女草子奥の細道
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奥の細道紀行は春から秋だったのと、岩手・山形・新潟・岐阜となるとなかなか足が出ません。だいぶ間が空いてしまったので、「細道」以外の作品から本歌取りさせていただきました。もとの句は「この道や行く人なしに秋の暮れ」です。この句には「所思」という前書きがあって、芭蕉の心境、つまり、俳諧への道を志して、たとえ自分だけになってしまってもひとりで歩いていくという孤高の孤独感が詠い込まれているといいます。この後すぐ、大阪で病に伏し他界します。すでに死期を悟っていたのかもしれません。で、「秋」を「冬」に変えただけなんですが・・・「冬の暮れ」という季語はあまり使われません。冬はすぐに暗くなります。この撮影をした日は、冬枯れの樹に夕陽がさして、雪の白さとの対比がとてもきれいでした。芭蕉翁にとって「この道」とは俳諧の道ですが、私は同じハイカイでも「女装徘徊」のほうなわけで、「行く人」の少ない超マイナーな道ではあります。人前に出るようになって約5年、だいぶ板についてきて、街でも店でも振り返られたりじろじろ見られることはめったになくなりました。それとも、そういう文化が定着してきたのでしょうか。ネットで写真だけをお見せしているとオトコとは気づいていただけない方もいるので、こちらのブログを案内しています。「なぜ、女装の道なのでしょうか?」このブログの最初のところにもあるように「女性の目や感性で自然や風物を見る」ことで視野と感性を広げ、さらに豊かに生きるという喜びがひとつ。自分自身が監督でありカメラマンでありモデルでありという立場で「女性美」を表現した写真という作品を創造する、喜びがひとつ。メイクが進むにつれ衣装を着けるにつれ、別人が現れる「変身の快感」、もうひとりの自分になる喜びがひとつ。同じ心の人、理解してくれる人、きれいだねといってくれる賛美者の人、との新しい人間関係を結ぶ喜び、がひとつ。振り返ってみると、20代30代40代とやったりやめたりの周期があって、今回の三度目は本格的です。「かわいいおばあさん」になるまで続けるかも知れません。同じ「行く人なし」の道でも、冬の道です。雪の道です。確かな足跡が残っていく、そんな道です。そして、確かについていたと見えた足跡が、いつの間にか溶けて消えてしまう、そんな道なのかもしれません。確かにいるようでいてどこにもいない、「佐藤麻衣」の今後を温かく見守ってください。
2008.02.17
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