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イタリアの総選挙では、緊縮財政支持が微妙な状態にあり、財政不安悪化、
ユーロ危機の再燃懸念が高まっている。
その影響か、再び、国際金融の流れが円の選好に向い、円安は止まり、
円高に振れており、東京外国為替市場で、26日に1ドル=92.50円
(一時、90.85円)とドル安になった。
おなじく1ユーロ=121.05円(一時118.74円)とユーロ安になっている。
:::::::::
イタリアの基本事情写経では政治について触れていなかったし、今回の選挙は
EUの先行きを左右するので少しトレースしたい。
*********
[イタリア基本事情]の補足
<政治体制・内政>(資料出所:外務省、読売新聞など)
1.政体: 共和制
2.元首: ジュルジュ・ナポリターノ前大統領(2013年4月再任、任期7年)年齢87歳
→ セルジョ・マッタレッラ(無所属)大統領(2015.2.3~)
上下院議員と各州代表の合同会議選挙
3.議会:
(1) 構成-上院・下院の二院制で任期は両院とも5年(両院の権限は同等)。
(2) 現議会勢力(2012年12月22日解散。) ・・・・・・・・・・
イタリア選挙確報:国営TV、開票率100%(読売新聞2013.3.1)
会派名
下院
(解散前議席数)
下院
[今回議席数]
上院
(解散前)
上院
[今回]
中道右派
<中道右派連合・・ベルルスコーニ前首相の脱税疑惑などのスキャンダルもあるが財政緊縮見直し派>
自由国民党
(205)
(115)
イタリアの同胞
(-)
(10)
北部同盟
(58)
(22)
国民と地域
(20)
(-)
国家の融合
(-)
(12)
計
(283)
125
(159)
117
中道左派
<中道左派連合・・民主党のベルサニ党首を中心の財政緊縮支持派>
民主党
(204)
(104)
価値あるイタリア
(16)
(10)
計
(220)
345*
(114)
123
中道勢力
< 中道連合・・モンティ氏の財政緊縮堅持派 >
中道連合、少数言語(上院)、自治のための(上院)
(37)
(16)
将来と自由
(25)
(7)
イタリア同盟
(4)
(6)
計
(66)
< 47 >
(29)
<19>
混合会派
< 五つ星運動・・元人気コメディアンのベッペ・グリッロ氏主導で「緊縮策見直し派」 >
(58)
< 109 >
(18)
<54>
その他
4
2
定数
(630)
630
(320)
315
今回上院内訳では終身議員5名を除く
(3)選挙制度(2005年12月改正)
上院:完全比例代表制(州単位)
・選挙資格 満25歳 被選挙資格 満40歳
・20ある州選挙区毎に第一党・連合に55%議席を配分
・終身上院議員が5名存在する
下院:完全比例代表制(全国単位)
・選挙資格 満18歳 被選挙資格 満25歳
・全国レベルで第一党・連合に54%の議席を配分*
4.政府: 2011年11月16日 マリオ・モンティ(無所属)内閣発足
→ 2013年4月28日 首相:エンリコ・レッタ(民主党)
→2014年2月22日 マッテオ・レンツィ(民主党)党首が首相
→
2016.12.11 マッタレッラ大統領が パオロ・ジェンティローニ
(民主党) 外相を
議会の信任を得て首相に就任(12日)
5.イタリア政治の最近情勢
年代 |
最近の動き |
---|---|
2011年夏 |
財政金融危機に対応するための緊縮財政が不満を招き、ベルルスコーニ首相の支持率が急降下 |
2011年11月 |
ベルルスコーニ首相は経済安定化法の成立後、辞表提出。ナポリターノ大統領はモンティ終身議員(経済専門家)に組閣を要請。閣僚は非国会議員のみで教会、EU,労組、政界通のエキスパート。北部同盟(LN)を除く全政党が協力を約束、上下院の88%の支持を受けた。 |
2011年12月 |
財政収支均衡を2013年に達成するために消費税率引き上げ、年金改革などの「救国」緊急経済対策が議会通過。 |
2012年 |
脱税対策、自由化、労働市場改革等を焦点にした経済成長策、経済構造改革の取り組み、3月に競争不足、インフラ不備の構造改善を企図した「成長」緊急経済対策、6月に正規雇用増加、解雇容易化の労働市場改革法案、8月に3年で260億ユーロ規模の歳出見直し策が成立。12月に行われた政権信任投票では自由国民党(議会第一党、中道右派)が欠席のまま、信任は成立し、経済安定化法案、来年予算の成立を終えた。モンティ内閣は不信任があるとして、大統領に辞意を表明、大統領はこれを了承した。2013年2月の上下院総選挙の結果で大統領が新首相を指名、次期首相が就任するまで、現内閣は職務執行内閣としてとどまる。 |
2013年 |
2月25日、26日上下院総選挙が僅差で終了したところである。 下院では、「緊縮派を大枠で支持する」中道左派連合(民主党ベルサーニ党首など)が第一党となり、反緊縮派の中道右派連合(ベルルスコーニ前首相、自由の人民など)をわずか0.4ポイント上回り、第一党に与えられる特別議席数340を得た。 上院では、「緊縮派を大枠で支持する」中道左派連合は123議席に留まる見込みで、「緊縮策堅持派」の中道連合(モンティ首相)の19議席を合わせても142議席で、過半数158には届かない見込みで、連立を組めないなら、大統領は首相を指名できないため再選挙の可能性もでている。 |
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