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2020/10/27
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大阪市民ではありません。しかし、(生まれは京都ですけれど)小さい頃から大阪市で育ち、幼稚園から大学まで大阪で学びました(大学は大阪府豊中市にありましたが…)。だから、大阪は大好きな街です。

60年余生きてきて、行政機関として大阪府と大阪市が別々に存在することで困ったことは一度もありません。それぞれに役割分担や意味があると思っていました。私にはいま、大阪市を消滅させなければならない理由が、どう考えても思い当たりません。

今の日本で、東京と張り合って、大阪府・市は勝てるはずがないのです。「副首都」なんか幻想です。なれる訳がありません。「もう一つの首都機能」なんて対抗軸を、国が認めるはずがありません(大阪が本気でそんなことを考えたら、むしろ国や東京都は潰しにかかるでしょう)。

大阪は、日本の中で「オンリー・ワン」を目指せばいいのです。「オンリー・ワン」になれるだけのコンテンツは持っているはずです(現状では、コンテンツを十分生かしきっていませんが…)。維新がそれでも大阪市を廃止したがっているのには、「二重行政の解消」という建前の裏に、何らかの魂胆があるからでしょう。

本当に「二重行政の解消」が必要なのであれば、札幌だって、仙台だって、横浜だって、千葉だって、静岡だって、名古屋だって、京都だって、堺だって、神戸だって、広島だって、福岡だってみんな「市」を廃止しなければなりません。

でも大阪以外では、そんな声(要望)は出てきませんよね。大阪でも、そんなバカげたことを言い始めたのは、維新が行政を牛耳るようになってからです。

大阪市のような「政令指定都市」には、普通の市と違って大きな権限や財源が担保されており、独自で出来ることはとても大きいのです。特別区に格下げになると、当然ですが、独自で出来ることは限られてしまいます。

大阪市が廃止されると、旧大阪市の財源(予算)の約3分の2は府に移管され、独自で使い道を決めることは出来なくなります。維新が「重複すると考えている部課」の府・市の職員は間違いなく減ります、減らされます。

旧・区役所の「建物」は残り、出張所のような機能になるのかもしれませんが、主たる業務は新しく出来るたった4つの特別区の区役所に集約されるでしょう。身近な住民・行政サービスや医療・福祉サービスの低下は必至だと思いませんか?

加えて、学校教育の質も低下するでしょう(そうでなくても、橋下元知事・市長の教員敵視の余波で今、大阪では教員志望者が激減しています)。維新の首長の頭には、大阪市廃止後の万博、カジノ、IRという利権しか浮かんでいないのでしょう。

自治体運営に「利益」や「コスト」という概念を持ち込む論者の方もいます。府・市合併路線もこうしたコスト論が根拠の一つとなっています。しかし自治体は、我々市民社会のセイフティ・ネットです。民間企業ではありません。企業経営と同じ物差しで考えてしまうと、自治体の本来の役割を見失うことになります。

教育、医療・保健、福祉、文化財保護、上下水道、災害復旧支援、ゴミ収集等々、自治体にはそこに暮らす人々のために、コスト以前にやらねばならない最低限の責務があります。そのために我々は税金を納めているのです。もし行政にムダがあるなら、現行の枠組みの中で府・市で話し合って是正し、調整していけばいいだけの話です。

大阪市民の皆さん、政令指定都市でなくなってから、特別区になってから、「あの時、反対してたらよかった…」と後悔しても遅いのですよ(「EU離脱に反対しておけばよかった…」といまとても後悔している英国民の轍を踏んではなりません…)。

エセ「都構想」には「NO!」という答えしかありません(仮に条例が成立しても「大阪府」のまま。「大阪都」と名乗るためには国の法改正等さらに高いハードルがあります)。ただ残念ながら、私は大阪市民ではないので投票はできません。今は、賢明な大阪市民の方々の良識を信じるしかありません。





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Last updated  2020/10/31 10:01:00 AM コメントを書く


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うらんかんろ

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汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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