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RTライダー @ Re[1]:休日出勤(09/05) elanさんへ 懐かしい。子どもに読ませた…
elan@ Re:休日出勤(09/05) あぁ、これもなんかわかる… もっともうち…
elan@ Re:家はどうすれば片づくのか・・・(08/31) あぁ、この気持ちはよくわかる…
RTライダー @ Re[1]:電池が切れるまで・・・(06/26) elanさんへ 人間の死亡率は100%。違…

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2004.06.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
6月15日の日記でも紹介した「点字で書いたラブレター」(原題は「春風にふかれて」)という物語の作者、香織さん。中2から中3にかけての本当に短い間しか関わることが出来ませんでした。
tenrabu

今思い返すと、病院で教えるということは結構きつい体験でした。未来がどうなるのか分からないという状況の中で、子ども達に夢を語るというのは辛いです。

病院で仕事をしてから、多少頭が悪くても、生活がだらしなくても、親や先生の言うことを聞かなくても、健康であることが一番だと思うようになりました。

私が書いたエッセイを見せると、香織さんもそれをまねして何編かのエッセイを書きました。そのうちの一つを紹介します。原文は点字です。

1997.3.14  寄宿舎の思い出
 盲学校には寄宿舎というところがある。寄宿舎は家が遠くて毎日通学できにくい人が泊まる宿舎である。私は家からそう遠くはなかったが、小学校3年のときからずっと寄宿舎に泊まっていた。掃除、洗濯、御飯の準備。自習時間などを抜くと、後は大体自由であった。みんなで笑い合ったりすることが多かった。
 寄宿舎はホールを隔てて西寮と東寮に別れていた。東寮は男子寮で西寮は女子寮であった。どちらも3階まであって、そのうち西の1階が小学部の場であった。部屋は先生の詰所とプレイルームのほかに三つあった。女子の部屋は二つ広い板の間でつながっていた。私は一番奥の部屋で4人の友達と泊まっていた。自由時間には運動場で自転車を乗り回したり、先生と男の子たちに紛れてプロレスをしたり、そのほかにもいろんなことをして過ごしていた。そして、たまにちょっとした事件もあった。
 ある日のこと、私はいつものように廊下に出ていくと、プレイルームの前の辺りの床がやけにつるつるしているのに気付いた。と、その時「お前らアホか!何を考えとる!」そんな先生の怒鳴り声が聞こえてきた。そちらの方へ行って訳を聞いてみると、男の子たちが床全体にロウを塗ったというのである。どうりで滑りやすいはずだった。結局男の子らは雑巾で床を拭きまくっていた。でも、しばらくは滑りやすかった。
 こんな事もあった。私たちの夕食の時間は5時半であった。そのせいか9時頃になるとおなかが空いてくる。そこで、給食の残りのパンや、おやつのときのおせんべいなどをこっそり部屋に持ち帰り、押し入れの戸袋に登って分けあって食べるというのが一時はやった。いつになってもそんなことばかりやっていた。先生が部屋に入ってきたとき、私たちはいつものように押し入れの上に登り、足だけ出しておやつを食べていた。「みんなおやすみ。アレ、どこ行ったんやろ。きゃっネズミがおる。引っ張ったろ。」そう言ったかと思うと、先生が私の足を思いっきり引っ張ったのである。幸い、体で支えたので落ちはしなかったが、もう少しで危ないところであった。それ以来、押し入れにはあまり登らなくなった。

 こんな風に笑えるようなことや、時には怒られるようなことをたくさんやった寄宿舎生活であった。でも、私は6年生の終りに入院したため最後まで楽しい生活を送ることができなかった。あんなに楽しい寄宿舎なので、退院して学校に行けるようになったら、できればまた寄宿舎にも戻りたいなと思っている。





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Last updated  2004.06.26 06:50:49
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Re:電池が切れるまで・・・(06/26)  
elan さん
これは…なんも言えねぇ…

五体満足なのに愚痴って済まぬ… (2017.08.15 00:54:28)

Re[1]:電池が切れるまで・・・(06/26)  
elanさんへ

人間の死亡率は100%。違うのはこの世で生きていられる時間(寿命)です。
香織さんの寿命は15年と短かったですが、私以上に充実した15年だったと思います。 (2017.08.15 06:12:17)

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