文月さん

 これはなかなか難しい質問でした。「生活指導」運動を進めてきた全生研や高生研の立場からすると「生徒指導」と「生活指導」は明らかに区別できると考えていたのですが、その区別は案外勝手なものだったかもしれないからです。

 さしあたって、(勝手な立場から)区別すれば、「生徒指導」は、直接生徒を叱ったり諭したり励ましたりすることで、生徒の行動(行動傾向)を変えていこうとする指導であるのに対して、「生活指導」は子どもたちの生活(さまざまな人間関係を含みこんだ生活や体験)そのものの中に、自己成長・自己教育の鍵がある(つまり「生活」が子どもたちを「指導」する)という立場です。

 したがって、いわゆる教科(授業)での知的な学習以上に個人あるいはグループ(集団)が何らかの行動を決意(決定)・実行し、その行動や体験を振り返る、という営みを重視してきたわけです。Toshiさんの言われる「特別活動の命」もそこに深く関わっていると考えられます。 (2009.07.21 21:30:27)

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渡辺敦司@ Re[1]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) たびたび恐縮です。 「問い返す力」、本当…
shchan_3 @ Re:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) >5ページでお示しのようなクロスカリキ…
渡辺敦司@ Re[2]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) しょうさん、ご丁寧な返信ありがとうござ…
shchan_3 @ Re[1]:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) 渡辺敦司さんへ >いつもお世話になりま…
渡辺敦司@ Re:兵庫県知事と選挙戦に関する調査を(11/21) いつもお世話になります。早速2件とも賛…

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2009.07.18
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カテゴリ: 教育論・教育問題
toshiさんのブログ(「 教育の窓 ある退職校長の想い 」)
小学校の特活はどこへ? 学習指導要領の変遷から

 に刺激を受けて、久々に教育をテーマとする記事を連載します。

 上記の記事でtoshiさんは 新学習指導要領の内容 を引用しながら次のように述べておられます。

 どうだろう。
 (特活が) 人としての生き方に、もろにかかわる領域 (教科ではない)であることがご理解いただけるだろう。


・多数決による決定とか、
・少数意見の尊重とか、
・できるだけ、合意を目指すとか、

 そうした意味では、 民主主義社会を守り、より確かなものにしていく 上でも、大切な学びと言えるのではないかと思う。


 私もそのとおりだと思います。そして、子どもたちが教育基本法でいう 「平和的な国家および社会の形成者」に育っていくことを意図して「特別(教育)活動」が導入されたことを考えれば 、単に 「集団に調和・適応する個人」ではなく「現実や社会の問題点に気づき、よりよい社会を創造する主権者」の育成 が大きな目的であったことも明らかでしょう。

 「 民主主義社会を守り、より確かなものにしていく 」という上記コメントも、そのようなものとして理解したいと思います。そして、以下のようなtoshiさんの例示からもわかるように、子どもたちは 学校における具体的な活動や生活の中で生じる問題解決の体験を通して そのような力を少しずつ身につけていくことが期待される

 学級生活、学校生活における諸問題については・・・、 たとえば、

・子どもが計画し、準備し、運営するお楽しみ会
・学級生活を円滑に営む上で必要な学級生活のルールや、めあての設定
・係、当番活動などの組織づくりや運営上起こりうる諸問題の解決

 など、教科ではとても扱いきれない学習があるはずだ。

「特活の現状」 に次のような疑問を投げかけられるのです。

これが形骸化しているという心配はないか

 まず、現状において、特活における学びは、ほんとうに、上記のねらいを達成できる学習になっているだろうか。

 形式にとらわれたり、長年の慣習にながされたり、 子どもの活動に見せかけてはいるが、実質は教員の一方的な指示によって動かしていたり
 特に 近年の学力競争の中では、『特活の命』が失わされてはいないか、心配になる


 上記ブログ記事ですでにtoshiさんが試みておられることですが、大切なことは次の2点であると考えます。

1、特別活動の現状はどうなのか、きちんと点検すること(話題として共有していくこと)
2、本物の実践(特別活動本来の目標を達成している実践)に注目し広げていくこと


 まず1について私自身が早速実践したいと思うことは、

・保護者として、 子どもの通う小学校の職員にtoshiさんの上記ブログ記事を紹介し、話題にすること 。(実は、小学校の管理職は以前からよく知っている人だったこともあり、toshiさんのブログをすでに紹介しています。) 

PTA役員同士でも「特別活動のあり方」を話題にすること 。 

(昨年度、「学力テスト」の結果について〔保護者が集まった時に〕学校から説明がありました。
 その時〔それ以降〕、PTAとしては目先の点数にこだわる論議をするのではなく、
 例えば「 学校図書館に常勤で専任の司書を配置することが、“総合読解力の向上”にもつながるのではないか 」、
 「 地域の行事への参加率の高さが“世の中の役に立つ人間になりたい”といった子どもたちの意識につながっているのではないか 」、

 といったことを含めて論議しているので「特活」についても話題にできそうです。)

・教職員組合主催の「 教育研究集会 」(小・中・高等学校の職員が一緒に論議できる)の「自治的諸活動と生活指導」の 分科会で、toshiさんのブログ記事を紹介し、論議すること

・職場(高校)の同僚や高生研の仲間にも上記ブログ記事を紹介し、積極的に話題にしていく。〔考えてみれば、これが第一番ですね〕

(一保護者であれ、教職員であれ、問題点を共有する方向へ一歩踏み出すことはできると思うのです。)

 そして、 2についてはtoshiさんの実践を紹介・分析したり 民間教育研究団体の、 「全生研」 「高生研」 (特別活動に力点をおきながら実践と理論的研究を積み上げてきた)の実践的な成果を広く共有できるよう努めたいと考えます

 20年前に比べて民間教育研究活動も困難になっているとはいえ、 「全生研」 はまだまだ元気 「高生研」 はとりわけ今年全国大会の開かれる大阪で精力的な実践や活動が展開されています 。具体的な内容については次回に・・・。

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感謝しております。  
toshi さん
 拙ブログへのコメントとともに、こんなにも手広く拙ブログを紹介していただけるとのこと、心より感謝申し上げます。
 特活に限らず、地域による温度差はかなりのものがあるのではないかと想像しています。少しでも、『特活の命』が守られ育まれるよう、わたしも微力を尽くしていきたいと思います。
 また、いろいろ論議の様子など教えてくださいね。 (2009.07.19 19:08:18)

Re:感謝しております。(07/18)  
shchan_3  さん
toshiさん

> 拙ブログへのコメントとともに、こんなにも手広く拙ブログを紹介していただけるとのこと、心より感謝申し上げます。

・教育における問題点や課題を共有していくこと
・子どもたちの成長につながっていく実践を広めること
 はまさにtoshiさんが、ブログでの発信などを通して実践しておられることだと思います。

 このたびの記事に限らず、さまざまなところで紹介し共有すべき貴重な視点や事例が豊富です。私としてもコメントのやり取りをこえて、積極的に話題にしていきたいと考えています。

>また、いろいろ論議の様子など教えてくださいね。

 もちろんです。その様子なども共有しつついろいろな場所で論議が行われるといいですね。 (2009.07.20 09:27:11)

生徒指導と生活指導との違いは何なのでしょうか。  
文月 さん
全生研、高生研、いろいろな民間団体があるのですね。
高生研は全国の現場教師を中心とする「生活指導」の研究会で、「生徒指導」ではありませんとのことですが、
生徒指導と生活指導とはどこが違うのですか?
生徒指導と生活指導との違いは何なのでしょうか。
細かいことですが、気になりましたもので。

調べてみたところ、他のHPでは生徒指導と生活指導は同じ意味としてありました。
http://syllabus.gakushuin.ac.jp/kougi2007/syllabus/0911038000300.html
http://homepage2.nifty.com/tikurinnokaze/seikatusidou01.html
(2009.07.20 17:05:47)

Re:生徒指導と生活指導との違いは何なのでしょうか。(07/18)  
shchan_3  さん

Re:生徒指導と生活指導との違いは何なのでしょうか。(07/18)  
shchan_3  さん
(続きです)

 Yahoo百科事典の一部を引用すると「生活指導」とは
「(・・・)1人ひとりの子どもの現実にいとなんでいるものの見かた、考えかた、感じかた、ならびにそれらに支えられた行動のしかた(生活の全体:引用者)を理解し、そのような理解をその子どもたち自身ならびにかれら相互のものにすることによって、豊かな人間理解にもとづく集団をきずきあげ、その活動への積極的な参加のなかで1人ひとりの生きかたを(生活認識と生活実践の双方を、つまり両者をきりはなさずに統一的に)より価値の高いものに引き上げていく教師のしごと」ということになるでしょうか。

 しかし、「生徒指導」という場合も含めて教育が成り立つということは、結果的に子どもたちが成長するということであり、「指導」という言葉そのものの中に上記のような視点も含まれるはずだ、という主張は充分成り立ちます。そういう点では「勝手な区別」だったかもしれない、と考えるのです。 (2009.07.21 21:33:37)

Re:生徒指導と生活指導との違いは何なのでしょうか。(07/18)  
shchan_3  さん
(続きです)

 そのことは「教科指導」に関してもいえるでしょう。近年(といってもここ20年くらいでしょうか)、高生研も「教科指導」と「生活指導」との統一的な展開を意識しています。

 教科指導も「指導」や本当の「学び」として成り立つということは、個々人の生活や実践的関心と結びつきながら、「新しい現実が見えてくる」「その本人にとって新しい世界が立ち上がってくる」ことだからです。

 したがって、大切なことは「生活指導」を他の教育的な営みと区別することではなく、本当の「指導」、「教育」、「学び」が成立する条件は何かということを、教育全体の営みの中で追求することでしょう。

 例えば拙ブログでも「フィンランドの教育」、「教育実践と競争」などのカテゴリーで、授業のあり方を含む「指導」に触れてきたつもりです。 (2009.07.21 23:09:39)

丁寧に説明していただきありがとうございます。  
文月 さん
ご回答ありがとうございました。全生研や高生研では、そのような区別があったのですね。
勉強になりました。一般的には同じ意味と考えて良さそうですね。 (2009.07.22 01:47:26)

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