PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

紫苑(しをん) @ Re[1]:日々の出来事(11/24) しの〜445さんへ 本当にご無沙汰していま…
しの〜445 @ Re:日々の出来事(11/24) おはようございます。☀ 今日の三重は快晴…
しの〜445 @ Re:カウントダウン1825(10/07) 紫苑さん、こんばんは~☆彡 何気なく、過…
紫苑(しをん) @ Re:ともだち(02/01) ものすごい亀レスでごめんなさい。 美味し…
しの〜445 @ Re:ともだち(02/01) こんにちは~☀ 私もそう思います。 学生…
2004年06月27日
XML
カテゴリ: 紫苑の日常

 少し贅沢な日曜日の午後。
 掃除の後の汗だくを流すために、風呂に入った。
 窓から入る光がなんだか優しい。
 埃だらけの身体をくまなく洗い流すと、今朝からの得たいの知れないいらだたしさが、あぶくと一緒に流れ落ちたのか、嘘のように気持ちが楽になった。
 ぬるめのお湯は、ゆっくりと身体を温めたらしい。じわじわと身体が熱くなって、顔から汗が滴り落ちた。それを潮時に、わたしは湯船を出た。拭っても、ぬぐっても汗は止まらない。 
 火照った身体を鎮めるために、冷蔵庫の中からよく冷えた缶ビールを取り出して、一気に三分の一ほど飲んだ。
 うまい!
 ふーっと大きく息を吐いたとき、わたしは一週間の疲れが飛び、新たに次の週へとリセットされたのを感じた。

 お気に入りのロッキングチェアに身体をあずけて、残りのビールを飲み干した。埃の無い、拭き清められた部屋を見渡し、これがわたしの至福なのだと悦に入った。

 長女はトーイックの試験場へ、次女は友人達とバーベキューしに湘南海岸へと出かけた。いつもなら、置いてけぼり感に打ちひしがれるところであるが、今日はそれが逆に好都合だった。なぜなら、あちこちの部屋の汚れが我慢できなかったからである。
 身支度もしないで、起き抜けの小汚い格好で、わたしはひたすら掃除に精を出した。トイレも風呂場もキッチンもどこもかしこも、ピカピカに磨いた。身体の奥底に澱んだ滓を一掃するようにである。風呂場の目地には、少量の黴がへばりついていたが、歯ブラシでこするとあっけないほどきれいに落ちた。

 一週間に一度、わたしにはこの時間が必要なのである。
 娘達に言わせると、ほとんどわたしは病気らしいが、次の週が快適に過ごせないのだった。
 だからこそ、風呂上りのこのビールが、ことのほかうまいのだ。
 こうして、明日からの一週間を楽しむゆとりのようなものが生まれるのだし、よっし!頑張るぞーって、力が漲るのだ。

 ロッキングチェアを揺らしていると、玄関のチャイムが鳴った。 娘達のご帰還らしい。
 「母さん、また一人で頑張ったんだ。しょうがないねぇ」
 ドアの向こうの笑顔が見える。 







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年06月27日 18時40分51秒
コメント(0) | コメントを書く
[紫苑の日常] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: