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あくまで自分のスタイルを貫く。
今回は他団体主催の男女変則タッグマッチに出場するが・・・


火渡が所属するのは、弱小新興団体PWP。
【パシフィック・ウィメンズ・プロレスリング】

そう、女子プロレスである。

桐野夏生と女子プロがなかなか結びつかない。
しかし、流石は桐野夏生。この世界を描ききっている(と思う。)

ほとんど女子プロレスを見ない私でも、
主人公の火渡が、ダンプ松本でもダイナマイト関西でもジャガー横田でもなく、
【神取忍】をモデルにしていることがわかる。
あとがきで桐野さんも以下のように明言している。

(内面は全て作者の想像である、とも)

やはりどうしても、【男らしい】という言葉が浮かんで来てしまうが(笑)
自分を貫き通す姿勢は、男も女も関係なくカッコいい。
もっとも“女にも荒ぶる魂がある”という強い思いがあるから(あとがきより)
あえて火渡という闘う女性を創り出したのだろう。
自己を表現する術が、たまたま男が支配的なプロレスだった。
ということであると同時に、だからこそより意識・誇りは高くなり、周りを魅了する。

そんな火渡に一番近くて遠い【近田】が狂言回しのような役割を演じる。
練習態度も技も悪くないのに、何故か勝てない。
とてつもなくでかい目標が目の前にいるのに、自分の思うように出来ない。
苦悩の日々。だが、それでも闘わなければならない。これは近田の物語でもある。




桐野作品を読んだのは久しぶり。
楽天内でも非常に評価が高い「ミロシリーズ」がイマイチ合わなかったのです。
(『顔に降りかかる雨』、『天使に見捨てられた夜』の2作のみ読了)
何度か言っていますが、先に読んだ柴田よしきの「RIKOシリーズ」のほうが印象が強くて。
(もっとも、先に書かれたのはミロで93年。リコは95年)


今回のこの作品は、
isemariさん 『ファイア』
かま玉うどんさん(お元気でしょうか?) 『ボール』
ばあチャルさん 『ブルース』
の御三方が紹介されていたので、これは読まないわけにはいかん!ということで。
(リンク付けタイトルの切り方に意味はありません)
自分の感想を書いた後で、改めて皆さんの日記を読み返しましたが、
やはり、【女にもある荒ぶる魂】は外せないようです。

『ファイアボール・ブルース』 桐野夏生 文春文庫 (1998年5月第1刷)





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最終更新日  2005年02月01日 09時21分51秒
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