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2004年08月09日
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テーマ: 中国&台湾(3345)
カテゴリ: カテゴリ未分類
目が覚める。一瞬自分がどこに居るのかわからなくなり戸惑う。そうか、昨日、見知らぬ街で、衝動的にバスを降りてしまったのだった。そして、公安の人に勧められるまま、この街で一番良いホテルと言われた「雅安賓館」に落ち着いたのだった。昨日は一日中バスに揺られていて、そのバスが夕方まで食事休憩を取らなかったものだから、僕は餓死寸前で、このホテルのレストランに駆け込んだ。どうしても冷たいビールが飲みたかったのだが、残念ながら冷えたビールは存在せず、だからビールに氷を入れると言う荒業でなんとか喉を潤した。レストランには日本語を少しだけしゃべれる人と、英語を少しだけしゃべれる人がそれぞれ一人ずついて、彼女達と会話をしながら食事を出来たのはとても楽しかった。なんでもこの雅安という都市は、パンダの故郷で、さらに日本の三次市と姉妹都市なんだそうである。

 そんなことをぼんやりと考えていると、誰かがドアをノックした。昨日の公安の人だ。彼によると、彼は昨日僕のために沢山電話をかけてくれたらしく、なんとかここでビザの延長が出来そうだといった。まだ確実ではないが、今晩何とかなりそうなので、もう一泊この街に泊ってくれないかと言う。そして、日中はこの街を観光でもしてくださいと雅安の立派なガイドブックを僕にプレゼントしてくれた。お言葉に甘えて、今日はのんびりすることにする。

 実は「人民帽」とトンカさんからそれぞれ頼まれている事があった。「人民帽」には両替を頼まれており、トンカさんにはポラロイドカメラのフィルムの購入を頼まれていたのだ。どちらも康定の街では出来ない事らしい。両替については、この後訪れる予定の都市で両替を出来る所はまずなさそうなので、「人民帽」に頼まれなくても僕自身としても是非とも必要だ。最初、ホテルで聞いてみるが、街一番のそのホテルでも両替はできないらしい。フロントの人々は、いろいろな所に問い合わせてくれたが、今日は土曜日なので、両替のサービスはやっていないのだと言った。自分で街をうろつく際にもいろいろとあたってみたが、どうもこの街では無理っぽい。ついでにポラロイドの方も3軒ほど回ってみたが、どこにも売っていなかった。

 両方とも目的は達成できなかったが、とりあえず所要は済ませて、街をのんびりと歩く。ここは今までいたところに比べて高度が低いので、とても暑く感じられる。そのためか、ここでは冷えた飲み物が当たり前のように売っている。(でも昨日レストランでは冷えたビールは飲めなかった)街の人々の服装も、いままでの長袖中心から、半袖中心へと変わっており、それだけで街全体の様子が幾分軽く見えるから不思議だ。東京のように湿度が高い訳でもないのだが、乾いた鋭い日差しが僕の肌を刺す。そして僕は額にうっすらと汗を浮かべる。特に観光名所でもないこの街では、ある程度街を歩きまわると、既に見るべきものは無くなってしまう。だから僕は数時間ほど街をうろついた後は、ひたすらホテルの部屋に戻って、鋭い日差しから避難していた。

 久しぶりに長い手紙を書いた。思えばこの旅が始まって以来、葉書ではなく、封書で手紙を書いたのは初めてだ。葉書にしろ、封書にしろここしばらくあわただしい日々が続いていて、日本への連絡を怠っている。だから、とりあえず僕が元気でいる旨を伝えるために、筆をとった。1時間ほどかけて書いたその手紙を、ホテルのフロントに出しに行く。そうすると、ホテルのフロンとでは、国際航空郵便は特別の封筒を利用しなければならなく、それは郵便局にいかないと買えないのだと言う。そして「私たちあと10分で今日の仕事が終わりだから、ちょっと待っていて。郵便局まで案内してあげるわ」と申し出てくれた。

 なかなかおしゃれな美女二人に囲まれて、無精ひげぼうぼうの汚い身なりの僕は郵便局を目指す。途中所々で立ち止まりながら、観光案内までしてくれた。昨日のウエイシャの件と言い、公安の件といい、今日のこの二人といい、この街は暖かい親切で溢れている。こんな人々との出会いが、僕をこの街を大好きにさせる。

 夕方公安の彼から電話があった。ビザの延長はOKだという。もう少ししたら迎えに行くから、ホテルの部屋で待っていてくれとのことだった。そして、1時間ほどしてから彼が現れ、僕は昨日訪れた公安の部屋に連れて行かれた。ちなみにその時の自転車タクシーのお金は彼が払ってくれた。彼は延長は出来るが、一つ残念な事もあるという。それは、僕が康定で申請に行ったのは分かったが、それでもやはり一日分の不法滞在の罰金を支払わねばならないらしい。本当は不法滞在は昨日とおとといの2日分なのだが、昨日の分は、僕がこちらに出頭しているので免除してもらえるのだそうだ。けれども罰金は500元。こりゃあなかなか辛い。

 仕方ないので、500元は支払うことにする。いろいろと質問をされて、彼は調書を書いていった。僕がなにかこの罰則に不服がある時には、上級裁判所に提訴出来るのだそうだが、もちろんそんな面倒くさい事をするつもりはない。その処理に1時間ほどかかって、いよいよビザの延長だ。最大限度の30日分をあっさりくれた。しかし、この街でそういう手続きをする人はあまりいないらしく、一生懸命マニュアルをみながら、判子を探してきて、いろいろやっていたのは、少し微笑ましかった。

 ホテルに帰ってきて、「人民帽」にビザの延長が出来た旨を伝える。そして、両替の件を相談したところ、やはり僕がこの後成都に行って、どこかのホテルで両替をする必要があるという結論がでた。そして「人民帽」にチベット行きを一日伸ばしてもらえるよう、トンカさんに交渉してもらうようお願いした。明日は雅安-成都-康定と、忙しい移動の一日になりそうだ。





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最終更新日  2012年04月15日 03時10分00秒
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