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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。ヒメコウゾの花です。(2018年4月22日撮影)。☆ヒメコウゾは、本州(岩手県以南)から九州の低山地の林縁に生えるクワ科コウゾ属の落葉低木です。樹高は、2~5メートルになります。☆この写真は、昨年秋に撮影したヒメコウゾです。ヒメコウゾの葉は互生で、葉身は長さ4~10センチ、幅2~5センチのゆがんだ卵形です。切れ込みのないものから、2~3つに分かれるものまであります。葉の形に切れ込みがあるものや切れ込みがないものなどの変異は、ヤマグワ、カジノキ、ヒメコウゾなど、クワ科に共通する特徴です。(2017年9月14日撮影)。☆ヒメコウゾは、雌雄同株・雌雄異花で、新枝の基部の葉腋に雄花序、上部の葉腋に雌花序をつけます。上に雌花序が見え、下に雄花序が見えます。同じクワ科のヤマグワ、カジノキは雌雄異株です。コウゾ(カジノキとヒメコウゾの雑種)は、カジノキに近いものは雌雄異株、ヒメコウゾに近いものは雌雄同株・雌雄異花だそうです。☆ヒメコウゾの雄花序です。長さ1センチの柄があり、直径1センチの球形です。☆雄花は、雄蕊の花糸が伸びて、先端に白色の葯が見えます。雄花の花被片は卵形で先がやや鈍く、背面に軟毛があります。☆ヒメコウゾの雌花序です。長さ3~5ミリの柄があり、花柱を除いて直径約5ミリの球形です。多数の正常な雌花と、燭台形の不稔の雌花をつけるそうです。☆雌花は、長さ5ミリの赤色の花柱が多数あり、基部に2分岐したごく短い突起があるそうです。雌花の花被は、袋状だそうです。☆ヒメコウゾ(姫楮)の名は、古くから和紙の原料として栽培されていましたが、コウゾ(楮)より小型なのでコウゾと区別するためにヒメコウゾ(姫楮)の名になったそうです。☆コウゾ(楮)の名は、古名「カゾ」からコウゾやカジノキに転訛したという説や、樹皮から「神衣(かみそ)」を織ったことからカミソがカウゾとなりコウゾに転訛したという説があるそうです。漢字名「楮」は、中国ではコウゾは「構」あるいは「楮」があてられていたので「楮」の漢字があてられたそうです。
2018.06.02
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。コクサギの雄花です。(2018年4月22日撮影)。☆コクサギは、本州・四国・九州の低地の二次林に生えるミカン科コクサギ属の落葉低木です。高さは、1.5~3メートルです。☆コクサギは、左右に交互に2枚ずつ並んでいる独特の葉の付き方が特徴で、「コクサギ型葉序」と呼ばれています。葉序の進化は、輪生→十字対生→コクサギ形葉序→互生となり、コクサギ型葉序は十字対生に由来するもので、対生から互生への移行型と考えられているそうです。☆コクサギは、雌雄異株・雌雄異花で、雌株の雌花は1個だけ咲き、雄株の雄花は総状花序に咲きます。これは、雄株の雄花です。☆雄花序は総状花序で、長さ2~4センチで、花を十数個つけます。雄花は、長さ1~3ミリの花柄があります。萼片は狭三角形で先は尖り長さ約1ミリ、花弁は4枚で長さ1~2ミリの楕円形、雄蕊は4本あります。☆こちらは、雌株です。☆雌花は、花が終わって果実が成長してきています。雌花は単生で、長さ3~5ミリの花柄があります。雌花は雄花より大きく、萼片は長さ約2ミリの卵形で、花弁は長さ約3ミリの長楕円形、4個の小さな退化雄蕊と中央に1個の雌蕊があり、雌蕊柱頭は4つに分かれているそうです。☆コクサギの果実は、4個の分果に分かれています。分果は長さ8~10ミリの緑色で、秋に熟すと淡褐色になり、2つに分かれて乾燥した果皮が割れて反転し黒褐色の丸い種子を勢いよく弾き飛ばすそうです。☆コクサギ(小臭木)の名は、枝や葉に特有の臭気があること、低木でクサギ(臭木)に比べて小さいことから名づけられたそうです。
2018.05.29
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。クサイチゴの花です。(2018年4月22日撮影)。☆クサイチゴは、本州から九州の林地に生えるバラ科キイチゴ属の落葉小高木です。高さは、20~60センチになります。林の中の木陰に生えていたので、携帯用のコンパクトデジタルカメラで撮った写真が鮮明でないことをお断りしておきます。☆クサイチゴの葉は互生で、奇数羽状複葉です。葉は花枝では3小葉、徒長枝では5小葉からなるそうです。小葉には、細かい重鋸歯があります。☆花枝は短く、少数の葉があり、先に1~2個の花をつけます。萼は深く5つに分かれ、萼裂片は尾状に長く伸びます。☆クサイチゴの花は、直径4センチほどの大型で、白い花弁は5枚です。花の中央には突き出した花托に多数の雌蕊があり、その周りには多数の雄蕊があります。果実は直径約1センチの球形の集合果で、5~6月に紅く熟します。☆クサイチゴ(草苺)の名は、キイチゴの仲間ですが高さが低く草本のようであることから名づけられました。☆クサイチゴの花言葉は、「誘惑」「甘い香り」「尊重と愛情」などだそうです。
2018.05.28
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。キブシの果実です。(2018年4月22日撮影)。☆キブシは、北海道(西南部)から九州の雑木林や林縁などに生えるキブシ科キブシ属の落葉低木または小高木です。湿り気と日陰を好むそうです。ふつうは高さ3メートル程度ですが、ときに高さ7メートルにもなるそうです。写真は、5年前に撮影した花の時期のキブシです。(2013年3月26日撮影)。☆キブシは、雌雄異株・雌雄異花です。葉の展開前に開花し、長さ4~10センチの穂状花序が垂れ下がってつきます。(2013年3月26日撮影)。☆花の時期は終わっていましたので、花のつくりを5年前に撮影した写真で紹介します。雄花(両性花)・雌花とも雄蕊8個、雌蕊1個ですが、雌花の雄蕊は退化しています。中央に緑色の雌蕊、その周りに黄色い8個の雄蕊の葯が見えますので、雄花(両性花)です。(2013年3月26日撮影)。☆キブシの花は、花弁が4枚、萼片が4枚です。萼片4枚のうち、外側の2枚は小さく、内側の2枚は大きくて花弁状に見えます。(2013年3月26日撮影)。☆成長し始めたキブシの果実です。キブシの果実はかたく乾いた液果で、直径7~12ミリの楕円状球形になり、7~10月には黄褐色に熟すそうです。☆キブシ(木五倍子)の名は、キブシの実の黒い染料をヌルデの虫こぶから作るフシ(五倍子)の代用として使われたことに由来するそうです。江戸時代には、結婚した女性が歯を黒く染める「お歯黒」という風習がありました。お歯黒は、釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、五倍子やキブシの実の粉末をつけて歯につけると、黒く染まるそうです。
2018.05.27
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☆4月22日、八王子市・高尾山での自然観察会に参加しました。今後の自然観察のために、記録としてまとめ、その内容を順次紹介しています。ウワミズザクラの花です。(2018年4月22日撮影)。☆ウワミズザクラは、北海道(石狩平野以南)・本州・四国・九州の日当たりのよい谷間や沢の斜面などに生えるバラ科ウワミズザクラ属の落葉高木です。幹は高さ15メートル、直径50センチになります。☆ウワミズザクラの2年枝は、黒紫色で光沢があります。側枝は、秋なるとほとんど脱落してしまい、翌年の春に葉の展開とともに同じ節から伸び出すので、小枝は節くれだってジグザグになるそうです。新枝の基部は、膨らんでコブ状になっています。☆ウワミズザクラの葉は、互生です。葉身は長さ8~11センチの卵形から卵状長楕円形で、先端は尾状に尖り、葉の縁には細かくて鋭い芒状の鋸歯があります。☆ウワミズザクラは、新枝の先から伸びた総状花序に多数の白い花をつけます。ブラシのような総状花序は長さ8~15センチで、花序の下部には葉が3~5枚つきます。花序の下部に葉がついているのが、同じウワミズザクラ属で似た花のイヌザクラとの違いです。☆花は終わりの時期になっていました。植物図鑑によると、ウワミズザクラの花は、花弁は5個で長さ約3ミリの倒卵形で先はまるく、ふちに歯牙状の鋸歯が少しあるそうです。☆花柄は長さ4~6ミリ、萼筒は長さ約2.5ミリの鐘形で無毛、萼片は小さく長さ1~1.5ミリ。雄蕊は約30本で花弁より長く突き出ており、雌蕊は1本です。☆ウワミズザクラ(上溝桜)の名は、古代に鹿の肩甲骨の裏に溝を彫り、この桜の樹皮で焼き、溝の周辺に生じる割れ目を見て吉凶を占ったそうです。この「裏溝(ウラミゾ)」が転じて「上溝(ウワミゾ)」になり、上溝桜(ウワミゾザクラ)が転訛してウワミズザクラと呼ぶようになったそうです。☆ウワミズザクラの花言葉は、「純潔」「心の美」「純粋」「持続する愛情」「可憐」「美の秘密」「神秘なこころ」「運命を開く」などだそうです。花の美しさや名前の由来になった占いに関連するものが多いようです。
2018.05.26
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☆4月16日、昭和記念公園の「こもれびの丘」を訪ね、自然観察を行ないました。自然観察記録として、その内容を順次紹介しています。ハナイカダの花です。(2018年4月16日撮影)。☆ハナイカダは、北海道(南部)から本州・四国・九州の山地の林内に生えるハナイカダ科ハナイカダ属の落葉低木です。幹は叢生し、上部で多数枝分かれして、高さ1~3メートル程度になります。なお、クロキストン体系では、ミズキ科に分類されています。☆ハナイカダの葉は互生し、葉身は長さ3~16センチ、幅1.5~6センチの広楕円形です。☆ハナイカダの葉は、楕円形で先端は尾状に鋭く尖っており、縁には低い鋸歯がありますが、鋸歯の先端は短い針状になっています。☆ハナイカダは、雌雄異株・雌雄異花です。雄花は数個が束状につき、雌花は1個で時には2~3個付きます。このハナイカダの木は雄株で、それぞれの葉に3~4個の雄花が見えます。☆この雄花は3個あり、花弁が3個で雄蕊が3本見えます。雌蕊は見えません。花弁は、後ろに反り返っています。花序から葉柄につながる葉の主脈は、明らかに太くなっており、主脈から短い花柄が伸びているのが見えます。☆こちらは、ハナイカダの雌株です。それぞれの葉に1個の雌花が見えます。花弁が3個のものと4個のものがあります。☆ハナイカダの雌花です。花弁が3個で、後ろに反り返っています。雄蕊は見えません。☆花序は葉腋から出ることが多いのですが、ハナイカダの場合は、花序が葉腋から出たもので、その軸が葉の主脈と癒合したために、進化の過程でこの形になったと考えられるそうです。花序から葉柄につながる葉の主脈は、花序から葉の先にのびる主脈よりも明らかに太くなっており、花序の軸と葉の主脈が癒合したことを示しているようです。☆ハナイカダ(花筏)の名は、葉の上に花が載っている様子を筏にのる人に見たててつけられたそうです。別名はヨメノナミダ(嫁の涙)で、熟した雌株・雌花の黒い実を、嫁いだ家で悲しい思いをした嫁が人に隠れて流した涙がハナイカダの葉に落ちたものと思われたそうです。☆ハナイカダの花言葉は、「嫁の涙」「気高い人」「移り気」などだそうです。「嫁の涙」は別名から、「気高い人」は葉の筏にのる小さな花には気品があることから名づけられたそうです。
2018.05.20
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。ミヤマシキミの花です。(2018年3月29日撮影)。☆ミヤマシキミは、本州(関東地方以西)・四国・九州の低山地の林内に生えるミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木です。高さは60~120センチで、葉は倒披針状長楕円形です。雌雄異株で、枝先に円錐花序をつけます。これは雄株の雄花です。☆ミヤマシキミの雄株の雄花です。萼は鐘形で浅く4つに分かれ、萼裂片は先が尖っています。花は直径約1センチ、白い花弁が4枚、雄蕊が4本です。雌株の雌花は観察できませんでしたが、4個の小さな退化雄蕊と中央に雌蕊があるそうです。☆こちらの写真は、昨年11月に観察したミヤマシキミの雌株にできた果実です。(2017年11月9日撮影)。☆ミヤマシキミの果実は、直径8~10ミリの球形の核果で赤く熟します。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。(2017年11月9日撮影)。☆ミヤマシキミ(深山樒)の名は、山中に生え、枝や葉の様子がマツブサ科のシキミ(樒)に似ていることから名づけられたそうです。(2017年11月9日撮影)。
2018.05.06
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。フサザクラの花です。携帯用のコンパクトデジタルカメラで撮った写真が鮮明でないことをお断りしておきます。(2018年3月29日撮影)。☆フサザクラは、本州から九州の谷筋などに生えるフサザクラ科フサザクラ属の落葉高木です。高さは3~5メートルが普通ですが、20メートルに達するものもあるそうです。遠くからの観察でしたが、記録として残しておくことにします。☆フサザクラの花は、短枝に5~12個が束生し、萼や花弁はなく、雄蕊は数本ないし十数本あって垂れ下がり、葯は線形で暗赤色です。雌蕊は、雄蕊の根元にあるそうです。☆フサザクラ(房桜)の名は、赤く房状に咲く花をサクラに見たてたそうです。
2018.05.03
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。ハナイカダの花の蕾です。(2018年3月29日撮影)。☆ハナイカダは、北海道(南部)から本州・四国・九州の山地の林内に生えるハナイカダ科ハナイカダ属の落葉低木です。樹高は、2メートル程度になります。ハナイカダは、雌雄異株・雌雄異花です。雌花は1個、時には2~3個付き、雄花は数個が束状につきます。これは、花の蕾がそれぞれ3~4個見えるので、雄株の雄花でしょうか。☆ハナイカダの葉は互生し、楕円形で先端は鋭く尖っており、縁には低い鋸歯がありますが、鋸歯の先端は短い針状になっています。花は、葉の真ん中を縦に走る葉脈(主脈)上についています。☆この写真は、昨年5月に観察したハナイカダの雄花です。花弁が3個で雄蕊が3本見えます。花弁は、後ろに反り返っています。花序から葉柄につながる葉の主脈は、明らかに太くなっています。(2017年5月3日撮影)。☆この写真は、昨年8月に観察したハナイカダの雌株の果実です。花序は葉腋から出ることが多いのですが、ハナイカダの場合は、花序が葉腋から出たもので、その軸が葉の主脈と癒合したために、進化の過程でこの形になったと考えられるそうです。果実から葉柄につながる葉の主脈は、果実から葉の先にのびる主脈よりも明らかに太くなっており、花序の軸と葉の主脈が癒合したことを示しているようです。(2017年8月24日撮影)。☆ハナイカダ(花筏)の名は、葉の上に花が載っている様子を筏にのる人に見たててつけられたそうです。別名はヨメノナミダ(嫁の涙)で、熟した雌株・雌花の黒い実を、嫁いだ家で悲しい思いをした嫁が人に隠れて流した涙がハナイカダの葉に落ちたものと思われたそうです。☆ハナイカダの花言葉は、「嫁の涙」「気高い人」「移り気」などだそうです。「嫁の涙」は別名から、「気高い人」は葉の筏にのる小さな花には気品があることから名づけられたそうです。
2018.04.30
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。カゴノキです。(2018年3月29日撮影)。☆カゴノキは、本州(関東地方・福井県以西)から九州に生えるクスノキ科ハマビワ属の常緑高木です。☆カゴノキの樹皮は灰黒色で、樹皮がまるい薄片になって剥がれ落ち、その跡が白い鹿の子模様になるのが特徴です。カゴノキは雌雄異株で、花期は9月だそうです。今回は、遠くでの観察で、樹皮のみの撮影となりました。☆カゴノキ(鹿子の木)の名は、幹の鹿の子模様に由来します。遠くから観察しても、灰褐色の樹皮が剥がれ落ちた部分が白く見え、カゴノキ(鹿子の木)の命名が納得できます。
2018.04.24
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。イヌブナの花です。(2018年3月29日撮影)。☆イヌブナは、本州(岩手県以南)・四国・九州(熊本県以北)に分布するブナ科ブナ属の落葉高木です。樹高は25メートル、幹は直径70センチにもなります。樹皮は灰黒色で、多数のいぼ状の皮目があるそうです。☆イヌブナは、雌雄同株・雌雄異花で、雄花序は新枝の下部の葉腋に数個つき、雌花序は新枝の上部の葉腋について上向きにつくそうです。下向きに3本ぶら下がっているのが雄花序で、上部に上向きについているのが雌花序のようです。☆イヌブナの雄花序は、新枝の下部の葉腋から垂れ下がり、長い軟毛が密生する長さ2.5~4.5センチの柄があります。苞は、線形です。☆イヌブナの雄花序は、6~15個の雄花が頭状に集まってつきます。雄花の花被は長さ5ミリほどの円錐形で、淡褐色の長毛が密生し上部は6つに分かれるそうです。葯が花被の外に出る雄蕊は、12個あるそうです。☆茶褐色の苞に包まれて下に伸びているのが、イヌブナの雌花序のようです。雌花は、花柱が3本で、柱頭は2つに分かれて反り返ります。写真の下に、柱頭が2つに分かれて反り返る3本の花柱が見えます。☆イヌブナ(犬椈)の名は、木材の質がブナ(椈)より劣るため名づけられたそうです。ブナの幹が灰白色なのに対して、イヌブナの幹が灰黒色なので別名クロブナと呼ばれるそうです。
2018.04.20
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☆3月29日、植物観察入門講座で八王子市・高尾山での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。アブラチャンの花です。(2018年3月29日撮影)。☆アブラチャンは、本州・四国・九州で普通に見られるクスノキ科クロモジ属の落葉低木です。アブラチャンは雌雄異株・雌雄異花ですが、この木は雄花が咲く雄株です。アブラチャンには、3月23日に初めて出合い、3月29日の日記で紹介しました。記事には重複があることをお断りしておきます。☆アブラチャンは、葉が開く前に淡黄色の小さな花を散形状につけます。雄株では、褐色の総苞片がある雄花序に3~5個の花が咲きます。☆アブラチャンの花序には、柄があります。花が似ている同じクスノキ科クロモジ属のダンコウバイは、花序に柄がありません。☆花被片は6枚、雄蕊は内側に3本と外側に6本の合計9本あり、それぞれの雄蕊の花糸の先端に2つに分かれた黄色い葯が目立ちます。雌蕊は退化して、ほとんど見えません。☆アブラチャン(油瀝青)の名は、樹皮や種子に油分を多く含み、生木でもよく燃えることから名づけられたそうです。油分を多く含むので「アブラ(油)」、「チャン(瀝青)」はピッチやコールタールの総称だそうです。「チャン」は、「瀝青」の中国語読みの発音だそうです。昔、果実や樹皮の油を灯油にしたことがあるそうです。☆アブラチャンの花言葉は、「儚い(はかない)恋」だそうです。
2018.04.19
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☆3月24日、植物観察入門講座で調布市・深大寺周辺での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。ムクロジの果実です。(2018年3月24日撮影)。☆ムクロジは、本州中部以西から四国・九州に生えるムクロジ科ムクロジ属の落葉高木です。公園や屋敷、寺社などに植えられるそうです。☆ムクロジの花期は6月で、11月には果実が黄色く熟すそうです。果実の中には直径1センチほどの黒く固い種子があり、数珠や羽根つきの玉に利用されたそうです。☆ムクロジ(無患子)の名は、漢名「無患子」の音読みだそうです。漢名「無患子」は「患わない子」の意で、羽子板が無病息災のお守りにされ、種子が羽子板の羽根の球に使われた事に通じるという解説がありました。
2018.04.17
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☆3月24日、植物観察入門講座で調布市・深大寺周辺での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。シダレカツラの花です。(2018年3月24日撮影)。☆シダレカツラは、突然変異によって出現したカツラの一変種で、350~400年前に岩手県で発見され、各地で植えられるようになったそうです。カツラは、北海道から九州の山地に生えるカツラ科カツラ属の落葉高木です。☆カツラの樹皮は灰褐色で、縦に浅い割れ目ができます。☆樹皮は、老木では縦に裂け、薄片状に剥離するそうです。☆調べてみると、シダレカツラは、すべて雄株だそうです。観察してみると確かに雄株で、たくさんの雄蕊と細長い葯が目立つ雄花が咲いていました。☆カツラの花は、萼や花弁がありません。雄花は、基部に2~4枚の小さい膜質の苞があり、葯は線形で長さ3~4ミリです。☆シダレカツラ(枝垂れ桂)の名は、文字通り枝が枝垂れる桂の木です。カツラ(桂)の名は、枯葉が良い香りがすることから「香りが出る=香出(カヅ)」から次第に「カツラ」になったという説があるそうです。桂の別名はコウノキ(香の木)だそうです。ウ全
2018.04.12
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☆3月24日、植物観察入門講座で調布市・深大寺周辺での植物観察を行ないました。その内容を順次紹介しています。カンヒザクラの花です。(2018年3月24日撮影)。☆カンヒザクラは、中国(台湾・大陸南部)原産で本州(関東南部以西)から沖縄まで広く栽培されるバラ科サクラ属の落葉小高木です。樹高は、高さ8メートルになります。☆カンヒザクラの花は、前年の枝の葉腋に1~2個ついて下向きに咲きます。総花柄は長さ約3ミリ、花柄は長さ1~2センチ、萼は紅紫色で萼筒は鐘状筒形です。☆これは3年前に撮影したものですが、カンヒザクラの花のつくりは、ピンク色の5枚の花びら、花糸が赤色で葯が黄色のたくさんの雄蕊、雌蕊柱頭は2つに分かれています。(2015年4月1日撮影)。☆カンヒザクラ(寒緋桜)の名は、寒い時期に咲く緋色のサクラということに由来するそうです。ヒカンザクラ(緋寒桜)の名がヒガンザクラ(彼岸桜)と混同されるため、「緋」と「寒」を入れ替えて「寒緋」にしたそうです。☆緋色(ひいろ)とは、植物のアカネの根を原料とする茜染めの1種で、最も明るい茜色を緋色というそうです。花びらだけでなく、萼や花柄の付け根の苞も赤色です。花柄だけは、明るい緑色です。☆カンヒザクラの花言葉は、「あでやかな美人」「善行」「高貴」「尊大」だそうです。「あでやかな美人」は、サクラの中でも花の色がひときわ華やかで鮮やかなことから名づけられたようです。
2018.04.04
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☆先週、町田市を訪ね、薬師池公園や七国山を散策しました。アブラチャンの雄花に初めて出合いました。(2018年3月23日撮影)。☆アブラチャンは、本州・四国・九州で普通に見られるクスノキ科クロモジ属の落葉低木です。アブラチャンは雌雄異株・雌雄異花ですが、この木は雄花が咲く雄株です。☆アブラチャンは、葉が開く前に淡黄色の小さな花を散形状につけます。雄株では、褐色の総苞片から伸びる雄花序に3~5個の花が咲きます。☆花被片は6枚、雄蕊は内側に3本と外側に6本の合計9本あり、それぞれの雄蕊の花糸の先端に2つに分かれた黄色い葯が目立ちます。雌蕊は退化して、ほとんど見えません。☆この写真では、外側と内側に3枚ずつ合計6枚の花被片がわかります。後方には、花序を包んでいた褐色の総苞片が見えます。☆こちらは、昨年9月に観察したアブラチャンの雌株にできた果実です。アブラチャンの果実は、約15ミリの球形の液果で、9~10月に緑黄褐色に熟して不規則に裂開し、種子を1つ出すそうです。(2017年9月14日撮影)。☆アブラチャン(油瀝青)の名は、樹皮や種子に油分を多く含み、生木でもよく燃えることから名づけられたそうです。油分を多く含むので「アブラ(油)」、「チャン(瀝青)」はピッチやコールタールの総称だそうです。「チャン」は、「瀝青」の中国語読みの発音だそうです。昔、果実や樹皮の油を灯油にしたことがあるそうです。☆アブラチャンの花言葉は、「儚い(はかない)恋」だそうです。
2018.03.29
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☆3月6日に久しぶりに昭和記念公園を訪ねました。そこで観察できた植物を紹介しています。ヒイラギナンテンの花です。(2018年3月6日撮影)。☆ヒイラギナンテンは、中国原産で江戸時代初期に渡来したメギ科メギ属の常緑低木です。公園や庭園に植栽されています。☆ヒイラギナンテンの葉は互生で、1本の細い幹から放射状に羽状複葉の葉が広がっています。☆茎を見ると、奇数羽状複葉の葉が互生しています。☆ヒイラギナンテンの葉は、先端に小葉がある奇数羽状複葉で、長さは30~40センチ、小葉は5~8対です。小葉は、無柄、革質で光沢があり、大きく鋭い鋸歯がまばらにあります。☆ヒイラギナンテンは、枝先に数本の総状花序をつけます。元の方から順々に開花していきます。☆ヒイラギナンテンの花は、萼片が9枚(3枚×3重)、花びらが6枚、雄蕊が6本、雌蕊が1本です。先端が浅く2つに分かれている黄色い花びらが6枚(3枚×2重)、その外側に萼片が6枚(3枚×2重)見えます。一番外側の萼片3枚は、花の陰で見えません。☆ヒイラギナンテンの花を裏から見ると、薄緑色の小さな萼片、その内側に先端が茶褐色で黄色い小さめの萼片、その内側に黄色い大きめの萼片があるのがわかります。大きさが違う3枚の萼片が3重に花びらを取り囲んでいます。☆こちらの写真は、昨年撮影したヒイラギナンテンの花です。葯が2つに分かれている6本の雄蕊が見え、葯からは花粉が出ているようです。昆虫が蜜を吸おうとして雄蕊に触れると、雄蕊が内側に動き先端にある花粉を昆虫に付けるそうです。春先は昆虫が飛ぶような暖かい日が少ないので、昆虫が来たら確実に花粉をつけるという巧妙な仕掛けだそうです。(2017年3月8日撮影)。☆ヒイラギナンテン(柊南天)の名は、葉の鋸歯がヒイラギ(柊)に似て、葉の複葉のようすや実の付き方がナンテン(南天)に似ていることから。☆ヒイラギナンテンの花言葉は、「激しい感情」「激情」「愛情は増すばかり」などだそうです。由来はわかりませんでしたが、「激しい感情」「激情」は鋭いトゲがある樹形に由来するのでしょうか。「愛情は増すばかり」は、世話次第で庭に調和する芸術性のある樹形に育つことからという説明がありました。
2018.03.26
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☆3月6日に久しぶりに昭和記念公園を訪ねました。そこで観察できた植物を紹介しています。スギの雌花と雄花です。(2018年3月6日撮影)。☆スギは雌雄同株・雌雄異花で、枝先にたくさんの雄花をつけます。スギは、ヒノキ科スギ属の常緑高木です。スギは、日本の樹木ではクスノキに次いで大木になるそうです。なお、スギはスギ科に分類されていましたが、スギ科とヒノキ科を分ける必然性はないとしてヒノキ科にまとめるのが普通だそうです。スギは、本州・四国・九州(屋久島まで)の主として太平洋側に多く自生します。☆スギの雌花は緑色で直径2~3センチの球形、枝先に1個ずつつくというので、雌花を探してみました。雄花とともに、雌花を見つけることができました。携帯用のコンパクトデジタルカメラで、写真が鮮明でないことをお断りしておきます。☆スギの雌花はほぼ球形で、鱗片が密着し、表面に小さな棘が出ます。☆探してみると、他にも枝先に1個ずつつく雌花を見つけることができました。☆枝には、種が出てしまったと思われる昨年の果実も残っていました。☆枝先にたくさんつく雄花です。スギの雄花は、長さ5ミリくらいのフットボールのような楕円形で、枝先に密生します。スギは風媒花で、多量の花粉を飛ばします。撮影時にも、雄花から煙状に黄色い花粉が出ているのが観察できました。花粉症対策として、無花粉スギについての研究が進んでいるそうです。☆今回は、雄花とともに初めて開花時のスギの雌花を観察することができました。スギ(杉)の名の由来には、さまざまな説があるようです。成長が速いので「すくすくと生える木」、真っ直ぐに伸びるので「直木(すぐき)」、上に進み伸びるので「進木(すすき)」などで、いずれも杉の木の成長の早さに由来するようです。
2018.03.24
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介しています。ミヤマガマズミの果実です。ガマズミの仲間は、ガマズミやコバノガマズミ、ミヤマガマズミがあるそうですが、詳しくはわかりません。昭和記念公園のホームページ「公園図鑑」によると、こもれびの丘で見られるのはミヤマガマズミだそうです。(2017年10月3日撮影)。☆ミヤマガマズミは、北海道から九州の山地の樹林内や林縁に生えるレンプクソウ科ガマズミ属の落葉低木です。よく分枝して茂り、高さは5メートルほどになるそうです。ガマズミ属はスイカズラ科に分類されていましたが、APG分類体系ではレンプクソウ科に分類されているそうです。☆2014年に、昭和記念公園のこもれびの丘で観察したミヤマガマズミの花です。ミヤマガマズミは、枝先に直径6~10センチの散房花序を出し、白い小さな花を多数つけます。通常の花期は5~6月ですが、季節外れの9月に咲いていました。(2014年9月12日撮影)。☆ミヤマガマズミの花冠は、直径5~7ミリで、白い花冠が浅く5つに分かれて平らに開きます。雌蕊の花柱は1本でごく短く、雄蕊は5本で花冠から長く突き出ています。蕾を見ると萼が見えますが、ごく小さい萼片が5個だそうです。☆ミヤマガマズミの果実は、長さ6~9ミリの広卵形の核果で、9~10月に赤く熟します。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ミヤマガマズミ(深山莢蒾)の名は、深山(高い場所)に生えるガマズミに由来するそうです。ガマズミ(莢迷)の名は、ガマはこの種の中国名「莢蒾(キョウメイ)」に由来し、キョウメイ→カメ→カマ→ガマと転訛し、ズミは「酸実(酸っぱい実)」に由来するのではないかという説があるそうです。また、植物学者の牧野富太郎博士は、語源は不明ですが、「ズミ」は染めの転訛で、古来、ミヤマガマズミ(深山莢蒾)の果実で衣類を摺り染めしたことと関係があるのではないかとしているそうです。さらに、「神の実(かみのみ)」とつながるのではないかとする説もあるそうです。☆ミヤマガマズミの花言葉は、「結合」だそうです。
2018.03.21
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介しています。イチョウの種子です。イチョウの種子は一見すると果実のように見えますが、正しくは種子だそうです。(2017年9月12日撮影)。☆イチョウは、イチョウ科イチョウ属の落葉高木です。中国の原産で、日本では室町時代から栽植されたと言われているそうです。幹は大きいものでは高さ45メートル、直径5メートルにもなるそうです。☆イチョウは雌雄異株で、4月~5月に開花するそうですが、まだ雄花も雌花も観察できていません。街路樹のイチョウは、匂いがある銀杏がならないように雄株を接ぎ木した雄株ばかりなので、実が付くことはありません。☆雄花は尾状花序状で長さ約2センチ、雌花は花柄を含めて2~3センチです。イチョウは風媒花で、花粉が雌花の胚珠につくと花粉室内で発芽して2個の精虫となり、そのうちの1個が卵細胞を受精させ、種子に成長するそうです。☆イチョウの種子は一見すると果実のように見えますが、正しくは種子だそうです。果肉に見え悪臭を放つのは外種皮、堅い殻は中種皮、薄い渋皮は内種皮です。食用になるヒスイ色の部分は胚乳と胚(子葉を含む)です。☆イチョウ(鴨脚樹、銀杏)の名は、イチョウ(鴨脚樹)という呼びかたと名は中国語でイーチャオ、ヤーチャオと発音される「鴨脚」が変化したものと言われているそうで、イチョウの葉の形が鴨の水かきの形に似ていることからきているそうです。いっぽう、イチョウ(銀杏)の名は、実の形がアンズ(杏)に似ており、種子の殻が銀白色であることに由来するそうです。☆イチョウの花言葉は、「長寿」「荘厳」「しとやかさ」「鎮魂」などだそうです。「長寿」は、イチョウが樹木として長寿であり、古木が多いことに由来するようです。(2013年11月27日撮影)。
2018.03.06
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介しています。イイギリの果実です。(2017年11月3日撮影)。☆イイギリは、本州・四国・九州・沖縄の山地に生えるイイギリ科(APG分類体系ではヤナギ科)イイギリ属の落葉高木です。樹高は、大きなものでは高さ20メートルにもなります。☆イイギリは、雌雄異株です。3月中旬から5月に、多数の花が円錐花序に着くそうです。秋から冬の時期に赤い実が美しいので、公園や街路樹として植えられています。☆イイギリの葉は、枝の先に集まり互生します。☆葉身は心形で、5~7本の掌状脈があります。縁には鋸歯があり、葉柄は赤みをおびて長く、葉の基部との境に2個の腺点があるそうです。☆イイギリの果実は液果で、直径8~10ミリ、橙赤色に熟します。中には、小さな種子が多数入っているそうです。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆イイギリの果実は、オナガやヒヨドリに食べられるそうです。☆イイギリ(飯桐)の名は、「イイ」は昔この葉で飯を包んだことに由来するそうです。「キリ」の名は、材が白くて柔らかくキリ(桐)に似ており、箱材や下駄材などキリの代用として使われたことに由来するそうです。☆イイギリの花言葉は、「恵まれた人」「豊穣」などだそうです。たくさんの赤い果実をつけることに由来するのでしょうか。
2018.03.04
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介しています。マキエハギの花です。(2017年9月8日撮影)。☆マキエハギは、本州・四国・九州・沖縄の丘陵地や低山地の日当たりの良い場所に生えるマメ科ハギ属の半低木です。高さは、40~60センチです。☆マキエハギの茎は細くて硬く、葉は3出複葉で小葉は楕円形です。☆マキエハギの小葉の先は丸く、先端に1本の剛毛があります。☆マキエハギは、葉腋から総状花序を出し、白い花を数個つけます。☆マキエハギの萼は、5つに深く分かれており、白い軟毛が生えています。萼裂片は披針形で、先は針状に長く伸びています。☆マキエハギの花は、マメ科に共通する蝶形花で、上に旗弁、左右に翼弁、下に竜骨弁があります。旗弁は薄っすらとした淡紅紫色で、中央に赤紫色の細長い紋様が見えます。☆マキエハギ(蒔絵萩)の名は、まっすぐに伸びた細い花柄の様子が細い線を描く蒔絵の筆に似ていることや、細い花柄の先に花をつける様子を蒔絵の筆法(筆の使い方、筆の運び方)に例えたことに由来するそうです。☆マキエハギの花言葉は、「内気」「想い」だそうです。
2018.02.27
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☆冬の間は季節の変化が少ないので、昨年秋に観察して紹介できなかった自然観察を紹介します。アオギリの果実です。(2017年10月3日撮影)。☆アオギリは、本州(伊豆半島・紀伊半島)・四国(愛媛県・高知県)・九州(大隅半島)・沖縄各島の海岸林や二次林などに生えるアオイ科(従来の分類はアオギリ科)アオギリ属の落葉高木です。樹高は、15~20メートルにもなります。庭木や街路樹に利用されています。☆アオギリの樹皮は、緑色(灰緑色)で平滑です。樹皮が緑色なのが、アオギリ(青桐)の名前の由来になっています。☆アオギリの葉は互生で、長さ15~20センチの葉柄があります。葉身は広卵形で、基部は心形、掌状に3~5つに浅く分かれます。葉の縁に鋸歯はありません。☆アオギリは、5~7月に枝先に雄花と雌花がある長さ25~50センチの大型の円錐花序をつけます。雌雄異花だそうですので、今年は花の時期に観察してみたいと思います。☆アオギリの果実は蒴果(さくか)で袋状ですが、成熟前に裂開します。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆アオギリの果実の裂開した心皮は4~5個、長さ7~10センチの舟形をした披針状の楕円形で、長さ1~2センチの柄があります。☆地面に落ちていたアオギリの心皮です。アオギリの心皮は、縁に直径4~6ミリの球形の種子を1~5個つけますが、4個の種子が見えます。☆アオギリの種子は、黄褐色で堅く皺があります。アオギリの種子は、梧桐子(ごとうし)と呼ばれ、生薬として用いられるそうです。☆アオギリ(青桐、梧桐)の名は、樹皮が緑色(アオ)で葉が桐(キリ)に似ていることから名づけられたそうです。古来の習慣で、緑色を「あお」と表現していたようです。野鳥などでも、緑色の鳥に「あお」の名(例:アオゲラ・アオバト)の名がつけられています。☆アオギリの花言葉は、「秘めた恋」だそうです。アオギリは、開花した花と蕾が混じり、たくさんの雌花に雄花が少し混じって咲くそうなので、今年は観察してみたいものです。
2018.02.10
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☆昨年10月17日から22日まで、北海道に行きました。秋の北海道での自然観察を紹介してきました。チョウセンゴミシの赤い果実です。(2017年10月18日撮影)。☆チョウセンゴミシは、北海道・本州中北部の山地に分布するマツブサ科マツブサ属の落葉性の蔓性木本です。植物図鑑などで種名がわからず、フェイスブックに掲載したところチョウセンゴミシと教えていただきました。北海道、長野県、山梨県ではごく普通に見られますが、その他の地域では極めて少ないそうです。☆写真でわかるように、蔓性の木本植物です。雌雄異株で、5~7月に黄白色の芳香がある下向きの花を咲かせるそうです。☆チョウセンゴミシの果実は液果で、ブドウの房のように垂れ下がります。果実の粒の大きさは不ぞろいだそうですが、写真でも大きさが様々なようです。☆チョウセンゴミシ(朝鮮五味子)の名は、江戸時代に生薬の五味子として朝鮮半島から輸入していたことに由来するそうです。ゴミシ(五味子)の名は、甘味・酸味・辛味・塩(鹹)味・苦味という5つの味があることに由来するそうです。☆生薬の五味子は、滋養・強壮・鎮咳に用いられるそうです。
2018.02.09
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介してきました。サルナシと思われる果実です。(2017年10月10日撮影)。☆サルナシかどうかの確認が必要ですが、サルナシは、北海道から九州の山林、とくに林縁に生えるマタタビ科マタタビ属の落葉つる性植物です。☆サルナシ(猿梨)の名は、猿がよく食べ、実の形が梨に似ているので名づけられたそうです。改めて、花の時期と果実の時期に、サルナシかどうかの確認を含めて観察したいと思います。☆サルナシかどうかを含めて、お分かりの方は、コメントでお知らせください。
2018.01.31
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ヤマウルシと果実です。曇天の日で、携帯用のコンパクトデジタルカメラで撮った写真が鮮明でないことをお断りしておきます。(2017年10月10日撮影)。☆林の中で鮮やかに紅葉したウルシの仲間の低木、葉の形などからヤマウルシと考えました。ヤマウルシは、北海道から九州の山地や丘陵に生えるウルシ科ウルシ属の落葉低木です。☆ウルシ科ウルシ属では、ヤマウルシ、ハゼノキ、ヤマハゼが似ているそうです。いずれも奇数羽状複葉で、小葉は4~8対です。ただし、小葉の側脈の数が、ヤマウルシは6~10対、ハゼノキは20~30対、ヤマハゼは13~20対です。ヤマウルシの小葉の先端は短く突き出して尖っていますが、ハゼノキは尾状に長く伸び、ヤマハゼはやや尾状に長く伸びているそうです。☆ヤマウルシは雌雄異株で、葉腋から総状花序を伸ばして5月に開花するそうです。秋には果実は淡褐色に熟し、やがて果皮が割れて白色で黒い縦縞がある種子が見えるようになるそうです。☆次の機会に、改めて詳しく観察したいと思います。
2018.01.29
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ミズナラと果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ミズナラは、北海道から九州の山地に生えるブナ科コナラ属の落葉広葉樹です。高さ25メートル、直径1.5メートルに達します。樹皮は灰褐色で、深く不規則な裂け目があります。☆ミズナラの葉は互生し、枝の先に集まります。葉柄は無いか、ごく短いのがミズナラの特徴です。☆ミズナラの葉の葉身は倒卵状長楕円形で、基部はくさび形に狭くなり、縁には大型の鋸歯があります。全般的にコナラに似ていますが、葉は長さ8~14センチメートルと大きく、逆に葉柄は2 ミリメートル以下と短いのがミズナラの特徴です。☆ミズナラの堅果は卵状楕円形で長さ1.5~2.5センチメートル、濃褐色に熟し、殻斗(かくと)は椀形で小鱗片が密にあり堅果の2分の1ほどを包んでいます。☆ミズナラ(水楢)の名は、材に大量の水分を含み燃えにくいことから名づけられたそうです。「ナラ(楢)」は、葉が広く平らであることから「なら」、枝に残った葉が風に鳴る(ナル)ことから、若葉・若枝がしなやかなので「ナラナラ」から、若葉の軟らかいさまの「ナヨナヨ」からなどの説がありました。春の芽生えの時期に軟毛が密生している若葉を見ると、しろうと自然科学者の実感では、若葉の軟らかいさまの「ナヨナヨ」に由来すると思ってしまいます。(2016年4月8日撮影)。
2018.01.25
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ハンノキと果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ハンノキは、北海道から九州の水湿のある低地や湿原に生えるカバノキ科ハンノキ属の落葉高木です。ハンノキは、幹が高さ15メートルから20メートルに達するそうです。幹に見える紅葉は、ツタウルシです。☆近くに沼がある湿地で、ハンノキが立派な林を作っています。ハンノキは、湿地で森林を形成する数少ない樹木だそうです。☆ハンノキは、雌雄同株・雌雄異花で、2~3月に枝の先端に尾状の雄花序が2~5個下垂し、雌花序は雄花序の直下の各葉腋に1個づつ1~5個付くそうです。☆ハンノキの果実は、毬果状の果穂になり、未熟な時は緑色をして堅いそうです。果穂は秋に熟して暗褐色になり、扁平な卵状円形の実がこぼれ出て、果穂は木質化して翌年まで残ります。☆ハンノキ(榛の木)の名は、開墾の意の古語「墾(はり)」がもとで、古名「榛の木(ハリノキ)」となり、転化してハンノキになったそうです。☆ハンノキの花言葉は、「忍耐」「剛勇」「不屈の心」「荘厳」などだそうです。ハンノキは、根に根粒菌を持っていて空気中の窒素を固定して肥料を作り、他の植物が育ちにくい湿地や痩せて劣悪な条件の火山地などでも育つそうです。これらの花言葉は、そんなハンノキの特徴から考えられたのでしょうか。
2018.01.23
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ノリウツギの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ノリウツギは、北海道から九州の日当たりの良い原野や山地に生えるアジサイ科アジサイ属の落葉低木です。新エングラー体系の分類ではユキノシタ科となっていますが、クロキストン体系ではアジサイ科に分類されているそうです。(2016年8月1日撮影)。☆ノリウツギの花は、円錐状の花序が特徴的で、他の種と容易に区別できるそうです。日本原産のアジサイ属の中では、唯一円錐形の花序をもつ落葉低木だそうです。ノリウツギの花は、たくさんの両性花とともに、ふちに4枚の白い萼片がある装飾花があります。(2010年8月13日撮影)。☆ノリウツギの花は、花が枯れてからも茶色くなって翌年まで残ります。☆ノリウツギの花は、果実とともに装飾花が冬になっても残っているのが特徴です。☆ノリウツギの花の果実を見ると、雌蕊の花柱3本が残っているのが見えます。☆2016年の夏に観察したノリウツギの両性花です。両性花の花びらは5枚、雄蕊は長いものと短いものが5本ずつで10本、雌蕊の花柱は3本で、花びらが散ったものは柱頭が褐色になっています。(2016年8月1日撮影)。☆2016年の夏に観察したノリウツギの4枚の白い萼片がある装飾花です。(2016年8月1日撮影)。☆ノリウツギについては、「ノリウツギ【裏磐梯での自然観察 その21】」(2016年2月1日の日記)で紹介しました。◎ノリウツギ【裏磐梯での自然観察 その21】(2016年2月1日の日記)。http://plaza.rakuten.co.jp/okada1952/diary/20160201/
2018.01.22
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ニシシギ科の植物の果実です。マユミの品種なのかもしれませんが、種名はわかりません。(2017年10月10日撮影)。☆裏磐梯の湿地で、たくさんの赤い実がなっている落葉低木を見つけました。野鳥が糞とともに種を落としたものが芽生えて、成長したのでしょうか。高さは、2メートルほどです。☆周りにはヨシ(葦)が生えています。湿地に1本だけ、赤い果実が鈴なりの木が目立ちます。☆茎は灰褐色で、左右対称に枝が出ています。☆葉は対生で、赤く紅葉しています。☆葉身は楕円形(長楕円形)で、周りには細かな鋸歯があります。☆果実の付き方から見ると、新しい枝(本年枝)から集散花序を出して花を咲かせ、果実ができたようです。☆こちらの果実の付き方も、新しい枝(本年枝)から集散花序を出して花を咲かせ、果実ができたようです。☆萼は、4つの萼片に分かれています。☆果実の果皮は濃紅色で、果皮が4つの分かれており、鮮やかな朱色の仮種皮に包まれた種子が見えます。☆果実を下から観察してみました。やはり、果皮は4つに分かれています。☆以上の特徴から、ニシシギ科ニシシギ属の落葉低木に間違いないと思います。全てマユミの特徴と共通しているように思いますが、マユミの果皮は薄ピンク色なので、頭を傾げてしまいました。☆なお、調べてみると、マユミは「秋の果実の色は品種により白、薄紅、濃紅と異なるが、どれも熟すと果皮が4つに割れ、鮮烈な赤い種子が4つ現れる」という記事を見つけましたので、マユミの品種なのかもしれません。
2018.01.20
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ツルウメモドキの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ツルウメモドキは、北海道から沖縄の山野の林縁に生えるニシシギ科ツルウメモドキ属の落葉蔓性植物です。☆ツルウメモドキ樹皮は灰色で、本年枝は黄緑色で無毛ですが、次第に赤褐色になります。☆ツルウメモドキの葉は互生で、葉身は長さ4~10センチ、幅2~8センチの楕円形または倒卵形です。☆ツルウメモドキの葉の縁には、浅い鋸歯があります。両面とも無毛で、葉柄は長さ1~2センチです。☆ツルウメモドキは雌雄異株で、これは2016年5月に咲いた雄花です。葉腋から短い集散花序を出し、雄株では数個の雄花が咲きます。雄花のつくりは、先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、5本の雄蕊です。雄花の雄蕊の葯からは、花粉が出ているようです。(2016年5月6日撮影)。☆こちらは2016年5月に咲いたツルウメモドキの雌花です。葉腋から短い集散花序を出し、雌花が咲きます。先が5つに分かれている萼、5枚の黄緑色の花びら、雌蕊は黄緑色の花柱が伸び柱頭は白く3つに分かれています。薄茶色の葯がある退化した5本の雄蕊がみえます。(2016年5月6日撮影)。☆ツルウメモドキの果実は蒴果(さくか)で、直径7~8ミリの球形で、10~12月に黄色に熟します。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆ツルウメモドキの果実は、熟すと黄色い果皮が3つに割れ、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出し始めます。果実の果皮が割れて赤い仮種皮に覆われた種子が見えるようになるのは、同じニシシギ科のマユミ・ツリバナ・コマユミ・ニシキギ・マサキと共通の特徴です。☆黄色い果皮は3つに分かれています。黄色い果皮が開ききった果実では、赤い仮種皮に3つのスジが見えます。赤い仮種皮に包まれた種子は、長さ約4ミリだそうです。ツルウメモドキの実は、鳥や獣にとって冬の貴重な食料になるようです。☆ツルウメモドキ(蔓梅擬)の名は、蔓性植物で葉の形がウメに似ていることに由来する説や、蔓性植物で実の形がモチノキ科モチノキ属のウメモドキに似ているからという説があるそうです。黄色い果皮が落ちた赤い仮種皮に包まれたツルウメモドキの実が、ウメモドキの赤い実に似ているという説にも一理あるような気がします。☆ツルウメモドキの花言葉は、「大器晩成」「真実」「開運」「強運」などだそうです。「大器晩成」は晩春から初夏に花が咲いてから緑の実が黄色く熟して赤い仮種子に包まれた種子が現れるまでの期間が長いことからつけられ、「開運」は希望や幸福のイメージを持つ黄色の果皮が3つに裂けて真っ赤な仮種子がいきおいよく飛び出す姿を例えたという解説がありました。
2018.01.18
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ツタウルシの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ツタウルシは、北海道から九州の山地の落葉樹林内に生えるウルシ科ウルシ属の落葉つる性植物です。☆ツタウルシは、蔓から気根を出して、他の木の幹を這い上っていきます。☆ツタウルシの樹皮は黒褐色で、小さい皮目が無数にできるそうです。☆ツタウルシは、日の当たる樹冠部で枝を広げ、秋には紅葉します。☆ツタウルシの葉は互生で、3出複葉です。小葉は卵形または楕円形で、先は短く尖っています。葉にウルシオールを含んでいるので、体質によってはウルシと同じようにアレルギー反応で、かぶれることがあるそうです。ツタウルシは、野生のウルシの仲間の中では、かぶれる毒性分の強さが最も強いそうです。☆ツタウルシは、雌雄異株です。これは実が見えますので、雌株です。5~6月に葉腋から総状花序を伸ばし、黄緑色の小さな花を多数つけるそうです。☆ツタウルシの果実は、核果で8~9月に黄褐色に熟し、直径5~6ミリの扁球形で縦の筋があり、表面には短い刺毛が散生します。写真では、表面に散生する短い刺毛がわかります。核果とは、桃や梅などの果実のように、果実の外果皮が薄く、中果皮は多肉質で水分が多く、内果皮は硬くて木質化した核になり、その核の中に種子があるものです。☆ツタウルシの果実は、後に黄褐色の外果皮が剥がれ、白いロウ質の中果皮が露出します。黄褐色の外果皮のある果実とともに、外果皮が剥がれて白いロウ質の中果皮が露出した果実が見えます。☆ツタウルシ(蔦漆)の名は、つる性植物でツタ(蔦)のような樹形であることと、ウルシの仲間であることに由来します。日本漆総合研究所のホームページによると、ウルシ(漆)の語源は、「うるしる(潤汁)」、「ぬるしる(塗汁)」、「麗し(うるわし)」とも「潤し(うるおし)」ともいわれているそうです。☆ツタウルシの花言葉は、「変動に耐えよう」「頭脳明晰」だそうです。
2018.01.16
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。タニウツギの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆タニウツギは、北海道西部から本州(東北・北陸・山陰地方)にかけて日本海型気候の山地に自生するスイカズラ科タニウツギ属の落葉小高木です。下部からよく分枝して株立ちになり、高さ5メートルほどになります。花の色が美しいため、古くから庭園などに鑑賞目的で植栽されているそうです。☆タニウツギの樹皮は、灰褐色で、縦に裂けて剥がれ落ちるそうです。☆タニウツギの葉は対生で、葉身は長さ4~10センチ、幅2~6センチの卵状楕円形です。☆タニウツギの葉の先端は鋭く尖り、基部は円形から広いくさび形で、縁には細かい鋸歯があります。☆タニウツギは、5~6月に枝先や上部の葉腋に桃紅色または紅色の花を2~3個ずつつけます。花冠は長さ2.5~3.5センチの漏斗形で、先は5つに分かれています。花後に、萼片の下部にあって細長く花柄のように見える子房が膨らんで、円柱状の果実ができます。☆タニウツギの果実は蒴果(さくか)で、長さ1.2~1.8センチの細い円筒形です。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆タニウツギの果実は、10月頃熟すと上部が2つに分かれて、長さ1ミリほどの楕円形の種子を多数出し、種子の周囲には翼があるそうです。☆タニウツギ(谷空木)の名は、谷間などに多く生えていることから「谷」の「空木」と名づけられました。空木(うつぎ)とは、茎の中の髄が消失して中空になる木を言いますが、タニウツギは中空ではなく白い髄が詰まっているそうです。☆タニウツギの花言葉は、「豊麗」「豊かで美しい」「豊穣」などだそうです。「豊麗」「豊かで美しい」は桃紅色または紅色の花に由来するのでしょうか、「豊穣」は田植えの時期に花が咲くため「田植え花」とも言われていることに由来するのでしょうか。
2018.01.15
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。シロヤナギの木と虫えい「ヤナギエダマルズイフシ」です。(2017年10月10日撮影)。☆シロヤナギは、北海道から本州の東北地方に分布し、河畔に多く見られるヤナギ科ヤナギ属の落葉高木です。樹高は、20メートルにもなります。☆シロヤナギは、樹皮や葉の裏が白いので名づけられたそうですが、白い幹です。☆シロヤナギの葉は、長楕円状披針形ないし披針形で、長さ5~11センチ、幅1~2センチで、先は鋭く尖っており、縁には細かい鋸歯があります。葉の裏面は、シロヤナギの名前の通り粉白色です。枝に虫えい(虫瘤)が見えるのが気になります。☆シロヤナギの虫えいは、ヤナギエダマルズイフシです。ヤナギエダマルズイフシは、ヤナギマルタマバエによってシロヤナギなどの小枝に形成される準球形ないし紡錘形の木質の虫えいで、大きさもさまざまです。☆ヤナギエダマルズイフシは、直径5~18ミリ、長さ8~20ミリ、表面は滑らかで緑色、日があたる部分はやや褐色をおび、虫えいが成熟すると表面の皮が鱗状に浅く縦にささくれて茶褐色に変色します。☆虫えいの中に紡錘形の幼虫室があり、中に幼虫が1匹入っているそうです。虫えいは8月上旬に出現しはじめ、8月下旬までには大きくなって目立つようになり、9月下旬にはほぼ完成し、幼虫は虫えい内で越冬し、翌年の春に蛹化するそうです。☆シロヤナギ(白柳)の名は、芽出し時期に新葉が白い毛に覆われることや枝にも白い毛があり、樹全体が白っぽく見えることから名づけられたそうです。樹木全体が白っぽい印象です。
2018.01.14
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。コマユミの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆コマユミは、北海道から九州の丘陵や山地の落葉広葉樹林内や林縁に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉低木です。下部から多数枝分かれし、高さは1~3メートルになります。驚くほどたくさんの果実が見えます。☆コマユミは、多数枝分かれしています。枝にコルク質の翼があるのがニシキギで、翼のないものをコマユミといい、ニシキギの変種とされています。☆コマユミの樹皮は灰褐色ですが、若い枝は緑色です。明らかにコルク質の翼はありません。☆コマユミの葉は対生で、葉身は長さ2~7センチ、幅1~3センチの長楕円形または倒卵形です。先は鋭く尖り、基部はくさび形で、縁には細かく鋭い鋸歯があります。☆ニシキギは、モミジやスズランノキとともに世界三大紅葉樹に数えられ、美しい紅葉を錦にたとえてニシキギ(錦木)と名付けられたそうです。ニシキギの変種のコマユミの紅葉も、ニシキギと同じように鮮やかな赤が美しいと思います。☆コマユミは、5月から6月に集散花序を出し、淡緑色の花を数個つけます。花弁は4個で縁には鋸歯があり、雄蕊は4個、雌蕊は1個です。果実は10~11月に熟し、熟すと果皮が裂開して橙赤色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。☆コマユミの仮種皮に包まれた種子は直径約8ミリで、仮種皮を取り除いた種子は直径約5ミリだそうです。ツグミやシジュウカラなどの野鳥が食べ、仮種皮を消化吸収したあと、種子をフンとして排泄することによって、種子が散布されます。仮種皮は、種衣ともいい、花の珠柄または台座が発達して種子の外側を覆って種皮のように見えるものだそうです。☆コマユミ(小真弓)の名は、同じニシキギ科のマユミに比べて葉も樹高も小さいことから。☆コマユミ独自の花言葉はないそうですが、ニシキギの花言葉は「危険な遊び」「あなたの定め」「あなたの魅力を心に刻む」「深い愛情」などだそうです。
2018.01.12
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。カンボクの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆カンボクは、北海道から本州中北部の山地の日当たりがよくやや湿った林の縁などに生えるレンプクソウ科ガマズミ属の落葉小高木です。高さは、6メートルに達します。ガマズミ属はスイカズラ科に分類されていましたが、APG植物分類体系ではレンプクソウ科に分類されているそうです。☆カンボクの葉は対生し、広卵形で中ほどまで3つに分かれています。裂片は先が尖り、粗い鋸歯があり、中央の裂片は伸長するものもあります。葉の形で、ガマズミ属の他の種と区別できるようです。☆カンボクの花期は5~7月で、散房花序が短い側枝の先に2対の葉とともにつくそうです。小さな両性花の周りに、5枚の萼片がある白い装飾花(不稔)がついているそうです。8月から10月に、果実が赤く熟します。☆カンボクの果実は、長さ6~9ミリのやや球形の濃赤色の液果で、苦くて食べられないため、葉が落ちた後も赤い実をつけたまま冬を越すそうです。液果(漿果)とは、3層からなる果皮のうち、中果皮または内果皮が多肉質で水分が多く、軟らかい果実のことだそうです。☆カンボク(肝木)の名は、「肝」はかんじんかなめの意で、古くは切傷木(せっしょうぼく)とも呼ばれましたが、打撲や捻挫の救急薬に用いられたことによるという説がありました。☆カンボクの花言葉は、「年齢を感じる」だそうです。どんな由来があるのでしょうか。
2018.01.10
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。イワガラミの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆2016年の夏に撮影したイワガラミの花です。イワガラミは、北海道から九州の山地に生えるアジサイ科イワガラミ属の落葉つる性木本です。幹や枝から気根を出して這い上り、長さ10メートルにもなるそうです。イワガラミは、大きな木や岩に絡んで伸び、大きな株では幹の太さが5センチを超えるものもあるそうです。(2016年8月3日撮影)。☆イワガラミの花序です。装飾花の白い萼片が見えます。イワガラミはツルアジサイに似ているそうですが、ツルアジサイの装飾花の萼片が4枚あるのに対して、イワガラミは1枚なので区別できるそうです。(2016年8月3日撮影)。☆10月の果実の時期にも、装飾花の萼片が残っているのが見えます。☆イワガラミの果実は、長さ5~7mmの倒円錐形の蒴果(さくか)で、先端に花柱が残り、写真では確認できませんが10個の稜があるそうです。9~10月に熟すと稜間で裂開し、両端が尖り線形で長さ3~3.5mmの種子が出るそうです。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆イワガラミ(岩絡み)の名は、木の幹や岩に絡みつくことに由来します。☆イワガラミの花言葉は、「忠実」「平凡」だそうです。
2018.01.07
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☆昨年10月9日から11日まで、福島県の裏磐梯に行きました。秋の裏磐梯での自然観察を紹介しています。ミツバアケビの果実です。(2017年10月10日撮影)。☆ミツバアケビは、北海道から九州の山野にふつうに生えるアケビ科アケビ属の落葉つる性木本です。小葉が3枚なので、ミツバアケビと考えました。☆アケビは掌状複葉で小葉は5枚ですが、ミツバアケビは3出複葉で小葉は3枚です。ミツバアケビの小葉は長さ2~6センチ、幅1.5~4センチの卵形で、先端は少しへこみ基部は丸く、縁には大きな少数の波状鋸歯があります。☆ミツバアケビは、雌雄同株で、4~5月に葉腋から総状花序が斜めに垂れ下がり、花序の先端には雄花が10数個、基部側に大型の雌花が1~3個つくそうです。この果実は4個付いているように見えますが、よく見ると果柄が2本見えており、左側の3個と右側の1個のようです。☆ミツバアケビの果実は、長さ約10センチの長楕円形の液果で、10月に熟します。熟すと紫色を帯びて、裂開します。☆ミツバアケビの種子は黒褐色で、長さ4~5ミリです。☆ミツバアケビ(三葉木通、三葉通草)の名は、「ミツバ」は葉が3小葉であることから、「アケビ」の名は果実が熟すとぱっくりと口を開けることから「開け実」から「アケビ」に転訛したという説が一般的だそうです。漢字名の「木通」や「通草」は、ツルを利尿剤に用いることから「小水を通じる木」からの命名であるという説や、つるを切って吹くと空気が通るからという説などがあるそうです。左上に見える葉は、ミツバアケビの名前の通り3小葉です。☆ミツバアケビの花言葉は、「才能」「唯一の恋」だそうです。
2018.01.03
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☆9月30日、立川市の生涯学習・たちかわ市民交流大学市民推進委員会主催の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門3 東京の公園めぐり」の4回目「都会の公園・水辺の植物」に、共同企画者として参加しました。新たな植物との出合いもありました。上野公園での自然観察を紹介しています。ツリバナの果実です。(2017年9月30日撮影)。☆ツリバナは、北海道から九州の低山の山地に生えるニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木です。樹高は、1~4メートルになります。☆ツリバナの本年枝は緑色で丸く平滑で、古い枝は次第に紫褐色になります。☆ツリバナの葉は、対生です。葉身は長さ3~10センチ、幅2~5センチの卵形または長楕円形です。☆ツリバナの葉は、縁に細かくて鈍い鋸歯があります。☆ツリバナは、5月~6月に葉腋から集散花序を下垂し、緑白色または淡紫色の花を数個~30個ほどつけます。花は直径8ミリほどで、花盤が発達しており、花弁・雄蕊・萼片は5個で、雌蕊は1個です。☆ツリバナの果実は、直径1センチほどの球形の蒴果(さくか)です。9~10月に紅色に熟して5つに裂けて、橙赤色の仮種皮に包まれた種子が5個顔をだします。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆ツリバナの果実を上から観察して見てみました。10月に近所で撮影した写真ですが、浅く5つに分かれている萼とともに、紅色に熟した果実が5つに裂けているのがよくわかります。(2017年10月8日撮影)。☆ツリバナの果実を下から観察して見てみました。10月に近所で撮影した写真ですが、紅色に熟した果実が5つに裂けており、橙赤色の仮種皮に包まれた5個の種子がよくわかります。(2017年10月8日撮影)。☆ツリバナ(吊花)の名は、長い花(果)柄の先に花や果実を吊り下げていることから名づけられました。☆ツリバナの花言葉は、「片思い」だそうです。
2017.12.28
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☆9月30日、立川市の生涯学習・たちかわ市民交流大学市民推進委員会主催の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門3 東京の公園めぐり」の4回目「都会の公園・水辺の植物」に、共同企画者として参加しました。新たな植物との出合いもありました。上野公園での自然観察を紹介しています。アメリカデイゴ(カイコウズ)の花です。(2017年9月30日撮影)。☆アメリカデイゴ(カイコウズ)は、明治時代に移入された南アメリカ原産のマメ科デイゴ属の落葉小高木です。アメリカデイゴは、寒さに強いのが特徴で、デイゴが奄美以南でなければ越冬できないのに対して、アメリカデイゴは関東以西なら露地植えができるそうです。☆アメリカデイゴの葉は、3出複葉で、葉柄に鶏の蹴爪のような鋭い刺があるそうですが、確認できません。☆アメリカデイゴの花の蕾は、鳥の嘴に似たおもしろい形をしています。☆アメリカデイゴの花は、マメ科の蝶形花ですが、普通のマメ科の花からみると上下逆さまの状態で咲いています。旗弁が下側になって咲き、翼弁は退化して小さくほとんど萼に被われ、竜骨弁は旗弁の半分ほどの長さです。☆竜骨弁から、雄蕊・雌蕊が顔を出しているようです。雄蕊は雌蕊の上に9本と雌蕊の下に1本の合計10本で、雌蕊の上にある9本の雄蕊は花糸が合着しているそうです。☆アメリカデイゴ(亜米利加梯梧)の名は、南アメリカ原産で沖縄の県花のデイゴに似ていることから名づけられ、デイゴは漢名の梯梧を音読みしたものだそうです。カイコウズ(海紅豆)の名は、海外から来た赤いマメに由来するそうです。☆アメリカデイゴの花言葉は、「夢」「活力」「童心」「愛」などだそうです。
2017.12.26
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☆9月30日、立川市の生涯学習・たちかわ市民交流大学市民推進委員会主催の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門3 東京の公園めぐり」の4回目「都会の公園・水辺の植物」に、共同企画者として参加しました。新たな植物との出合いもありました。上野公園での自然観察を紹介します。アキニレの木と果実です。(2017年9月30日撮影)。☆アキニレは、本州中部地方以西の荒れ地や川岸などに自生するニレ科ニレ属の落葉高木です。幹は高さ15メートル、直径60センチにもなるそうです。公園樹や街路樹として植えられているそうです。☆アキニレの樹皮は、灰緑色から灰褐色で褐色の小さな皮目があり、不ぞろいな鱗片状にはがれて斑紋が残ります。☆アキニレの葉は互生です。葉身は、長さ2.5~5センチ、幅1~2センチの長楕円形です。☆アキニレの葉は革質で表面には光沢があり、先端は鈍く、基部は左右不相称です。縁には鈍い鋸歯があり、両面とも葉脈に沿って短毛があるそうですが確認できません。☆アキニレの花は、9月に本年枝の葉腋に両性花が4~6個ずつ集まってつくそうです。☆アキニレの果実は翼果で、長さ1センチほどの扁平な広楕円形です。翼には顕著な網状の脈があり、種子は長さ約5ミリの広楕円形で、翼果の中央にあります。アキニレの果実は、10~11月に成熟するそうです。☆地面に落下していた翼には顕著な網状の脈があの果実です。翼に顕著な網状の脈があるのがよくわかります。☆アキニレ(秋楡)の名は、ニレ科の樹木は多くが春に花を咲かせますが、秋に花を咲かせることから名づけられました。ニレ(楡)は、樹皮の中がねばねばしてなめらかなことから、滑れ(ぬれ)が変化して楡(にれ)となったと言われているそうです。☆ニレ(楡)に共通する花言葉は、「高貴」「尊厳」「威厳」「愛国心」などだそうです。
2017.12.25
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☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。リョウブの果実です。(2017年9月26日撮影)。☆リョウブは、北海道南部から九州の山中の落葉樹林に生えるリョウブ科リョウブ属の落葉小高木です。樹高は3~7メートル程度で、幹は樹皮が剥げ落ちるとなめらかになり茶褐色です。☆リョウブの葉は互生で、枝先に集まってつきます。☆リョウブの葉は、長さ6~15センチ、幅2~7センチの倒卵状長楕円形で、先端は短く尖り、基部はくさび形、縁には鋭い鋸歯があります。☆昨年夏に撮影したリョウブの花です。リョウブは、枝先に数本の総状花序を円錐状につけます。(2016年8月1日撮影)。☆リョウブの花は、白い長楕円形の花弁が5枚で、花弁の先は少しくぼんで縁に小さな歯牙があります。蕾を見ると、釣鐘型の萼が見え、先が5つに分かれています。(2016年8月1日撮影)。☆リョウブの果実は蒴果(さくか)で、直径3~4ミリの球形です。リョウブの果柄の先端は曲がり、果実はさまざまな方向を向いています。蒴果(さくか)とは、乾果(乾燥果)で裂開する果実のことです。☆リョウブの果実は球形で、毛が密生しています。先が5つに分かれた釣鐘型の萼が残っているのが見えます。果実は、熟すと3つに割れて、多数の小さい種子を出すそうです。☆リョウブ(令法)の名は、律令国家(平安時代初期~中期)の時代に、飢饉などの際に食用にする救荒植物として領主などが農民に対し田畑の面積を基準として、一定量のリョウブの植栽および葉の採集と貯蔵を命ずる官令すなわち「令法」で栽培を奨励したことから、「令法(リョウホウ)」が転訛して「リョウブ」となったという説が一般的だそうです。また、長く伸びて咲いている花序を竜の尾に見たてた「竜尾(リュウビ)」から転訛したという説もありました。☆リョウブの花言葉は、「あふれる思い」だそうです。白い花をたくさんつけることから名づけられたのでしょうか。(2016年8月1日撮影)。
2017.12.22
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☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。スギの木と果実です。(2017年9月26日撮影)。☆スギは、ヒノキ科スギ属の常緑高木です。スギは、日本の樹木ではクスノキに次いで大木になるそうです。なお、スギはスギ科に分類されていましたが、スギ科とヒノキ科を分ける必然性はないとしてヒノキ科にまとめるのが普通だそうです。☆スギは、本州・四国・九州(屋久島まで)の主として太平洋側に多く自生します。北海道各地にも広く造林されているそうです。☆スギの材は、建築、船舶、土木、彫刻、家具、器具、桶、樽など、日本の材木の中では最も用途が広く、各地で盛んに造林されています。☆スギは雌雄同株・雌雄異花で、2月から4月に開花します。スギの雌花はほぼ球形で、鱗片が密着し、表面に小さな棘が出ます。一般的に球果と呼ばれますが、正しくは種子で鱗状の部分は種皮が変化した種子鱗片だそうです。球果は初め緑色をしていますが、熟すと褐色になり、鱗片のすき間から種子がこぼれるそうです。☆スギの雄花は長さ5ミリくらいのフットボールのような楕円形で、枝先に密生します。これは、昭和記念公園で撮影したスギの雄花です。スギは風媒花で、多量の花粉を飛ばすため、開花期には花粉症の原因となります。(2017年11月3日撮影)。☆『植物はすごい 生き残りをかけたしくみと工夫』(田中修、中公新書、2012年)によると、花粉症対策として、無花粉スギについての研究が進んでいるそうです。1992年、富山市内の神社で花粉を作らない杉の木が見つかりました。2005年、茨城県の材木育種センターが花粉のない杉の木を発見しました。雄花が花粉を作る能力をなくしても、雌花に生殖能力があれば種をつくることができます。ジベレリンを使うと、2年目の苗木に花が咲き、無花粉スギだけを選抜して育てることができるそうです。(2017年11月3日撮影)。☆スギ(杉)の名の由来には、さまざまな説があるようです。成長が速いので「すくすくと生える木」、真っ直ぐに伸びるので「直木(すぐき)」、上に進み伸びるので「進木(すすき)」などで、いずれも杉の木の成長の早さに由来するようです。
2017.12.03
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☆「高尾山での自然観察」(9月8日~24日)、「秋の高尾山での自然観察」(10月9日~21日)に続き、高尾山での自然観察の第3弾として、「秋の高尾山での自然観察(続き)」を連載しています。ミヤマフユイチゴの花です。(2017年9月14日撮影)。☆ミヤマフユイチゴは、関東地方以西から九州の山地の林下などに生えるバラ科キイチゴ属のつる性常緑小低木です。林の中に生えており、携帯用のコンパクトデジタルカメラで撮った写真が鮮明でないことをお断りしておきます。☆ミヤマフユイチゴの葉は互生で、葉身は長さ5~8センチの卵形または広卵形で、浅く3~5つに分かれます。☆ミヤマフユイチゴの葉の先端は尖り、縁には歯牙状の細かい鋸歯があります。☆ミヤマフユイチゴの葉の鋸歯の先端をよく見ると、小さな芒になっているのがわかります。☆ミヤマフユイチゴは、枝先や葉腋に白い花が数個集まって咲きます。花弁は長さ5~6ミリの倒卵形で、萼片より短くなっています。萼の外面はほとんど無毛で、内側と縁に白い毛があるそうです。☆ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)の名は、ミヤマ(深山)はフユイチゴより標高の高いところに生えるという名前ですが、比較的低山でも生育し、時に両種が混生していることがあるそうです。フユイチゴ(冬苺)の名は、多くの木苺類は夏に熟しますが、フユイチゴは冬に熟することから名づけられました。☆ミヤマフユイチゴの花言葉は、「あの日を思い出す」だそうです。
2017.11.18
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☆「高尾山での自然観察」(9月8日~24日)、「秋の高尾山での自然観察」(10月9日~21日)に続き、高尾山での自然観察の第3弾として、「秋の高尾山での自然観察(続き)」を連載しています。左右に交互に2枚ずつ並んでいるコクサギの独特の葉の付き方です。「コクサギ型葉序」と呼ばれています。(2017年9月14日撮影)。☆コクサギは、本州・四国・九州の低地の二次林に生えるミカン科コクサギ属の落葉低木です。コクサギについては、「コクサギの独特の葉の付き方。【高尾山での自然観察・その4】」(20107年9月11日の日記)で紹介しましたが、林の中に生えており携帯用のコンパクトデジタルカメラで撮った写真が鮮明でなかったため、改めて紹介しています。☆この枝で見ると、上から枝先と左に各1枚、右に2枚、左に2枚、右に2枚、左に2枚の順になっています。「コクサギ型葉序」の樹木には、サルスベリ、ケンポナシなどがあるそうです。☆葉序の進化は、輪生→十字対生→コクサギ形葉序→互生となり、コクサギ型葉序は十字対生に由来するもので、対生から互生への移行型と考えられているそうです。☆コクサギは、雌雄異株で、雌株の雌花は1個だけ咲き、雄株の雄花は総状花序に咲くそうですので、4月の花の時期に観察してみたいものです。☆コクサギ(小臭木)の名は、枝や葉に特有の臭気があること、低木でクサギ(臭木)に比べて小さいことから名づけられたそうです。
2017.11.02
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☆「高尾山での自然観察」(9月8日~24日)、「秋の高尾山での自然観察」(10月9日~21日)に続き、高尾山での自然観察の第3弾として、「秋の高尾山での自然観察(続き)」を連載しています。ヒメコウゾです。(2017年9月14日撮影)。☆ヒメコウゾは、本州(岩手県以南)から九州の低山地の林縁に生えるクワ科カジノキ属の落葉低木です。樹高は、2~5メートルになります。☆ヒメコウゾの葉は互生で、葉身は長さ4~10センチ、幅2~5センチのゆがんだ卵形です。切れ込みのないものから、2~3つに分かれるものまであります。☆こちらの枝には、先端にゆがんだ卵形の葉、その手前には2つに切れ込みがあるものが見えます。☆こちらの葉は、3つに切れ込みがあるものが見えます。葉の形に切れ込みがあるものや切れ込みがないものなどの変異は、ヤマグワ、カジノキ、ヒメコウゾなど、クワ科に共通する特徴です。☆ヒメコウゾの葉の縁には、やや細かい鈍鋸歯があります。ヒメコウゾは雌雄同株・雌雄異花ですが、ヤマグワ、カジノキは雌雄異株です。コウゾ(カジノキとヒメコウゾの雑種)は、雌雄異株のものと雌雄同株・雌雄異花のものがあるそうです。☆ヒメコウゾ(姫楮)の名は、古くから和紙の原料として栽培されていましたが、コウゾ(楮)より小型なのでコウゾと区別するためにヒメコウゾ(姫楮)の名になったそうです。コウゾ(楮)の名は、古名「カゾ」からコウゾやカジノキに転訛したという説や、樹皮から「神衣(かみそ)」を織ったことからカミソがカウゾとなりコウゾに転訛したという説があるそうです。漢字名「楮」は、中国ではコウゾは「構」あるいは「楮」があてられていたので「楮」の漢字があてられたそうです。☆5月に、新枝の基部に雄花、上部に雌花がつくそうなので観察してみたいものです。
2017.11.01
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☆「高尾山での自然観察」(9月8日~24日)、「秋の高尾山での自然観察」(10月9日~21日)に続き、高尾山での自然観察の第3弾として、「秋の高尾山での自然観察(続き)」を連載しています。アブラチャンの果実です。(2017年9月14日撮影)。☆アブラチャンは、本州・四国・九州で普通に見られるクスノキ科クロモジ属の落葉低木です。アブラチャンは雌雄異株ですので、この木は果実があるので雌株です。☆アブラチャンの葉は互生し、葉身は卵形または楕円形で急鋭尖頭、縁は全縁で葉柄は赤味を帯びています。☆アブラチャンの果実は、約15ミリの球形の液果で、9~10月に緑黄褐色に熟して不規則に裂開し、種子を1つ出すそうです。若い実は油分が多くゼリー状で、熟すと乳白色で固い種子になるそうです。☆アブラチャン(油瀝青)の名は、樹皮や種子に油分を多く含み、生木でもよく燃えることから名づけられたそうです。油分を多く含むので「アブラ(油)」、「チャン(瀝青)」はピッチやコールタールの総称だそうです。「チャン」は、「瀝青」の中国語読みの発音だそうです。昔、果実や樹皮の油を灯油にしたことがあるそうです。☆アブラチャンの花言葉は、「儚い(はかない)恋」だそうです。
2017.10.25
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☆8月24日、立川市の生涯学習・たちかわ市民交流大学市民推進委員会主催の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門2 高尾山の植物」の3回目「夏の高尾山と植物」に、共同企画者として参加しました。新たな植物との出合いもありました。高尾山での自然観察を紹介してきました。タマアジサイの花です。(2017年8月24日撮影)。☆タマアジサイは、福島県以南の関東地方や中部地方の山中の小川近くなどに自生するアジサイ科アジサイ属の落葉低木です。かつてはユキノシタ科に分類されていましたが、分子系統学的にはユキノシタ科とは縁遠いことがわかり、APG植物分類体系ではミズキ目アジサイ科に分類されているそうです。☆タマアジサイは、枝先に散房花序をつけます。まだ蕾のもの、開花したものが見えます。アジサイの仲間では花の時期が遅く、ヤマアジサイは6月初旬から開花しますが、タマアジサイは7月下旬から開花します。大きくなった蕾から順番に咲くので、長い期間にわたって花が見られるそうです。☆タマアジサイの散房花序の蕾です。蕾は総苞に包まれており、球形です。総苞片は、花序の展開とともに脱落します。タマアジサイの葉は対生で、葉の周りには細かく鋭い鋸歯が密にあります。☆開花したタマアジサイの花です。☆昨年撮影したタマアジサイの花です。周りに装飾花、中央には多数の開花した両性花や蕾が見えます。装飾花の萼片は白で、中央に蕾が見えます。両性花は淡紫色です。(2016年7月27日撮影)。☆5年前に間近で撮影したタマアジサイの花です。装飾花の中央には、開花し始めた花びらと雄蕊が見えます。(2012年9月14日撮影)。☆拡大してみました。装飾花の萼片には淡紫色の脈が見え、開花し始めた装飾花の花びらは4枚、伸びた2本の雄蕊と、これから伸びる雄蕊の葯が見えます。両性花の花びらは5枚、多数(10本)の雄蕊、花びらが散ったものでは花柱の先端が2つに分かれている雌蕊、5つに分かれている碗型の萼が見えます。(2012年9月14日撮影)。☆タマアジサイ(玉紫陽花)の名は、散房花序の蕾が総苞に包まれていて球形なので名づけられました。(2016年7月27日撮影)。☆タマアジサイの花言葉は、「あなたは冷たい」だそうです。どんな由来があるのでしょうか。(2012年9月14日撮影)。
2017.09.24
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☆ウォーキングコース(玉川上水)で、変わった実を見つけ、調べてみるとニワウルシの果実でした。(2017年8月6日撮影)。☆ニワウルシは、中国原産で明治時代初期に渡来したニガキ科ニワウルシ属の落葉高木です。高さは25メートル、直径1メートルほどになるそうです。☆ニワウルシは成長が速く、庭木や街路樹、器具材として用いられるそうです。また、シンジュサンでの養蚕目的に栽培されたこともあり、河原や土手などに野生化しているそうです。並外れた繁殖力を持っているそうで、ウォーキングコース(玉川上水)でも玉川上水の土手で野生化して増えています。☆ニワウルシの葉は互生で、奇数羽状複葉です。長さは40~100センチで、6~16対の小葉があります。小葉は長さ8~10センチ、幅2.5~5センチの長卵形で、先端は細く尖っています。☆ニワウルシは、雌雄異株です。6月に、枝先に長さ10~20センチの円錐花序を数個出し、緑白色の小さな花を多数つけるそうです。これは、果実ができていますので、雌株です。☆ニワウルシの果実は、2~5個の分果に分かれます。分果は長さ4~4.5センチの狭長楕円形の翼果で、中央に直径5ミリほどの扁平な種子があります。ニワウルシの翼果は、熟すと縦にねじれ、風に飛ばされて広がっていきます。たくさんの翼果ができているのを見ると、並外れた繁殖力を持っていることが理解できます。☆ニワウルシ(庭漆)の名は、樹形や葉がウルシに似ていて庭に植えられることに由来します。別名のシンジュ(神樹)は、英名の「Tree of Heaven」を直訳したものだそうです。
2017.08.20
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☆6回にわたって、雄蕊が花弁化して八重咲きになる植物を紹介してきました。今回で最終回です。八重咲きのサザンカの花です。(2015年11月3日撮影)。☆サザンカは、ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹です。(2016年11月23日撮影)。☆八重咲きのサザンカの花です。花びらの中央には、60本の雄蕊が見え、薄クリーム色の花糸の先端にある葯から花粉が出ています。中央には雌蕊花柱が見え、柱頭が3つに分かれています。(2016年11月23日撮影)。☆別の八重咲きのサザンカの花です。花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。(2016年11月23日撮影)。☆中央と左側の花びらは、右端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。(2016年11月23日撮影)。☆別の八重咲きのサザンカの花です。やはり、花の中央の花びらが変わった形のようなので、近づいて見ました。(2016年11月23日撮影)。☆左側の花びらは、左端が薄クリーム色の雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見えます。右側の花びらには葯が見え、花粉が出ているようです。(2016年11月23日撮影)。☆こちらの八重咲きのサザンカの花は、雄蕊の左右の花びらが変わっているように見えます。近づいて見ると、左右の赤い花びらの内側が雄蕊の花糸と同じような薄クリーム色です。その花糸のような部分の先端には、黄色い花粉も見えるようです。(2015年11月3日撮影)。☆右側の花びらです。花びらのはしが雄蕊の花糸のように見え、先端に葯があるように見えます。(2015年11月3日撮影)。☆左側の花びらです。花びらのはしが雄蕊の花糸のように見え、先端に花粉が出ている葯があるように見え、花粉が出ているのが見えます。これは、「雄蕊の一部が花びらのようになって八重咲きになる」ことを示しているようです。(2015年11月3日撮影)。☆なお、ツバキの仲間は八重化しやすく、雄蕊も花弁に変化しやすい形質があるそうです。(2015年11月3日撮影)。☆サザンカ(山茶花)の名は、中国語でツバキ科の木を「山茶」といい、その花を「山茶花」と称したことに由来し、「山茶」と呼ばれるのは葉がお茶のように飲料となることから「山に生える茶の木」の意味だそうです。「サザンカ」は、山茶花の本来の読みである「サンサカ」が訛ったものといわれるそうです。(2015年11月24日撮影)。☆サザンカの花言葉は、「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」だそうです。「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」は、寒さが強まる初冬にかけて花を咲かせることに由来するといわれているそうです。(2015年11月24日撮影)。
2017.08.15
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