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2026/06/21
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~




「はぁ………のみ込みの速さは反則的ね…」

ルミナスはアイナの訓練を終えてため息混じりにそう言う

「それはどうも♪」

ルミナスの表情と言葉から「まずまず」という感触を得たアイナは満面の笑みでそう返した

「あなたを見てるとソーサラーを本業にしてまじめにやってる子たちが不憫に思えてくる…いっその事そのまま入れ替わってこっちをメインでやらない?」

「お言葉は嬉しいのですが…私はセスタスを一生懸命やってるあの子が好きなんでね…お断りします」

「そう…残念……」



「で…私が現段階で教えられる事は以上ね」

「という事は…いよいよデビューですか?」

「そうね…と言いたいのはやまやまなんだけど…そうもいかないのが現状でね」

「ですよねぇ…」

アイナはルミナスが言った「そうもいかない」の理由はだいたい察しがついた

「まず1つは…前にも言った通りこの部隊のマスターは他に2人居る…という事」

「で、もう1つは……スキル…か」

アイナはルミナスが言う前にそう答えてため息をついた

「本来なら駐屯地で正式なソーサラーとして講習を受けスキルポイントを貰いスキルの振り分けをする…しかしあなたはそれをしていない…」

「一時的に借りてるだけですもんね…」

「マスターの私でもスキルを一時的に貸与できるのはせいぜい2時間…もちろん貸与している私から離れてしまえば時間内であってもその効果は消えてしまう……と言って私の一存であなたにスキルポイントを与える事はできない…」



予測していた答えにアイナは苦笑いを浮かべる

「明日の夜…他のマスターと顔を合わせるんだけど……そこであなたの話を出すためには『あなたの全て』を話さなければいけないのね…どうする?」

ルミナスのそんな言葉にアイナはしばらく思案したのち

「少しだけ…時間が欲しいかな…」

そう答えた



ルミナスの言葉にアイナは無言でうなずいた
そしてルミナスと別れたアイナは1人夜の街を自室へと歩く

「いい加減…あの子に話さなきゃいけない…か……」

そんな事をつぶやきながら星空を見上げた
その後…BARの裏手に回ると荷車から積み上げられた酒樽へと飛び移り
大きく深呼吸した後そこからバルコニーへと飛び移る
そして物音を立てないようにバルコニーを移動して窓から自室へと戻る
当初はかなり苦労してバルコニーにかぎ爪のついたロープをひっかけてよじ登っていたのだが
ある日BARを締め出されたミズキがこうやって部屋に戻るのを見かけて真似をするようになった

そして夜が明ける…

アイナが自室を出て店に顔を出すと
夜警明けなのかノヴァと大谷がお茶を飲んでいた

「おはようございます…」

アイナは2人にそう声をかけると
2人から笑顔で返事が返ってきた

「あのぉ…隊長とフネさんは?」

アイナが店内を見回しながらそう尋ねると

「まだ起きてきてませんよ…っていうか……まだ5時ですし今朝はお早いお目覚めですね…」

ノヴァのそんな言葉にアイナは苦笑いを浮かべた

「お2人に何か御用ですかな?」

大谷の質問に

「えっと…ちょっとヴィネルに行きたいかなぁ……と思って」

「ああ…そう言えばチケットを当てたんでしたね」

「ええ…まぁ………」

アイナは申し訳なさそうに指で鼻の頭をかきながら小声で返事をした

「交換だけならこの前のように時間はかからないと思うけど…せっかくだったらお休みを貰ってゆっくり遊んできたら?」

ノヴァが笑顔でそう進言してきたが
アイナは思いっきり首を横に振った

「必ず開店までには戻ります!」

「私、今夜は夜警ないしOK出ると思うけどなぁ…」

「でも……」

「とりあえず座りましょう…今お茶を入れますので」

ノヴァは言うが早いか新しいお茶を用意しにカウンターへと向かい
アイナはそんなノヴァに頭を下げてテーブルに着いた
夜警の事や今日行こうとしているヴィネルの話などをしているうちに時間が過ぎ

「おはよう…2人ともご苦労様……」

あくび混じりにそう言いながらフネが起きてきた
そしてテーブルにアイナが座ってるのを見て目を見開いた

「ど、どうしたのアイナちゃん……」

「あ…いえ、ちょっと早く起きちゃって……」

「じゃあ…すぐ朝食の支度するね…と言っても昨日の残りだけど…」

フネはそう言って苦笑いを浮かべる
朝食の匂いを嗅ぎ付けたのかフネが用意を始めるとすぐにドタバタと慌ただしい物音を立ててミズキが起きてくる
その音で起きてしまったのか…それを追うように不機嫌そうな表情のリアが現れ朝食が始まる
朝食だというのに賑やかで壮絶なのはいつもの事…獲物を狙う猛獣のような目つきで肉をミズキとリアが奪い合い大きい肉をとったの取らないのという口論が始まる
そんな2人を見たフネはため息をつきながら遠慮しているアイナの皿に肉をとってあげる
大谷とノヴァは無言だがかなりのペースで箸を進めているので案外と奪い合っている2人よりも肉を取っていたりもする
そして恒例ともいえるのが最後に残った肉の奪い合いである…リアとミズキがフォークを突き立てて睨み合っていると何も言わずに大谷が2人が突き刺しているフォークの際にナイフを入れてごっそりと肉を自分の皿へと移す
その行為に2人は呆然とし他の者は笑い転げる…大谷はというと2人の狙いが自分の取った肉に来る前にと一気に口に運ぶ
正気に戻った2人がすでに肉が食べられてしまったことに腹を立てて何食わぬ顔で肉を咀嚼している大谷に暴言で攻撃を始める
2人の意識が残った肉から離れているすきにフネがナイフで3つに切り分けアイナとノヴァ…そして自分の皿へと移し「しーーーー」と口元に指を当ててウインクをする
大谷が満足気に肉を飲み込むのを見た2人は一瞬睨み合いそこにあるはずの最後の肉を奪い取るべく視線を皿に移す…
が、あるはずの肉がない…この現実にリアは頭をかきむしって悔しがりミズキは恨めしそうにフネを見つめた
一見しこりを残しかねないような殺伐とした食事ではあるが…そこはまるでスポーツのように「ごちそう様」と同時にノーサイドとなる
その後…後片付けを済ませたのち…いつものように雑談をしながらのお茶となる
アイナはヴィネル行の話をどのタイミングで切り出そうか躊躇していた…その時

「そうだ!アイナちゃんチケットの交換ってまだよね?」

アイナの心情を察したかのようにフネがそう聞いてきた

「あ、はい…」

「ノヴァちゃん…今日夜警は?」

「私は今夜はないのでお店に入れます」

「うん…じゃあお願いしてもいい?」

「はい」

フネはノヴァとそんな話を進めたのち

「という事で…アイナちゃんは今日はオフ…で、ちょっと酒類の仕入れとかもあるんで一緒にヴィネルに行って欲しいんだけど…予定は?」

「あの…実はヴィネルに行くのをお願いしようと思ってたところで…」

「そうなんだ…ちょうど良かった♪」

これでアイナの願いは叶いヴィネルに行けることにはなったのだが……

「ちょっと待ったぁぁぁぁ!」

と、大声でミズキが水を差した

「結論は変わらないと思うけど…いちおう話は聞いてあげる」

フネがお茶を飲みながらミズキにそう言った

「仕入れはいつも私が行っていたし…アイナちゃんとは一緒に下着を選びに…いや、私が選んであげるって約束してあるの!」

ミズキはそう叫んでテーブルをバンバンと叩いてフネに訴えた

「結論は変わりません…理由は言わなくてもわかると思うけど?」

「わ・か・り・ま・せ・ん!」

ミズキは即答でフネに異論の言葉を投げかけた

「まず『仕入れ』について…毎回過剰な在庫を無駄に行うのでしばらくは仕入れ担当から外します…で、アイナちゃんとの約束の件ですが………した覚えは?」

フネはそう言ってアイナに質問をしてきた
アイナはチラッとミズキの方を見る…
ミズキは今にも泣きそうな目で同意を求めてきていた

「えっと……お洗濯の時にそう言われたんだけど…」

「ああ…あの時の事ね……確かにそう言ってたわねぇ…」

「でしょでしょ!」

「でも…あの時たしかアイナちゃん同意の返事はしていなかったはず……よね?」

フネはまたもアイナに回答を求めてくる

「えっと…………かなぁ…?」

アイナはひきつった笑顔で首をかしげる

「した!しました!確かにあの時約束しました!」

ミズキはそう言ってフネに自分の正当性を訴える

「ミズキさん…嘘はいけないわ…嘘は……だってあの時…アイナちゃんが答える前に私があなたを絞め落としたもの…」

フネは恐ろしい笑顔でミズキにそう答えた
その笑顔はやり取りを傍観していた他のメンバーを瞬時に凍らせるほど恐ろしいものだった

「という事で…出かける準備をしてね♪」

フネはアイナにそう言うと準備のために自室へと戻って行った
アイナは半泣きで立ち尽くすミズキに目を合わさないようにうつむいて自室に向かった



…『To Be Continued♪』





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Last updated  2026/06/21 09:25:10 PM
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