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9月11日に起きた恐るべき残虐テロは、世界の出来事において きわめて新しいもの である。規模とか性質の話ではない。 標的が違う のだ。米国は1912年の英米戦争以来、本土を攻撃されたことはなく、脅威すら受けたことがない。 第1章 の冒頭です。 2011年、9月13日イタリアの「イル・マニフェスト」 という雑誌のインタビューですね。
多くのコメンテイターが真珠湾と対比したが、これは誤解を招く。1941年12月7日に攻撃されたのは、二つの米国植民地にある軍の基地だった。米国はハワイを「領土」呼ばわりするのを好んだが、実際は、領土ではなく植民地だった。過去数百年の間に米国は土着民(何百万もの人々)を絶滅に追い込み、メキシコの半分を征服し、(事実、土着諸族の領土であるが、そのことをは今日の話題とは別問題である)、周辺地域に暴力をもって介入し、ハワイと、(数10万のフィリピン人を殺害し)フィリピンを征服した。
以来、特にこの半世紀間に、世界の大部分に武力による政策を押し広げてきた。その犠牲者は膨大な数に上る。 そのアメリカ本土に初めて、銃口が向けられた。 これこそ、劇的な変化である。
同じことは、欧州についても、アメリカ以上に劇的に当てはまる。欧州は、殺人的な破壊を蒙ってきたが、これは内戦による破壊だった。
一方で、欧州列強は世界の大半を極度の野蛮さで征服した。ごく稀な例外はあるけれども、被害を与えた外国に攻撃されたことはない。英国がインドに攻撃されたことはないし、ベルギーがコンゴに攻められたこともなく、エチオピアがイタリアに攻め込んだ話も、アルジェリアがフランス(フランスはアルジェリアを「植民地」と見なしていないが)を攻めた話も聞かない。だから、9月11日のテロに欧州が、すっかりショックを受けたことは、驚くに当たらない。ただし、再度言うが、残念ながら、テロの大きさに衝撃を受けたのではない。
これからいったい何が起きるのか、誰にも見当がつかない。しかし、これが目覚ましく新しい事件であることだけは、一目瞭然である。
「歴史的現在からの視点の大切さ」 とでもいうべき考え方をきちんと理解して、世界を見たいと思ってきました。
目次
第1章 真珠湾と対比するのは誤り
第2章 ブッシュ政権が取るべき方法9.20 9.21
第3章 なぜ、世界貿易センタービルか
第4章 アメリカは「テロ国家の親玉」だ
第5章 ビンラディンの「罠」
第6章 これは「文明の衝突」ではない
第7章 世界に「明日」はあるか
追記
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