買書とつんどくの日々

買書とつんどくの日々

2020年06月29日
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カテゴリ: 読書
まーちゃんとたけしとおれの三人で店を出た、ジョンは一人でビールを飲み出したから、帰る、と言っておれたちは外に出た、ちゃんと三人でジョンに、
「ごちそうさまでした」
といった、
「おい小鳥」
とジョンは言った、
「小鳥やて」
たけしが言った、
「小鳥が小鳥なんは小鳥のときだけやぞ」
ジョンが言った、
「大きなって変な鳥になれ」
(山下澄人さん「小鳥、来る」P193)




山下さんの小学校時代の「おれ」の視点から、父、母、妹ら家族と近所の子どもたちやまちのことが描かれていきます。とくに、「父」と「おれ」の関係のゆがみやきしみのようなことがなんどもなんども描かれます。

「おれ」の視点はゆれにゆれて、気が散るままに描かれていきますから、違う話がまぎれこんできます。これを面白いと思うかどうかが、この小説を楽しめるかのポイントになってくると思います。これ、山下さんの「ハックルベリー・フィン」やなあと思って読んでいたら、突然にそのものが登場してきたのでびっくりしました。

また、僕も神戸生まれなので、この小説の舞台は、神戸市灘区の都賀川の近くだということ、動物園のこと、商店街のこと、神社のことなどから、書かれている地域がどのあたりのことかほぼ推測できます。「父」と釣りをしに海に下っていくシーンなんかも、あ、2号線や、43号線や、とか思うわけです。海側は、HAT神戸なんかもでき、まったく違う風景になっていますし、山側も当時の面影が、今もあるのかどうかはわかりませんが、また一度訪れてみたいと思いました。

そして、「ぼくじょう」?のことが出て来るんやけど、灘区の街中に牧場があったんか?僕の生まれたところには1970年代くらいまで牧場があり、そこで遊んどったけど・・・・・。









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Last updated  2020年06月29日 06時48分50秒
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