Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2021/08/09
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カテゴリ: ITTETSU GALLERY
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 ITTETSU GALLERY:もう一つの成田一徹(281)~(300)

 バー・シーンを描いた切り絵で有名な成田一徹(1949~2012)ですが、実は、バー以外をテーマにした幅広いジャンルの切り絵も、数多く手掛けています。花、鳥、動物、職人の仕事、街の風景、庶民の暮らし、歴史、時代物(江戸情緒など)、歴史上の人物、伝統行事・習俗、生まれ故郷の神戸、小説やエッセイの挿絵、切り絵教則本のためのお手本等々。

 今回、バー・シーンとは一味違った「一徹アート」の魅力を、一人でも多くの皆さんに知ってもらいたいと願って、膨大な作品群のなかから、厳選した逸品を1点ずつ紹介していこうと思います(※一部、バー関係をテーマにした作品も含まれますが、ご了承ください)。
※故・成田一徹氏の切り絵など作品の著作権は、「Office Ittetsu」が所有しております。許可のない転載・複製や二次利用は著作権法違反であり、固くお断りいたします。


(281)風 鈴  1990年代前半
 ※梅雨も明けて、これからは本格的な夏。街角からも風鈴の音が聞こえる季節になってきた。一徹氏も「風鈴」は何度か切り絵のモチーフにしており、この連載の第63回でも別作品(下の画像ご参照)を紹介しているが、この作品はもっとシンプルな構図。切り絵技法書の作例としても掲載された。






(282)風 鈴  1990年代前半
 ※昨日に続いてもう1枚、風鈴の切り絵を紹介する。これは珍しいカラー版の作品。何かの媒体用ではなく、自身の暑中見舞い葉書の原版として制作したもの。黒と青と赤のコントラストが美しい。





(283)団扇(うちわ)  1990年代前半
 ※昨日に続いて、夏らしい切り絵を。たかが1本の団扇であるが、デザインは細かく、作品としても結構手は込んでいる。元々は切り絵技法書の「作例」として制作されたものだが、個人的にはこんな団扇があれば、一つ欲しいと思う。





(284)扇 子  1990年代前半
 ※昨日の団扇(うちわ)とペアのような形で、ほぼ同時期に制作された扇子の切り絵。シンプルな梅の図柄だが、黒い紙1枚で制作した繊細な作品だ。これも、切り絵技法書の「作例」として収録されている。





(285)東京のモグラ  1992年
 ※石川雄一郎氏の連載エッセイ「東京あなロジー」(1992年6月~11月、計19回、週刊「サンデー毎日」誌上)のための挿絵=10月11日号掲載分。大都会・東京の地下土壌や空間をテーマにした連載だが、この回は東京のモグラが登場した。描かれたモグラが食べているのは、巨大なミミズ。気持ち悪いという方もおられようが、モグラにとってはご馳走なのである(まぁ、手にしたワイングラスは当然、一徹氏によるジョークであるが…)。







(286)勝利を目指し、より速く  1984年
 ※賛否の議論が渦巻く中、東京五輪は開幕した。まぁ、とりあえずここは、選手の皆さんの頑張りを応援しよう。という訳で、本日は「より速く」を目標に頑張るアスリートの姿を2題。これはただし五輪ではなく、一徹氏が1985年のユニバーシアード神戸大会のために、前年(1984年)に依頼された作品。「開発途上国の若い選手をユニバーシアードに招こう」という資金集めのためのチャリティ絵葉書(毎日ユニタン寄金)に使われた。競泳と陸上の選手をモチーフにしてるが、描かれている人物が外国人選手なのは、寄金の趣旨に合わせたのだろう。





(287)花 火  1990年代前半
 ※浴衣姿の母子らしき女性二人が、楽しそうに花火に興じている。昔は、路地裏でもよく見られた光景だが、昨今は浴衣を着るのは何か特別の時だけ。このような日常的な”ゆとり”を感じることも少なくなった。この絵も自身の切り絵技法書の作例として掲載されている。





(288)花 火(カラー)  1990年代半ば
 ※外国人向けの英文日本観光パンフの挿絵として制作されたカラー作品。よく見ると、昨日紹介した「花火」の切り絵をベースにして、細かい部分ではあれこれとアレンジを加えている。一徹氏の作品にはこのように、過去の作品をベースにして、さらに進化・変化させているものも多く、制作年代の特定はなかなか大変だ。





(289)Same ワン Please  1997年
 ※故・伊藤精介氏の連載エッセイ「今宵どこかのBARで」(「スーパー・ジャンプ」誌上、1995~97年)の第67回「犬も歩けば棒に当たる⁈」のために制作された作品。
 米ジョージア州アトランタを訪れた伊藤氏が、現地で味わった「ミント・ジュレップ」のベースの酒が、定番のバーボンではなく、ブランデーとアプリコット・ブランデーをブレンドしたものだったことへの驚きを綴っている(実はこのカクテル、「ジョージアン・ジュレップ」の名で古い時代のカクテルブックにはしばしば登場する)。
 擬人化した犬がカウンターに立ち、酒を注文する姿を描いた切り絵は、この回のエッセイのタイトルと、文中に登場する伊藤氏のセリフ「Same one please」からの発想だろうが、一徹氏が考えたのか、編集者のアイデアかは今となっては知るすべはない。
 ちなみに、この切り絵の原画は現在、大阪キタのバー「スタンドアルル」の店内に飾られている。ご興味のある方はぜひ現物をご覧くださいませ。





(290)鰻(うなぎ)  1990年代前半?
 ※きょう7月28日は「土用の丑」、日本全国、鰻を食らう、鰻ととっては受難の日である。一徹氏の切り絵に鰻はないかと探したら……生き生きとした「2匹の鰻」があった。いつ頃の作品かは定かでないが、絵のタッチから、プロデビュー間もない頃であろう。





(291)暗闇に浮かぶ横顔  1990年代後半
  ※小説かエッセイの挿絵として依頼された作品。黒い紙1枚だけで、シンプルな曲線だけで、どれだけ人物を表現できるのか。そんなテーマに挑戦したかのような1枚だ。人物を切ろうとしたはずなのに、出来上がった作品を見ると、大きな光るイヤリングの効果で、まるで、大きな耳たぶを持つ弥勒菩薩像の優しい横顔にも見えるのは、私だけだろうか。





(292)「サンデー毎日」のための挿絵(1)  1990年代前半
  ※一徹氏は神戸港振興協会でのサラリーマン時代から、毎日新聞の地方版(神戸版)でたびたび挿絵の仕事を頼まれた。その縁からなのか、プロデビュー後は、週刊「サンデー毎日」からも、たびたび仕事の依頼が来るようになった。
 小説やエッセイの挿絵、あるいは記者の取材記事の挿絵など、不定期で、テーマはさまざまだった。これは「年金問題」をテーマにした記事に添えられた作品。一徹氏は「ギャラは安くても、デビュー前からお世話になってきたからね」と語り、義理を大切にする姿勢を終生貫いた。





(293)「サンデー毎日」のための挿絵(2)  1980年代後半
 ※昨日に続いて、週刊「サンデー毎日」での記事に添えられた作品。バブル崩壊前の80年代、右肩上がりの経済の中で、サラリーマンの「働きすぎ」が問題になっていた頃。この頃はまだ携帯電話はさほど普及していなかった。バブルが崩壊して、リーマン・ショックの洗礼を受けた日本は、今なお経済の低迷から立ち直っていない。





(294)「サンデー毎日」のための挿絵(3)  1990年代前半
 ※一昨日、昨日に続いて、週刊「サンデー毎日」での記事に添えられた作品。どんな記事だったのかは不明。





(295)「サンデー毎日」のための挿絵(4)  1980年代後半
 ※4日連続で、かつて週刊「サンデー毎日」での記事に添えられた作品。この托鉢僧の切り絵もどんな記事に添えられていたのかは不明です。





(296)「サンデー毎日」のための挿絵(5)  1990年代前半
 ※5日連続で、かつて週刊「サンデー毎日」での記事に添えられた作品。とりあえず、この「サン毎」シリーズはきょうでおしまい。一連の5枚は、繊細でシャープな切れ味が持ち味の一徹氏の作品にしては、いずれも肩の力抜けた、柔らかい、ユーモラスなタッチで仕上げられており、自分自身の表現の幅を広げることを目指した、実験的な意味合いもあったのかもしれない。





(297)「新大陸へ」のための習作  1992年頃  ペン画に手彩色
 ※第58回で紹介した「新大陸へ」(下の画像ご参照)を制作する前に、習作としてつくった作品。58回の絵よりはかなり横長の構図である。彩色が未完のまま終わっている理由はよく分からない。彩色ペン画にも秀でて、とても味わいある作品を残した一徹氏。私個人としては、切り絵だけでなくペン画も終生手掛け続けてほしかったと思う(なお第58回の絵は、トリノまさる氏との共著「ペンとカラーインクで描く」(1993年、グラフィック社・刊)に作例として掲載されている)。







(298)Dylan Thomas at the White Horse Tavern  1993年
 ※エッセイスト&作家・常盤新平さん(故人=1931~2013)のエッセイの挿絵として制作された作品。ディラン・トーマス(1914~1953)は、英ウェールズ出身の作家、詩人。この絵は、トーマスが愛したニューヨークの老舗パブ、「ホワイトホース・タバーン」とを組み合わせて描いた。
 トーマスは米国でのプロモーション旅行中の1953年11月4日、ホワイトホース・タバーンでの過度の飲酒の後に倒れ、5日後、当地の病院で死去した。39歳の若さだった。ちなみに、歌手ボブ・ディラン(芸名)の「ディラン」はこのトーマスの名前にちなんで付けたのは有名な話。





(299)空しき大戦の記憶  1995年
 ※きょうは原爆忌。悲惨な結果を招いた、先の無謀な大戦を思い起こす日である。という訳で本日は、ある意味、大平洋戦争での「無謀さ」を示す最大の象徴でもある戦艦大和の切り絵である。エッセイスト&作家・半藤一利氏(故人)の連載エッセイ「歴史探偵かんじん帳」(1994~95年、毎日新聞日曜版掲載)の挿絵として制作され、「戦時下の巻(4)」に添えられた。
 ウイスキーを嗜みながら写真を見つめるのは半藤氏自身である。氏は綴る。「食うもの食わずに働きずくめに働いて、かかる大艦隊をつくり、すべて水底に送り込んだ近代日本の得体の知れぬ国家意思というものには、改めて仰天せざるを得ないでいる。(中略)貧しい日本人は全精魂を傾けて、このほとんど役立たなかった戦艦をつくり、失い、空しき栄光のみを遺産として将来に伝えることになった」と。
 半藤氏も今や天上の人となった。76年後の今、我々は「過去」からどれだけ学んだのだろうか。人類はどれだけ進歩したのだろうか。











(300)ピッコロシアター30周年のために  2008年
 ※兵庫県尼崎市にある「ピッコロシアター」(兵庫県立尼崎青少年創造劇場)は1978年に開館した、関西では有数の「舞台演劇」発信の拠点である。2008年、劇場関係者との個人的なつながりもあって、一徹氏はその30周年に際して、記念ポストカードのための切り絵を依頼された。そして出来上がったのがこの4枚。いずれも非常に丁寧で、繊細で、手の込んだ作品に仕上がっており、関係者からとても喜ばれたと伝わっている。



★過去の総集編ページをご覧になりたい方は、 こちらへ。

【Office Ittetsuからのお願い】成田一徹が残したバー以外のジャンルの切り絵について、近い将来「作品集」の刊行を計画しております。もしこの企画に乗ってくださる出版社がございましたら、arkwez@gmail.com までご連絡ください。

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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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▼Bar UKでも愛用のBIRDYのグラスタオル。二度拭き不要でピカピカになる優れものです。値段は少々高めですが、値段に見合う価値有りです(Lサイズもありますが、ご家庭ではこのMサイズが使いやすいでしょう)。 ▼切り絵作家・成田一徹氏にとって「バー空間」と並び終生のテーマだったのは「故郷・神戸」。これはその集大成と言える本です(続編「新・神戸の残り香」もぜひ!)。
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