買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2018年12月06日
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カテゴリ: 読書
俺はいったい、何を見ていたんだろう。本当に守らなければならなかったのは、遥香ではなく、母の方だったのに。
自責の念が、ぎりぎりと心を苛んだ。心の中で、何かが、音を立てて切れるのを感じる。
『最後の藁』。そして、駱駝の背骨は、轟音とともに破断した・・・・・。
(貴志祐介さん「青の炎」P109)




貴志さんの、日本ホラー小説大賞受賞作の「 黒い家 」は、サイコパスの話なのですが、どんな幽霊や怪物よりも人が怖いと思った意味でも、これまで読んだ本の中で最も怖いと思った本です。あまりに怖かったので、人にプレゼントしてしまいました。

一方、この「青の炎」は、主人公である高校生が、どういった動機で、どのように殺人を犯し、訴追からどう逃れられなくなっていくのか、を主人公の観点から描いた本ですが、テーマの基底にはドストエフスキーの「罪と罰」や漱石の「こころ」の問題意識が流れています。
今まで、両方とも何回も読んでいますが、「罪と罰」と「こころ」が似ているという印象を持ったことなかったですね。似てるのかな?似てるか・・・・・。

個人的な趣味から言えば、主人公の高校生が飲酒を常習にしていることなんか本筋となんの関係もないと思いますし、準備に関してはやたら用意周到な主人公が、実行時や後始末があまりにおそまつなので、肝心な小説の本来のテーマが、素直に入ってこなかったですね。
エンディングが切なく、よくできているだけに残念なことでした。







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Last updated  2018年12月06日 08時39分44秒
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