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求人広告を調べて、履歴書を送った。  だが・・・

採るべき道は唯一つ。



うーん、何だか凄いぞ。
斧を持って襲いかかってくる殺人鬼!!
という話ではないんだけど。
主人公のバーク・デヴォア、ある意味もっと怖いかも。

裏表紙に普通に書いてありますが、念の為反転。
この下から、
ある思いつきで、自分と同じく再就職を目指す元同業者達の履歴書を手に入れたデヴォア。彼はその中で、自分より有利な(もしくはほぼ同じ)位置にいて、再就職の障害と成り得る人物を数名ピックアップした。そしてその数名が皆死ねば、自分が就職出来ると考えた・・・
ここまで。

これで殺人鬼の誕生である。
感情が欠如しているわけではない。見るからにどこかオカシイのでもない。
妻を、息子を愛している。何より、自分を大切にしている。


わたしとわたしの家族の面倒を見るのは、わたししかいないのだ。 (P227)

オイオイ、と思っているうちに、どんどんページが進んでしまうのである。
快楽的に罪を犯しているのではなく、怯え震え、悩み後悔する。
しかし、それでも優先してしまうものがある。
そして時には淡々と・・・

文章はとても読みやすく、話の展開、構成が面白い。
間に挟まる幾つもの履歴書。
妻との間がうまくいかなくなり、カウンセリングを受けたりもする。
息子は問題をおこし、父は行動をおこす。
ブラックユーモアがききまくり、読者を嘲笑う。

バカなことだとは分かっている。

でも、今の世の中、本当に大丈夫なんだろうか?という疑問も付きまとう。
周りが見えず、自分で精一杯。自分と、自分が愛するものが潤うのなら・・・
もしかしたら、私も・・・・ なんて。
何を考えても、何が起きても、不思議じゃない。
のが、怖い。

多分。

『THE AX』by Donald E.Westlake 1997

『斧』 ドナルド・E・ウェストレイク 文春文庫(2001年3月第1刷)





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最終更新日  2004年03月18日 23時27分01秒
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