Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2017/04/09
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 44.ジョン・コリンズ(John Collins)& トム・コリンズ(Tom Collins)

【現代の標準的レシピ】ジョン・コリンズ
 ジンベース・ヴァージョン → オランダジン(60)、レモン・ジュース(20)、シュガー・シロップ2tsp、氷、ソーダ(適量)、マラスキーノ・チェリー、レモン・スライス
 ウイスキーベース・ヴァージョン → ウイスキー(60)、レモン・ジュース(20)、シュガー・シロップ2tsp、氷、ソーダ(適量)、マラスキーノ・チェリー、レモン・スライス(ウイスキーはバーボンを使うケースが多い)
トム・コリンズ = ロンドン・ドライジン(45~60)、レモン・ジュース(15)、シュガー・シロップ1tsp、ソーダ(適量)、飾り=レモン・スライス&チェリー
【スタイル】 ジョン・コリンズ=ビルド、トム・コリンズ=ビルドまたはソーダ以外をシェイク  ※グラスは、トール・グラス(大ぶりのコリンズ・グラス)を使うのが一般的です。

 「ジョン・コリンズ」と「トム・コリンズ」という紛らわしい名前の2つのカクテルがあります。それぞれに由来があり、また関係しているので、この稿ではまとめて取り上げたいと思います。

 「ジョン・コリンズ」は、「1860年代(少なくとも1869年以前に)、ロンドンのリマーズ・ホテル(The Limmer’s Hotel)にいた英国人、ジョン・コリンズ(John Collins)というバーテンダーが考案。カクテルも彼の名前にちなんで『ジョン・コリンズ』と呼ばれるようになった」と伝わっています(出典:Wikipedia英語版ほか多数)。

 当初の「ジョン・コリンズ」はオランダ産の「ジュネヴァ・ジン」を使うことが多かったのですが、英国産の「オールドトム・ジン」を使うのが主流になっていく過程で、いつしか「トム・コリンズ」と呼ばれるようになったと言われています(出典:欧米の複数の専門サイトほか)。
 そして、「ジョン・コリンズ」の方は、従来のオランダジンを使う場合に限定して使われるようになりました。一方で、1950年代頃からは、ウイスキー・ベースの「ジョン・コリンズ」も登場するようになり、現代ではこの2つのベースの「ジョン・コリンズ」が混在している状態です(出典:Wikipedia日本語版や欧米の複数の専門サイト等)。

 文献で確認できる最も古い「ジョン・コリンズ」のレシピは、英国で1869年に出版された「The Steward and Barkeeper's Manual」と言われていますが、「オールドトム・ジン1Wineglass、レモン・ジュース半個分、パウダー・シュガー1tsp、ソーダ(ボトル1本分)」となっています(出典:Wikipedia英語版)。

 カクテルについての著名な歴史研究家デビッド・ワンドリッチ氏は「1850年代にはニューヨークに伝わっていたジョン・コリンズのレシピは、19世紀前半にロンドンの社交クラブで飲まれていたジン・パンチのレシピに極めてよく似ている」として、ジョン・コリンズもジン・パンチも、「ジン&レモンジュース&ソーダ」カクテルの延長線上で生まれたドリンクではないかという見方を示しています(出典:同)。

 「ジョン・コリンズ」が「トム・コリンズ」と呼ばれるようになったのは、上記で述べたようにオランダ・ジンが英国産のオールドトム・ジンにとって代わられたことが大きな理由と考えられていますが、「トム・コリンズ」の名前の普及に最も大きな影響力を持ったのは、”カクテルの父”とも言われる米国人バーテンダー、ジェリー・トーマス(1830~1885)です。

 「トム・コリンズ」というカクテルは、トーマスが1876年に出版した「How To Mix Drinks」改訂版で、(印刷物として)初めて紹介されたと言われていますが、「トム・コリンズ」の名がトーマス自身の命名なのか、それ以前から(英国でも)こう呼んでいたのかはよく分かりません(Wikipedia英語版は、「18世紀末のアイルランド独立戦争時の政治家トム・コリンズに捧げられたカクテルという説もある」と紹介していますが、その根拠は示していません。結局のところ、誰が「トム・コリンズ」と最初に呼び始めたのかは、現時点では謎のままです)。

 ちなみにトーマスのレシピを紹介しておきますと、「ジン1Large Wineglass、レモン・ジュース小1個分、ガム・シロップ5~6dash、氷2~3個、ソーダ」となっています(※ジンの銘柄は指定していません)。

 なおWikipedia英語版は、「チャールズ・スキナーという米国人作家が1898年、『トム・コリンズは、米国人のつくったカクテルだが、欧州人の好奇心を刺激し、英国やフランス、ドイツにアメリカン・バーを根付かせることに大きく貢献した』と記している」と紹介していますが、このスキナー氏が何を根拠に米国発祥説を唱えているかには触れていません(まぁ、我々日本人には、トム・コリンズの発祥が英国であれ、米国であれ、それはどうでもよいことかもしれませんが)。

 いずれにしても、ニューヨークなど全米の大都市では、オールドトム・ジンを使った「トム・コリンズ」は、1878年までには普通に飲まれるカクテルになっていたとのことです(出典:Wikipedia英語版)。

 参考までに記しておきますと、有名なハリー・マッケルホーン(Harry MacElhone)のカクテルブック「ABC of Mixing Cocktails」(1919年に英国で初版刊)では、ジョン・コリンズ(ベースはオランダ・ジン)は登場しますが、トム・コリンズはありません。
 また、「サヴォイ・カクテルブック(The Savoy Cocktail Book)」(1930年に英国で初版刊)には、ジョン・コリンズ、トム・コリンズの両方が収録されています。ベースはそれぞれオランダジン、ロンドン・ドライジン(※1920年代になると、甘口のオールドトム・ジンに代わって辛口のドライジンが主流になってきたためか)となっています。

 なお、ウイスキー・ベースのジョン・コリンズは、欧米では少なくとも1950年代には誕生していたと考えられていますが、カクテルブックに登場するのはかなり後になってからです。現時点で確認できた限りでは、ポケット・バーブック(M.ジャクソン著、1981年刊)の掲載例が最初です。ちなみに、ベースのウイスキーがスコッチなら「サンディ・コリンズ」、バーボンなら「カーネル・コリンズ」、アイリッシュなら「マイク・コリンズ」という別名のカクテルとなるとのことです。

【確認できる日本初出資料】 ジョン・コリンズ=「カクテル(混合酒調合法)」(秋山徳蔵著、1924年刊)=ジン・ベース。※ウイスキー・ベースのジョン・コリンズについては「カクテール全書」(木村与三男著、1962年刊)が現時点では日本初出 / トム・コリンズ=「洋酒調合法」(高野新太郎編)。レシピは「オールドトム・ジン1杯、ライム・ジュース3~4dash、シュガー4分の3tsp、ソーダ、氷」となっています。








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うらんかんろ

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Comments

kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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