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2026/06/24
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『PHANTASY STAR ONLINE 2』
- NEW GENESIS -
~ 名もなきチームの物語 ~



「で?…私はどう動けばいいわけ?」


ルナがアイラにそう尋ねると

彼女は小首をかしげると腕組みをして考え始める


(「え?…まさかの無策?」)


それを見たルナはため息とともにうなだれた

アイラはしばし悩んだ末


「姐さんは…そうね『お弁当』を作って北リテムの岩場上辺りを気軽にハイキング♪…で、どう?」


と、ニコリとほほ笑んで提案してきた

ルナは耳を疑い…


「え?」


と聞き返した


「だから…お弁当をもって適当に散策する…感じで」


アイラのそんな言葉の意図も意味も全く理解できずルナは無言で彼女を見返した


「まぁ…初日だしね…そんな感じでいいかと」


アイラはそう言ってほほ笑む


「泳がして背後関係を洗い出そうとしてるのは理解してるけど…『保護』を最優先に考えたらもう少し…」


ルナがそう言い返し始めると…その言葉を遮り


「まぁ…『保護』って観点で言ったら…たぶん『彼女にその必要はない』…わけよ」


ルナはアイラの言ってる事が全く理解できず


「どういう事?」


「ぶちゃけ…姐さんが動いたら、おそらく簡単に『事』が終わっちゃうと思うから…『探す』というより
『歩き回って引っ張りまわす』くらいがちょうどいいのよ…OK?」


(「ぜんぜんOK…じゃないし……意味不明すぎ…」)


ルナはうつむいて大きなため息をついたのち上目使いで視線だけアイラに向け


「まさかとは思うけど…それも『女の勘』ってやつ?」


「イエス♪」


アイラはそう言って屈託のない笑顔を浮かべる

ルナは手を顔に当ててため息をついた


そして、翌日早朝…ルナは北リテムのトリニテスを眼下に見下ろす高台にいた


「姐さん準備はOKですかぁ~?」


アイラの能天気なテンションの通信にため息をつき


「はいはい…OK、OK…」


と…おざなりに返答した


「お弁当はちゃんと用意しましたかぁ~?」


「はいはい…そっちもちゃんと用意しましたよ……はぁ…」


意味不明なアイラの質問に返答し大きなため息をついた


「何が入ってるのぉ~?唐揚げは?卵焼きは?」


「両方入ってるわよ…って、これはなんの確認なわけ?」


「うーん……ひ・み・つ♪」


もはや理解不能なやり取りと「ひ・み・つ♪」という回答に思わず拳を握り締めわなわなと震わせた

とりあえず…気持ちを切り替えるべく深呼吸をしたのち


「…で、そっちは大丈夫なの?」


と聞き返した


「うん…種は巻き終わってるんで…あとは怪しい奴を端から全部マーキングするだけ♪」


アイラ側の作戦概要は聞かされていないため返答が意味するところは解りかねたが


「よくわからないけど…協力してるんだからがんばってよね…」


釘を刺す意味も込めてちょっときつめな口調でそう告げる


「あいさぁ~♪」


しかし…返答は軽かった


「…ところで…姐さん…」


「今度は何?」


また意味不明な質問が来るのでは?…と思いぶっきらぼうにそう聞き返す


「今…端末を開いて周辺索敵してみて…」


今までとは違う真面目な口ぶりに戸惑いつつルナは端末を開き…目を疑う

それもそのはず…現在の北リテムに居るアークスの人数が「30人」となっていたのだ…

ルナとアイラの2名を引いたとして…28人のアークスがこんな朝早くからこのエリアに居る…

真昼間だとしても果たしてこんな人数が動くことはほぼない…


「え?…これは…どういう事?…今日はここで何かあるの?」


ルナがそう聞くと


「ね♪…楽しい1日になりそうでしょ?」


と…いつもの能天気なテンションの返答にルナはため息をつくほかなかった…

そしてルナは行動を開始する…予定通り野菜や果物…鉱石などギャザリングをしつつひたすら歩き回る

常に何らかの気配は感じてはいたが「作戦」なのでできる限り気にしないようにしつつ

時おり…端末を開く…時間を追うごとに「46人」「65人」「73人」と周辺のアークスの人数は増え続け

そろそろお昼時…ルナは休めそうな木陰に入り、また端末を開く…

表示は「98人」に達していた…ルナはため息をついて端末を閉じると

何事もなかったかのようにその場に座りアイテムパックから弁当を取り出す


「私…何やってんだろ…」


ルナはため息交じりにそんな事を呟きながら取り出した弁当のふたを開く

いくら「そういう作戦」だったとはいえ…

ここまで何もせずただ歩き回っていただけなのが心のどこかで引っかかっている


「はぁぁ~…」


もう一度大きくため息をつき…箸で弁当箱の卵焼きをつまもうとした時…

背後に今までにないハッキリとした気配を感じ慌てて振り返る

すると…すぐ真後ろにボロボロのケープを羽織りフードを深々と被った何者かが立っていた


(「い、いつの間に背後を?…全く気が付かなかった…」)


ルナは弁当を手に持ったまま慌てて身構え相手をもう一度よく確認する

顔はフードを深くかぶっていて認識できない

羽織っているケープはボロボロでかなり汚れている

ケープの裾からは生足が見えていて…素足

ただ…相手から殺気や敵意のようなものは微塵も感じられない…


(「?????」)


この時…ルナは「ある違和感」を感じていた…

フードに隠れ顔ははっきり見えないのだが…視線を感じないのだった


(「確かに顔はこっちを向いている…だけど視線を感じないのはなぜ?」)


まさか…と思い、ルナは相手から視線を外さないようにしつつ…手に持っていた弁当を地面にそっと置くと数歩横に移動する…

相手は微動だにしなかった…今度はもう一度弁当を手に取り数歩横に移動する

相手はその場を動かないものの…確実に顔はルナを捕らえていた

今度はゆっくりと弁当を頭上に持ち上げる…確実に顔はそれに合わせて動いた


(「目的は…お弁当?」)


ルナは一瞬思案したのち…


「おなかすいてるの?」


と…声をかけてみた…相手はコクリと大きくうなずいた

それを見てルナは大きくため息をつく

それは…お弁当をあげるのが嫌…とかではなく

アイラが「弁当を用意しろ」と言った意味と現状がつながったからだ


「顔を見せて…何もしないから」


ルナはそう言いながらフードをめくるジェスチャーをする

相手は素直にフードをめくりあげて外した

ピンと立ったケモノ耳…ぼさぼさの背中まである銀色の髪…よく見るとケープの中でゆっくりと揺れ動くシッポ…

まさしく執務室で見た捜索対象である


「まじかぁ…」


ルナはそうつぶやき…もう一度ため息をつき…ゆっくりと彼女に近づく

彼女はというとルナが近づくにつれシッポを大きく振る事はあれ逃げ出す素振はない

そうして…元居た位置まで戻ったルナはさっきまで座ってた岩に座ると彼女に隣の岩に座るよう手招きする

彼女は警戒すらせず隣の岩に座る…それを確認したルナは弁当箱を彼女に差し出す

彼女はジーっと弁当箱のおかずを見つめ何を食べようか選んでいる…

そして獲物が決まったのかそれを取ろうと手を上げた時…その手がとてつもなく汚い事にルナは気づき慌ててその手を止める


「ダメ!まずは手を洗いなさい!」


ルナがそう言って弁当箱を下げる…彼女はというと口を半開きにして下げられた弁当箱をじっと見つめている


「確か…すぐ近くに川があったからそこに行って洗ってからね」


そう彼女に言った…すると彼女は目を閉じ口を大きく開けて顔をルナに近づける

つまり…手を使わなければ食べれる…そう思ったのだろう…


「そうきましたか…」


ルナはため息をついた…








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Last updated  2026/06/24 10:09:26 PM
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