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2008年01月17日
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カテゴリ: 戦争ゲーム
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大国アメリカが没落した後の世界を想像しています……
その御伽噺第253話です。

艦長である天皇に従って加藤らは食堂を出た。潜水艦らしい狭い通路で天井にはパイプが何本も走っている。見上げると青白い蛍光灯が光っていた。きゅうっと目にしみる。

通路が狭いので長く歩いたような気になったが、すぐに行き止まりになり、その先に分厚い扉が開けられている。どうやらその先がこの潜水艦のコントロールルームらしい。号令が聞こえる。天皇の後に続いて中に入った。まず目についたのが潜望鏡である。加藤が総理大臣のときに乗った潜水艦のそれと比べるとずいぶん大きい。

「艦長」
 と、声がした。加藤らの視線がその声の方へ集中した。青い襟が特徴の上海海軍の制服を着た士官だ。副長らしい。若くてハンサムな青年だ。
「現在深度130メートル、機関停止、計測を始めています」
 彼が報告する。

「ご苦労」

「今、海底の地形をスキャンし資源探査と深海の海流調査をしています。新しい世界のための資源管理のためです」
 と、天皇が説明する。

「資源管理? 潜水艦でですか」
 と、加藤がたずねた。
「そうです」
 と、天皇はうなずいた。加藤はある程度察しがついた。調査は例の「サトヤマ」システムの海洋版なのではないだろうか。それにしても、と加藤はため息をしながらいった。

「秘密にやることがお好きなようですね。政府管轄の海洋資源探査の船では情報漏洩があるからですね」
 が、なぜ、天皇自身が艦長を務めているのだろう。そこは聞きたいが、まず真実の話はしてくれないだろう。今までも事が起きてから後で説明することが常だった。皆被害者が死んでしまってからトリックの謎を解く金田一耕助のようなものである。要するに聞いたときにはもう遅いのだ。状況に順応するしかない。

この潜水艦に乗った時点ですでに何かが決定されているのだろう。だが、何が決められたのだろうか。それはわからない。

「見てください」
 と、天皇が加藤らをモニターの前に案内した。海底の地形がワイヤーフレーム状に再現されている。そこに赤や緑などのパターンが漢字テキストとともに表示されていた。


 と、天皇がいった。
「今後の文明を左右する資源だ。石炭や石油などのいわゆる炭素エネルギーの時代が終わり、今度は磁力と超伝導による文明がはじまります。飛行石です。燃料は太陽エネルギーでほぼ無限、飛行石は光エネルギーを吸収してこの超伝導を常温で行なう性質があります。あなたが放送局でみた空中浮遊です」

キム“教授”がうなずくと、
「炭素エネルギー文明の没落とともに欧米は沈んだ。今度は東アジアが文明の中心になるんですね、飛行石で」
 と、天皇にいった。


 天皇は腕を組みながらいった。

「前の時? いったいいつの事です?」
 加藤がたずねた。

「およそ1万年以上前の事です」
 と、天皇が答えた。




続く。













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最終更新日  2008年01月17日 11時09分53秒
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