おしゃれ手紙

2026.03.07
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テーマ: 詩(938)
カテゴリ: 詩歌・名文
山のあなた  カール・ブッセ 上田敏 訳

山のあなたの空遠く
幸い住むとひとのいう
ああ、われひとと尋(と)めゆきて
涙さしぐみかえり来(き)ぬ
山のあなたになおとおく
幸い住むとひとのいう

「海潮音(かいちょうおん)」(明三八)所蔵。
 今でもこの詩句は多くの人の記憶に留まっていよう。
「海潮音」の数ある苦心の訳業の中で、訳者敏にとってはむしろ手すさびだったかもしれないこの小曲が最も愛誦されるものとなった。
全六行の冒頭二行。
以下、「ああ、われひとと尋(と)めゆきて、/
涙さしぐみ、かへりきぬ/山のあなたになほ遠く/
「幸」住むと人のいふ。」
牧水も犀星も愛誦、愛吟した。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

★ 幾山河(いくやまかわ)越えさり行かば寂しさの
はてなむ国ぞ今日も旅ゆく 
    若山牧水
第一歌集「海の声」(明四一))所収。
 名歌として名高いが、これを作った時作者は二十二歳の恋知りそめた学生だった。
宮崎へ帰省の途中、中国地方に遊んだ時の作。
彼は当時、上田敏訳ブッセの小曲「山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいふ」の詩を愛誦していたので、その気分もここに反映しているようだが、
「幾山河」と歌い出した時、一首はたちまち循呼(じゅんこ)たる牧水自身の愁いの調べとなった。
「折々のうた」    大岡  信
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「山のあなた」と若山牧水の「幾山河・・・」が似てるなと思っていたが、牧水も犀星も愛誦、愛吟したと聞いて、納得。

俳句や短歌、漢詩なども、アンサーソング的なものってあるんじゃね?!と思い集めたものを乗せてみた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
■ いくたびも雪の深さを ■
■ 冬来たりなば/雪イトド深シ

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Last updated  2026.03.07 00:10:45
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