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この季節になると、保健所の「食品衛生講習会」があります。恒例と言うか、定例というか、必ず行われます。 だいたい、食中毒についての事や、食品衛生法に合致している正しい表示の仕方など、「食品衛生」についての2時間弱の内容です。 毎年毎年、同じ事を同じように、保健所の職員の方から教えて頂いているので、クーラーの効いた室内で、椅子にすわって話を聞いていると、「それ知ってますよー」と油断して、ついつい、うつらうつらと・・・。 でも、大切な所は聞いてますから。いや、聞いているはずだと思います。多分・・・。 うつらうつらしながら講習を聞いている時に、「パン屋だったら、どの菌が危ないやろか」と、眠たい目をこすりながら考えます。眠気覚まし・・・いや、真剣に講習を受けているフリをするため・・・いや・・・なんでもないです・・・。ちゃんと聞いてますから・・・。 さて。 食中毒の原因となる菌やウィルスは、基本的に熱に弱いので、加熱されるパンならば、ほとんど大丈夫だろう・・・と考えるのが普通だと思います。 基本的には、その通りです。 たとえば、病原性大腸菌O-157は、「75度で1分間の加熱」が、安全を確保する目安です。 焼き込み調理パンや、きな粉をつけたりするドーナツなどは、特にきちんとした衛生管理をしなければいけませんが、これは常識の範囲だと思います。 食中毒は、味も匂いも変わらない食品から発生することが、圧倒的に多い、というのは、あたりまえの事です。カビが発生すれば、食べないでしょうし、変な匂いがすれば、食べないでしょう。これも、常識の範囲です。 粉と水と塩とイーストといった、素朴なパンの場合、焼き立てで既に食中毒になってしまうだろうパンは、ない・・・と思いたいところなのですが、いくつかの菌は、パン生地に混入した場合に、食中毒の原因となる可能性は捨て切れません。 まず、「黄色ブドウ球菌」。 この菌は、日常的に人のまわりに存在しています。身体にもとうぜん普通に付着して、目には見えませんが、人間と一緒に住んでいます。 この菌が、なぜ「可能性が捨て切れない菌」なのかと言いますと、この菌は増殖の時に、毒素(エンテロトキシン)を出すのです。そして、その毒素は、加熱しても消えません。 この「加熱しても消えない毒素」という点が、「食中毒予防には、しっかり加熱したら大丈夫」という常識からずれているので、気をつけた方がよさそうです。 手や指に傷があるときは、その傷口が直接食品に接しないようにする事が、なによりの防止策です。 もうひとつは、「ウエルシュ菌」。 この菌も、自然に広く生息していて、土などに普通に居ます。 この菌は熱に強く100度で4時間加熱しても、死滅しません。そして、空気の無い所でも増殖できる能力があります。 これら、食中毒を起こす菌などは、日常的に存在しているものです。特別な存在ではありません。 そういう意味あいでは、「パン酵母」と、存在的にはなにひとつ変わらない菌です。ただ、パン酵母は人に害を与えないから「良い」とされ、黄色ブドウ球菌やウエルシュ菌は、人に対して毒性があるので「悪い」とされているわけです。 さて、対策です。 食中毒対策の基本として、3つの合言葉があります。「つけない」「ふやさない」「やっつける」です。これは、常識の範囲内ですから、あたりまえのことさえすれば、防げるはずです。 やはり、重要なことは、「手洗いや器具の洗浄(つけない)」事だと思います。つけなければ、増えません。増えなければ、毒性は低いのです。健康な人ならば、少量の菌では、食中毒にはなりません。 ですから、なにはともあれ、「つけない」事を徹底する事が大切です。 とはいえ、自家製酵母などは「菌が増えやすい環境」で種を起こす訳ですから、特に「種起こし時」に気をつけなければいけません。パン酵母と一緒に、食中毒菌を増やさないように。そして、まったく発泡が起こらなくて、嫌な匂いがしたら、潔く廃棄する心構えが大切です。この場合のみ、「もったいない」は、危険です。 ある程度、酸度が高くなれば、パン酵母や有益な菌にとって住みやすく、他の菌にとっては増えにくくなりますので、特に自家製酵母の「種起こし」の素材の表面と、容器の洗浄には、気をつけておきたいものです。 もちろん、パンを作る際の「手洗い」も、当然ながら忘れずに行いたいものです。 衛生的な作業は、癖にしてしまうと、全く苦ではありません。なにより、癖にする事が大切なのです。 と、このような「眠くなる」話を、年に1度、この季節に聞かなければなりません・・・。すこしは、共感していただけるでしょうか。大切な話なのに、眠くなってしまう・・・訳です。毎年ですからね。 では、最後まで御静聴、ありがとうございました。(笑)
2005年06月30日
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今日は、「画像オプション」の機能テストですので、気にしないで下さい。 どうなるんだろうか、と思って・・・。 これ、一度、テレビ番組の「トリビアの泉」の「金の脳」の中に、入れて欲しいな。だれか、持ってないかなぁ。 菓子パンって、美味しそうな写真を上手に撮るのが、とても難しいパンだと思う。 縦横高さの三次元立体物を、縦横だけの二次元の写真に置き換えてしまうということ(回りくどい言い方をしたけれど、要は写真を撮るということ)は、技術が必要な事なのだと、自ら確認するしかない。 菓子パンは下火で焼け。とは、うちの師匠の言葉だが、いまだによく意味がわからない。下火以外で、どうやって焼けと言うのだろう。 下火を強めに、という事なのだろうか。そうなのかもしれない。 菓子パンは、火力の弱いオーブンの方がいい。も、うちの師匠の言葉だが、これは、なんとなく意味がわかる。 フランスパンを焼くようなオーブンでは、日本独自の「菓子パン」の持ち味である「しっとり感」が失われてしまうから、かな? オーブンの熱量を使い分ける、というのも、パン作りの要素の一つ。 もちろん、どんなパンを作りたいか、というイメージがあっての事だと思うけれども。
2005年06月30日
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先日から、レーズン種をグレープジュース(ウェルチ)で継いでいます。 その醗酵液を使用して、パン・リュスティックをつくりました。(つくりかた) ※注意 作り方は全般について、「御家庭で作るパン・リュスティック」のレシピを参照のこと・前日仕込み 60% レジャンデール 60% 醗酵液(レーズン種グレープジュース種継ぎ) 粉と醗酵液をヘラでざっくり混ぜて、発酵させる。 容積比が2倍強になったら、冷蔵庫に保管し、 オーバーナイトさせる(12時間)・本ごね 前日仕込み種 全量 20% 水 2% 塩 40% レジャンデール0.2% モルト・パウダー(なくても良い) まず、前日仕込み種の容器に、水と塩を入れる。 それを、仕込み種がばらばらになるぐらいまでヘラで撹拌する。 撹拌が終わったら、粉とモルトパウダーを入れ、まんべんなく混ざるくらいに、ヘラで合わせる。 ここからあとは、「御家庭でつくる~」の作り方を参照。 ただし、時間は、生地と相談の事。 あとは、焼成まで、ほぼ変わらず。 (感想) ・レーズン種をグレープジュースで継ぐことは、不可能ではない。 ・粉の風味は、イーストを使用するよりも、引き出すことが出来なかったが、 自家製酵母特有の酸味と苦味を取り入れることには成功した。 ・「御家庭~」より、若干、生地がだれるような気がするが、きちんとした パンが出来る。自信を持って、最初の「まぜ」を終えること。 ・焼成時、色付きが早い。これは、グレープジュースの糖分が、かなり残って いることが原因と考えられる。 ・粉はレジャンデールを使用したが、これは、普通のフランスパン専用粉、 もしくは、国内産小麦を使用した方が、面白いかもしれない。 酵母の特性は、日本型イーストに近いようなので、レジャンデールの 粉の持ち味を引き出せなかったのは、残念だった。 (課題) ・レーズン種をグレープジュースで継ぐことには、意味があるのか。
2005年06月04日
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