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2008.04.12
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カテゴリ: 食の歴史
ランダム読書日記 「じゃがいもが世界を救った」 

ラリー・ザッカーマン(LarryZuckerman)
関口篤 訳

青土社 355頁 ¥2600 2003.4.10 初版第1刷発行
副題 ポテトの文化史
原題 The Potato How the Humble Spud Rescued the Western World

[目次] 

はじめに

1. アンデスの宝        (ペルーとヨーロッパ 1550-1650)

3. 中流以上の人々       (イングランド 1650-1800)
4. 土に生るリンゴ、万歳    (フランス 1650-1800)
5. 独立アメリカ合衆国の食卓  (独立以前のアメリカ 1685-1800)
6. やつは首吊りだ       (イングランド 1800-1900)
7. 包囲された砦        (アイルランド 1800-1845)
8. 倹約一路          (フランス1800-1914)
9. ランパー芋は真っ黒     (アイルランドの大飢饉 1845-1849)
10. じゃがいもと人口    (イングランドとアイルランドの人口激変)
11. 女の仕事         (アメリカ合衆国 1800-1914)
12. 良い仲間         (イングランドのフィッシュアンドチップス)
13. 出自の貴賎         (結論)


参考文献

[内容]

ジャガイモの歴史は奥深い。ジャガイモはアンデスのチチカカ湖
の近辺に生えていた高山植物だった。遅くとも7千年前から栽培
されていた。それがスペインのインカ帝国侵略にともない、


入ったけれども200年以上も利用されなかった。ナス科植物には

毒がある、地下で獲れるものは汚い、畑の養分を吸い取り後作
にコムギが育たなくなる、などいろいろな理由がついて。

 しかしいったん普及すると、コムギよりも収量が多い、土地を
選ばないでどこでもよく育つ、栽培が容易である、コムギとちがって
加工しなくても食べられる、などの理由で一気に栽培が増えた。
 アイルランドではほとんどの農家がジャガイモに頼って暮らした。
そこへジャガイモの最大の病気である「疫病」が蔓延した。
食べるものが全くなくなり、餓死者のが地獄と化した。
500万人が移民として故里を出た。米国に渡った子孫からは
ケネディやレーガン大統領が出た。
まさに、「ジャガイモは世界の歴史を変えた」と言えます。

「感想」

ジャガイモを中心にすえて、ヨーロッパの社会をあぶり出している
貴重な書物と思いました。

ここで苦言をひとつ。
ジャガイモの歴史に関する本は沢山あります。それらの中ではどれも
アイルランドの大飢饉について述べられています。
ただ残念なのは、これらの本のほとんどで、肝腎のジャガイモの
病害(疫病)が何故か「胴枯れ病」となっていることです。
(原因はどうやらK社の英和辞典の訳が原因らしい。
胴枯れ病というのはクワの病害名であり、ジャガイモに「胴」などと
いう部分があるはずがない)
いつか出版社に訂正を申し入れたこともありましたが、
結局改められませんでした。この本もまた例外ではありません(p197)。
この本では、また品種を「変種」と訳しているのも「変」です。

植物学用語とか農学用語とかの誤訳が多いのは、訳者が文系の人
で一般に理系の専門用語をきちんと調べずに翻訳しているのでは
と思ってしまいます。

[頁のかけら] 

○人口学者の推測によれば、1830年代のイングランドで生誕時の
平均寿命は40.5歳(フランスとアイルランドではさらに低い)。

○生き抜く術こそ人間のもっとも真剣な仕事でなければならぬ。
        アントワーヌ・オーガスタン・パルマンティエ

類書  藤巻宏・鵜飼保雄 「世界を変えた植物」 培風館 1985    
     杉田房子 「じゃがいもの旅の物語」人間社 1996 
     山本紀夫 「ジャガイモとインカ帝国」東京大学出版会2004
     伊藤章治 「ジャガイモの世界史」  中公新書2008

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 ランダム読書日記 

 by 行道はるか YUKUMICHI Haruka (2008.4.12. No.79)






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Last updated  2008.04.12 23:47:09
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