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前回は、大学生の「9月病」について記しました。ひとつだけ忘れていたことがありますが、それは「セメスター制」との関係です。セメスター制というのは、分かりやすく言うと、2学期制のことで、大学の場合は4-7月の春学期と9-翌2月の秋学期の2回に分けて授業を行い、評価するしくみです。夏休みの8-9前半にも追試験や補修、履修登録、インターンシップなどをやったりしていますから、間で「中間セメスター」みたいなものが動いているわけですが、中心は春と秋のセメスターです。 私の大学では「即戦力養成」をセメスターの意味に挙げていますが、現場感覚から言うと、セメスター制のデメリットもあります。これは個人的な考えですが、今から20年以上前に通年制が一般的だったときには、夏休みは、1年間通して聞く授業の中休みみたいな位置づけがあって、勉強する側から見ると、1年間の勉強の中間で、授業に関連した本を読むとか、あるいは宿題を出す先生がいて、それに取り組むとか、とにかく長丁場ですから、冬休みもはさんで、1年間に学ぶことの成果は、セメスター2+セメスター2イコール4以上の勉強内容であったように思います。 逆に言うと、今の学年4単位は、以前の通年4単位以下の内容・水準であるように思います。4月に授業が始まって、7月下旬には試験が始まりますから、しかも大型連休を挟んでロスが出ますから、短期決戦の戦力養成とは名ばかりで、ろくな授業になりません。はっきり言うと「教えた気にならない」(筆者の友人の話)のです。 学生は、こうして大学の授業とは隔離された長い夏休みをバイト、遊びで過ごしますから、大学生であることを忘れてしまい。「9月病」にかかります。 先日も、友人とこのことが話題になりました。友人の大学の学部定員は、200人くらいですが、なんと、9月に秋学期が始まる前の履修登録を、70人がしないのだそうです。正確にいうと、60人が履修登録せず、10人が休学・退学の申請中なんだそうです。4学年で学生総数は800人ですから、約1割が履修登録をしないことになります。この履修登録をしない学生は「退学予備軍」です。次のサイトは帝京大学のサイトで、学年別の退学者数が3年間について公表されています。https://www.teikyo-u.ac.jp/university/upload/6-1_daigaku_taigakusyasuu2017.pdf 一流大学で退学率が5%程度だと思いますが、底辺校では10%、いやもっとそれ以上に達するのではないでしょうか。ここで、セメスター制が退学や授業の質を低下させていると言う主張は、一面的かもしれませんが、もっと深く掘り下げてみる必要があるかもしれません。(2017.9.30)
2017.09.30
五月病という言葉は、インターネットで検索してみる、とちゃんと出て来る常用語です。wikipediaには「新人社員や大学の新入生や社会人などに見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称」と定義づけられており、一般にはあまり知られていないようですが、私たち教育関係者には昔からよく使われていた言葉であったように思います。 意味は、読んで字のごとしで、毎年大型連休明けのころに、新しい環境に入った大学生や新入社員が、ストレスを受けて、大型連休明けになると体調や精神的不調を訴えて、大学や職場を休みがちになる現象を言うとされています。実際、私たちの大学でも、5~6月の授業で欠席が見立ちはじめ、教授会に退学願いが出たりします。新入社員の場合は、入社後3ヶ月で会社を辞めて新たにやり直す人がでてきますが、調査をしたところ、多い順に「入社前の情報収集」「最初に内定がでたので入社してしまった」「やりたいことが明確にならないまま入社してしまった」とつづいています。<https://news.careerconnection.jp/?p=37475>この情況は、ある意味、大学生が大型連休明け、または夏休み明けに退学してしまう理由と似ています。暑い夏の日差しが透き通るような青空に変わり、体調もよくなって来る9月に大学生がやる気を失って長期欠席になったり退学するケースが多いのです。何のために大学にきたのか、その目的も意思も曖昧なまま大学生になってはみたけれど、最初の夏休みまではめまぐるしく大学生活を送り、長い夏休みを勉強するでもなくやりたいことに打ち込むでもなくぶらぶら生活し、気づいて見とまた黙阿弥の履修登録と面白くもない授業。ここでやる気を失って授業に出てこなくなるといった感じです。文部科学省が退学の理由を調査しており、それによると全体の32パーセントが、「学業不振」「大学生活不適応」「就職」で占めています。「経済的理由」も20パーセントを占めていて、これが最近増加傾向にあり、別途問題にしなければなりませんが、「その他」が25パーセントで、全体の57パーセントが、卒業までの4年間になんらかの「不適応」でやめていくのです。(文部科学省、平成26年レポート <http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/10/__icsFiles/afieldfile/2014/10/08/1352425_01.pdf>) われわれ団塊の世代の経験で、比較にも教訓にもなりませんが、私のクラスで4年間に辞めたのはたったの1名でした。みんな頑張って大願成就し社会人になったのでした。中途退学率は同レポートによれば、国公私立全体で2.65パーセントですが、限界大学ではもっと比率は高いようにおもわれます。筆者の大学のデータで、それを証明することはできますが、企業秘密なのでだしません。 いま導入教育の必要が叫ばれ、高校生が大学生になって円滑に大学生活になじめるようss(スチューデントスキル)教育が充実しています。いずれこの導入教育について論じてみたいとおもいますが、まずは大学への不適応症候群が十分いやされないまま、問題が先送りされ、新入社員早期退職症候群となって再発している現状を述べました。(2017.9.12)
2017.09.12
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