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2018年01月16日
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第 二百八十四 回 目

 「 庶民の視点から読む 万葉集 」 ― その第 一章


 畏(かしこ)きや 命(みこと)被(かがふ)り 明日(あす)ゆりや 草(かえ)がむた

寝む 妹(いむ)無しにして(― 恐れ多くも天皇さまからの御命令を受け、明日からは野原に

生えている雑草と一緒に寝ることになるのであろうか、最愛の愛しい妻は傍らに居ないで…)


 わが妻は いたく恋ひらし 飲む水に 影(かご)さえ見えて 世に忘られず(― 私が片時も

忘れずにいる愛しい妻は、やはり切なく恋をしている。夫たる私を心の底から恋しいと、逢いたい

と切望しているようだ。何故ならば、私が手に結んだ川の水に、妻の美しい姿が、鮮明に映ってい

たのだから…。こんなにも相思相愛の私たち夫婦であるのに、この様に遠く離れ離れになっている




 時々の 花は咲けども なんすれそ 母とふ花の 咲き出(で)来(こ)ずけむ(― その

季節季節に様々な種類の草花が咲き誇って、我々の目を楽しませてくれている。本当に、有難い

ことである。自然という大きな恵みに対して、心底からの、絶大なる感謝を、謝意をささげない

わけには行かない。所で、その偉大なる神々の恵みの中に、ただ一つだけ不満を申し述べたい。

一体どいう理由で、母親の母という名を冠した花が、存在していないのであろうか…。多くの

花々の中に、母という花があっても何ら不思議はないはずだ。もしも母という名の、有難い

花がこの世にあったならば、我々寂しさを噛みしめている子供たちは、どんなにかこの世の

悲しさや辛さを、その花によって慰められることだろうになあ)


 父母も 花にもがもや 草枕 旅は行くとも 捧(ささ)ごて行かむ(― 父親も母親も、花

であって欲しいものだ。花であれば、遥かな遠隔の土地に旅をして行くとしても、片時も離れずに

大切にご奉仕することが、可能であろうから。しかし今回は、その様な自分勝手な願望を果たそう



何時までもどうか御達者にお過ごしください。御側近くで御奉仕出来ない親不孝を、どうぞ、

お許しくださいませ…)


 吾等(わろ)旅は 旅と思(おめ)ほど 家(いひ)にして 子持(め)ち痩すらむ わが

妻(み)かなしも(― 私の今回の旅は、大王様からの厳命を受けての大切な公務であるから、

畏まって、謹んでお受けして参りましょう。が、何としても心残りであるのは、私事で恐縮では



愛しい妻の事で御座います。妻は、女手ひとつで大勢の子供たちを育て、養わなければならない。

若く美しい妻であるが、苦しく大変な子育ての為に痩せ細るのは、必定である。それを考えると、

勇んで任地に赴こうとする私の足の運びも、遅く、弱弱しいものとならざるを得ない。我が足は、

遅々として前に進まなくなるのだ…。許させ給え、どうか)


 ― ここでちょっとばかり寄り道を致します。

 ――― 世の中を 憂しとやさしと 思へども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば(―

この世の中で生きて行くのが辛くて遣り切れないと、強く思うけれども、グッバイと言って鳥の

如くに飛び去るわけにはいかない。住む場所が嫌になったら、さっさと大空をめがけて飛び立って

しまえる鳥たちの存在が、実に羨ましく、妬ましくさえ強く感じる、今日この頃である)

 次に、万葉の時代ではありませんが、

 この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の かけたることも 無しと思へば(― この世は、世界中

の何もかもが、自分の為に存在しているのだと、心の底から感じている。いや、確信出来ている。

それはまるで、満月の姿そのものであり、不足や不満足がどこにも見られないからだ)

 ご存じの通りに、祖先の政治的天才・藤原不比等によって創始された野望の完成と頂点とを

己の一身に見た道長の偽らざる述懐ですが、これを人生の達人が、自己の悟りの心境を開示した

名鏡の如き境地とも酷似する。否、悟りの境地そのもの、と喝破することも出来よう。

 お判りでしょうか、この世を「憂し、やさし」と感じるのは凡人の常であり、誰にでも直ちに

共感・共鳴が可能なのでありますが、「欠けたる事 が 無い」と観ずるのは、人生の達人や

豪傑たるを要する、のであります。

 いや、いや、そうでもありません。管見・私見に依れば、万人に開かれている 大道 であり、

容易な 公道 ですらあり得る。そう断言して、差し支えない。はい、そうなのですね、実は。





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最終更新日  2018年01月16日 12時33分38秒
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