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『アウト・オブ・民藝』を読む

橋本正明氏の Facebook
に紹介された 『アウト・オブ・民藝』
(
2019
年
5
月
11
日初版)を読んだ。
軸原ヨウスケ、中村裕太の対談という形式も斬新で、こけしの周辺も歴史的に説かれていて勉強になることが多かった。以下に感じた点をピックアップしておく。
柳宗悦の民藝運動は「用の美」の発見であった。しかし郷土玩具は「用の美」とは一線を画した商品であった。
こけしが趣味として確立されてゆく過程で登場するのは、清水晴風、天江富弥、武井武雄それに異端的存在の有坂與太郎であった。
天江は「こけしをこけし以上のものにしてしまった頭でっかちな研究者」を批判すると同時に浜田庄司は益子焼を駄目にした張本人という。天江はものの価値が不自然に変容することに憤り続けた人であるという。
鹿間時夫は『美の遍歴 -
その他の対談から、私はこけしとはという根本的な問いかけについて考えてしまった。そこからふと< こけしとは玩具にとどまるものでなく子供の守り神 > ではないかと思った。そんなことを感じさせることの出来る貴重な一書であった。
ただ、この本は内容以外にも大変な本であった。まず
ISBN
がないので、Amazonでは買えなかった。版元の誠光社の通販でしか手に入らないのである。さらに驚いたのは読むのに苦労することだった。もちろん内容ではない。紙が厚く固く製本がしっかりしすぎているので、ヘージを開くのに腕力がいるのである。少なくとも民藝やクラフトを語っているのだから製本にも気を使って欲しかった。いやむしろ凝りすぎなのかもしれない。帯が二重になっていて、これを開くと柳宗悦を中心とする大きな相関図が現われる。いやはやなんとも大変な本であった。
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