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朝日新聞論説委員だった扇谷正造さんは、
「微笑みとは、心の中に化粧が済んだときに出る表情である。
笑い声は心の化粧がなくてもでるが、微笑みは心の化粧が先立つものである。内面を磨かないと、自然で美しい微笑みはわいてこない。
心の化粧とは、内面に、安らかさ、素直さ、誠実さ、思いやりなどが湛えられるように、心を丹精していくことである。その結果、心に自然と染み出てきて、美しい表情を創るようになる」と言われました。
あなたも、もの柔らかな表情と親愛の籠もった言葉で人々に語りかけることができるように、毎朝心の化粧(微笑みの修行)を心掛けてみませんか?
笑えない理由を見つけようと思えば、幾らでも見つけることができます。 そんなときでも、たとえ一日五分でもいいから、綺麗な花や星を探すとか、詩の一節を暗唱するとか、音楽を聴くとか、仕事に疲れた人たちの心を盛りあげるとか、何か特別な 歓びのために時間を割いてみることです。
そうやって美や歓びを感じて微笑む努力をしていると、やがて形が心を創り、きっと心から笑顔を続けられるようになるはずです。
そして、それが逆境をもプラスに変える原動力になるはずです。
人間は心の動物です。
辛いとき、悲しいとき、何時までも愚痴を言ったり、泣いたり、嘆いたりしていると、ますます辛さや悲しみが倍加してきます。
そんなときほど、微笑みを絶やさないことです。
喜劇役者で禅僧のポール牧さんのお母さんは、住職だったお父さんが亡くなって、一家離散を防ぐために尼僧となって子供たちを育てられました。
子供たちが、厳しい寒さや貧しさに体を寄せ合ってシクシクと泣いていると、片方の足が不自由だったお母さんが本堂の方から歩いてきて、子供たちの前でわざと転ぶ。
幼い子供たちが、「お母さんが転んだ」と笑いだし、はやし立てる。
すると、「お前たちは、笑えるじゃないか。人間、悲しいときには笑いなさい。怖いときも笑いなさい。そうすれば、悲しいことも怖いことも、どこかえ飛んでいく」と教えられたといいます。
人間は、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなります。
同様に、楽しいから笑うというのではなく、笑うことによって楽しくすることもできます。
誰かに期待した微笑みがえられなかったら、不愉快になる代わりに、あなたの方から微笑みかけてごらんなさい。微笑みを忘れた人ほど、あなたの微笑みを必要としているのですから。
戦後まもなく、今でいう社会福祉ボランティアの草分け的存在であり、日本版マザー・テレサみたいな一面を持ち、東京山谷のバタヤ部落で「アリの町のマリア」と慕われた北原玲子さんは、微笑みの大切さを子供たちに口癖のように話して聞かせていました。
そんな彼女が時々覗いていた手帳(彼女の死後、手帳を見ると)には、「あなたは、いま、微笑みを忘れていませんか」と書かれ、次のような詩が書いてあったそうです。
醜いものの中にも美しさを
卑しいことの中にも尊さを
乏しい暮らしの中にも豊かさを
まずいものの中にも美味しさを
苦しいことの中にも楽しさを
ニッコリ笑って発見しよう
終わりに 2018.04.21
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