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2018年04月11日
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第 三百 回 目


 痛快喜劇 「 世の中の悪党どもを ぶった切る 」シリーズ  ― その壱


    「 ババの事件簿 ・ こんな男は大嫌い 」

 人物:暴力男、その被害者たち、ババ、その他

 第一場 あるイベント会場。一人の見るからに強そうな大男が手には木刀を持って、肩を怒らせて

周囲を睥睨するように見回しながら、歩いてきた。

 男「おい、こらッ、お前だよ、お前」

 若者A「僕ですか(如何にも弱々しい)」

 男「そうに決まってるだろうが。おいお前、何で急に視線を逸らしたりしたのだ」



 男「何か理由があるだろう、理由が」

 若者A「(困っている)」

 男「黙ってないで何とか言えよ、お前。俺は気が短いので、黙っていられるとイライラして来るんだ。

何をしでかすか分からねえぞ」

 若者A「(益々ビビってしまい、目を白黒させている)」

 男「おい、そこのお前、そうだお前だよ。へんてこりんな帽子を被りやがって、そんな所で突っ立って

るんじゃねえよ。見世物じゃないのだからな(今度は脇に立っていた別の若者に喰って掛かった)」

 若者B「僕はただ何があったのか知りたくて…」

 男「見世物じゃないって言うの。この糞っ垂れめが」

 若者B「すっ、済みません」と言ってその場から逃げるように立ち去った。

 男「何を舌打ちなんかしやがって、この糞ガキが。おい、そこの女、このガキはお前の子供か?」



 子供「小父さん、僕は舌打ちなんかしたんじゃないよ。飴を舐めているだけだよ」

 男「何だと、この小生意気なジャリが」と、子供と母親の方に進み寄ろうとする。母親は子供の腕を

掴んで逃げるように、その場を離れた。

 その時、場内警備のガードマンらしき人物が通報者の連絡を受けて、この場に駆け付けて来た。

 係員「お客様、乱暴はいけません、乱暴は」と言いながら、男に接近した。



 係員「確かに、ここで暴力行為が行われていると、通報があったものですから」

 男「おい、誰か乱暴や暴力行為が行われたのを見た奴はいるのか?いたら直ぐに名乗り出てくれ、えー

っ、誰かいるのかッ?」

 男の剣幕に恐れをなして、人垣が崩れ、一人去り二人去り、跡には係員と男だけが残った。

 男「(すごい形相で係員を睨み付けて)どうなんだよ、おっさん。この落とし前は一体どうやってつけ

てくれるんだい、一体!」

 係員「(絶句している)」


 数日後。男の自宅のリビングで男の妻とババが会話をしている。

 ババ「前置きは無しで、単刀直入に質問させて頂きます」

 妻「何なりと御質問くださいませ」

 ババ「御主人はご家庭ではどのようなお人なのでしょうか?性格とかお人柄とか言った点に関して、

率直な所をお聞かせいただけると嬉しいのですが」

 妻「そうですわね、特別に変わったところなどない、ごく普通の夫だと思います」

 ババ「ごく 普通 ですか…」

 妻「はい、少なくとも私にとりましては、と付け加えて申し上げればという事です」

 ババ「はあ、そうですか。では、御夫婦仲は如何なのでしょうか?」

 妻「私は世間知らずな方ですので、世間一般のことはあまりよくは分かりませんが、これもごく

普通の夫婦関係なのではないでしょうかね」

 ババ「はあ、成程、そうですか…。それでは奥様からご覧になって、御主人様の性格についてなのです

が、どのようにお感じでいらっしゃいますか?」

 妻「私に対しては普通に優しくして接してくれる、平凡で、在り来たりの男性だと思います」

 ババ「(少しイライラとし出している)奥さん、あなたは私に対して何か隠し事をしては居ませんか。

何か大切な秘密の様な事柄を隠したりして」

 妻「いいえ、ちっとも。私は何も特別に隠し立てをしたりは、いたして居りません」

  ババ「それじゃあ、私も考えを改めて、ズバリ核心を突く話題に入りますが、奥さんは御主人に関す

る世間での評判を耳にされたことは、無いのでしょうかね」

 妻「何のことを仰っていらっしゃるのか、私には意味がよく分かりませんの」

 ババ「(かなり頭に来ている)奥さん、あんたさんは亭主に劣らない相当な悪党ですね」

 妻「(ババの剣幕に気おされて、怯えている)」

 ババ「いいですか、あなたの亭主は誰彼構わず言いがかりをつけては、腕力に物を言わせて大勢の

人達に多大な迷惑をかけ続けている、有名な悪党なのですよ。連れ合いのあんたが、知らないとは言わせ

ませんよ」

 妻「ああ、そのことですか。やっと事情が呑み込めましたわ。ごめんなさい、とぼけたりはぐらかした

りする心算は、全く御座いませんでした。主人の あれ は罪のない無い病気でして…」

 ババ「罪のない、びょーきですって」

 妻「本当にお婆さんの御親切には心の底からお礼と、感謝を申し上げなければなりません。(ババが

何か言い掛けるのを手で制しながら)まあ、これからご納得の行くように丁寧に御説明致しますので、し

ばらく御辛抱下さい」

 ババは狐でも抓まれた如くに呆気にとられた表情。妻が静かに、優しい口調で語り始めたところで

暗転。


 数日後の路上。男が例によって通行人達に絡んでいる。恐れをなして逃げる人々。そこへ小学校低学年

と見られる男の子がやって来た。

 男「こら坊主、こんな時間に何処に行くのだ」

 子供「(無視して行こうとする)」

 男「こら、クソガキ。俺の言ってる言葉が聞こえないのか?」

 子供「真面目に僕の話を聞いてくれるのなら、話してもいいけど…」

 男「真面目に話を聞くかって言ったのか」

 子供「そうだよ。でも、無理だよね」

 男「(首を横に振って)いいや、話の内容によってはちゃんと聞いてやるよ。話してみな」

 子供「ほんとかな? さっき小父さんは、こんな時間に、なんて言ったけど、今日は祝日で学校はお休

みなんだよ。そんなことも知らない大人なんか、信用できないよ」

 男「(思わず頷いてしまって)こらジャリ、訊いたような口を利くな。酷い目に遭わせてやるぞ」

 子供「あっ、叔父さんの後ろにお化けが居る。恐ろしい顔をした幽霊だよ」

 男「(恐怖で固まってしまった)」

 子供「嘘だよ、イーッ」と長い舌を出すと踝を返して逃げ出した。

 男は地団太踏んで悔しがっている。


 翌日の昼前。町工場の一角にある男の部屋。ドアがノックされてババが入って来た。

 ババ「私は柴田と申します。お仕事中に失礼いたします」

 男「(腰を掛けていた椅子から立ち上がり)家内から聞いております。どうぞお掛け下さい」と

丁寧にババに前の応接用の椅子の一つを、手で差し示した。と、ババは壁に掛けられていた木刀に近づ

き、しっかりと自分の手で掴み取った。

 男「何をするのですか、藪から棒に。それは俺が命から次に大切にしている、大切な宝物だと言うの

に」

 ババ「そう聞いたから、先ず最初にあんたさんの弱点を吾の手の中に納めたのですよ」

 男「何のことですか。人の事務所にやって来て、初対面だと言うのに失礼千万ではありませんか。直ぐ

に帰ってください、その宝物を置いて」

 ババ「そうはいきませんよ。あんたの様な悪党を野放しにしておいては、世の為、人様の為になりませ

んからね」

 男「婆さん、あんた頭がだいぶいかれているのではありませんか。こんな失礼な目に遭ったのは、生ま

れて初めての経験だ。全くあきれ果てて言葉も見つからない」

 ババ「聞いた風な事をお言いでないよ。あきれ果てて言葉も見つからない、というのは吾の方の言う

ことさ。全く、娑婆塞ぎとはお前のような ろくでなし者 を言うのさ」

 男「本当に口の悪い婆さんだな。どんな用事があって来たのかは知らないが、こっちは仕事で忙しい

のだ。とっとと帰ってくれないか」

 ババ「そうは問屋が卸さないのさ。今日の吾は鬼ヶ島に鬼退治に来た桃太郎なのだから、世の中に害毒

を垂れ流しにしている最低の悪党を、再起不能にするまでは、梃でも動かないからそう思いなさい」

 男「本当に図々しい婆あだな。いま百十番して警察を呼ぶからな」

 ババ「警察を呼びたいのはこちらの方ですよ。さあ、さっさと警察を呼びなさいな」と、木刀を男の

目の前に差し伸べて、相手を威嚇するようにした。男は急に元気をなくし、その場にへなへなと座り込ん

だ。

 ババ「弱い者虐めしか出来ない腑抜けが。お前の弱みは全部奥方から聞いて知っているんだ。へん、驚

いたか、何だってね…。あんたは地上最低の能無し亭主で、この会社も親御さんから譲り受けて形だけは

社長という事になっているが、勤勉で誠実な社員に支えられているだけ。お前は一日中この部屋に籠りっ

きりで、何もしないで居眠りばかり。それで、会社の休日には、罰当たりにも日ごろ溜まりに溜まったス

トレスを発散する目的で、方々へ出かけて行っては悪さばかりしている。それも明らかに力が弱く、抵抗

出来ない相手ばかりを選んで、脅したり、罵ったり、厭な言葉を投げかけたりのしたい放題。どこまで根

性が腐っているのか、この罰当たりの唐変木が」と男を見ると頭を下げた儘で震えている。

 男「お、お婆さん、それくらいでもう勘弁して下さい。悪いのは全部この俺です」

 ババ「当たり前でしょうが。人一倍気が弱くて臆病で、体だけは図抜けて大きくて、怠け者で、ずぼら

の能無し野郎。お前なんか豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまえ!」

 男「(か細い声で)それはあんまりです。これ以後は根性を入れ替えて出直しますから、どうぞ御勘弁

をお願いします」

 ババ「根性を入れ替える、出直す、だって? 一体どうするつもりなんだい」

 男「明日からこの部屋を出て、社員の指導を受けて精一杯働きます。それが、死んだ両親の遺言でも

ありましたから…」

 ババ「本当だね。ホントに本当だよ。嘘を吐いたら今度こそ容赦しないからね」

 男「本当に心を入れ替えて、世の為、人様の為になるように一生懸命に働きます」

 と、何時の間に来ていたのか、部屋の入口の所に男の妻が立っていた。彼女は感激の面持ちで夫の

姿を見守っている。

 ババ「奥さんの前で、しっかりと誓うんだね」と、妻を見返りながら優しく言う。

 男「(床に顔を擦り付けるようにして)はい、誓います」

 妻と顔を見合わせて頷き合うババである。





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最終更新日  2018年04月11日 14時26分08秒
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