草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2019年03月17日
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第 四百十五 回 目

 兎に角、始めた限りには絶対に成功を期さなければいけません。後にも先にも、私達のセリフ劇

は空前絶後の試みでありますから、私以外の誰にも将来の展望が見えませんので、出来るだけ間違

のない成功への確証が欲しいと思われますし、それも尤も至極と考えますので、可能な限りの具体

的な保証と証明を致してみたいと思っております。

 そこで思い出したのがテレビドラマの企画書の事でした。東京のキイ局に提出して制作発注の検

討材料として貰う書類のことです。企画意図、原作、乃至は、オリジナルの別、イメージのキャス

ト案、監督、粗筋、予算、等々を記した大まかな青写真の如きもの、であります。

 この企画書風に、確実にヒット間違いのない作品を今現在の段階で思い浮かぶままに、洗い出し



 目下試作中の「ババもの」も私達のセリフ劇中の目玉作品に仕立て上げるものですが、野辺地の

人々の御意見なども参酌しながら、様々な調整を加え文句の無い傑作に仕上げる積りであります。


  「 野辺地のピーター・パン 」

 のへじパンこと、ちょっとドジなところのある妖精が主として子供達に夢を与える、冒険と夢と

愛の物語。映像なら特撮や特殊メイクなど予算が膨大に掛かるところだが、イマジネーションに

訴えるセリフ劇の特徴を最大限に利用して、面白さと楽しさの限界に挑戦する、奇想天外で無類に

エンターテインメントなシリーズである。


   「 腰抜け! 卑怯者さむらい 見参 」

 見かけは立派で人柄もすこぶるよく、誰からも愛される浪人・清川平四郎を主人公に据えた

痛快時代劇シリーズ。彼が行くところいつでも面倒な事件が勃発してしまう。彼・平四郎が見かけ

通りの立派な剣の使い手であれば、何の問題も無いのであるがどう言うわけか、平四郎は驚くよう



様に軟弱でござる」と相手の無頼漢に平身低頭、地面に這いつくばって謝り、挙句の果てに気絶し

てしまう。そして、その場に居合わせた誰もが無頼漢の狼藉が凱歌を奏するのかと、絶望の溜息を

吐いたその次の瞬間に、何処からともなく忽然と姿を現した紫頭巾に面を包んだ快剣士が、胸のす

くような見事な剣さばきで悪人をなぎ倒し、又何処へともなく姿を消す。と、それまで気を失って

物蔭に横たわっていた平四郎がのこのこと出て来て、「面目次第も御座らぬ」と頭を掻きながら言



てハッピーエンドとなる。御推察の通り、謎の快剣士は平四郎の裏の顔であり、そのからくりを

知っているのはゲストだけで、劇の登場人物たちは知らない秘密である。


    「 美人マジシャン・こまち、大活躍 」

 七変化する正体不明の女性のマジシャンが大活躍する痛快なドラマ。謎解きあり、恋あり、笑い

あり、冒険活劇ありと面白さ満載の娯楽大作であります。

 或る時は街角の占いお姉さん、またある時にはタクシー・ドライバー、そして又、或る時には

世界的に有名なスーパーモデル、そしてその正体とは…。

 様々な難事件に挑戦して胸のすく推理と豪快なアクションで庶民の中の弱者を救済する、ヒロイ

ンのマジシャン・こまち。乞う! 御期待。


     「 じょっぱり男が行く 」

 風采の上がらないフーテンの寅さん風の中年男が主人公の大型人情喜劇。「負けてたまるか、泣

いてたまるか」と絶えず苦境に立たされながらも歯を食いしばって奮闘努力を続けて、決してめげ

る事のない風来坊の人情味溢れる、時代遅れな生き方を中心に、古き良き時代の人間味を今の時代

に伝えながらひっそりと社会の片隅に生きている、生きた化石のような庶民達に焦点を当てて描く

笑いと感動のドラマである。主人公の「粗(あら)の小路 とろ麻呂」の活躍に満腔の声援をお送

り下さい。


 ここまで書いて来て気付いたのですが、大ヒットさせる材料には事欠かないという事実です。こ

れまでの劇・ドラマ・芝居で興行的に大成功を収めた作品なども含めて以上のシリーズ群で、十分

過ぎる題材を全部収容した上で、更にその上を行く面白いエンターテインメント作品が問題なく、

しかも容易に制作可能だと、明瞭に見極めることが出来た。これは何よりも予想外の事実であり、

呻吟し続けていた私・草加の爺にとって最大の朗報となりました。

 この企画書まがいの宣伝文を書くことに、当初は拘りと言いますか、あまり気が乗らなかったの

ですが、セリフ劇に理解の浅い人々の為にと行動を起こしたのですが、「情けは他人の為ならず」

の格言は今回も物の見事に的中しまして、一番に大きな得を手中にしたのは、他ならないこの私だ

と知らされた。本当に、有難い事だとしみじみと感じ入っている次第。殆ど毎日の様に背中をぐい

ぐいと押されて、実際に励まされている。不思議と言えばこんなに不思議な事もありませんね。

 ところで、セリフ劇を立ち上げるにはヒットしなければいけない。ヒットさせるためには誰にで

も無条件に受け入れられて、しかも無類に面白くなければいけない。

 ところが、既にして言い出しっぺの私には、その確証が、しっかりとした、揺るぎの無い手ごた

えが得られてしまった。セリフ劇にはそれだけの利点が最初からあったから。そう一言で済ませて

しまえば、それきりなのですが、これって一種の奇跡の様な驚異の事実なのです。

 何故って、一円の予算もなしで新しい産業を立ち上げるなどとは、先ず人間技では想像すら出来

ない事柄ですから。通常なら、狂人の戯言と一笑に付されてしまって、それまでの話にしか過ぎな

いのですから。

 ここで昔話をひとつ。或る大きな映画製作会社の部長に対して若い頃の私がテレビではなく、

映画の企画を提案する目的で面談した際のことです。後に社長に出世した某部長は一応私の企画書

に目を通してから、おもむろにこう言ったものです。「古屋さん、映画の企画を本気で実現させる

お積りなら、トップアイドルのスケジュールを押さえて来て下さい。そうすれば、直ぐ映画を発注

しましょう。どんなに素晴らしい企画を練り上げても無駄ですよ、今は」と。私は唖然として、開

いた口が塞がらない気持ちで、映画の企画を考えるのを止めにしました。既に斜陽と言われていた

映画界ですが、ここまで堕落しているとは気づかなかったから。

 若手とは言えプロデューサーとしてのキャリアを充分に積み、経営者としての立場も十二分に

弁えた時期でしたから、ペイ出来ない作品を慎重に見極めたい先方の気持ちは痛い程に分かっては

おりましたが、物を作る者の本能とでも言うのでしょうか、厳しい予算的な制約内で少しでも良質

な娯楽作品を制作したい熾烈な意欲に燃えていましたから、頭から冷水をかぶせられたような気分

になった事を、現在でも鮮明に記憶に留めています。

 その点で、今度のセリフ劇の場合には、実にタイトな予算上の制約から解放されて、質的な向上

だけを考えればよいフィールドは、実際夢の如き環境に思えます。盆と正月が一緒に来たような感

じとはまさにこの様な事を言うのでありましょう。

 勿論、セリフ劇と言えどもゼロからのスタートですから、金銭上の苦労が皆無と言うわけではあ

りません。しかしながら、私がテレビドラマのプロデューサーとして長年甞めざるを得なかった辛

さや苦しさに較べたら、物の数にも入らない。そうしたものでありますね、間違いなく。

 「観客」としてのゲストに劇に対するマインドを持って頂くだけで、金銭的な縛りの九割はすぐ

さま解決してしまうし、劇に対するマインドと申しましても「舞台上の劇」は治療としてのパ

フォーマンスである心得を弁えて頂くだけですから、直ぐに慣れて造作もなく誰でもが体得出来

る類のものですから、何も問題は有りません。

 こうして私は非常にラフではありますが、逆に言えば丁寧に過ぎるシュミレーションを試みたよ

うな結果になりましたが、余りにも障害らしい障害が発見できなかった事に、ビックリすると同時

に強い感動と言うよりはむしろ呆れてしまった。極端な話をすれば、本当に私・草加の爺が必要で

あったのは此処までのプロセスであって、これから後は一寸だけ意欲を掻き立てて頂けるのであれ

ば、誰でも間に合うし、任務を遂行可能だという明白な事実でありました。

 だから、腰を落としてじっくり構え直せ。そう愛妻が私に注意を促している。人々の為になりな

がら尚且つ自分自身の本当の人生の仕上げを、存分にエンジョイして下さいな。そう言ってくれて

いる。

 そして、私に続く後継者の育成に全力を注ぐようにと注意の喚起も忘れていない。取り分け、台

本作者・シナリオライターの養成には時間がかかるので、一日でも長く地上に居て、可能な限りの

指導を忘れないようにしてください、とも熱を籠めて説得する。御尤も、と私はまたまた襟を正さ

ざるを得ない。道が明白に示された以上は昼寝などをしている余分な暇などはない。それは分かり

切ったこと、これまで以上にむきになって、寝食を忘れてプロセスを堪能し尽くさなければ、それ

こそ罰が当たろうというもの。

 野辺地の町の方々、御一緒にお祭り騒ぎでセリフ劇というお神輿を担ぎ出し、精一杯楽しい未来

を招き寄せようではありませんか。不束者ではありますが、どうぞ仲良くしてやって下さいませ。





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最終更新日  2019年03月17日 22時41分18秒
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