ノウゼンカズラの花も咲いていました。☆ノウゼンカズラは、中国原産で平安時代に渡来したといわれているノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属のつる性の落葉低木または高木です。茎からたくさんの気根を出して樹木や壁などに付着して空に向かって伸びていきます。☆ノウゼンカズラは、枝先に円錐花序をつけます。花序は長く伸びて咲き、花冠の花筒はラッパ型です。☆ノウゼンカズラの花の花冠は、先端が浅く5つに分かれています。花冠の色は、外面が黄橙色で内面は朱黄色です。☆萼片は黄色で筒状、5つに分かれ先端が細長く尖っています。☆雄蕊は4本です。雄蕊は、長いのが2本と短いのが2本です。葯が2つに分かれているのがよくわかります。一つの花の中で雄蕊の長さや形が異なるものを、異形雄蕊というそうです。4本の雄蕊のうち2本が長く左右対称に上下1対ずつに配置されているものは、二長雄蕊(二強雄蕊)といい、シソ科やゴマノハグサ科に見られるそうです。☆雌蕊は1本で、柱頭(雌蕊の先端)が舌状に2つに分かれています。この部分に触ると、2片が閉じてしまうというのですが、試してみませんでした。☆ノウゼンカズラの葉は奇数羽状複葉で、小葉は5~13対です。この葉は、小葉が5対あります。小葉は先が尖り、粗い鋸歯が数個あります。☆ノウゼンカズラ(凌霄花)の名前の由来は、「凌霄花」は漢名から。「凌霄」の音読みは「ノウショウ」で、「凌」は「しのぐ」の意味で「霄」は空や雲の意味があり、空をしのぐように高く咲く花の姿から名付けられたそうです。「ノウショウカズラ」が転じて「ノウゼンカズラ」になったとのこと。☆ノウゼンカズラの花言葉は、「名誉」「栄光」「名声」などがあるそうですが、大きく伸びてたくさんの花を咲かせるイメージから考えられたのでしょうか。☆アメリカノウゼンカズラの花は、8月10日の日記で紹介しました。◎アメリカノウゼンカズラの花(2016年8月10日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20160810/
2016.08.27
コメント(2)
☆ウォーキングの途中で、民家の垣根のサンゴジュの木に赤い実がなっているのを見かけました。サンゴジュの木は植栽として利用されており、垣根などとしてよく見かけます。サンゴジュは、水分が多く含油率が少ないので防火木として利用されるそうです。☆サンゴジュは、本州(千葉県以西の海岸)・四国・九州に自生するレンプクソウ科(スイカズラ科)ガマズミ属の常緑小高木です。APG植物分類体系では、ガマズミ属はスイカズラ科からレンプクソウ科に分類されました。☆サンゴジュの葉は対生し、葉身は長楕円形で多くは全縁、ときにまばらな鋸歯があるそうです。質は厚く、表面には光沢があります。☆サンゴジュの葉は光沢があって美しいのですが、サンゴジュハムシの食害を受けます。4月に幼虫が大量発生し、サンゴジュの葉を食べ尽くしてしまうことがあります。5月半ば過ぎには土に潜って蛹になり、6~7月に成虫が現れ、成虫は葉肉を食べます。葉に、サンゴジュハムシの食痕が残っています。☆サンゴジュは、初夏6月に枝先に円錐花序を出して小さい花を多数開花させるそうですが、観察したことがありません。8月には、実が赤く熟してきます。☆果実は楕円形の核果で、初め紅色、その後秋に完全に熟すと藍黒色となります。なお、核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆サンゴジュは、短期間に一度に実が熟すクロガネモチなどとは違って、長期間にわたって実が熟すそうで、ヒヨドリなどによって食べられ種子拡散するそうです。☆サンゴジュ(珊瑚樹)の名は、秋に赤く熟す実が美しいので、それをサンゴに例えて名づけられたそうです。
2016.08.21
コメント(0)
☆昭和記念公園で、トチノキの実が大きくなっていました。☆トチノキは、北海道から九州の深山の谷間に多いトチノキ科トチノキ属の落葉高木です。大きいものは、樹高35メートル、幹の直径が4メートルにもなるそうです。街路樹としてもよく見かけます。☆トチノキの葉は、10~20センチの長い葉柄があり、葉身は大型の掌状複葉で小葉は5~7枚です。掌状複葉の中央の小葉は、大きいものでは長さが40センチにもなるそうです。しろうと自然科学者が知っている樹木で大きな葉が目立つのは、トチノキとホオノキです。☆トチノキは5月から6月に花が咲き、秋には実ができます。図鑑では、果実は「倒卵球形」とされていますが、しろうと自然科学者には球形に見えます。『広辞苑第6版』では、「倒卵形」とは「卵のやや尖った方を下にした形」とありました。熟すと果皮が3つに分かれるそうですが、果皮にスジが見えます。果皮の中には、光沢がある赤褐色の種子が入っています。☆トチノキの実は「栃の実」と言われ、澱粉やタンパク質を多く含んでいるため、熟した種子を粉にして水にさらして渋抜きをし、米と混ぜて餅などに加工し食用に利用されています。縄文時代から貴重な澱粉・タンパク源としてドングリなどとともに食用に利用されていたことが、遺跡からもわかっています。☆トチノキの花は、蜜源としてたくさんの採蜜ができるそうです。トチノキの花を観察することはできませんでしたので、昨年観察したベニバナトチノキの花で、トチノキ属の花の特徴を振り返りたいと思います。☆ベニバナトチノキの花序は大きな円錐花序で、下から咲き上がっていきます。近づくと、大きな円錐花序から甘い香りが出ています。(2015年5月12日撮影)。☆ベニバナトチノキは雌雄同株で、一つの花序に雄花と両性花が混在します。花序の右端と左下の花は、太く突き出る雌蕊が見えますので両性花です。それ以外の花は、雄蕊だけが見える雄花のようです。萼は筒状で浅く5つに分かれ、花弁は4枚です。(2015年5月12日撮影)。☆こちらは雄花です。花弁が4枚に雄蕊が7本見えます。雌蕊は退化しており、確認できません。(2015年5月12日撮影)。☆こちらは雌花です。花弁が4枚、太く突き出る雌蕊、7本の雄蕊が見えます。上の花びらにだけ斑紋があり、この斑紋は一般に「蜜標(ガイドマーク)」と呼ばれ、昆虫に蜜の分泌を教え、花粉を運んでもらうよう昆虫をガイドするためのものです。開花後約3日目までは花弁の蜜標が黄色く、その後は蜜標が徐々に赤味を帯びてくる(蜜分泌終了のサイン)ために花色は赤く見えるようになります。ミツバチ・マルハナバチ類は、花色の違いを識別することができるそうです。(2015年5月12日撮影)。☆以上紹介したベニバナトチノキの花の特徴は、花弁が白いトチノキにも共通しています。トチノキ(栃、橡、栃の木)の名前の由来は、諸説あるようです。トチノキ(栃)の名は、「ト」は「十」で「チ」は「千」で「万」になり、実がたくさんなる木ということに由来するというのは俗説なのでしょうか。
2016.08.17
コメント(0)
☆昭和記念公園で、ノウゼンカズラの花とともに、アメリカノウゼンカズラの花も咲いていました。☆アメリカノウゼンカズラは、北アメリカ原産のノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属のつる性の落葉低木または高木です。アメリカノウゼンカズラの花は、花冠の先端が5つに分かれ、花の色は黄橙色から赤色です。☆アメリカノウゼンカズラの花は、中国原産のノウゼンカズラに比べて花冠の花筒が長く、細長いトランペット型です。花序はノウゼンカズラのように長く伸びず、一カ所に花が集まって咲きます。☆萼片は花冠と同色で、先端が5つに分かれています。☆アメリカノウゼンカズラの花の花冠は、先端が浅く5つに分かれています。☆雄蕊は4本で葯が2つに分かれており、雌蕊は1本で先端が2つに分かれています。☆アメリカノウゼンカズラの葉は奇数羽状複葉で、小葉は3~7対です。この葉は、小葉が7対あります。☆アメリカノウゼンカズラ(亜米利加凌霄花)の名は、アメリカ原産のノウゼンカズラから。ノウゼンカズラ(凌霄花)の名前の由来は、「凌霄花」は漢名から。「凌霄」の音読みは「ノウショウ」で、「凌」は「しのぐ」の意味で「霄」は空や雲の意味があり、空をしのぐように高く咲く花の姿から名付けられたそうです。「ノウショウカズラ」が転じて「ノウゼンカズラ」になったとのこ
2016.08.10
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)を歩いていると、対岸にタマアジサイの花が咲いているのを見つけました。(2016年7月27日撮影)。☆対岸に移動して観察しました。タマアジサイは、福島県以南の関東地方や中部地方の山中の小川近くなどに自生するアジサイ科アジサイ属の落葉低木です。かつてはユキノシタ科に分類されていましたが、分子系統学的にはユキノシタ科とは縁遠いことがわかり、APG植物分類体系ではミズキ目アジサイ科に分類されているそうです。☆ウォーキングコース(玉川上水)では、別のところでも水辺にタマアジサイの花が咲いていました。やはり、タマアジサイは湿気の多い場所が生育に適しているようです。(2012年7月29日撮影)。☆タマアジサイは、枝先に散房花序をつけます。まだ蕾のもの、開花したもの、花が終わったものが見えます。アジサイの仲間では花の時期が遅く、ヤマアジサイは6月初旬から開花しますが、タマアジサイは7月下旬から開花します。大きくなった蕾から順番に咲くので、長い期間にわたって花が見られるそうです。☆タマアジサイの散房花序の蕾です。蕾は総苞片に包まれており、球形です。☆開花し始めたタマアジサイの花です。総苞片が開き始め、中から装飾花や両性花が顔をのぞかせています。☆開花したタマアジサイの花です。周りに装飾花、中央には多数の開花した両性花や蕾が見えます。装飾花の萼片は白で、中央に蕾が見えます。両性花は淡紫色で、花びらは4枚、雄蕊が8本、雌蕊が1本ですが、遠くから撮影したこの写真では確認できません。☆4年前に間近で撮影したタマアジサイの花です。装飾花の中央には、開花し始めた花びらと雄蕊が見えます。(2012年9月14日撮影)。☆拡大してみました。装飾花の萼片には淡紫色の脈が見え、開花し始めた装飾花の花びらは4枚、伸びた2本の雄蕊と、これから伸びる雄蕊の葯が見えます。両性花の花びらは4枚、多数の雄蕊、花びらが散ったものでは花柱の先端が2つに分かれている雌蕊、5つに分かれている碗型の萼が見えます。(2012年9月14日撮影)。☆タマアジサイの葉は対生で、葉の周りには鋭い鋸歯があります。タマアジサイ(玉紫陽花)の名は、散房花序の蕾が総苞に包まれていて球形なので名づけられました。
2016.08.08
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)でクサギの花が咲いています。クサギは、鳥が実を食べてあちこちに種をまき散らすようで、ウォーキングコース(玉川上水)で増えてきています。ただ、このような大型のクサギは、ほとんど見かけません。☆クサギは、日本全国の日当たりの良い原野に自生するシソ科クサギ属の落葉小高木です。以前はクマツヅラ科に分類されていましたが、現在はシソ科とされています。枝先から集散花序を出し、芳香のある花をたくさんつけます。☆薄緑色の萼片は次第に赤みを帯びてきて、その中から先端が白く膨らむ紅紫色の細長い花筒が伸びて、先端の白い花冠を広げます。☆花のつくりは、緑色から次第に赤く変色する萼片5枚、白い花冠は5つに分かれ、雄蕊4本と雌蕊1本です。萼から紅紫色の細長い花筒がある花冠が伸びて平開し、雄蕊・雌蕊が、さらに突き出しています。☆クサギは雄性先熟で、最初に雄蕊が突き出し、その後に雄蕊が下がり雌蕊が突き出します。この写真では、下の花は雄蕊が突き出している雄性期の花で、上の花は雄蕊が後ろに丸まって雌蕊が突き出している雌性期の花です。☆これはクサギの咲き始めの雄性期の花です。雄蕊が熟して葯から花粉が出ているようですが、雌蕊花柱は曲がっており真っ直ぐに伸びていません。☆同じく咲き始めの雄性期の花です。雄蕊が真っ直ぐに伸び、雌蕊花柱は真っ直ぐに伸びていません。☆これは、クサギの雌性期の花です。雄蕊が後ろに丸まっており、雌蕊が真っ直ぐ突き出しています。☆同じく雌性期の花です。雄蕊が後ろに丸まり、雌蕊が真っ直ぐ突き出しています。雌蕊柱頭は2つに分かれているようです。☆クサギ(臭木)の名は、葉が独特なにおいがすることから名付けられたそうです。
2016.07.31
コメント(0)
☆7月18日から21日まで能登半島へ旅に出かけましたが、あちこちでクズが草木を覆っているのを見かけました。☆クズの葉をよく見ると、光の強さに応じて葉の向きを変える調位運動をしているのを見つけました。そこで、詳しく観察してみることにしました。☆クズの葉は、三出複葉です。光が当たらない時は、3枚の小葉が同じ向きです。たちかわ市民交流大学の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門」で学んだのですが、太陽の強い光を浴びると中央の小葉の向きを変えて葉を守るそうです。☆このクズの葉では、三出複葉の中央の小葉(頂小葉)の向きが変わり始めています。☆この写真では、日陰で日が当たらない右の葉は3枚の小葉が同じ向きですが、左上の葉は中央の小葉の向きが向かって左向きになっており、明らかに他の2枚の小葉(側小葉)とは向きが違っています。☆このクズの葉では、三出複葉の中央の小葉の向きが向かって左向きになっています。☆このクズの葉では、三出複葉の中央の小葉の向きが上向きになっています。☆このクズの葉では、三出複葉の中央の小葉の向きが右上向きです。☆このクズの葉では、三出複葉の中央の小葉の向きが右向きになっています。☆こちらのクズの葉でも、三出複葉の中央の小葉の向きが右向きになっており、他の2枚の小葉とは向きが違っています。☆3年前の秋に観察したクズの花です。このクズの木は日陰にあり、三出複葉の3枚の小葉は同じ向きの上向きです。(2013年9月8日撮影)。☆4年前の夏に観察したクズの花です。このクズの木は日向にあり、三出複葉のうちの2枚の小葉(側小葉)は太陽の方向を向いて光を浴びていますが、中央の小葉(頂小葉)の向きはこちら向きで太陽光線を避けているようです。(2012年8月27日撮影)。☆クズは秋の七草の一つで、日本全国の山野に生えるマメ科クズ属の多年草です。クズの花は華穂の下から上へと順に咲いていく印象深い花ですが、以上のような葉の仕組みも自然観察・植物観察の中では興味深いものです。(2013年9月8日撮影)。☆「葛の葉の昼寝」(『楽しい植物観察入門』、小・中学校理科教授用資料、大日本図書、21ページ)では、次のように説明されています。・「葛は他の植物を覆うように巻きつき、太陽の光を独り占めします。しかし、真夏の強い光が当たり過ぎると、薄い葉にダメージを受けてしまいます。そこで、三出複葉の中央の小葉を動かし光の当たる角度を調節して、葉を守っています。このような葉の状態を葛の葉の昼寝と呼んでいます。」☆「クズの葉の調位運動に関する研究(1)(2)」(九大演報、1997年)では、次のように報告されています。・「クズの葉の熱収支モデルから葉温の低下は蒸散量を低下させて水分利用効率を増大させるとともに、高温害や光合成の光阻害から葉を回避させている可能性も示唆している。」(「クズの葉の調位運動に関する研究(1)」)・「調位運動によって高照射と高温から回避しているとは考えにくい。むしろ、調位運動を行うことによって葉温を低げ、しかも蒸散速度を低下させることによって水ストレスの発生を抑え、結果的に光合成速度の低下を防いでいると推察される。」(「クズの葉の調位運動に関する研究(2)」)
2016.07.25
コメント(2)
☆ウォーキングコースでキョウチクトウの花が咲いています。花の色は、ピンク・黄色・白など、さまざまな園芸種があります。花の形は、一重咲きや八重咲きもあります。キョウチクトウは、枝先に集散花序を付けて花が咲きます。☆キョウチクトウは、インド原産のキョウチクトウ科キョウチクトウ属の常緑小高木で、観賞用として庭などに植えられています。明代に中国に入り、日本には江戸時代中期に伝来したといわれています。☆キョウチクトウ(夾竹桃)の名は、中国名の「夾竹桃」の音読みで、葉が細長く「竹」の葉に似ており、花が「桃」の花に似ていることに由来するそうです。「夾」の字には「はさむ」や「入り混じる」の意味があり、「竹」と「桃」の特徴を持っていることを意味するようです。☆キョウチクトウの葉は、厚い革質で細長い長楕円形です。キョウチクトウの葉は3枚が輪生するそうですが、3枚が輪生するものと2枚が対生するものがあるようです。調べてみると、キョウチクトウの葉は普通3枚が輪生しますが、4枚が輪生するものや2枚が対生するものがあるそうです。☆このキョウチクトウの木では、一番上と2段目は3輪生、3段目と4段目は2枚が対生しています。☆キョウチクトウの花の萼片は、5枚で披針形。萼片の外面には、花柄とともに短毛があるそうです。☆キョウチクトウの花は、一重咲きのものは花冠が5つに分かれており、左巻に回転しているような形になっています。花の中央には、細く先が尖っている副花冠があります。☆副花冠は、花冠や雄蕊の一部が変形してできたものだそうですが、ナデシコなどでも見ることができます。☆花の中央でふんわりとした棍棒状やねじった毛糸の束のように見えるものは、雄蕊の葯の付属体だそうです。5本の雄蕊や雌蕊はこの下にあり、見えないそうです。☆キョウチクトウは、乾燥や大気汚染に強いので、高速道路や一般道路など街路樹に利用されています。これは、葉の裏側にあるくぼみの開口部が狭く内部に毛が密生しており、自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くフィルターの役割をしているからだそうです。気孔は、くぼみの奥のほうに隠れているので水分の蒸散量が抑えられるので、乾燥に対する耐性が強くなっているそうです。☆花・葉・枝・根・果実すべての部分と周辺の土壌にも毒性があり、生木を燃した煙も毒性があるということなので、要注意です。
2016.07.15
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)の岸辺で、キイチゴの実を見つけました。☆葉や茎、実の形から、ナワシロイチゴと判断しました。☆ナワシロイチゴは、日本全土の山野の日当たりの良いところに生えるバラ科キイチゴ属の落葉小低木です。☆ナワシロイチゴの花は5月から6月に咲き、6月に実ができます。果実は数個から30個近くの核果が集まった球形の集合果で、直径は1.5センチ程度です。食べられるそうです。この集合果は、核果が30個近く集まっているようです。☆この集合果は、核果の数が少なく数個だけです。☆この集合果は、核果の数が10個以上あるようです。なお、核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ナワシロイチゴの花を付けない茎は、蔓状に伸びて長さ1.4メートル程度に伸び分枝します。☆ナワシロイチゴの葉は、頭大3出羽状複葉で、まれに5出になることもあるそうです。☆ナワシロイチゴ(苗代苺)の名は、ナワシロイチゴの果実がイネの種籾を蒔いて苗を育てる「苗代」を作る頃に熟すので名付けられたそうです。
2016.07.13
コメント(0)
☆ウォーキングコース(玉川上水)で、6月下旬からノブドウの花が咲いています。(2016年6月28日撮影)。☆ノブドウは、日本全国の山野に生えるブドウ科ノブドウ属の蔓性落葉低木です。葉に対生して、集散花序をつけます。ノブドウ(野葡萄)の名は、文字通り野に生える葡萄です。☆花は、ブドウのような円錐花序ではなく、同じブドウ科のヤブカラシとじ集散花序です。つぼみや花が見え、花びらと雄蕊が散ったものが見えます。花びらと雄蕊は、同じブドウ科のヤブカラシと同じように早くに落ちてしまいますので、なかなか観察できません。☆この集散花序の花は、花びらと雄蕊が見えます。ノブドウの花のつくりは、花びらが5枚、雄蕊が5本、雌蕊が1本です。花の形はヤブカラシと似ていますが、ヤブカラシは花びらが4枚で雄しべが4本です。ノブドウは、ヤブカラシと同じく雄性先熟の花です。花が咲いた直後は雄性期・雄蕊成熟期で、花びらと雄蕊が落ちた後に雌性期・雌蕊成熟期になります。☆なお、葉が深く切れ込むものをキレハノブドウというそうです。☆ノブドウの実です。秋にノブドウの実は鮮やかな青や紫色になります。(2012年10月30日撮影)。
2016.07.12
コメント(0)
全672件 (672件中 251-300件目)