英語では文を組立てるときには、旧情報から新情報の順に情報を並べるのが一般的傾向です。これを「文末焦点の原則」と呼び、話し手と聞き手が既に知っている情報(旧情報)を主語にして、聞き手が知らない新情報を文のより後に置くという原則です。まず相手の知っている情報(旧情報)から話し始め、それから相手が知らない情報(新情報)をつけ加えていくというのはコミュニケーションをする上で至って自然な流れですよね。例えば、 This is a camera.
や We live in Nagoya.
のような簡単な文をみてもわかると思いますが、この2つの文では、This と We が旧情報(相手がすでに了解している情報)で、 a camera
と in Nagoya
が相手の知らない新情報になり文末に置かれているのです。スッキリしない人は、これらの文が答えになる疑問文を考えるとよりわかりやすいと思います。What is that? Where do you live? 相手の知らない新情報はそれぞれ Whatの答え、Whereの答えですよね。だから a camera
と in Nagoya
が相手の知らない新情報になり文末に置かれているのです。
(1) I gave my mothera necklace. [第4文型] (2) I gave a necklaceto my mother. [第3文型]
文末焦点の原則に従えば、(1)では a necklace
to my mother
がそれぞれ相手の知らない新情報になることがわかりますね。この2文は情報として求められているものが異なるから情報価値の高い新情報の位置が異なるのです。つまり、(1)の文は What did you give your mother?
という疑問文に対する答えを想定しているので、a necklaceが新情報になり、(2)では Who did you give a necklace to?
という疑問文に対する答えを想定しているので、to my motherが新情報になっているということです。(1)を正確に訳すなら「 私は母にあげました。何をあげたと思う?ネックレスだよ
」、(2)は「 私はネックレスをあげました。誰にあげたと思う?母にだよ
」ということになります。