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February 19, 2012
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カテゴリ: 教授の旅日記



 ということで早速、旅行記でございます。行先は信州大学松本キャンパスだったのですが、今回は雪道を避けて、私にしては珍しく特急「しなの」を使っての出張。しかし、これがなかなかのもので、千種から松本まで2時間で行っちゃうのね。近い、近い。しかも車窓からは雪景色の「寝覚の床」(浦島太郎が余生を過ごしたところとも言われている・・・って、そうなの? マジすか?)なども見られますし。

 で、現地に着いてみると、いやあ、やっぱり名古屋と比べて5度くらいは気温が低いのか、めちゃくちゃ寒い。とりあえず昼飯を食おうと、偶然同じ特急に乗り合わせた顔馴染みの先生方と「弁天」なる蕎麦屋へ。世界の小澤征爾さんをはじめ、有名どころの色紙がずらりと並ぶ地元の名店のようで、私は店おすすめの「鴨すい」なるものを食べてみたのですが・・・。

 ま、その先は言わないことに。

 で、その後タクシーを飛ばして信州大へ。で、学会の役員会があった後、そのまま2月例会になだれ込み、研究発表を二つ聴きました。

 一本目はトマス・ピンチョンの『重力の虹』についての研究で、作中言及される「降霊術」をめぐるあれこれについて、「死後生存説」(魂は不滅で、霊媒なら死んだ人と話をすることが出来るという説)と解するべきか、はたまた「超ESP説」(死んだ人と話などすることはできるはずはなく、ただ超能力的にその人の情報を得ることが出来るとする説)と解するべきか・・・ってな話だったのですが、うーん、私としてはどっちでもいいかな、と。

 二本目は『デクスター』という人気テレビドラマを素材とした翻訳論なんですけど、まずその前に「語りの視点」を分析し、「主人公が他の登場人物たちとあれこれ関わるのを、ナレーターが独自の視点から物語る場合」とか、「主人公がナレーターを兼ねるので、主人公の視点がそのままナレーターの視点になる場合」とか、そんな風に分けていくと、「語りの視点」のパターンってのは7つくらいに分類できるそうで、で、じゃあ『デクスター』の個々の場面をこのパターンに当てはめていくと、大体、あるパターンが頻繁に使われていることが分かる、というようなことのようで。

 で? 

 いや、そのあたりで話が終わってしまったので、「だから何?」という部分は特に聞けなかったのでありました。



 今回の発表者お二人について厳しいことを言わせていただければ、二人とも研究発表ってのが何をすることなのか、そのあたりの認識が甘いっ! 40分くらいしか時間が無いことが最初から分かっているのですから、この限られた時間の中で、自分がやっていることの意義とその成果をたとえその一部だけでも明確に伝えて、確かにこの研究には価値があるということを聴衆に納得させなきゃダメ。

 さてさて、こう中途半端な研究を聞かされたとなりゃ、後は「アフター学会」を楽しむしかないっ!

 ということで学会員一同が向かったのは馬刺しの店「三河屋」。名物の「馬刺し」と、それからさくら肉を使ったすき焼きともいうべき「馬鍋」を地酒などと共にいただきましたが、ちょっと馬鍋が煮詰まって味が濃くなりがちだったとはいえ、まずまず合格点をあげられるお店でございました。

 その後、二次会へと繰り出す面々と別れ、私は定宿のリッチモンドホテルに投宿。

 そして今日となりまして。ホテルで朝食を済ませてから、松本市街に数件ある古本屋さんをめぐるツアーを開始・・・のはずだったのですが、さすがに朝10時きっちり開店している古本屋さんもなさそうだったので、差し当たり松本市民美術館へ向かいます。ここでシャガール展をやっていると小耳にはさんだので。

 ま、シャガール展ってのは、日本中どこでもやっているような感じで、私も過去、何度となく見てきたものですから、さほど期待もしないで行ったのですけど、これがね、案外、大規模なもので、しかも内容が素晴らしかった。ひょっとして今まで見たシャガール展のベスト?と思えるほどのもので、見てよかったなと。学会員の皆さんで、これ、見逃したなら大損よ。4月までやっているそうなので、松本まで行くガッツがある方は是非! 同時開催で、松本と縁の深いデザイナーの田中一行さんと、アーティストの草間彌生さんのミニ展示もありますぞ。

 そして、そろそろ町が暖まってきた頃を見計らって古本屋さんを一軒一軒当たっていったのですが、今日が定休日の店や、存在しなくなってしまった店も多く、期待したほどではなかったという。ただ一軒、「慶林堂」というお店はなかなかよかった。

 私と名前が近い歌人の釈迢空(しゃく・ちょうくう、折口信夫の歌人としての名前)の歌集、『海やまのあひだ』の美本をはじめ、釈さんの本がずらりと並んでいる一角があったので、私が物色していると、それを見ていた店のご主人が、「釈迢空、お好きですか?」と話しかけてきてくれまして。で、私が「ええ、釈の歌も好きですし、民俗学者としての折口信夫にも興味があります」と言うと、ご主人曰く、折口先生は松本という土地と関わりが深かったんですよ、と。

 ご主人によると、その昔、折口さんは松本に伝わる民俗芸能などを取材するために、事前にこのあたりの教育関係者に調査を依頼し、後から松本にやってきて、その調査結果などを聞き取りながら、実際の芸能を見たりしたのだとか。で、折口さんがそういう風に宿題を課すので、地元の教育関係者も、自分たちの民俗のあり方に開眼し、随分勉強になったんだそうです。

 で、松本に来るたびに、折口さんは地元の人々に要望されるままに気前よく色紙などに揮毫したそうで、その後、そういう色紙が古書市場に出回ったため、このお店でも随分沢山の釈迢空の短冊などを扱ったのだとか。

 で、「今も、どこかにあるはずですよ」と言いながら、5分くらいもあちこち探してくれた挙句、2枚の短冊を出してきて下さった。こういうものは大体3万円くらいで売買されるそうです。ま、私も、チラッと「買おうかな」と思いましたが、今回はお話だけ伺っておくことに。でも、折口さんと松本との関連などが聞けて面白かった。



 ところで、色々買ったお土産の中でも特に「竹風堂」さんの「栗粒あん どら焼山」、これは旨かった! あんこ自体が小豆ではなくて栗餡なんですけど、皮の柔らかさといい、栗餡の味といい、もう絶品。ネットでも買えるそうなので、甘党は是非! 教授の熱烈おすすめ!です。


これこれ!
 ↓
竹風堂 どら焼山


 しかし、二日間の駆け足の旅でしたけど、名古屋から松本って2時間で行けますし、案外近いなと。そして、さすが教育県と言われるだけあって、文化的なものを大切にする気風がありありと感じられるところがあり、なかなかいい旅となりました。八ヶ岳ばかりに夢中なワタクシですが、これからはその行き帰りにチラッと立ち寄ってもいいなと。

 ただ、蕎麦だけは・・・。信州は蕎麦どころとはいえ、信州蕎麦の独特の味は、私の理想とする蕎麦の味と少し方向性が違うようで、少なくとも今回に関しては、意外に満足できなかったのでした。





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Last updated  February 20, 2012 02:06:01 AM コメント(2) | コメントを書く
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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