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決壊(上)決壊(下)芥川賞作家平野啓一郎の『決壊』を読みました。久しぶりにずっしりと重い本を読んだと思います。デビュー時には「三島由紀夫の再来」とまで言われた、同氏の技術力の高さは間違いなく日本の小説家の中でトップレベルでしょう。一つの殺人事件をきっかけに物語りは進んでゆきますが、読み進めてゆくうちに「これはミステリーという範疇にカテゴライズすべき作品ではない」と気づくはずです。作品には酒鬼薔薇事件、闇サイト問題等の脱社会的事件が意識的にちりばめられています。それが作品に不気味な現実感を与えています。タイトルである『決壊』とは何を表しているのか。主人公の自我の決壊なのか、現実社会とネット社会のボーダーラインの決壊なのか。捕らえ方は読む人それぞれだと思います。
2008.09.27
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