草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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草加の爺(じじ)

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2025年10月29日
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見知らぬ客  それでは疑いもなく、事態は最善の状態にありますよ。もう一人の男に関しては、彼女は

ミスを犯しているかも知れない、そしてあなたの元に戻りたいと思っているかも知れませんね。そしても

し別の女が問題ならば、彼女はゆるそうと決心しているかも知れない。そして、あなたに対して有利な立

場に立ちたいと思っているのかも。そしてもしも、男などは関係していないとすれば、理由は思った以上

に根深いのかも…。あなたは彼女がもう戻らないと言う希望を掘り下げてしまっているのかも。もし、男

が絡んでいるならばあなたは再婚して、世間に誰かがあなたを必要としている事を証明したいと思うでし

ょうね。そして女の問題ならば、あなたは彼女と結婚する必要があります。詰まりは、あなたはその女性

と結婚したいと想像していたのかも知れませんね。

エドワード  でも、僕は妻に戻ってほしいのです。



は。電話では真実を話すのは出来ませんからね。あなたが余裕を取り戻すには全く時間が要るのですが、

私はそれをあなたに預けました…。

エドワード  僕に託してはいませんね。

見知らぬ客  それでは、私は助言しましょう…。

エドワード  そして、どうか助言しないでくださいな。僕はこうした用語を証人に尋問する際にしばし

ば使用してきました。僕はあの用語を好みません。あなたに問題を預けても宜しいですか。僕はこの会話

を自ら招いたのです、でも、あなたが何者なのかを僕は知りません。これは僕が予期した事ではないので

す。僕はただ誰かに自分が隠していた事柄を話して、気持ちを楽にしたかった。あなたが誰であるかを僕

は知りたいとは思いません。しかし、同時に、あなたが私の妻を知らなければ、僕が思っていた以上によ

りよい取引が、或いは、予期以上に我々の事を知っているなら良い取引が出来るでしょうが…、僕はあな

たの推測はむしろ攻撃的だと思いますが。



は見知らぬ人間に内密な事柄を暴露する贅沢だと言う事を知っています。それ故に、私は見知らぬ人間と

して留まりましょう。でも、こう言わせて貰いましょうか、この見知らぬ他人に近づくことは予期せざる

事柄を招き寄せる事になると。新しい力を開放する、或いは瓶から魔神を出現させる。あなたの制御を越

えた一連の出来事がスタートする。そして、話を続けさせてもらいましょう。私はこう申し上げましょう

か、あなたの経験はあなたが気づいてはいない物に対して救いとなる。それはゆっくりとやって来る。朝



居心地のよいものなるのを知って。何時も批判的な目で見ていた人物がいなくて、我慢強い誤解者があな

たの日々の生活をよりよい方向にしてくれる。あなた自身と同じような友人を選ぶのではなくて、或いは

あなたよりもより良い女友達ではなくて、そして、何度も過去を振り返って穿鑿し、ただただ、よくも

あんな生活に長い間耐えてきたものだと不審にさえ思う。そして、多分、時々は彼女に嫉妬心を感じるか

も知れない。最初に彼女がそれに気づいたことに。しかも、それを打破しようとする勇気を持ったこと

に。こうして彼女に永久の優先権を与えるでしょうよ。

エドワード  そうなるかも知れませんが、しかしながら…。

見知らぬ客  あなたは今、こう言おうとしていた、彼女を愛していると。

エドワード  何故ですか、我々はお互いを当然の存在だと思っていますよ。僕は他の人物と一緒で少し

でもより幸せになるなどと思ったことはありません。何故、愛情などと言う事を持ち出すのですか。我々

はお互いに馴れ合っているのですからね。それで、彼女が一片の書置きで離別した、説明もなく、行った

ままで戻らないと。僕には理解出来ませんね。誰だって謎のままで宙ぶらりんな状態でいるのは嫌ですか

らね。今は、こんなにも…未完状態ですから。

見知らぬ客  ええ、未完状態ですね。そして、誰だって謎のままで置かれるのは嫌ですからね。しか

し、それ以上の事があります。人格の喪失がある。或いは、むしろ、あなたは自己自身だと思っていた人

間との接触を失った。あなたはもう人間性を感じられなくなっている。あなたは突然に物自体に堕したと

感じている。生きている物体ですね。しかし、もはや人間などではない。これはいつも生起しつつある。

何故なら人は人物であると同時に、物体でもあるから。しかし、我々は瞬時にそれを忘れている。人が

正装してパーティの出かけようと階段を下りている時に、あなたが選んだ自分の役割を整えるべく身に着

けている全てを身に纏い、それから時々、最下段に達した際に、もう一段あなたが予期してなかった段が

あったなら動揺に遭遇する。ほんの一瞬間だが、あなたは経験することになる、階段の悪意で物体に転落

した自分を。或いは、外科的な手術を例にとってみれば、内科医と外科医との問診で、私設療養院のベッ

ドに向かう際に看護婦長と話をする時には、まだ主体者でいられる。現実の中心だ。が、テーブルの上に

載せられては、人は修繕店の家具の一つでしかない。何故なら、患者を囲んでいる人々、マスクをした役

者達にとっては、あなたの全部は肉体だけだ。そして、「あなた」は何処かに隠されてしまう。お酒を補

充して下さいな。

エドワード  ああ、済みません。何をお飲みにられますか…。ウイスキーですか。

見知らぬ客  ジンを。

エドワード  何を入れましょうか。

見知らぬ客  水を。

エドワード  結論は、どうなりますか。

見知らぬ客  あなたが何者であるかを見つけ出す所に行きつくでしょう。何を実際は感じているのか。

他人の中に居て、あなたは本当は誰なのか。大部分の時間、我々は自分を当然の存在と思っている。我々

の義務として、過去の自分がどうであったか、殆ど知らずに生きている。今、あなたは何者ですか。私と

同様にあなたは何も知らずに過ごしている。もしかしたら、私以下かも知れない。あなたは一式の時代遅

れの反応体にしか過ぎない。しなければならない一つの事は、何もしない事を意味する。御待ちなさい。

エドワード  待てですか…。でも、待つことは不可能な或る事です。その上に、お判りでしょうが、そ

れは僕を虚仮にしてしまう。

見知らぬ客  あなたが馬鹿げた存在だと知ることは、少しもあなたに害を与えません。実際に馬鹿であ

る自分まで後退して御覧なさい。それが、私があなたに与えうる最上の忠告ですからね。

エドワード  でも、どうやって待ったらいいのですか。何を待っているのかを知らないで。友人たちに

こうでも言いましょうか、「僕の妻は往ってしまった」と。そして彼らは答えるでしょう、「何処へ」、

そして僕は言う、「分からない」と。更に彼らは言う、「しかし彼女は何時戻るのか」、それに僕は答え

る、「妻が戻るのかどうかはわからない」、そして彼らは尋ねる、「一体、君はどうするつもりなのか

ね」と、「何もしないよ」、そう答える僕を彼らは気違いだと思うだろう。或いは単に卑しむべき奴だ

と。

見知らぬ客  全てが結構な事です。あなたは再び人間性を取り戻す結果に気づくでしょう。そして、そ

れは無限の価値を持った経験なのですよ。

エドワード  止めてくれ! 僕はあなたが言われた事の多くに同意する。十分に真実だから。でも、そ

れは全部じゃない。何故ならば、今朝、朝食をとっている際に妻がどんな風であったかを僕は記憶してい

ない。彼女を捜索するように警官に依頼するとして、彼女の成り振りを叙述出来るかどうか全く自信がな

いのです。僕が最後に妻を見た時に、彼女がどんな服装をしていたか、覚えていないことは確かな事。そ

してなおかつ、彼女に戻ってほしい。そして、彼女に戻ってもらわなくていけないのだ。我々が結婚して

いた五年間に何が起こったのかを見出すためにも。彼女が何者で、僕が何者かを確認する為に。そしてあ

なたの分析の全てをどう使えばよいのか、もし僕が闇の中でいつも茫然自失していなればならないとした

なら。

見知らぬ客  闇の中に留まっている事には確かに何の目的もありません。嘗ては光の中にずっと居たの

だと言う幻想を心から払拭するのに足る時間を体験する以外は。彼女を欲している理由が得られない事

実は、あなたが彼女を欲していると信じる最上の理由なのです。

エドワード  僕はまた彼女に逢いたいのです…、此処で。

見知らぬ客  あなたは必ず彼女に再会するでしょう、此処で。

エドワード  つまり、あなたは彼女が何処に居るか御存知だと言う事ですか。

見知らぬ客  その質問は御答する労に値しないものです。しかし、もし私が彼女を連れ戻すとしたら、

一つだけ条件が有ります。それは、彼女がそれまで何処にいたのかを彼女に質問しない事を約束すること

なのです。

エドワード  僕は、質問などはしません。そして、しかも、こう思われるのですね、我々が話を始めた

時に僕は妻を欲しているとは確信していなかった。そして今は彼女を欲している。僕は、彼女を欲してい

るのか、それとも、単にあなたが示唆しているだけなのか。

見知らぬ客  まだ我々は知らないのです。二十四時間経てば、彼女はあなたの所に、此処へ来るでしょ

う。あなたは彼女に会うべく、此処にいるでしょう。  (ドアのベルが鳴る)





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最終更新日  2025年10月29日 10時07分19秒
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