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July 20, 2013
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カテゴリ: 教授の読書日記
 夏バテ、というわけでもないのでしょうが、どうもこのところ週末になるとどっと疲れが出て、やるべき仕事に力が入らない状態が続いております。

 で、そんな時は何か軽いものを読むしかないと、ベッドに寝っ転がりながら菊地信義さんの『樹の花にて』(白水社)という本をパラパラ読んでおりました。

 菊池信義さんというのは、有名な装幀家なのですが、この本を読むと、エッセイストとしても一流ということが分かります。

 特に最初の方のエッセイは銀座のフリーマガジンとして名高い『銀座百点』に連載されていたものなのですが、どうも菊地さんのオフィスが銀座の一角にあるらしく、その銀座界隈で菊地さんが目にしたり感じたりしたことを、短いエッセイにされているんですな。で、そのエッセイは銀座という特殊な空間の持つ洒脱さに釣り合って、実にこう、しゃれおつなところがあるわけ。

 なんかね、「エッセイ」ってのはこうあるべき、みたいな感じがするんだなあ。

 例えば、私が書くものってのは、大概、目的がある。その目的に向って一直線に書いていくというわけではなくとも、最終的にその目的は外さない。

 ところが、菊地さんのエッセイは、エッセイというものが本来そうであるように、何か目的があって書いているのではなく、何となくその場の空気・雰囲気・情緒を写しとるような調子で書いているわけ。

 そういう当座の目的のない文章を書くというのは、少なくとも私には難しい、ような気がするんですな。自分がやったことのないことを菊地さんが楽々とやっているので、私としては非常に興味がある。こういう書き方、自分もやる気になれば出来るのかどうか、とか・・・。

 ただ一つ、菊地さんのエッセイに私なりに注文をつけるとするならば、それぞれのエッセイの一番最後の文章は不要かなと。菊地さんとしては、その一文でエッセイにある種の「ケリ」を付けているのでしょうけど、むしろそれがない方が文章として麗しい気がする。



 まあともかく、この本を読みながら、名古屋の郊外の新興住宅地の一角にあるマンション内で仕事をしている私と、銀座の一角にひっそりとたたずむ「樹の花」なんて趣のある喫茶店で美味しい珈琲(ここはコーヒーではなく、何としても珈琲でなくてはならない)を飲みながら仕事をしている菊地さんとでは、仕事の環境が大分異なるし、その環境の違いはいつしか仕事の質にも関わってくるんじゃないか、なんてことを考えざるを得ない私なのでした。

 ああ、私も「樹の花」の常連となり、その奥まった席で本を読んだり、原稿を書いたりしてみたいっ!!


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Last updated  July 21, 2013 12:00:49 AM
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ゆりんいたりあ @ Re:スペイン優勝、そして早くもW杯ロス(07/20) 釈迦楽さん、 ご無沙汰しております。 お…
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