草加の爺の親世代へ対するボヤキ

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2025年11月04日
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第 一 幕   第 二 場

 同じ部屋。十五分後、エドワードが一人で、トランプのペイシャンスをしている。ドアのベルが鳴る。

彼はそれに答えるために行く。

セリアの声  お一人すか…。 (エドワードがセリアと一緒に戻って来る)

エドワード  セリア、何故、戻って来たりしたのかね。僕は出来る限り早く電話すると言ったよ。そし

て、少し前にそうしたのだが…。

セリア  もしもあなたが誰かと一緒でしたら、傘を取りに戻ったと言うつもりでした。あなたは私の会

えてもあまり嬉しそうには見えないと、言わなくてはいけないわね。エドワード、私は何が起きたのかを

理解しています。でも、さっきの電話の様子が私には理解できなかった。あなたらしくはなかった。それ



ますから。

エドワード  しかし、どうして君は何が起きたか理解できるなどと言うのかね。僕には理解できない事

なのだが。或いは、これから何事が起ころうとしているのか、分からない。それを理解しようと試みる為

にも一人になりたいのだ。

セリア  事は完全に単純だと私は考えるべきと思っています。ラヴィニアがあなたを捨て去ったのよ。

エドワード  そう、事態はその通りさ。それは、誰のも明白な事だと思う。

セリア  叔母などはあの時の全くの作り事で、あまり上等とは言えない。あなたはもっとましな何かを

用意しておくべきでしたね、ジュリアに対しては。でも、それも実際には大したことではないわ。みんな

はやがて十分に知るでしょう。それは私達の困難な事態を治める事にはならないでしょうが。

エドワード  実際の困難を明るみに引き出すだけにしか過ぎないだろうね。

セリア  でも、確かにこれらは一時的なものよ。御存知のように私は事態を受け入れています。離婚は



は離婚される相手であると言う馬鹿げた約定にあなたはしがみついたりしてはしない。そしてもし、彼女

が選択してこんな根拠を与える…、

エドワード  成程ね、でも事態はそんな風では全くないのだよ。ラヴィニアは戻って来るのだ。

セリア  ラヴィニアが戻ってくるですって…、彼女は我々に罠を仕掛けたとでも言うのでしょうか。

エドワード  いいや、若し罠があるとしたら、我々は全員が罠にはまっているのさ。我々は自分で罠を



セリア  それじゃあ、何が一体起こったのでしょうか…。 (電話が鳴る)

エドワード  えい、電話だぞ。電話に出なくてはいけない。もしもし…、ああ、もしもし、いいや、詰

まりは、そう、アレックス。そう、勿論だよ…、ありゃ絶品だった、僕はあんな素晴らしい料理をこれま

でに賞味したことはない。…、そう、それは興味深いね。しかし僕はあれはなかなかに噛み応えがあると

感じたね。…、いや、アレックス、チーズはいらないよ。いや、ノルウェイ産でなくて…。でも、実際に

僕はチーズはたくさんなのだよ。どんなスリッパだい…、ああ、ユーゴスラビアの。スモモとアルコー

ル、いや、アレックス、僕は実際なにもいらない。とても疲れているのだ。とても有難う、アレックス、

お休み。

セリア  一体全体、どうしたというのですか…。

エドワード  アレックスからだった。

セリア  アレックスからだとは分かったわ、でも、彼は何を話していたのかしら。

エドワード  もう、すっかり忘れてしまったよ。彼は自分の道を進んで行った、少し前にね。そして僕

に何か夕食を作ってやろうと主張した。そして、彼はそれを十分以内に食べろと命じた。多分、まだ煮え

ているだろう。

セリア  まだ、煮えているだろうですって。どうりで、奇妙な匂いがすると思っていたの。勿論、それ

はまだ料理中でしょう。…何かを料理しているところでしょうね。私は調べに行かなくては…。 「部屋

を出始めた」

エドワード  どうかお願いだから、邪魔をしないで。(セリアは退場) 誰かが着て、君が台所にいる所

を見付けたりしたら…。 (エドワードはテーブルの所に行き、ペイシャンスのゲームを眺めた。カードを

動かす。ドアのベルが続けて鳴る。セリアがエプロン姿で再登場する)

セリア  ドアに応対に出た方がいいわ、エドワード。それがベストの行動よ、頭を冷やしてね。分るで

しょう、私は実際に傘を忘れてしまったのよ。そして言うつもりよ、あなたがここで飢えて途方に暮れて

いたので、何かをしなければいけなかった。私は此処に留まって、隠れたりはしないわ。 (台所に戻る)

  ベルが又なった。エドワードは玄関に行く。そして、声が聞こえた。ジュリア…、どうして又戻って

来たのですか、…。  (ジュリアが入って来る)

ジュリア  一種の霊感があったのよ。  (フライパンを手にセリアが入って来る)

セリア  すっかり駄目になってしまったわ、エドワード。

エドワード  いい事だよ。

セリア  フライパンも駄目になっていた。

エドワード  それと、半ダースの卵もね。朝食用に一個欲しかったのだが。ゆで卵としてね。それが僕

が出来る唯一の料理でね。

ジュリア  セリア! あなたも私と同じ霊感が働いたのね、エドワードに食事をさせなくてはと。彼は

今非常な困窮下にあるのだから。我々が彼の体力を維持してあげなくては。エドワード、気づいてくれな

くては、如何にあなたが幸運なのか、善良なる二人のサマリア人が此処にいる事を。私は、以前は気づか

ずにいましたよ。

エドワード  盗賊の間に倒れた男は僕よりももっと幸運でしょう。彼は宿屋に運ばれた。

ジュリア  まあ、何て感謝を知らないのでしょうか、そのフライパンの中には何が入っていたの。

セリア  解りませんわ。

エドワード  アレックスがやって来て、僕の為に用意した何物かですが、彼はそれを作ると言ってきか

なかった。三人の善きサマリア人ですよ。僕は、全部忘れていたのです。

ジュリア  でもあなたはそれに手を触れてはいけなかった。

エドワード  勿論、僕は手を触れていませんよ。

ジュリア  まあ、まあ、私は前もって警告しておくべきでいたね。アレックスの作る物は何にしろ全く

滅茶くちゃなのよ。私は彼が毒した人々のお話を沢山してあげましょうね、さて、まあ、そのエプロンを

こちらに下さいね、私に何が作れるか、試してみましょう。あなたは、此処にてエドワードと話をしてあ

げてね。 (ジュリアは退場)

セリア  一体、何が起こったのかしらね、エドワード。一体全体、何が…。

エドワード  ラヴィーニが戻って来るのだ、と思う。

セリア  そう、思うの。分らないのね。

エドワード  そう、でも僕は信じてはいるのさ。此処に居た、あの男…。

セリア  その男って、誰の事ですか。私は彼を恐れているわ。彼は、ある種の力を持っている。

エドワード  僕は彼が何者かを知らない。しかし、君たちが皆去った後で、彼と話をした。そして彼は

ラヴィニアを連れ戻すだろうと言った、明日に。

セリア  でも、何故、あの男は彼女を連れ戻したいのかしらね、彼が悪魔ででもない限りは、私、彼は

悪魔だと信じられるわ。

エドワード  僕が彼に尋ねたから、そう答えたのだ。

セリア  あなたが尋ねたからですって…、それならば、彼は悪魔に違いないわ。彼はあなたに魔法をか

けたに違いない。どのようにして彼は、あなたに彼女が戻って欲しいと思わせたのかしらね。 (ポンとは

じける音が台所から聞こえる)

エドワード  あれは一体、何だろうか。 (再びジュリアがエプロンをつけて、三つのコップを載せた

お盆を手にして入って来る)

ジュリア  私は、霊感を受けたのよ。食べられる物はあそこには何もなかったわ。私はくまなくあちこ

ちと探した。そして、シャンペンしか見つけられなかった。それもハーフボトルの。確かにね。勿論、冷

やしてなどはいない。でも、気晴らしには最適でしょ。そして私は思った、私達三人共何か刺激になる物

を必要としている、この惨状の後ではね。さて、健康の為に提案したいの、見当がつくかしらね、誰のた

めの健康を祝するかを。

エドワード  いいえ。想像出来ませんね。でも、アレックスの為には飲みたくないですね。

ジュリア  ああ、アレックスにじゃないわ。さあ、ラヴィニアの叔母の為によ。あなたはそれを推測す

べきだったわ。

エドワードと セリア  ラヴィーニアの叔母ですって。

ジュリア  さてと、次なる質問は何をなすべきかよ。それはとても単純だわ。もう、遅すぎるか、早す

ぎる、レストランに行くには。だから二人とも私と一緒に我が家に来るべきよ。

エドワード  いや、済みませんが、ジュリア。出来ればそうするのですが。疲れ過ぎて外出できないの

Sよ。全く空腹ではないのです。ビスケットを何枚か食べるつもりでいます。

ジュリア  でも、あなたは、セリア。あなたは一緒に来て軽い食事を私とするべきよ。とても軽めのそ

れを。

セリア  お供するのが許されれば、そうするのですが。あと十分程、行く前にエドワードに言いたいこ

とがあるのです。

ジュリア  ラヴィニアについてかしらね。そう、急いで来てね。そしてタクシーを拾わなくては。分る

でしょう、あなたは全く空腹そのものと言った風情だわよ。お休みなさい、エドワード。  (ジュリアは

退場する)

セリア  さて、彼はどのようにあなたを説得したのかしら。

エドワード  彼がいかようにして僕を説得したかだって…。僕は非常に鮮明な印象を受けたのだ。ラヴ

ィニアが行ってしまったのはいずれにしても最上の策だったと僕を説得した。僕は感謝すべきなのだ。そ

してなおかつ、彼は妻が戻る事を僕が望んでいると僕自身に悟らせることが彼の議論の効果だった。

セリア  それが、悪魔の手法よ。それでは、あなたはラヴィニアに戻って欲しいのね。ラヴィニアに!

そしてあなたに関心のある一つの事は、破滅を避ける事だった。いずれにしても不愉快な事態を。いい

え、断じて、そうではあり得ないわ。そうだとは思わない。それは心労への一時的な屈服に過ぎないと思

う。そしてパニックへの。あなたは面倒に直面できないのよ。

エドワード  いいら、そうじゃない。単に、そうではないよ。

セリア  単純に、虚栄の問題ではあり得ないわね。世間があなたを笑いものにするだろう、何故ならば

妻が別の男を求めてあなたを棄てたから、と思うのかしらね。私はやがてそれが正しいとするでしょう

よ。エドワード、あなたは自由になるの。





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最終更新日  2025年11月04日 08時51分51秒
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