ピーターソンいいですね~
今は亡きJoe PassとのライブDVDが僕のピーターソンデビューでしたが、ゴンゴンのブル~スとは打って変わるバラ~ドのピーターソンに惚れました。
11.If you only knew なんかはたまりません。。(失礼)

御歳80! まだまだ現役で弾きつづけて欲しいとおもいます。
(2005/08/24 12:55:29 PM)

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2005/08/24
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テーマ: Jazz(2003)
カテゴリ: 音楽
 「鍵盤の皇帝」との異名を持つピアニストと言えば、オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson= 写真左上 )。1925年カナダ生まれ。1940年代末にデビューし、80歳の今日でもなお現役であり続ける稀有なピアニスト。Oscar Peterson

 ピーターソンと言えば、超絶のテクニックを持つ早弾きで知られる。あの小曽根真をして、「落雷に打たれたほど感動した」と驚嘆させたという人。ただし、昨今の早弾きピアニストに見られるような、メロディラインそっちのけの粗い早弾きではない。一音、一音の音がクリアに聞こえる(「粒がはっきりしている」という形容も)早弾きであるのが凄いところ。

 そして、ピーターソンのもう一つ特徴は、誰も真似できないスイング感。右手は単音よりも、ハーモニー(和音)で弾くことが多いが、そのハーモニーの動きが実になめらかにつながる。自由奔放に見せて、実は緻密な計算に満ちた演奏スタイルでもある。We Get Request

 ビル・エバンスが、僕にとってジャズ・ピアノとの出会いであり、「永遠の先生」であるとしたら、次に出会ったピーターソンは、僕がどんなに努力しても、たどり付けないところにいる「夢の巨匠」。オクターブ奏法で、あんな凄い16分音符や32分音符の連続は、僕はどんなに練習しても、死ぬまで絶対無理だろう。

 親日家のピーターソンは70~90年代にはよく来日して、テレビにもよく生出演してくれた。Night Trainそして、まだジャズにさほど興味のなかった僕も、時々、その超絶テクニックが繰り出される演奏を見て、「何であんなに指が早く動くの?」と目を丸くした記憶がある。

 僕が初めて出会ったピーターソンは、たぶん、他のジャズ好きの人もそうであったように、アルバム「プリーズ・リクエスト」(原題は「We Get Requests」。1964年発表= 写真右上 )。今ではジャズ入門者の定番アルバムにもなっているが、「酒とバラの日々」「マイ・ワン・アンド・オンリーワン」「イパネマの娘」などスタンダード・ナンバーの、聴きやすい名曲ばかり。Girl Talk

写真左中 )というアルバムでは、「バグズ・グルーブ」「Cジャム・ブルース」というブルースの名曲も聴かせるが、何と言ってもあの「ジョージア・オン・マイ・マインド」に魅せられた。今でも、「ジョージア…」のピアノ・トリオ演奏では僕は、このピーターソンのをNo1に挙げる。

 その後、1968年に発表したアルバム「ガール・トーク」( 写真右下 )は、2つのトリオによる名演を収めた素晴らしいアルバム。華麗なテクニックと、ノリノリのスイング感は、はや円熟の域に達している(62年に発表した「ウエストサイド・ストーリー」も今なお人気の名盤)。長いキャリアを持つピーターソンだけれど、僕はやはり、60年代が一番生き生きしていたかなぁ…という気がする。

 ピーターソンの演奏は冒頭にも書いたけれど、その技術的レベルからしても、ジャズ・ピアノ初級者の僕には手には負えない。A Night In Viennaエバンスのコピーには挑戦した僕だが、右手も左手も、和音が目白押しのピーターソンの真似は、ちょっと無理だとハナからあきらめている。

 ピーターソンは93年に脳溢血で倒れて、3年ほど演奏活動から遠ざかった。復帰後も、車椅子での弱々しい姿を見たので心配していたが、去年9月にはウイーンでのライブDVD( 写真左下 )を発売。さらに翌10月には、久々の来日公演もしてくれた(しかし、この来日ライブを見た人の話では、全盛期と比べるとパワーや指の動きの衰えは隠せず、見るのも少し辛かったという)。

 それでも、ピーターソンがジャズ音楽に残した功績は偉大で、不滅だ。ことし80歳で、体も不自由な彼に、もう過大な期待をするのは酷だと思う。ピーターソンのこれまでの功績を考えれば、もうゆっくり悠々自適の余生を送ってもらっても、僕は何の文句もないのだが…。





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Last updated  2005/08/24 12:45:59 AM
コメント(16) | コメントを書く


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こんにちは  
gorocyan  さん

私も大好きです^^  
はじめまして~。オスカーピーターソン大好きです。
ジョーパスとのコンビもなかなか素敵です。
「ポーギーとベス」の曲を収めたアルバムから
はまりました。
(2005/08/24 04:21:14 PM)

Re:オスカー・ピーターソン:鍵盤の皇帝/8月24日(水)(08/24)  
ステラビア  さん
もし、ご本人がファンの期待に答えようとされているのなら心が痛みますね。楽しくてピアノから離れらないのであればいいのですが。

ジャズってまだ生誕100年なんですねー。驚きます。 (2005/08/24 06:26:11 PM)

gorocyanさんへ  
 gorocyanさん、初めまして。
ご訪問&書き込み、有難うございました。

>ピーターソンいいですね~。今は亡きJoe PassとのライブDVDが僕のピーターソンデビューでしたが、ゴンゴンのブル~スとは打って変わるバラ~ドのピーターソンに惚れました。11.If you only knewなんかはたまりません。。

 ジョー・パスとのDVDとやらは、僕はまだ見ていませんが、ぜひ一度聴いてみようと思います。
バラードのピーターソンも、違った一面が楽しめていいかもしれませんねー。
11曲目ですね。ご教示有難うございます。

>御歳80! まだまだ現役で弾きつづけて欲しいとおもいます。

 そうですね。元気である限りは現役にこだわってほしいと思うますが、
あまり無理もしてほしくないという気持ちも…。う~ん、複雑です。

(2005/08/25 02:10:07 AM)

真空管アンプ屋かんみちゃんさんへ  
 かんみさん、はじめましてー。
ご訪問&書き込み、有難うございます。

>はじめまして~。オスカーピーターソン大好きです。ジョーパスとのコンビもなかなか素敵です。「ポーギーとベス」の曲を収めたアルバムからはまりました。

 ガーシュインのオペラをテーマにした、あのアルバムですね。一度聴いたことはあるんですが、
アルバム自体は、いま僕は持ってないんです。そんなにいいなら、
改めて買って、もう一度聴いてみようかなぁ…。う~ん、「宿題」ができました。
教えてくださって、有難うございまーす。 (2005/08/25 02:17:47 AM)

ステラビアさんへ  
 ステラビアさん、こんばんはー。

>もし、ご本人がファンの期待に答えようとされているのなら心が痛みますね。楽しくてピアノから離れらないのであればいいのですが。

 もちろん、弾いている時は、本人はきっと楽しく弾いているんだと思うのですが、
それでもファンは昔のイメージで追い求めるから、ピーターソン本人にとっても、
期待されて辛いんじゃないかと、考えちゃうんですよね。
僕なんかは、もうそこにいてくれるだけでも嬉しいという存在なので、
体の方をもっと大事にしてほしいなぁ、と思います。
(2005/08/25 02:22:59 AM)

こんばんは  
武則天  さん
私もピーターソン好きですよぉ。
ビル・エヴァンスとはまた違ったテイストですよね。

いいな~。また聴きたくなっちゃった。 (2005/08/25 09:34:43 PM)

はじめまして。  
ぴゅあ-01  さん
オスカー・ピーターソンの音色は大好きで昔よく聴いていたのを思い出しました。80歳で今もなお現役であり続けているなんて感動しました。ふと、立ち寄らせてもらったこのページですが、何か忘れていた感覚が蘇り、嬉しいです♪♪~ (2005/08/26 12:49:43 AM)

武則天さんへ  
 武則天さん、こんにちはー。

>私もピーターソン好きですよぉ。ビル・エヴァンスとはまた違ったテイストですよね。いいな~。また聴きたくなっちゃった。

 僕も、この日記を書くにあたって、久しぶりにピーターソンをいろいろ、
聴きかえしてみましたが、メロディーの一音、一音を凄く大切に弾く人だなぁと、
改めて感心していたところです。まだまだ知らないピーターソンのアルバムもあると思うので、
少し探求してみようかなと考えています。 (2005/08/26 12:35:55 PM)

ぴゅあ-01さんへ  
 ぴゅあ-01さん、初めましてー。
ご訪問&書き込み、有難うございます。

>オスカー・ピーターソンの音色は大好きで昔よく聴いていたのを思い出しました。80歳で今もなお現役であり続けているなんて感動しました。ふと、立ち寄らせてもらったこのページですが、何か忘れていた感覚が蘇り、嬉しいです♪♪~

 お誉めの言葉をいただき、恐縮です。
ご覧のように趣味的なことばかり、好き勝手に書いているページですが、
お時間がありましたら、また遊びにきてください。
(2005/08/26 12:38:26 PM)

Re:オスカー・ピーターソン:鍵盤の皇帝/8月24日(水)(08/24)  
カピタン さん
僕も大好きですが、歌の方は好き嫌いが別れる様です。
気がついたのですが、管楽器好きの私よりピアノ好きのうらんかんろさんの方がピアノ系には強い様ですね。
あと、超絶テクは練習すればある程度近付けると思いますが、間合いのエヴァンスやモンクなんかの方が逆にやりにくいかも。 (2005/08/27 01:30:37 AM)

カピタンさんへ  
 カピタンさん、こんばんはー。

>超絶テクは練習すればある程度近付けると思いますが、間合いのエヴァンスやモンクなんかの方が逆にやりにくいかも。

 いえいえ、ピーターソンの超絶テクは、どんなに練習しても、
基礎の出来ていない、我流の私にはちょっと無理でしょうね。
確かに、ジャズ・ピアノは小節にいっぱい音符を埋めるより、間合いが大事、
つまり、いかにうまく音符を省略するかも大事なのだと、
昔、プロのピアニストの人に言われたことがあります。最近なんとなく、
アドリブの練習をしていると、その意味が分かってきてような気がします。
(2005/08/27 02:18:25 AM)

Re:オスカー・ピーターソン:鍵盤の皇帝/8月24日(水)(08/24)  
彼の演奏に変なクセが無いから、誰でも(僕のようなジャズ聴をくのにあまり慣れていない人でも)すんなり入れますよね。

「ひょっとしてこの人、ものすごく楽しんで弾いているのかな?」と感じるときがあります。 (2005/08/28 08:26:05 PM)

イィヴィ平野さんへ  
 イィヴィ平野さん、こんばんはー。

>彼の演奏に変なクセが無いから、誰でもすんなり入れますよね。「ひょっとしてこの人、ものすごく楽しんで弾いているのかな?」と感じるときがあります。

 ピーターソンは、確かにクセはあまりないですね。それがまた、聴きやすくて、
今も、幅広い人気を保ち続ける理由なのかもしれませんね。
ピーターソン自身も、きっと楽しんで弾いてますよ。
だって、彼はいつも、ニコニコしながら弾いてますから…。 (2005/08/28 10:49:33 PM)

うらんかんろさんへ  
カピタン さん
確かに。音楽も文章も羅列するのが良いのではなくて、ぜい肉のそぎ落とされたところが良いと思えるしまた難しいのですよね。俳句もしかり。 (2005/08/29 02:13:10 AM)

カピタンさんへ  
 カピタンさん、こんにちはー。

>確かに。音楽も文章も羅列するのが良いのではなくて、ぜい肉のそぎ落とされたところが良いと思えるしまた難しいのですよね。俳句もしかり。

 そうですね。ぜい肉をそぎ落とし、一聴すると手抜きしているように聞こえて、
実は…というのが、難しいのです。ソニー・クラークの「枯葉」なんか、まさにそうです。
(2005/08/29 10:42:05 AM)

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