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日本人は和を重んじるが、和の裏には他人に対する思いやりがなければなりません。
思いやりと気兼ねは違います。
会社で同僚が残業しているので、自分も大した用もないのに付き合い残業をする。そのような付き合いは、後ろめたさなどから起きる気兼ねでしかありません。
そんな人は、今度、自分が残業しているときに同僚がさっさと帰ってしまうと、「前には俺が付き合ってやったのに水臭い奴だ」と腹を立てがちです。
気兼ねの裏には、他人も同じようであれといった潜在的な欲求が潜んでいます。
他人が違う行動をとると、他人を批判しはじめる心が起きます。
思いやりの心とは、相手の心理状態に対する想像力の問題です。
終戦直後の話だが、その人は小食で、ご飯を一膳しか(この時代には副食は少なくご飯を何膳も食べるのが普通だった)食べない。
それでも、お客さんと一緒に食事をするときには、そうとは悟らせずにお代わりを上手に勧める。
そして、お客さんが何膳食べようと、お客さんが箸を置いたときに自分も常に
同時に箸を置くように食べたそうです。
この話には、人と接するときの思いやりの心の要諦が含まれています。
①相手をよく観察している
どのくらい空腹か、どのくらい食べそうか、どのくらいの早さで食べる人かなどの観察がなければ、同時に食事を終わることは不可能です。
②相手が置かれている立場を思いやる心が感じられる
主人が食べなければ、客は遠慮して腹一杯食べにくいものです。余計な心配をさせないように、ともに食べ、ともに語る喜びを味わいたいという心が感じられます。
③相手の立場を理解した上で、ゆとりを持って合わせる態度がある。
思いやりは、共生きの心であり、自他の心を明るくします。
例えば、病気で寝ている人は苦しんだり落ち込んだりしているのに、健康な自分が笑顔でいると「私が辛い目をしているのに」と思われないかと、看病している人も見舞いに来る人もつい笑顔を遠慮しがちです。だから、病院には暗い雰囲気が漂っています。
だが、病人が思いやりの心を発揮して笑顔で振る舞うようにすれば、周りの人も明るく対応してくれるはずです。
そうやって周りの人が笑顔を浮かべていられるようにしていると、その笑顔が病人の心をも引き立ててくれ、自分の病気の回復も早まるはずです。
終わりに 2018.04.21
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