青空と木洩れ日

青空と木洩れ日

2024.09.23
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災害のこととかで気持ち的に何も書けませんでしたが
書きかけのものがあったのであげておきます。

どうということはない、思い出話です。
このお店の事の覚え書きで長い話になりましたので
先におことわりしておきます。

もう25年位前の話ですが
素敵な年配向けの婦人服メーカーを
デパートで見つけ
時々母にプレゼントしていました。


取り寄せてもらうようになったり
素敵なので叔母にもプレゼントしたり、
そのブランドが若向けのブランドを出すようになると
私のものも購入したりするうちに、
ファミリーセールの案内が来るようになりました。

場所は普段行かない、家からは離れた所にあって
平日に休みを取れないことも多かったので
行ったのは数回でしたけれど、
戦後の混乱の中、地域の主婦達を雇って
女性達の経済状況も向上させようと
女性が立ち上げた会社なのだそうです。


会社のある地域の方にサンプル品やシーズンオフ品を
安価で販売し還元するという位置づけだったらしくて、
私が初めて行った15年位前は
会社の敷地でお餅つきをしたり、
物産販売をしたり、購入額でくじが引けたりと


デパート定価の3割引き位のものが多く
まとめると結構な金額だったので
あれもこれもは難しいと悩みながら
いつもお買物してましたけど、
撮影などに使われたサンプル品等は
10分の1位だったようで、
それは近場の人達が数時間前から並んでぱっと買っていって
しまっていたようです。

外のイベントは私は最初はよくわからず、
お餅つきもやってるの?みたいな感じで
素通りしていましたが、
つきたてのお餅だから母が喜ぶかな、と
2回目に行った時買ってかえりました。

その次は、お餅つき自体を
高齢になってきた母に見せたら良い刺激になるかな、
それにその場で母に合うかどうか服も選び易いし、と
母と一緒に行くことにしました。

その時は母はもうシルバーカーで
駅からお店に行く出口を間違えたので、
ぐるっと回るよりは、とタクシーに乗ったら
運転手さんも近所の方でなく
私もその場所は駅とお店間しかわからないので
逆方向から行くと全然わからず、
当時はナビがあるのに使えない運転手さんが多くて
住所を伝えたら運転手さんの感覚で勝手に進んでしまい
ものすごく大廻りして
本当はワンメーターくらいの距離が
2500円位になってしまってショックでしたが、
母が疲れずに良かったのが一番大事だと思ったので、
母のあまり体力がなくなっていた頃ですね。

2012年頃だったかもしれません。

ファミリーセールは通常はショールームらしい
会社の1階を開放して行われていて、
沢山のラックやワゴンが並び、沢山の人が行き来し
ごちゃごちゃ状態なんですけど、
お客さんが一息つけるように
隅に大きな丸テーブルが2つと
椅子が沢山と、お茶や飴が置いてあり、
(すごく感じの良い会社ですよね)
母にはそこにいてもらって、あちこちで見つけた服を
母のところに持っていってあててもらっては
選んでを繰り返して3~4時間はいたと思います。

母はいつもなら自分でもあれこれ見に行って
選んでくる人なんですけど、
そのときは疲れやすくなっていたのでしょう、
ただ椅子に座って、黙って周りを見ていました。

でも私が一生懸命いろいろ見て母にあてるのが
わかっていたので、黙って、文句も言わずに
何時間も座って待ってくれていたのだと思います。
勿論私もこまめに母のところに行って
お茶を入れたりしていました。

先にお餅つきをやっている外に行って
きなこ餅か何かになっているのを買って、
気をつけて食べてねと言いながら
小さくお箸でわけて食べてもらったりもしていました。

外でお餅をついているから見に行ったら?と
勧めましたが、
座っていると言ったのは疲れていたのか、
それとも遠慮していただけで
見に行ってもらった方がよかったのか
今もわかりません。

でもお餅つきは今まで沢山見ていたのでしょうから
別に見なくても良かったということにしておきます。
つきたてのお餅を食べてもらえたのは良かったです。

その日、お店から駅までの帰り道、
行きはタクシーで散財してしまったので
帰りは駅が近くでわかるからと
歩くことにしたら
雨がパラパラ降ってきて、
当時いつもバッグに入れていた
ビニールの折りたたみのレインハットを
スプリングコートを着ていた母にかぶってもらいました。

いつもバッグに入れていたけど
使ったのはその時が初めてです。

私はパラパラの雨で濡れたけど、母は濡れず、
私が濡れないために持ち歩いていたけど
母に使えて良かった~と思いながら、
でも母はその時はもう、自分だけ濡れないで
私が濡れていることに気がつかないようでした。

いつもなら、私が使うようにと
何度も言ってくれていたはずなんですが、
多分シルバーカーを押して歩くのに
精一杯だったんだと思います。
あのころはもう、はあはあ言いながら
シルバーカーを押していたかもしれません。

母一人では
道路の凸凹でシルバーカーが真っ直ぐ押せないので
私も片手でシルバーカーのハンドルの端を押して
歩いていたら、
お餅つきの手伝いが終わったので帰るところだという
店員さんが、「お母様とご一緒で良いですね」と
後ろから急いでやってきたようで
声をかけてくれて、
他愛のないおしゃべりをしながら
駅までご一緒したのも楽しい思い出でした。

私が高齢の母を連れているので嬉しくなって
(多分その方のお母様を思い出された)
声をかけたとおっしゃってましたが、
その方、長年そのお店に勤めていたそうなので
たぶんお店が近々廃業されるのをご存知で
(私は知りませんでしたが)
ファンのお客様に話しかけたかったんだとも思います。

母と一緒に歩いていると
そういうことって時々ありました。
男女問わずに、年配の方が、お母さんを思い出されたと、
何か声をかけたくなるようでした。

その数年後、母が骨折で転院したばかりの時も
ファミリーセールがあり、
骨折の治療で治って退院してくると思ったので
退院時のおしゃれにも良いかなと、
お見舞いに行く前に、急いでファミリーセールに寄って
母が好きな色合いの素敵なブラウスを購入しました。

でもそれをベッドの母に見せると
朦朧としてよくわかってなくて、
普通とは違う感じで、声も発せずに
震える手で布地を何度も触るんです。
目が見えてないような感じがあり、
どうしたんだろう、おかしいと
看護師さんに訴えて、そこからやっと
検査が始まり、翌日脳梗塞とわかりました。

そんなわけで、母との思い出もいろいろあるお店の
ファミリーセールなんですが、
母と行った翌年あたりにイベント部分はなくなり
それから急にデパート撤退が決まり、
そのすぐ後会社自体も閉鎖するということで、
最後のファミリーセールのお知らせが来ました。

その時初めて知ったのですが、
創立者の女性は高齢で
しばらく前からご親戚の若い方が
ブランドを管理していたようですが、
(それで若向きのデザインが
出てきたりしたのかもしれません)
このブランドを手放すことにしたそうです。

でも長年のファンがいたからなのか
どういう形態かはわからないのですが、
そのブランド自体は未だに継続していて
今までとは違った雰囲気のものが出ています。
そして未だにファミリーセールのお知らせが
年に1回来て、
最後の在庫品と思われる服も出ているのですがが、
入手困難品とわかっているので販売するほうも
定価に近い価格で販売しています。

それでも、もう入手出来ないから
気に入った物があったらと
2年前に行き、今回、と言っても
数ヶ月前の事なんですが、また行ってきました。

選んで購入したのは、
スカートに会わせるときちんと見えてスーツ風になる、
丈が短めのジャケットと
以前のブランドらしい雰囲気のカーディガンの2枚だけ。

でも母との思い出のお店で買い物できたので
ちょっと幸せな気持ちでした。
感慨深いって言うんでしょうか。

母と手をつなぎながら歩いたり、母に服を選んだり
美味しい物を食べてもらえたのが宝物です。






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Last updated  2024.09.23 03:03:59
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