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2011.03.25

霊感おみつ取り物帳１話ー２

テーマ：連載小説を書いてみようｖ(10164)

カテゴリ：霊感おみつ取り物帳

時間をタイムスリップして過去や未来の情景が見えてしまうおみつの活躍１「かどわかしー前篇」（３月２３日に書いた分の）－２（続き）

「その子がいなくなった場所に連れて行ってみてください」と私は井原様にお願いしました。
「今から、行くとするか」と井原様は立ち上がり、私をその場所に連れて行ってくれました。
　表通りの１本路地を入ったところに佐代が手習いに通うお師匠さんの家がありました。母親に連れられてきた佐代は、母親が帰ってすぐにお師匠さんがちょっと目を離したすきにいなくなってしまったのです。母親は娘が手習いをしている間に、近くの神社に願かけにお参りに行っていてから、時間を見計らって迎えに戻ったのですが、佐代がいなくなっていたのです。それからみんなで手分けして探しても佐代は見つからずに大騒ぎになったようです。
私が同心の井原様と岡っ引きの松五郎叔父さんと一緒にお師匠さんの家の前に着いてから、昨日のこの場所へと意識を戻してみると、佐代が母親のあとを追いかけて神社に向かって行くのが見えてきました。私は人が見えないものを（見えてしまう）力があるようです。
「おみつなにか見えてきたか？」と井原様が聞いてきました。
「佐代ちゃんはおっかさんを追いかけてここまで走って来て、ここでおっかさんを見失ってしまったんです。その後、このへんで、別の女の人と手をつないであっちの方に行きました」とお答えすると井原様と松五郎叔父さんは
「こっちかい」とって言って神社に向かったので私も一緒に行きました。
神社のちかくまでくると、私には佐代の姿が見えなくなってしまいました。

「おとよ叔母さんよりもちょっと若い人で、黄八丈の着物を着た人」とお答えしました。
井原様は「そうか、黄八丈の女か。おみつのお陰でここまで足取りが解ったから、後のことは松五郎と一緒にその女を探してみるよ。ありがとうよ」と言ってくれました。
私に見えることが他の人には見えないことが不思議なのですが、私の見える力が大好きな井原様や松五郎叔父さんの役にたつこのは嬉しいことです。

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