「“カクテルの父”とも言われる、かのジェリー・トーマスが1860年頃に考案し、世界初の体系的カクテルブック『How To Mix Drinks』(1862年初版刊)にも登場する。国の名前がついたカクテルの中でも、最も歴史が古いと言われる。1860年と言えば、日本はまだ開国まもない混乱期で、攘夷の嵐が吹き荒れていた時代。そんな頃に、なぜ米国で「日本の」という名が付いたカクテルが誕生したのか--。
ハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)は、その著書「ABC Of Mixing Cocktails」(1919年初版刊)で、どういうレシピで紹介しているかと言えば、「ブランデー1グラス、アンゴスチュラ・ビターズ2dash、オルゲート・シロップ1tsp(ティー・スプーン)、シェイクしてカクテルグラスに注ぎ、チェリーを飾る」です。
ジェリー・トーマスが19世紀半ばに考案したということもあって、この「ジャパニーズ・カクテル/ミカド」は、19世紀末から20世紀初頭のカクテルブックにはたびたび登場します。主な掲載例は以下の通りです( 写真左
= Japanese Cocktail @ Little Bar )。
・「Modern American Drinks」(ジョージ・J ・カペラー著、1895年初版、2008年復刻版刊)米 ※Japanese Cocktailの名での収録はないが、Japanese Punch(ブランデー2分の1、アラック【注3】2分の1、ライム・ジュース半個分、シュガー1tsp、紅茶適量)、Mikado Punch(セント・クロワ・ラム【注4】2分の1、ブランデー2分の1、レモン・ジュース半個分、シュガー1tsp)という2種類が掲載されている。
・「World Drinks and How To Mix Them」(ウィリアム・T・ブースビー著 1908年刊行、1934年再版)米(ジャパニーズ・カクテル、ミカドの双方が登場) ★ジャパニーズ・カクテル → ブランデー1ジガー、オレンジ・ビターズ2dash、オルゲート・シロップ1tsp、(アンゴスチュラ?・)ビターズ2drops、レモン・ピール(同書では、ジン・ベース=3分の2ジガー=に替えた「ジャパニーズNo.2」というカクテルも収録されている) ★ミカド → ブランデー3分の2ジガー、キュラソー2dash、オルゲート・シロップ2dash、クレーム・ド・ノワヨー【注5】2dash、ビターズ2drops、レモン・ピール
・「Bartenders Guide: How To Mix Drinks」(ウェーマン・ブラザーズ編、1912年初版、2008年復刻版刊)米 & ・「173 Pre-Prohibition Cocktails」 &「The Ideal Bartender」(トム・ブロック著、1917年刊、2001年&2006年再刊)米 → 収録なし