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2015.02.01
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カテゴリ: 文学
139 『盗 作の文学史』 栗原裕一郎

新曜社 492頁¥3800 2008.6.30 初版第1刷発行

[目次] 

序章 盗作前史-偽版・代作・著作権

第1章メディアの事件としての盗作疑惑

第2章新人賞と盗作事件

第3章オリジナルという“データ”

第4章素材と創作のあいだ

第5章作品の自立と模倣の可能性



第7章インターネットという新しい告発装置

第8章その他の事件

 あとがき

盗作事件年表

[内容]

 日本推理作家協会賞受賞作品です。「文学における盗作事件のデータをここま
で揃えた書物は過去に例が なく」と、著者が述べています。正にそのとおり。
江戸時代の仮名垣魯文から2008年の泉鏡花賞受賞作家の事件まで、数えきれない
くらい 多くの盗作事件を丹念にまとめあげた労作です。「盗作されたといわれ
る作品」と「盗作疑惑をもたれた作品」の文章を併記してあるので、読 者が自
分で比較して盗作かどうかある程度判断できるのがよい。



 それぞれの盗作事件は状況がさまざまで、それらを全 体的に俯瞰して、どこ
からが盗作で、どこまでは問題のない利用ないし引用といえるのかという線引き
は難しいと思われました。

 同時に、文学の世界において真にオリジナルな作品を 生むということがいか
に難事かという感想をもちました。



[頁のか けら] 

○ たとえば、「国境の長いトンネルを抜けると雪国で あった」とは、川端康成
の小説『雪国』の有名な冒頭であるが、この一文自体は、国境のトンネルを出た
ならば雪国であったという状態(=ア イディア)を文章にすることが決まって
いるのであればだれでも思いつく文章の一つであるから創作性はなく、この程度
の長さの文章に著作物 性を認めると、幾人目か以降はこのアイディアを表現す
ることができなくなるということを勘案しなければならない。(田村善之『著作
権法概 説』)(15頁)

○ 有吉佐和子『複合汚染』は朝日新聞に連載された作 品だが、連載中の1975年
5月、科学啓蒙書からの「無断引用」が問題になった。(中略)この事件にはい
くつかの報道が出たが、『複合汚染』の連載 媒体である朝日新聞は報じなかっ
た。先に見た堀田善衛『19階日本横丁』も朝日新聞で連載された小説であった
が、 こちらについても同紙は報道しなかった。いずれも同紙が率先してスクー
プした山崎豊子か『不毛地帯』事件とほとんど同じ性質の事件である のに、自
紙に連載された作品には目をつむるというのではダブル・スタンダードではない
かという批判が出た。(440頁)

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 ランダム読書日記 

  by (改 名)道はるか MICHI Haluka (2015.2.1. No.139)







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Last updated  2015.02.18 22:16:37
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