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November 18, 2025
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カテゴリ: SF映画
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古生物学者グラントと古植物学者サトラーは、大富豪ハモンドが建設したジュラシック・パーク(開園前)に招待される。そこは、最先端バイオテクノロジーによって再生された本物の恐竜たちが展示されたテーマパークだった。グラントたちは、数学者マルコムやハモンドの孫である姉弟らと一緒に、自動運転の電気自動車に乗り込んでパーク巡りのツアーを行う。しかし予期せぬトラブルの連発で、コンピュータ管理のセキュリティ等が無用の長物と化し、解き放たれた肉食恐竜たちの襲撃を受けるのだった。

ジュラシック・パーク【Blu-ray】 [ サム・ニール ]
映画館へ『ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025年)』を見に行きそびれていたら、上映期間は終了し、配信が始まっていました。
こうしたシリーズものの最新作にあたっては、旧作を全部見ないといけません。
登場人物やエピソードなどがつながらないと、悔しい思いをしますから。
今回は、ジュラシック・シリーズの過去作6本を通してみました。
けれども、最新作の劇場公開は見逃してしまいました。

ジュラシック・パーク(上) (ハヤカワ文庫) [ マイケル・クライトン ]

ジュラシック・パーク 下 (ハヤカワ文庫NV) [ マイクル・クライトン ]

さて、原作小説を読んでみて、いくつか発見したことがありました。
そのひとつは、インジェン社CEOハモンドの孫たちが、小説と映画では、兄と妹が逆になっている。
小説版の妹はわがままで手を焼かせるのですが、映画の設定では姉も弟もそういった駄々っ子ではない。
そのため、映画版はスムーズに、テンポよく話が進みます(上映時間の制限があるからね)。
また、ハモンド老の性格もちがっていました。
この点は、後追いで小説を読んだため、違和感がありました。

そういった中で、小説版により、映画『ジュラシック・パーク』の印象があらたまったところがあるのです。
映画版では、十分に受け止めていなかったのかもしれません。

映画『ジュラシック・パーク(1993年)』は、とにかく恐竜がリアルだというのが売りでした。
そのリアルさは、コンピュータグラフィックスとアニマトロニクス、そしてストップモーションの組み合わせで実現しました。
とりわけ、CGが話題になり、この映画がCG革命の起点になったと記憶しています。

『ジュラシック・パーク』以前、映画に恐竜を登場させる場合は、ストップモーション着ぐるみが主でした。
『最後の海底巨獣(1960年)』とか『恐竜100万年(1966年)』とか『恐竜の島(1976年)』とか。
そういった恐竜映画もローテクだけれどひいきにしていました。
『キングコング(1933年)』なんて、実際に見たのは初公開から30年もたっていましたが、コングや恐竜などが生き生きと動き回り、驚異の映像と感じたものです。
しかし、映像技術は着実に進歩していき、本作のCG、そしてアニマトロニクスによる恐竜は確かに生物感が違いました。

古生物学者グラント、古植物学者サトラー、数学者(無秩序理論学者)マルコムは、外部協力者としてジュラシック・パークを訪れます。
映画の中で、グラント博士たちの一行が、初めて生きた恐竜の姿を目の当たりするシーンがあります。
そこでは、驚くグラント博士たちの表情をまず映し、恐竜を見せません。
このあたりはスピルバーグ演出です。
そして、間をとって、ようやく巨大なブラキオサウルス(CG)を見せてもらえます。
観客は、CGによる、いかにもナチュラルな恐竜に出会うことになるのです。

『ジュラシック・パーク』の売りは、バイオテクノロジーで本物の恐竜を蘇らせるところにあります。
そして、映像においても、まさに本物の恐竜が動いているように見せました。
そうしたビジュアル面と、襲い来る肉食恐竜との追いつ追われつのスリリングな展開などが見どころになっています。

しかし、それだけではなく、重要な問いかけがなされておりました。
科学技術の進歩や人間の驕り、自然や生命力の深さなどについての議論です。
そこのところは、小説版のほうが掘り下げてありました。
けれども、ここでは、映画版の重要ポイントを拾っていきますしょう。

ジェフ・ゴールドブラム扮する数学者(本人曰く、無秩序理論学者)のマルコム博士は、折に触れて「カオス理論」を持ち出します。
「カオス理論」とは、小さな事が結果的には大きなズレを生む。そのため、未来は予測不能だ。というものです。

それに対して、ジュラシック・パークの主催者ハモンドや、スタッフの科学者たちは、自分たちの研究成果やパークのセキュリティなどを信じ切っています。
巨額の費用をかけ、最新最高のテクノロジーを結集したとの自負があるからです。
例えば、恐竜は、コントロールセンターで徹底的に管理されていて、産卵は研究室内でしか行わない設定を施した。
つまり、(パーク内の)野外に棲息する恐竜が産卵することはない、完全に個体数を管理している、と遺伝子学者ウーは説明します。
なぜならば、遺伝子操作により、恐竜は「雌だけ」だからだ、ということ。


・100%の確率を保つ事は不可能だ。
・進化の歴史を振り返ればわかる。
・生命を抑えつける事はできない。
・生命は危険をおかしてでも垣根を壊し自由な成長を求める。
・生命は繁殖する道を探す。
と反論します。

実際に、後になって、グラント博士は、野外(当然、研究室の外)で恐竜の卵の殻を発見します。
これは、恐竜のDNAの欠損部分をカエルの遺伝子で補ったことから発生したできごとなのです。
ある種のカエルは、その集団が雌だけになったとき、性転換が起こって雄が出現するとのこと。
それだけ生物の種の保存については守られているのです。
自然には侮れないパワーがあり、人間側は「雌だけ」しか発生しないように加工したつもりでも、クローン復元した恐竜はそれを超えて卵を産むことがありうるという指摘です。
カエルの例をその根拠としたわけです。

そうした恐竜の個体数管理とは別に、古植物学者のサトラーはつぎのような疑問を呈します。
・太古の生態系が分からないのにどうやって環境の管理を行うの?
恐竜の生息していた時代と現代では、何憶年、何千万年の気が遠くなるような時間差があるのです。
同じ地球であっても、大気の状態や動植物の種類、数量などなど、環境には大きな違いがあります。
科学技術の進歩により恐竜をクローン復元することができたとしても、今現在は太古の生物が棲息することができるかどうかわかりません。

また、グラント博士も危惧を表明します。
・6500万年の進化で隔てられた恐竜と人間が突然同じ世界で共存する。何が起こるか予測できる者はいません。

さらに、もう一度マルコム博士の言葉です。
・恐竜は森林破壊やダム建設で絶滅したのではない。
・地球上での生息期間を全うして自然淘汰された生物だ。

なお、『ジュラシック・ワールド/復活の大地(2025年)』では、以下のような設定になっています。
世界中に放たれた恐竜たちは、気候や環境に耐えられず数を減らし、今は赤道直下の限られた地域にだけ生息していた。
(映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』公式サイトより)

こうしたの学者たちの意見を聞いて思うことがあります。

携帯音楽プレイヤーができたころ、
「これで、エベレストの頂上でもモーツァルトが聞ける」
というような企業側の言葉があったという話を聞きました。
いつでもどこでも音楽が聞ける。

そして、携帯電話やスマホの時代となり、
いつでもどこでも、電話、メール、ウエブ検索、ゲームなどができる。

しかし、いつでもどこでも、やっていいわけではない。

いつでもどこでもできる、というメリットや利便性が売りとなり、価値となり、そのために優先順位を誤解し、いつでもどこでもやっていいことになりがちです。

マルコム博士が唱える「カオス理論」は、小さな事が結果的には大きなズレを生む。そのため、未来は予測不能だ、というものでした。
パーソナルメディアの開発や販売会社は、音漏れ、歩きスマホ、スマホ依存症等は予測できなかったのでしょうか?
それらはユーザー側の問題なのでしょうか?

『ジュラシック・パーク』には、科学技術の進歩によって、「できるようになった」からといって、「やってもいい」のか?という問題定義がありました。





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Last updated  November 18, 2025 08:42:21 AM
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