買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2019年01月11日
XML
カテゴリ: 読書

「私だってもう六十代です。それなりの分別はありますから、ご安心ください。あなたが考えているほどもう勇ましくはないわ」
「いいや、君は変わらない」
五郎がきっぱりと断言したのは、表参道駅の長い階段を上りきり、再び地上の涼風を浴びたときだった。
「君はけっして丸くなどならない、鋭利な切っ先みたいな人だ」
「切っ先?」
「こうと狙いをつけたらどこまでも飛んでいくナイフのようでもあるし、決して満ちることのない月のようでもある」
月。とっさに頭上を仰ぐも、午後三時の空に月の影はない。白濁した氷のような雲が風に押し流されていくばかりだった。
(森絵都さん「みかづき」P310)









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019年01月11日 07時06分07秒
コメント(0) | コメントを書く
[読書] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Profile

shov

shov

Calendar

Favorite Blog

凶花 第十回 黒川… 鴨ミールさん

『つい人に話したく… ぴいたあ8888さん

読書案内No.215 今村… 吟遊映人さん

眠りの底で 無花果。さん
ミステリの部屋 samiadoさん

Comments

免疫力が低下@ Re:『ハウスメイド』買(10/11) 免疫力が低下については、 0896240183 を…
私はイスラム教徒です@ Re:『眠れるアンナ・O』買(08/14) 神神は言った: コーランで 『 人々よ、…
aki@ Re:聞いた曲(2024.1.20)(01/20) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
shov @ Re:「フラニーとズーイ」(メモ12)(07/19) ご訪問ありがとうございます。 記事読ま…
ゆきこ@ 日本にとって大切な参院選 初めまして、こちらのブログとは場違いな…

Free Space

設定されていません。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: